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スカイ・イクリプス (中公文庫 も 25-8) 文庫 – 2009/2/25
- 本の長さ277ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2009/2/25
- ISBN-104122051177
- ISBN-13978-4122051171
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2009/2/25)
- 発売日 : 2009/2/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 277ページ
- ISBN-10 : 4122051177
- ISBN-13 : 978-4122051171
- Amazon 売れ筋ランキング: - 416,347位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1957年愛知県生まれ。工学博士。
某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φ(ファイ)は壊れたね』から始まるGシリーズ、『イナイ×イナイ』からのXシリーズがある。
ほかに『女王の百年密室』(幻冬舎文庫・新潮文庫)、映画化されて話題になった『スカイ・クロラ』(中公文庫)、『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)などの小説のほか、『森博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)、『森博嗣の半熟セミナ博士、質問があります!』(講談社)などのエッセィ、ささきすばる氏との絵本『悪戯王子と猫の物語』(講談社文庫)、庭園鉄道敷設レポート『ミニチュア庭園鉄道』1~3(中公新書ラクレ)、『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書)など新書の著作も多数ある。
ホームページ「森博嗣の浮遊工作室」(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/)
●これから出る本→予定表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/timetable.html)
●作者による作品の紹介(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/myst_index.html)
●出版された本の一覧→出版年表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/nenpyo.html)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
ネット上にはいろいろ考察が上がっているが、自分なりの解釈を。
以下ネタバレ注意。
<時系列/一人称は誰か>
① ナ・バ・テア(僕=クサナギ)
② ダウン・ツ・ヘブン(僕=クサナギ)
③ フラッタ・リンツ・フライ(僕=クリタ)
④ クレィドゥ・ザ・スカイ(僕=クサナギベースにカンナミが混ざる)
⑤ スカイ・クロラ(僕=カンナミ)
⑥ スカイ・イクリプス
<クサナギ/カンナミの人格>
・クサナギ=カンナミ。カンナミはクサナギの中に生まれた別人格。
・カンナミはキルドレの特性を背景に、少しずつクサナギの中に生まれ始めていた(ダウン・ツ・ヘブン)。
・カンナミの人格がクサナギの中で大きく占めていった(クレイドゥ・ザ・スカイ)。
・クサナギがクリタを殺害したことにより、カンナミの人格がクサナギの中で確立した(クレィドウ・エピローグ)。
・カンナミの人格が主人格のクサナギを抹消。カンナミが主人格となる(スカイ・クロラ)。
・治療を経てカンナミは消え(灰になり)、クサナギだけの人格に戻る(スカイ・イクリプス/スカイ・アッシュ)。
・二重人格の間、クサナギは自分の中の別人格であるカンナミを認識している。
・二重人格の間、カンナミは元々の主人格であるクサナギを認識していない。
<周りの対応>
・スカイ・クロラでは、ササクラとトキノは、クサナギが二重人格であることを知らされており、ある程度使い分けて対応している。(お抱え整備士と同室のパイロットという立場から、事前に通達があったと推測)
・基地の他の人々は、クサナギ二重人格説は噂で聞いた程度である。そのため基本カンナミの存在は認識しておらず、クサナギとして接している。(カンナミ自身は、カンナミの時にクサナギと呼ばれても、脳内でカンナミに自動変換しているため齟齬は生まれない)
・基地の外の人(フーコたち)は、クサナギが二重人格であることを知らない/気づいていない。
<全体の解釈>
記憶があいまいになる、名前が覚えられない、時間経過の認識が甘いといったキルドレの特性も加わり、スカイ・クロラで書かれている全ての事柄が実際に起きたこととは限らない、というのが大前提にあるかと思われる。更に言うと、自分が感じていること、思っていることの全てを他者に伝えることは不可能であるため、書かれていることの全てが客観的事実と一致するとは限らない。(と、ここまで言うと小説とはいったい…という話にもなってしまうが、森氏はそういう考え方がベースにあると、一ファンの自分は考えている)
つまり「一人の人間の中で人格が入れ替わること」と「実際に起きたかどうか不確かなこと」が同時に描かれているので、一見つじつまが合わないような箇所が出てきている。
森博嗣の作品では、“多重(二重)人格者の世界”が多く描かれている。本編も例外ではなかったと思われる。むしろ一人の人間に複数の人格が宿る背景や経過を表現するために、このスカイ・クロラシリーズを書いたのではないかとすら思える。
ダウン・ツ・ヘブンで、クサナギがササクラにハイタッチをした瞬間、クサナギはヘブン(大人の世界)へ、ダウンした(落ちた)。つまりここから、クサナギは精神的な面で大人になることを選んだことになる。そこからクサナギの中で、子供(=キルドレ)であり続けることの整合性が取れなくなり、カンナミという子供のままの別人格が、大人のクサナギの中に生まれた。
何故カンナミが男性だったかというと、クサナギが妊娠・出産という子供にとっては不必要な経験をしたことが背景にある。男の子のカンナミは、“子供”というモチーフに最適であった。……と、推測。
スカイ・クロラシリーズは、森博嗣作品の中で一番好きな作品です。何回も読み込み、ネットの考察も読みあさり、この解釈にいたりしました。読者のモヤモヤが晴れるきっかけのひとつになれば幸い!
個人的な感想としてはファンブックの様に感じました。
つまり、これまでのシリーズを読んでいる人間に対して書かれているのだと思いました。
逆に、過去のシリーズを読んでいない人には
ほとんど意味が分からないのではないかと思います。
特にファン向けと思われるのは、本編シリーズにおける主要メンバー以外の人物の
日常の切れ端の様なエピソードが幾つか取り上げられている事です。
誰のエピソードがあるのかはあえて細かく書きませんが、一つだけ、カンナミの話は、スカイ・クロラでほんの少し
触れただけの話題を掘り下げる内容になっています。スカイ・クロラを読んだ人なら
ああ、あの話か、とすぐ分かると思います。
ファン向けと書きましたが、例えば本編シリーズにおける謎や核心に迫る秘密、と言った事が
具体的に記述されているわけではありません。せいぜい、クリタ君に関わる一つの事実がハッキリ分かるぐらいです。
本編シリーズの中で、読者が一番気になるのは、主人公が一体"誰"なのか?と言う事だと思いますが
このスカイ・イクリプスを読んでも、それがハッキリ分かるわけではありません。
ただ、それでも自分の中では何となく納得が出来た様な気がします。
手品のタネを特定する事は出来ないが、何をどうしたのかは大体分かったと言う感じです。
それと今更ながら、スカイ・クロラ冒頭でカンナミが見ていた夢の意味が分かった様な気がします。
気がする、と言うのは確証が無いと言う意味ですが、
本編シリーズに散りばめられていたヒントのピースの
組み立て方が、このスカイ・イクリプスを読んだ事で理解出来たと言う感じです。
これまでのシリーズを通して読んで来られた人は、是非これも合わせて読んで欲しいです。
今まで全くシリーズを読んだ事が無い、と言う人は、まず先に本編シリーズを読んでからの方が良いでしょう。
ただし、後々ノベルス版も出るので、これまでのシリーズをノベルス版で揃えている人は
そちらを待った方が良いかも知れません。半年後なので間が持たないかも知れませんけどね^^
「感じがした」というのは、本書は明確な解説やネタばらしではないので、あくまで自分で何通りか考えた仮説を補ってくれたという意味です。
「全然解らない!」という方は、本編での細かい描写(空戦での癖やテクニック、個人の嗜好など)を見逃さず、
登場人物の相関関係やプロフィールをきっちり作って行けば、気付くことが多くあると思います。
それでも、明確に答えが書かれていない以上、読み手の想像の域を出る答え合わせは出来ませんが、
そんなことよりも結末が自分好みの方向でスッキリ完結した事に感動しています。
そして、このシリーズに出会えて本当に良かったと思います。
そうすると本編の各巻それぞれの小さなエピソードが、クサナギのどっち側で起こっていることか線引できる。(気がする)
この本が出たあとでの、私の一番の謎は(謎のままでいいのですが)、カンナミが初めて出現したときにクサナギに語った彼の見る夢。
なぜ、この時点でこの夢を見ることができる?
やっぱり、このスカイ・イクリプスの最後の2行で良いなと思う。
良かったです。しかし抽象的な表現がたくさんありすぎて、ついていけないこともちらほらありました。私としては、スカイ・クロラシリーズのしっくりこないことを全部解決してくれるのかな?と期待していましたが、分からないことはやっぱり分からないままで、余計分からないことも増えて、考えても「可能性」がありすぎて・・・・うーーん。となっていました。
しかし、それがこのシリーズのいいところ。だから、このような展開の話であっても、特に不満はありませんでした。 ただ、もうちょっとしっくりした形が良かったかなって思ったり・・・・思わなかったり・・・。
好きな作者さんという事もありますが、一度はアクロバット飛行のレシプロに乗ってみたいと思うはずです。
カバーの左下にくっついてくる
「スカイクロラ 全国ロードショー」みたいな宣伝が邪魔で不愉快です。
このシリーズのハードカバーの装丁は非常に綺麗で、
本の中身と外観とどちらからも潔癖な感性が感じられます。
それゆえ本棚にあるこのシリーズを見るだけで、
「綺麗なものだけ見ていたい」そういう感情を抱かずにはいられないものでした。
しかし最近付き始めた、その綺麗な空の中にあまりに無粋に浮かぶ宣伝文句。
空の中にまで「重い汚れ」が入ってきたみたいで非常な嫌悪感を感じてなりません。
なんでこういうことをするのかな
そして「スカイ・クロラ」のラストに対する
何とはない、やり場のない想いにも、依然として困っている。
私はそんな日々を送っていたのですが
この本によって、いくつかのわだかまりが、ほぐれていきました。
「クレイドゥ・ザ・スカイ」の謎の大半が
おそらくこの本によって、解けます。
逆に、これを読んでから、「クレイドゥ〜」に戻りますと
そのトリックの鮮やかさに、息を飲むばかりです。
「さすがにこのシーンのこいつがアイツだとは思わなかったよ!」という
箇所がポンポン出てきました。
そして、ただ謎が解けるばかりでなく
シリーズ全体を通し、読者の抱いた、いくつかのやるせない想いに対し
森氏が「それはここに置いたらどうだろう」と言ってくれるような
そんな作品群です。
初めて、語り手には、三人称が使われます。
あぁ、ついに最後の一冊なのか。
そう思うと、少し高かったけど、最後この綺麗な表紙の本にして良かった。
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