結構 綺麗でよかったです 他は持っていたのですが1巻がなくて読み始められなく探していました。
陳舜臣さんが亡くなったのが残念でしたね ご冥福をお祈りします
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秘本三国志 1 (中公文庫 ち 3-46) 文庫 – 2009/3/1
陳 舜臣
(著)
- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2009/3/1
- ISBN-104122051320
- ISBN-13978-4122051324
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2009/3/1)
- 発売日 : 2009/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 301ページ
- ISBN-10 : 4122051320
- ISBN-13 : 978-4122051324
- Amazon 売れ筋ランキング: - 312,698位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,313位中公文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1924(大正13)年、神戸に生まれる。大阪外語大学印度語部卒業。同校西南亜細亜語研究所助手を勤めるが終戦によって辞職し、家業の貿易に従事。 1961年、『枯草の根』により江戸川乱歩賞を受賞し作家生活に入る。69年、『青玉獅子香炉』により直木賞、70年、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』に より日本推理作家協会賞、71年、『実録アヘン戦争』により毎日出版文化賞、76年、『敦煌の旅』により大佛次郎賞、89年、『茶事遍路』により読売文学 賞(随筆・紀行賞)、92年、『諸葛孔明』により吉川英治文学賞、93年、朝日賞、さらに95年、「作家としての業績」により日本芸術院賞をそれぞれ受賞 する。日本芸術院会員(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『秘本三国志(六) 』(ISBN-10:4122052157)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月24日に日本でレビュー済み
原典を調査したうえで新たな解釈のもとに構築されたユニークな三国志演義ものの小説。
一般的な三国志演義をもとにフィクションにある「蜀」を中心とした三国志観を退け、主に「魏」の曹操に光を当ててその業績と能力を肯定的に評価した作品。物語は主に、五斗米道の教祖に拾われた陳潜という架空の人物の視点から描かれるが、後半に進むと陳潜ら五斗米道を中心とした物語の体裁は崩れていく。
本作の見どころのひとつはほかの作品では英雄として扱われる蜀の義兄弟三人の描かれ方にある。普通なら漢の末裔である劉備を立てて世の腐敗に憤りを感じて桃園の誓いを交わすくだりが読み手を引き込む三人の出会いも、本作での彼らの関心はあくまで動乱の時代をいかに利用して成り上がり一旗揚げるかにかかっており、漢の末裔の看板もその真偽は疑わしく、彼らをあくまで戦乱をむしろ好機と喜ぶヤクザものの集まりと捉えている。
張飛に関してはもともと腕は立つが乱暴もので短慮な性格であるとされている点に変わりはないが、終盤ではその暴力性についてはよりクローズアップされていて味方の気に入らない部下を惨殺して楽しむ極端なサディストとして表される。英雄であり序盤は劉備を助ける参謀としての役目を果たすはずの関羽も、本書では張飛に負けず劣らずの乱暴者であり、その性格は良く言えば剛直だが、悪く言えば柔軟な思考力に欠けており、人の心の機微を理解しないものであり、彼ら二人のありようは劉備をたびたび悩ませている。唯一、二人と違って他の作品よりある意味では高く評価されているのが劉備。一般的には義に厚く正義を重んじ信義を曲げない姿が多くの部下を惹きつけつつも、やや受け身な人物として、その能力が脚光を浴びる機会はなかったが、本作では前述の通り行動の基準はあくまで打算的なものである一方、単細胞のヤクザ集団にあって孔明と出会うまでは彼一人の才覚で情勢を判断しつつ組織を切り盛りする劉備の姿が描かれる。
終盤には物語としての勢いが失われる感もあるが、蜀中心の三国志フィクションに懐疑的な方にはとくに一読をお薦めしたい、埋もれさせるには惜しい作品。蜀の三人がチンピラだったとする説は現実的な見方だと考えています。
一般的な三国志演義をもとにフィクションにある「蜀」を中心とした三国志観を退け、主に「魏」の曹操に光を当ててその業績と能力を肯定的に評価した作品。物語は主に、五斗米道の教祖に拾われた陳潜という架空の人物の視点から描かれるが、後半に進むと陳潜ら五斗米道を中心とした物語の体裁は崩れていく。
本作の見どころのひとつはほかの作品では英雄として扱われる蜀の義兄弟三人の描かれ方にある。普通なら漢の末裔である劉備を立てて世の腐敗に憤りを感じて桃園の誓いを交わすくだりが読み手を引き込む三人の出会いも、本作での彼らの関心はあくまで動乱の時代をいかに利用して成り上がり一旗揚げるかにかかっており、漢の末裔の看板もその真偽は疑わしく、彼らをあくまで戦乱をむしろ好機と喜ぶヤクザものの集まりと捉えている。
張飛に関してはもともと腕は立つが乱暴もので短慮な性格であるとされている点に変わりはないが、終盤ではその暴力性についてはよりクローズアップされていて味方の気に入らない部下を惨殺して楽しむ極端なサディストとして表される。英雄であり序盤は劉備を助ける参謀としての役目を果たすはずの関羽も、本書では張飛に負けず劣らずの乱暴者であり、その性格は良く言えば剛直だが、悪く言えば柔軟な思考力に欠けており、人の心の機微を理解しないものであり、彼ら二人のありようは劉備をたびたび悩ませている。唯一、二人と違って他の作品よりある意味では高く評価されているのが劉備。一般的には義に厚く正義を重んじ信義を曲げない姿が多くの部下を惹きつけつつも、やや受け身な人物として、その能力が脚光を浴びる機会はなかったが、本作では前述の通り行動の基準はあくまで打算的なものである一方、単細胞のヤクザ集団にあって孔明と出会うまでは彼一人の才覚で情勢を判断しつつ組織を切り盛りする劉備の姿が描かれる。
終盤には物語としての勢いが失われる感もあるが、蜀中心の三国志フィクションに懐疑的な方にはとくに一読をお薦めしたい、埋もれさせるには惜しい作品。蜀の三人がチンピラだったとする説は現実的な見方だと考えています。
2007年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三国志は吉川英治氏の小説くらいしか読んだことがなかったのですが、
いつも「人ってこんな善人じゃないでしょ?」と違和感を感じていました。
いかにもお話の中の登場人物というか、できすぎというか・・・(小説なんで当たり前なんですが)
ところが! この陳 舜臣氏の作品は違いました。
目立つところでは、三国志演義をはじめ、ほとんどの作品で究極の善人的性格で描かれていた劉備が花嫁強盗とかしてますw
他にも、西域から渡来した仏教信者たちが、権力者の庇護を得るために美人を妾として献上しようとしたり(イロイロ事情があって結局未遂で終わりますが)
うまく言えませんが、他の三国志作品を読んだときに感じた違和感は一気に払拭されました。
「三国志の登場人物は、ほとんど儒教好みに善人か悪人の両極端にディフォルメされてるけど、実際はこんなもんだったんじゃない?」
そう思わせる、生身の人間たちのお話です。
特に劉備に関しては、こちらの作品の性格のほうが、個人的にはよっぽど好感が持てましたw
いつも「人ってこんな善人じゃないでしょ?」と違和感を感じていました。
いかにもお話の中の登場人物というか、できすぎというか・・・(小説なんで当たり前なんですが)
ところが! この陳 舜臣氏の作品は違いました。
目立つところでは、三国志演義をはじめ、ほとんどの作品で究極の善人的性格で描かれていた劉備が花嫁強盗とかしてますw
他にも、西域から渡来した仏教信者たちが、権力者の庇護を得るために美人を妾として献上しようとしたり(イロイロ事情があって結局未遂で終わりますが)
うまく言えませんが、他の三国志作品を読んだときに感じた違和感は一気に払拭されました。
「三国志の登場人物は、ほとんど儒教好みに善人か悪人の両極端にディフォルメされてるけど、実際はこんなもんだったんじゃない?」
そう思わせる、生身の人間たちのお話です。
特に劉備に関しては、こちらの作品の性格のほうが、個人的にはよっぽど好感が持てましたw
2005年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
羅漢中も草葉の陰でおどろいていることだろう。
最低でも吉川英治版の三国志を読み、それが羅漢中の原作とは異なっていることを認識している人が読む本である。
私の知人でこの三国志が一番薄いから(^^;)という理由で最初にこの本を読んだ人がいる。
結局長続きせずに途中で投げ出してしまったそうである。
三国志というものをまったく知らない人は読んではいけない本である。
逆に三国志を知っている人が読むのなら、斬新な視点に驚かされることだろう。
最低でも吉川英治版の三国志を読み、それが羅漢中の原作とは異なっていることを認識している人が読む本である。
私の知人でこの三国志が一番薄いから(^^;)という理由で最初にこの本を読んだ人がいる。
結局長続きせずに途中で投げ出してしまったそうである。
三国志というものをまったく知らない人は読んではいけない本である。
逆に三国志を知っている人が読むのなら、斬新な視点に驚かされることだろう。
2004年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一般に三国志といっても実は「これが三国志だ!」といったもの
は存在しない。世に最も三国志として知られているものは
講談師達が語りついできた所謂三国志演義と陳寿の記した正史三国志
の二つがある(もちろんこの他にもたくさんの三国志がある)。
通常日本で三国志というと前者を指し劉備は善玉として描かれているが、本書ではそのような立場を排し一流の作家である陳氏が歴史的
資料(上記二冊の他にもある多くの資料)から三国志を起こしている
ため陳史観とでもいうべき三国志となっている。
個人的にはその内容もさることならが章末の「作者曰く・・・」に記される陳氏の歴史的資料に基づく鋭い推察が小説以上に楽しめた。
以上よりある程度三国志の内容を知っていることを前提としないと
読むのがつらいかもしれないが中級三国志としては非常に完成度が
高く三国志ファンには必読の書と言えよう。
は存在しない。世に最も三国志として知られているものは
講談師達が語りついできた所謂三国志演義と陳寿の記した正史三国志
の二つがある(もちろんこの他にもたくさんの三国志がある)。
通常日本で三国志というと前者を指し劉備は善玉として描かれているが、本書ではそのような立場を排し一流の作家である陳氏が歴史的
資料(上記二冊の他にもある多くの資料)から三国志を起こしている
ため陳史観とでもいうべき三国志となっている。
個人的にはその内容もさることならが章末の「作者曰く・・・」に記される陳氏の歴史的資料に基づく鋭い推察が小説以上に楽しめた。
以上よりある程度三国志の内容を知っていることを前提としないと
読むのがつらいかもしれないが中級三国志としては非常に完成度が
高く三国志ファンには必読の書と言えよう。
2011年1月19日に日本でレビュー済み
本作のスタイルは一貫していて、「史書に書かれた部分」と「史書に書かれていない、作者が創作した部分」で構成されています。
「史書に書かれた部分」では実際に史書に書かれた内容に忠実に従っている印象です。逆に言えば史書に書かれた内容そのものの真偽に関してはあまり触れていません。このため、本作の登場人物の一般的なキャラクター付けは、陳寿が正史三国志で描いた物に近いです。曹操は正史同様、というよりそれ以上に優れた人物として書かれ、逆に後漢末に曹操と対立して消えていった袁紹・袁術・劉表などは正史通りの欠点を持つ人物として書かれています。この時代の群雄に思い入れのある方には面白くないかもしれません。
例外として、ストーリーの大きな要素となる五斗米道・仏教などの宗教関係者、史書でも評価されない異民族などは意図的に評価しています。また、三国志演義で主役を張り、曹操と対比させて書かれる劉備は梟雄としてのキャラクターを強調して描かれています。
「史書に書かれていない、作者が創作した部分」は、推理小説家でもある陳舜臣氏ならではのロジカルな構成になっています。史書の隙間にパズルのピースをはめるような書き方、というのが適しているかもしれません。歴史学者が考えるような現実的な内容というよりも、小説的な面白さを重視した虚構と言えます。そのため予定調和と言えるような場面が多いのが特徴です。
非現実的とも思える展開もありますが、演義とは違った三国志小説としての面白さを持つ作品だと思います。宗教関係者や異民族にスポットを当てているのはこの作品が書かれた年代を考えれば特に斬新で、三国志の違った視点での楽しみ方を教えてくれる作品です。正史三国志を読んだことがない人には、正史に興味を持つきっかけにもなると思います。
「史書に書かれた部分」では実際に史書に書かれた内容に忠実に従っている印象です。逆に言えば史書に書かれた内容そのものの真偽に関してはあまり触れていません。このため、本作の登場人物の一般的なキャラクター付けは、陳寿が正史三国志で描いた物に近いです。曹操は正史同様、というよりそれ以上に優れた人物として書かれ、逆に後漢末に曹操と対立して消えていった袁紹・袁術・劉表などは正史通りの欠点を持つ人物として書かれています。この時代の群雄に思い入れのある方には面白くないかもしれません。
例外として、ストーリーの大きな要素となる五斗米道・仏教などの宗教関係者、史書でも評価されない異民族などは意図的に評価しています。また、三国志演義で主役を張り、曹操と対比させて書かれる劉備は梟雄としてのキャラクターを強調して描かれています。
「史書に書かれていない、作者が創作した部分」は、推理小説家でもある陳舜臣氏ならではのロジカルな構成になっています。史書の隙間にパズルのピースをはめるような書き方、というのが適しているかもしれません。歴史学者が考えるような現実的な内容というよりも、小説的な面白さを重視した虚構と言えます。そのため予定調和と言えるような場面が多いのが特徴です。
非現実的とも思える展開もありますが、演義とは違った三国志小説としての面白さを持つ作品だと思います。宗教関係者や異民族にスポットを当てているのはこの作品が書かれた年代を考えれば特に斬新で、三国志の違った視点での楽しみ方を教えてくれる作品です。正史三国志を読んだことがない人には、正史に興味を持つきっかけにもなると思います。
2009年5月11日に日本でレビュー済み
15年以上前に本書に出会い、何度か読み返しているが、決して色あせない面白さがある。
最近は赤壁の戦いが映画化されるなど、再び三国志ブームとなっているが、本書を読んで
いると他の著者の史書やその時代背景の読みこみの浅さばかりが目立ってしまう。
三国志の正史や後漢書、その他の史書を著者は理解し、換骨奪胎して本書を作り上げている。
だが、決して堅苦しいものではなく、たぶんに創作的な部分もある。
第一巻では、当時の中国仏教の総本山、白馬寺と道教である五斗米道という宗教を一つの
きっかけとして物語が展開していく。
三国志の世界の序章に過ぎないが、著者の鋭い洞察とともに展開していく物語は三国志の
世界に読者を惹きつけて止まない。
最近は赤壁の戦いが映画化されるなど、再び三国志ブームとなっているが、本書を読んで
いると他の著者の史書やその時代背景の読みこみの浅さばかりが目立ってしまう。
三国志の正史や後漢書、その他の史書を著者は理解し、換骨奪胎して本書を作り上げている。
だが、決して堅苦しいものではなく、たぶんに創作的な部分もある。
第一巻では、当時の中国仏教の総本山、白馬寺と道教である五斗米道という宗教を一つの
きっかけとして物語が展開していく。
三国志の世界の序章に過ぎないが、著者の鋭い洞察とともに展開していく物語は三国志の
世界に読者を惹きつけて止まない。
2007年1月1日に日本でレビュー済み
まさしく秘本である。劉備玄徳が曹操孟徳以上の悪役で登場するのは空前絶後である。
出来ればこれは、あらゆる三国志ものすべてを読んでから読んで欲しい。
あっと驚く新解釈で展開するので、これを一番最初に読んでしまうと、
他の三国志がなんとも甘い話に思えてしまうだろう。
解釈が凄いとは歴史を捏造するということではありません。
歴史事件の裏を推理する見事な説明に読者は驚愕するであろう。
例を挙げると、生涯勝率2割ぐらいの劉備は、いつもいつも負けるのによく生き抜いてこれたなぁ、
と思ったことはありませんか?その答えはこの小説の中にあります。
出来ればこれは、あらゆる三国志ものすべてを読んでから読んで欲しい。
あっと驚く新解釈で展開するので、これを一番最初に読んでしまうと、
他の三国志がなんとも甘い話に思えてしまうだろう。
解釈が凄いとは歴史を捏造するということではありません。
歴史事件の裏を推理する見事な説明に読者は驚愕するであろう。
例を挙げると、生涯勝率2割ぐらいの劉備は、いつもいつも負けるのによく生き抜いてこれたなぁ、
と思ったことはありませんか?その答えはこの小説の中にあります。