
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
夢の上3 - 光輝晶・闇輝晶 (C・NovelsFantasia た 3-8) 新書 – 2011/5/25
光輝晶・闇輝晶
- 本の長さ347ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2011/5/25
- ISBN-104125011524
- ISBN-13978-4125011523
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2011/5/25)
- 発売日 : 2011/5/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 347ページ
- ISBN-10 : 4125011524
- ISBN-13 : 978-4125011523
- Amazon 売れ筋ランキング: - 928,267位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もうこの話は終わってしまうのかと寂しさを感じるほどのめり込みました。読み応えばっちりなのにまだ読みたいと思ってしまうような素敵な作品です。
2012年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
構成も驚くほど上手いですし、タイトルどおり、本当に素晴らしい読後感。
亡くなった人々への追憶と寂寞、それを強く感じていたからこその巨大なカタルシス。
前巻までは影の薄かった異母兄、王子ツェドカの男らしさには本当に震えます。
同じ事件について繰り返し書きすぎて、という批判もあるようですが、自分は全くそうは思いませんでした。
別の人の視点から繰り返し語られることで世界は厚みを増し、それぞれの生き様が鮮烈に浮かび上がってきます。
胸が震えるような、という表現がありますが、ここまで強くそれを感じる物語もそうはありません。
すべての年齢層、性別の方に強くお勧めできます。
亡くなった人々への追憶と寂寞、それを強く感じていたからこその巨大なカタルシス。
前巻までは影の薄かった異母兄、王子ツェドカの男らしさには本当に震えます。
同じ事件について繰り返し書きすぎて、という批判もあるようですが、自分は全くそうは思いませんでした。
別の人の視点から繰り返し語られることで世界は厚みを増し、それぞれの生き様が鮮烈に浮かび上がってきます。
胸が震えるような、という表現がありますが、ここまで強くそれを感じる物語もそうはありません。
すべての年齢層、性別の方に強くお勧めできます。
2012年1月9日に日本でレビュー済み
相変わらず流石の構成力で、この文章量を冗長とも物足りないとも感じない絶妙のところで読み終えることができた。
細かいところでは多少引っかかる点もあったし、鮮やかさで言えば一冊で収束した『煌夜祭』の方が好みではある。
けれど、歴史の一幕を多視点で切り取りつつ重ねていく構成には強く惹かれる。
次作は「漢字を使ったファンタジー」とのことで、どんな構成でどんな物語を織ってくれるのか。
全編書き上げてからでないと刊行できないタイプだと作者本人も言い切っているので、残念ながら刊行は数年先かもしれない。
そこはもう仕方ないので、本作を再読しながらのんびり待ちたいと思う。
以下駄文。
===
結局のところ、彼は最後まで太陽にはなれなかった。
苦難の旅を経て仲間を得た彼女に比べ、彼はずっと閉じた王城の中で独りだった。望んだ愛も自由も得ることができなかった。
しかし自ら歴史の影となったからこそ、彼は太陽を導くことができ、旧い国に幕を引く最後の王となった。
真実を知る者は黙して闇に眠り、太陽は睡蓮咲く夜明けを迎える。
幼い日の何気ない約束はそうして結実し、夜の帳は払われた。
咲き散った夢は喪われて還らずとも、人の営みは続く。
ひとつの夢が潰えても、人が生きる限り夢が無くなることはない。
深く眠り続ける夢の上で、彼らは自分で決めた道を歩いていく。
だからいつか、その道の終わりで。
彼らの見果てぬ夢もまた、花となって咲くのだろう。
細かいところでは多少引っかかる点もあったし、鮮やかさで言えば一冊で収束した『煌夜祭』の方が好みではある。
けれど、歴史の一幕を多視点で切り取りつつ重ねていく構成には強く惹かれる。
次作は「漢字を使ったファンタジー」とのことで、どんな構成でどんな物語を織ってくれるのか。
全編書き上げてからでないと刊行できないタイプだと作者本人も言い切っているので、残念ながら刊行は数年先かもしれない。
そこはもう仕方ないので、本作を再読しながらのんびり待ちたいと思う。
以下駄文。
===
結局のところ、彼は最後まで太陽にはなれなかった。
苦難の旅を経て仲間を得た彼女に比べ、彼はずっと閉じた王城の中で独りだった。望んだ愛も自由も得ることができなかった。
しかし自ら歴史の影となったからこそ、彼は太陽を導くことができ、旧い国に幕を引く最後の王となった。
真実を知る者は黙して闇に眠り、太陽は睡蓮咲く夜明けを迎える。
幼い日の何気ない約束はそうして結実し、夜の帳は払われた。
咲き散った夢は喪われて還らずとも、人の営みは続く。
ひとつの夢が潰えても、人が生きる限り夢が無くなることはない。
深く眠り続ける夢の上で、彼らは自分で決めた道を歩いていく。
だからいつか、その道の終わりで。
彼らの見果てぬ夢もまた、花となって咲くのだろう。
2011年5月28日に日本でレビュー済み
シリーズの第三巻で最終巻になります.様々な人物の視点から語られてきた二人の物語は,
光と闇,男と女,本物と偽物…いくつもの対を交え,それぞれを補完し合うように進みます.
ただ,特に前半は結末へ向けての回想に近いようで,もちろん新しい展開はありますが,
ちょっとこれまでと被りすぎにも思え,視点は違っていても冗長さがあるのは否めません.
かと思えば,「そこから先をもっと詳しく」という場面があっさりと端折られていたりして,
ボリュームがあっただけに,もう少しバランスよくまとめてほしかったのが正直なところです.
とはいえ,前半の最後から結末への流れ,ゆらゆら揺れる夢と現実の狭間のぼかし加減,
名も無き民衆の叫びまでもが伝わる様子など,多くの思いを織り交ぜながら丁寧に綴られ,
そのあとに訪れる静けさは心に響くとともに,終わりが近づくにつれ離れられなくなります.
また,恋に心躍らせる少女の胸中や,そんな彼女をある花にたとえる描写も美しく印象的です.
実際に語られる人は僅かですが,人々の『夢の行方』,そして明かされるタイトルの意味.
生きていく者,死んだ者,多くを失うも前へ歩き出した者,僅かながらも夢を叶え散った者,
二人の物語でありながら全ての人々の物語でもあり,長い時の果てに叶えられた夢とその先は,
一抹の寂しさは残しつつも,彼らのことを思うほど大きな希望と強さを感じずにはいられません.
光と闇,男と女,本物と偽物…いくつもの対を交え,それぞれを補完し合うように進みます.
ただ,特に前半は結末へ向けての回想に近いようで,もちろん新しい展開はありますが,
ちょっとこれまでと被りすぎにも思え,視点は違っていても冗長さがあるのは否めません.
かと思えば,「そこから先をもっと詳しく」という場面があっさりと端折られていたりして,
ボリュームがあっただけに,もう少しバランスよくまとめてほしかったのが正直なところです.
とはいえ,前半の最後から結末への流れ,ゆらゆら揺れる夢と現実の狭間のぼかし加減,
名も無き民衆の叫びまでもが伝わる様子など,多くの思いを織り交ぜながら丁寧に綴られ,
そのあとに訪れる静けさは心に響くとともに,終わりが近づくにつれ離れられなくなります.
また,恋に心躍らせる少女の胸中や,そんな彼女をある花にたとえる描写も美しく印象的です.
実際に語られる人は僅かですが,人々の『夢の行方』,そして明かされるタイトルの意味.
生きていく者,死んだ者,多くを失うも前へ歩き出した者,僅かながらも夢を叶え散った者,
二人の物語でありながら全ての人々の物語でもあり,長い時の果てに叶えられた夢とその先は,
一抹の寂しさは残しつつも,彼らのことを思うほど大きな希望と強さを感じずにはいられません.
2011年6月11日に日本でレビュー済み
表紙からわかると思いますが、今回は王子と姫の物語。
多少のネタバレになるとは思いますので、それをご了承の上でこのレビューをお読み下さい。
真っ直ぐな少女が抱く淡い恋心。民衆を率いるに至って、少女が持つ葛藤。苦悩。
そして、少女が心の底に秘めていた〇〇に愛されたいという願い……。
王子が抱く初恋の相手への切ない想い。その人の為に捧げる時空。
その人が抱いた願いを成すために、兄弟ために捧げられる時空。
3巻全てとにかく重たい話だった(特に、ハウファの物語は背筋が凍った)。
けれど、彼ら彼女らが見た夢は美しい終わりを迎えた。
そこから先の物語はどうなっていくのか……?
残念ながら物語の続きは語られないが、素晴しい青空が世界に広がっていることだけは間違いない。
多少不満なところもある。まず、話が被りすぎ。
ハウファの話を削るなり、アライスの話をもう少し簡潔にまとめて後半部分を引き伸ばすなりして欲しかったかな?
けれど、99%満足。次回作に多大なる期待を寄せたいと思う。
多崎さんには、更なるファンタジーの高みを極めて欲しい。
多少のネタバレになるとは思いますので、それをご了承の上でこのレビューをお読み下さい。
真っ直ぐな少女が抱く淡い恋心。民衆を率いるに至って、少女が持つ葛藤。苦悩。
そして、少女が心の底に秘めていた〇〇に愛されたいという願い……。
王子が抱く初恋の相手への切ない想い。その人の為に捧げる時空。
その人が抱いた願いを成すために、兄弟ために捧げられる時空。
3巻全てとにかく重たい話だった(特に、ハウファの物語は背筋が凍った)。
けれど、彼ら彼女らが見た夢は美しい終わりを迎えた。
そこから先の物語はどうなっていくのか……?
残念ながら物語の続きは語られないが、素晴しい青空が世界に広がっていることだけは間違いない。
多少不満なところもある。まず、話が被りすぎ。
ハウファの話を削るなり、アライスの話をもう少し簡潔にまとめて後半部分を引き伸ばすなりして欲しかったかな?
けれど、99%満足。次回作に多大なる期待を寄せたいと思う。
多崎さんには、更なるファンタジーの高みを極めて欲しい。
2011年7月18日に日本でレビュー済み
六部作の五部と六部を収録した最終巻。予想通り五部の光輝晶はアライスの、六部の闇輝晶はツェドカの物語。
殺されない為に王子と偽って育てられ発覚して逃亡(第二皇妃であった母のハウファは死亡)した王女アライスが王である父に認められたかっただけで、民を救おうとか国を救おうという大きな理想が無いのは前の話で判っていたが、もう一つ、他の多くの民と同様、価値観を中々変えられずその為に神罰を恐れていた事がこの話ではっきり判った。
跡継ぎである王子のツェドカについては、実はかなり不憫な人物だったのだと初めて判った。恋人の事を想い続け王を憎むあまり王に犯される様にして産まされたツェドカに対しても憎悪と嫌悪をぶつけるしか出来なかった皇妃は悲劇の人物なのだろうが、それにしてもあまりに自分勝手で酷すぎる。それにしてもツェドカがアライスの母ハウファに恋情を抱いていたとは・・・ツェドカもまた、国を救いアライスを救う為、自ら死に向かった悲劇の主人公の一人。
何はともあれ一つの歴史的事件について六人の主要人物達の証言からパズルを嵌め込んで行く様にして真実の姿を描き出す手法は、美事だった。この作者の次回作にも期待する。
殺されない為に王子と偽って育てられ発覚して逃亡(第二皇妃であった母のハウファは死亡)した王女アライスが王である父に認められたかっただけで、民を救おうとか国を救おうという大きな理想が無いのは前の話で判っていたが、もう一つ、他の多くの民と同様、価値観を中々変えられずその為に神罰を恐れていた事がこの話ではっきり判った。
跡継ぎである王子のツェドカについては、実はかなり不憫な人物だったのだと初めて判った。恋人の事を想い続け王を憎むあまり王に犯される様にして産まされたツェドカに対しても憎悪と嫌悪をぶつけるしか出来なかった皇妃は悲劇の人物なのだろうが、それにしてもあまりに自分勝手で酷すぎる。それにしてもツェドカがアライスの母ハウファに恋情を抱いていたとは・・・ツェドカもまた、国を救いアライスを救う為、自ら死に向かった悲劇の主人公の一人。
何はともあれ一つの歴史的事件について六人の主要人物達の証言からパズルを嵌め込んで行く様にして真実の姿を描き出す手法は、美事だった。この作者の次回作にも期待する。