無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
齟齬の誘惑 単行本 – 1999/9/1
蓮實 重彦
(著)
- 本の長さ291ページ
- 言語日本語
- 出版社東京大学出版会
- 発売日1999/9/1
- ISBN-10413003314X
- ISBN-13978-4130033145
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
出版社からのコメント
齟齬の誘惑 「社会とは,いくつもの齟齬感や,違和感や,隔たりの意識が複雑に交錯しあう苛酷な空間にほかなりません」(1999年4月,東大入学式式辞).話題をよんだ今年の入学式式辞を中心に,1997年4月の総長就任以後,さまざまな場所で行われた講演・挨拶をまとめる.東大総長という自らの「公式の立場」を相対化し,硬直したアカデミズムの知をしなやかに解き放つメッセージ集.大学問題に関心ある方,蓮實の思想のエッセンスに触れたい方は是非ご期待ください.
内容(「MARC」データベースより)
何かを理解することと「何かを理解したかのような気分」になることとの間には超えがたい距離がある。この距離をあえて視界に浮上させ、「何かを理解したかのような気分」の蔓延に逆らうことを説く。
登録情報
- 出版社 : 東京大学出版会 (1999/9/1)
- 発売日 : 1999/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 291ページ
- ISBN-10 : 413003314X
- ISBN-13 : 978-4130033145
- Amazon 売れ筋ランキング: - 513,338位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,263位高等教育 (本)
- - 13,166位教育学一般関連書籍
- - 40,017位教育・学参・受験 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
3グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルからは、「難解」であることに対する「居直り」的な内容を連想することもできるのであるが、内実は全く違い、全編を貫いて、大学人としての著者の「倫理」が示されています。より精確には、危機に曝されていると言われ、いわゆる「改革」の波の中に漂う大学において、「総長」を引き受けるという形で責任を担っていこうと決断した著者の、大学人としてのあり方、その倫理的な態度を、極めて率直に示しているものです。有名な99年東京大学入学式の式辞も収録されていますが、ここに現れている姿は、「過酷さ」に身をさらす、無防備で裸の姿、繊細で、しかも誠実な姿です。そして、そうした姿勢をとりうるが故に著者は、「誇り」についても語ることができるわけです。著者自身が、何よりもまず「何かを理解すること」と、「何かを理解したかのような気分になること」との違いに執拗に食い下がり、この「違い」に食い下がることによって生じる「齟齬」を引き受けることを使命とすることによって、「知性」に対する誠実さを貫くのです。これは、今日大学の置かれている状況を考えるならば、まさしく「過酷」さを引きうける倫理的な態度に他なりません。本書は、著者のものとしては極めて読みやすく、率直なものでありながら同時に、流石「講演」「式辞」といったフォーマルな場面にふさわしい修辞的なテクニックも華麗に駆使されており、見事な文章ですから、十分読み応えもあり、また、内容的にも、これからの学問、これからの大学の在り方に対する鋭い洞察や示唆が散見され、考えさせるものでありますが、それ以上に、今日これほどまで「知性」というものに対する信頼と誠実を示すことができるというのは、かなり感動的なことです。
2012年8月22日に日本でレビュー済み
読書感想文的な印象としては、本書の白眉は、巻末の「総長日誌」だった。総長として世界各地の大学に出張した際の備忘録であるが、ほとんどが主語と述語のみで、限りなく修飾語を削っているのに、これが心に染み入る。『表層批評宣言』や『映画狂人シネ辞典』の年譜とは、また違う。簡潔にして余韻を残す文体は、大岡昇平の『成城だより』に近いかもしれない。これは是非とも読まれるべきである。
旅程は、まさに多忙を極めている。フランス・スペイン出張では、早朝4時25分に空港に到着してホテルで仮眠をとったと思ったら、朝9時30分から国際会議である。ある社長が、自分たちは飛行機の中しか寝る時間を確保できないと嘆息していたけれど、その通りなのかもしれない。上海出張やソウル出張では、移動に継ぐ移動で腰を痛め、ホテルでマッサージを受けている。失礼ながら、こういう楽屋落ち話は大好きである。
旅程は、まさに多忙を極めている。フランス・スペイン出張では、早朝4時25分に空港に到着してホテルで仮眠をとったと思ったら、朝9時30分から国際会議である。ある社長が、自分たちは飛行機の中しか寝る時間を確保できないと嘆息していたけれど、その通りなのかもしれない。上海出張やソウル出張では、移動に継ぐ移動で腰を痛め、ホテルでマッサージを受けている。失礼ながら、こういう楽屋落ち話は大好きである。