「うつ病」「アスペルガー」ブームの前に思春期臨床の大家が随筆風に思春期のこころの問題について綴った1冊。
分析は的確で間違っていないと思うのだが、昭和一ケタ世代の保守性が随所に垣間見える。
今はボーダーラインが全盛で、拒食や不登校や自己臭症など、領域の片隅に追いやられてしまった感がある。
著作の時代にはうつ病が全くポピュラーでなかったこともうかがえ、たった15年しか経っていないのにこころの問題と領域は全く変わってしまったのだなあと感慨も込めて思わさせられた。
そういった意味では今読んでも色々と違いを比較できるので有用な本である。
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