確率の固いイメージが有りましたがなかなか面白いです。
少し難しい内容もありますが繰り返して読めば理解できる
と思います
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確率的発想法~数学を日常に活かす 単行本(ソフトカバー) – 2004/2/29
小島 寛之
(著)
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- 本の長さ237ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2004/2/29
- ISBN-104140019913
- ISBN-13978-4140019917
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
確率の発想さえ身につければ、不確実な状況をうまくコントロールできる。日常に即しながら確率の基本的な計算方法を、数学の苦手な人にもわかりやすく解説し、経済学や金融工学などが確率をいかに利用しているかを紹介する。
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2004/2/29)
- 発売日 : 2004/2/29
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 237ページ
- ISBN-10 : 4140019913
- ISBN-13 : 978-4140019917
- Amazon 売れ筋ランキング: - 421,406位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 646位数学一般関連書籍
- - 40,521位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1958年、東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。帝京大学講師を経て、同大学准教授。宇沢弘文に 師事し、数理経済学、環境経済学、意思決定理論を専門とする経済学者として旺盛な研究・執筆活動を行うかたわら、数学エッセイストとして活躍。中高生向け の入門書から高度な学術書まで多くの著書を持つ。日本ペンクラブ会員。著書多数(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 無限を読みとく数学入門 世界と「私」をつなぐ数の物語 (ISBN-13: 978-4044091026)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ベイズ推定とその対立理論であるフィッシャー推定とをかんたんに紹介し,ベイズ推定の経済・社会理論への応用を 紹介している. タイトルからはなぜか経済学とか社会学とかいうことばがかくされている. しかし,一般むけにこういう話題をとりあげた本はすくないだろうから,価値ある本だとかんがえられる. 高度な数学はつかわずに,なるべく平易に説明しようとしているのがわかる.
しかし,著者のかんがえには疑問を感じる点もすくなくない. 冒頭に「「学校の確率」というのは,本物の確率でなく,粗悪なイミテーションにすぎません」と書いているが, これは教科書に書かれた確率論へのいわれのない非難だ. 「学校の確率」が大数の法則にもとづき,ベイズ推定はそうでないというだけのことであり, 立場がちがうからといって「粗悪なイミテーション」というのは不適切だ.
また,この本にはじめて書かれたという著者独自のかんがえのひとつとして「確率の時制」というのがあるが, ここで時制をもちだすのはよけいなことであり,まったく理解できない. その文脈で「ニューカムの問題」 (「ニューカムのパラドックス」ではない) がとりあげられ,パラドックスだと 書いているが,仮定している命題をみとめるならパラドックスではないだろう. そこに時制が登場するべき理由がわからない.
いずれにしても,疑問の点は多々あるものの,貴重な本であることにかわりはない.
しかし,著者のかんがえには疑問を感じる点もすくなくない. 冒頭に「「学校の確率」というのは,本物の確率でなく,粗悪なイミテーションにすぎません」と書いているが, これは教科書に書かれた確率論へのいわれのない非難だ. 「学校の確率」が大数の法則にもとづき,ベイズ推定はそうでないというだけのことであり, 立場がちがうからといって「粗悪なイミテーション」というのは不適切だ.
また,この本にはじめて書かれたという著者独自のかんがえのひとつとして「確率の時制」というのがあるが, ここで時制をもちだすのはよけいなことであり,まったく理解できない. その文脈で「ニューカムの問題」 (「ニューカムのパラドックス」ではない) がとりあげられ,パラドックスだと 書いているが,仮定している命題をみとめるならパラドックスではないだろう. そこに時制が登場するべき理由がわからない.
いずれにしても,疑問の点は多々あるものの,貴重な本であることにかわりはない.
2019年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
後半は筆者の社会的思想に色濃く移っていくが、これほど分かりやすいベイズ推定の説明を読んだことがない。
2014年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人の主観的感覚から社会選択まで,確率というアプローチで紐解く.
この一冊に目を通しているかどうかで,世界観の奥行きが違ってくるだろう.情報を得たいのではなく,考え方そのものに興味がある人なら,間違いなく読む価値がある.
この一冊に目を通しているかどうかで,世界観の奥行きが違ってくるだろう.情報を得たいのではなく,考え方そのものに興味がある人なら,間違いなく読む価値がある.
2013年9月17日に日本でレビュー済み
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日々忙しさの中で時々ふっと思い出す。あっこんなときは・・・なんて楽しむ時間ができところどころ忙しさを楽しさに変えてゆける一冊。
2013年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いくつかの事例で基本的レベルから応用レベルに向けて、主にフィッシャー推定とベイズ推定の方法を用いて説明する形になっています。
不確定な事象を如何に解釈するかを説明していますが、タイトルの「確率的」という言葉と内容にギャップがあるので本当に読みたい内容かどうかを確認してから買った方がいいでしょう。
フィッシャー推定とベイズ推定についてももう少ししっかり説明を行わないと各事例の説明が理解しにくいし、どちらかというと好意的に扱われているベイズ推定についても否定的な説明が入っているところがあるので個別の事例で何を伝えたいかがわかりにくいと感じました。また、事例間のつながりも分かりにくかったので本全体で何を言いたいのかが伝わってきません。
ある程度知識があってこの本を読む人にとっては当たり前すぎて読む必要があるのか、知識がない人がこの本を読むと何を言いたいのかわからないというようにしか感じることができませんでした。
不確定な事象を如何に解釈するかを説明していますが、タイトルの「確率的」という言葉と内容にギャップがあるので本当に読みたい内容かどうかを確認してから買った方がいいでしょう。
フィッシャー推定とベイズ推定についてももう少ししっかり説明を行わないと各事例の説明が理解しにくいし、どちらかというと好意的に扱われているベイズ推定についても否定的な説明が入っているところがあるので個別の事例で何を伝えたいかがわかりにくいと感じました。また、事例間のつながりも分かりにくかったので本全体で何を言いたいのかが伝わってきません。
ある程度知識があってこの本を読む人にとっては当たり前すぎて読む必要があるのか、知識がない人がこの本を読むと何を言いたいのかわからないというようにしか感じることができませんでした。
2010年1月30日に日本でレビュー済み
「ゲーム理論」や「確率論」などは、人間の経済行動や現代経済学を語る上で、今や欠くことのできない必須アイテムだ。これらの理論的ツールの“濫用”を戒め、過度のスピンアウトに警鐘を鳴らしているのが小島寛之氏(帝京大学)の手による当書であり、ある意味、2009年に刊行された川西諭氏(上智大学)の『 ゲーム理論の思考法 』なども、このような系譜に属する書冊といえるかもしれない。
本書のいう「確率的発想法」とは、「不確実性をコントロールするための推論のテクニック」であり、取り扱うのは、基本的に「学校の確率とは別種の確率」だ。それは「不確実性という荒波に立ち向かう」「知恵を集大成」したもので、それこそが「確率的発想法」に他ならない、と著者はいう(まえがき)。こうした文脈で、「不確実性下の意思決定(確率的判断)」の考え方などを、著者は展開していく。
ここで、本書における白眉の部分を述べると、不確実性下における“リスク”の問題で、この本は「小泉構造改革」の真っ直中(04年2月)に発刊された訳だが、当時盛んに喧伝流布されていたのが“リスク”に関連した「自己責任論」だ。そこに著者は「典型的な確率の濫用」をみて、「自己責任論」が見落としているものを鋭く指摘し、「自己責任論」が成立するために必要な“三つの前提”を提示する。
この“三つの前提”とは、一番目が「ルール、情報、知識の公平性」であり、二番目が「効用あるいは選好の完全知」、三番目が「個人の情報と知識による参加の回避」というものである。いずれも表現がやや抽象的なので判りづらいかもしれないが、何はともあれ、「自由主義を過剰に振りかざして自己責任論を主張する経済関係者もまた、本質的な意味では、確率論を濫用している」といえるのだ。
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「ゲーム理論」や「確率論」などは、人間の経済行動や現代経済学を語る上で、今や欠くことのできない必須アイテムだ。これらの理論的ツールの“濫用”を戒め、過度のスピンアウトに警鐘を鳴らしているのが小島寛之氏(帝京大学)の手による当書であり、ある意味、2009年に刊行された川西諭氏(上智大学)の『 ゲーム理論の思考法 』なども、このような系譜に属する書冊といえるかもしれない。
本書のいう「確率的発想法」とは、「不確実性をコントロールするための推論のテクニック」であり、取り扱うのは、基本的に「学校の確率とは別種の確率」だ。それは「不確実性という荒波に立ち向かう」「知恵を集大成」したもので、それこそが「確率的発想法」に他ならない、と著者はいう(まえがき)。こうした文脈で、「不確実性下の意思決定(確率的判断)」の考え方などを、著者は展開していく。
ここで、本書における白眉の部分を述べると、不確実性下における“リスク”の問題で、この本は「小泉構造改革」の真っ直中(04年2月)に発刊された訳だが、当時盛んに喧伝流布されていたのが“リスク”に関連した「自己責任論」だ。そこに著者は「典型的な確率の濫用」をみて、「自己責任論」が見落としているものを鋭く指摘し、「自己責任論」が成立するために必要な“三つの前提”を提示する。
この“三つの前提”とは、一番目が「ルール、情報、知識の公平性」であり、二番目が「効用あるいは選好の完全知」、三番目が「個人の情報と知識による参加の回避」というものである。いずれも表現がやや抽象的なので判りづらいかもしれないが、何はともあれ、「自由主義を過剰に振りかざして自己責任論を主張する経済関係者もまた、本質的な意味では、確率論を濫用している」といえるのだ。
2008年9月20日に日本でレビュー済み
本書のテーマは確率というよりも不確実性といった方がいいかもしれない。
この世の中にある不確実性をいかに取り扱って生きていくか、それが本書のメインテーマだろう。
保険やギャンブルといったリスク及び不確実性とヘッジのメカニズムは、ある程度知っているとはいえ、うまく説明している。
特に、個人のリスクはヘッジできても、社会全体のリスクはヘッジできない、というのは重要だ。
インフォームド・コンセントに潜む罠は、個人的には目から鱗だった。
インフォームド・コンセントでは統計的にしか説明がなされない(9割の確率で成功する手術とか)が、患者にとって起こるのは成功か失敗かの、つまり1か0かの世界なのだ。
自分と同様の環境では9割の人が成功するとか言うのは、私という患者にとってはどうでもいい話で、重要なのは私が手術に成功するかなのだ。
被害を母体全体に広げて割ってしまうところに、統計の落とし穴があるのだ。
後半では、フランク・ナイトの提起したリスクと不確実性の問題が軸となる。
リスクは発生確率が予見可能だが、不確実性は発生確率さえわからない状況だ。
そして、人々は不確実性をより回避したがる。
これを筆者は、確率の加法性の放棄、つまり足しても1にならない確率、を考えることで説明する。
確率がわからない状況下では、確率が最低となる状況×得点、で得られる期待値(マルチプル期待値)が最大となるように人々は行動するというのだ。
次に、情報の欠落が不確実性を呼び、その情報がコモン・ノレッジ(全員が知っており、さらに全員が知っていることを知っている状況)になることで不確実性回避と同じ現象が発生することを論ずる。
そして、これらを組み合わせると、ロールズの正義論を新しい角度から眺められるのだ。
まず、無知のヴェールの状況下では、人々は不確実性の中にいる。
しかし、基本財にかかわるイベントについては、人々は見分けることができるので、基本財にかかわるイベントはコモン・ノレッジになる、つまり不確実なものではなくなる。
すると、不確実ではないイベントの方が期待値計算ではより大きい重みが置かれるので、結果として「不遇な人々の利益の最大化」になる。
最後の2章では、針を過去に向けて、起こらなかった出来事に対する確率論を展開する。
責任概念とかが絡んでくる部分だ。
個人的な意見としては、そもそもマルチプル期待値の考え方そのものに疑問が残る。
というのも、この方法だと、ツボの中に赤玉と白玉が何個かずつ入っているがその比はわからない状況で
1 何を引いても必ず100円もらえる
2 赤玉を引いたら200円、白玉を引いたら100円もらえる
の二通りのくじを考えると、どう考えても2に参加すべきなのに、マルチプル期待値の考えではどちらに参加しても同じという結論が出てしまう。
また、基本財がすべて、そしてそれのみがコモン・ノレッジになるかどうかはかなり微妙なところだと思う。
しかし、ロールズの理論への数学的アプローチとしては非常に野心的で、興味深いものである。
なお、ロールズの議論への、本書とはまったく違った角度からの数学的アプローチとして、佐伯胖『きめ方の論理』がある。
こちらは社会決定理論の観点から、ロールズの難点も指摘しつつも、その意義を強調している。
この世の中にある不確実性をいかに取り扱って生きていくか、それが本書のメインテーマだろう。
保険やギャンブルといったリスク及び不確実性とヘッジのメカニズムは、ある程度知っているとはいえ、うまく説明している。
特に、個人のリスクはヘッジできても、社会全体のリスクはヘッジできない、というのは重要だ。
インフォームド・コンセントに潜む罠は、個人的には目から鱗だった。
インフォームド・コンセントでは統計的にしか説明がなされない(9割の確率で成功する手術とか)が、患者にとって起こるのは成功か失敗かの、つまり1か0かの世界なのだ。
自分と同様の環境では9割の人が成功するとか言うのは、私という患者にとってはどうでもいい話で、重要なのは私が手術に成功するかなのだ。
被害を母体全体に広げて割ってしまうところに、統計の落とし穴があるのだ。
後半では、フランク・ナイトの提起したリスクと不確実性の問題が軸となる。
リスクは発生確率が予見可能だが、不確実性は発生確率さえわからない状況だ。
そして、人々は不確実性をより回避したがる。
これを筆者は、確率の加法性の放棄、つまり足しても1にならない確率、を考えることで説明する。
確率がわからない状況下では、確率が最低となる状況×得点、で得られる期待値(マルチプル期待値)が最大となるように人々は行動するというのだ。
次に、情報の欠落が不確実性を呼び、その情報がコモン・ノレッジ(全員が知っており、さらに全員が知っていることを知っている状況)になることで不確実性回避と同じ現象が発生することを論ずる。
そして、これらを組み合わせると、ロールズの正義論を新しい角度から眺められるのだ。
まず、無知のヴェールの状況下では、人々は不確実性の中にいる。
しかし、基本財にかかわるイベントについては、人々は見分けることができるので、基本財にかかわるイベントはコモン・ノレッジになる、つまり不確実なものではなくなる。
すると、不確実ではないイベントの方が期待値計算ではより大きい重みが置かれるので、結果として「不遇な人々の利益の最大化」になる。
最後の2章では、針を過去に向けて、起こらなかった出来事に対する確率論を展開する。
責任概念とかが絡んでくる部分だ。
個人的な意見としては、そもそもマルチプル期待値の考え方そのものに疑問が残る。
というのも、この方法だと、ツボの中に赤玉と白玉が何個かずつ入っているがその比はわからない状況で
1 何を引いても必ず100円もらえる
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の二通りのくじを考えると、どう考えても2に参加すべきなのに、マルチプル期待値の考えではどちらに参加しても同じという結論が出てしまう。
また、基本財がすべて、そしてそれのみがコモン・ノレッジになるかどうかはかなり微妙なところだと思う。
しかし、ロールズの理論への数学的アプローチとしては非常に野心的で、興味深いものである。
なお、ロールズの議論への、本書とはまったく違った角度からの数学的アプローチとして、佐伯胖『きめ方の論理』がある。
こちらは社会決定理論の観点から、ロールズの難点も指摘しつつも、その意義を強調している。