戦後六十四年を経て、生きているうちに、とようやく重い口をあけはじめた戦争経験者たちの証言を拾い集めたドキュメンタリーです。時間が経ち、証言者たちの環境が整う一方、一部の兵、しかも(上級将校はもう存命していないため)下級クラスの兵士の証言のみを編集することに偏りが生まれることを懸念した経緯が本書には書かれています。しかし、こうした下級兵の証言を読めば読むほど、旧日本軍のあまりに現実から乖離し、準備も兵站も戦略も戦術も持ち得なかった実体に唖然とさされます。証言は淡々としているだけ、余りに切実で重く身につまれされるようです。
マニラ戦では、武器もろくに持たない海軍兵が激しい市街戦を展開。「約100名ほどの新兵で生き残っているのは村田一人なんですよ。全部死んだんです。考えて見なさい。17歳ですよ。本当、新兵教育したとき、なんて優秀な兵隊だなと思ったですよ。17歳でね。今でも思い浮かびますわ。童顔のね、子供ですよ。」
作戦を立てた側、命令を出した側から、こうした言葉が聞けるとは思えません。目の前の戦友が撃たれ、自分も傷つき、仲間を残して生きて帰り、六十年以上もその葛藤に生きた最前線の兵士たちの証言です。
「もし、私が死んで冥土というところで会えたら、まず開口一番、お前年取ったな。その次に、俺をなぜビルマのあんなところに置いてきたって言うでしょうね。私、そう思います。そうなったら、悪かったな。勘弁してくれやって言うよりしようがないでしょう。長々と言い訳なんかしたって。申し訳なかった。」涙なくしては読み終えられませんでした。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥2,420¥2,420 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥2,420¥2,420 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥792¥792 税込
ポイント: 8pt
(1%)
配送料 ¥257 6月12日-14日にお届け
発送元: ウナム書房※インボイス対応 販売者: ウナム書房※インボイス対応
¥792¥792 税込
ポイント: 8pt
(1%)
配送料 ¥257 6月12日-14日にお届け
発送元: ウナム書房※インボイス対応
販売者: ウナム書房※インボイス対応
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
証言記録 兵士たちの戦争(2) 単行本 – 2009/2/25
NHK「戦争証言」プロジェクト
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,420","priceAmount":2420.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,420","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"JTMbbRgSDKmwi0vTiCNWlUC6eESXYU4ysiV7Xy1Y1Whr909QstW%2FGrN8R%2BwMFu8YnTBmnqTuzh%2BAcpNytt5EcBQTn82mm2yw50pDjZ0fKpIH7aovL5Iq0BVc07Kqr3GH","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥792","priceAmount":792.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"792","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"JTMbbRgSDKmwi0vTiCNWlUC6eESXYU4yyHgxU0UUq0vYxjpEdnPMm1hOp5OZqJapiTp37eGi2JsvAyNLREyvRTMwJ1%2BSndcioiiHRJJqEr0HWDplIgycjHRDBYonsLK8VfGZ1MAk7pdFW1AFfuVpXaCqhjUg5YxYDzA8Pz54fKWtIf9pWQtn%2Fg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
- 本の長さ315ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2009/2/25
- ISBN-104140813431
- ISBN-13978-4140813430
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 証言記録 兵士たちの戦争(2)
¥2,420¥2,420
最短で6月11日 火曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2009/2/25)
- 発売日 : 2009/2/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 315ページ
- ISBN-10 : 4140813431
- ISBN-13 : 978-4140813430
- Amazon 売れ筋ランキング: - 816,133位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
6グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2014年8月30日に日本でレビュー済み
従軍した兵士たちの証言を集めたNHKによる「戦争証言」プロジェクト。
証言を収録したのは2000年代後半、招集当時20歳前後であった青年たちも80歳代を迎え、最後の証言とばかりに次々と語られ収録された想いは圧巻。
いわゆる激戦地として知られる戦地に派遣された部隊出身者を中心に収録されている。
マニラ、レイテ島、ガダルカナル島、ニューギニア、ペリリュー島、インパール作戦・・
あとがきでも触れられているが、別々の戦場でのことを語っているにも関わらず、彼らが置かれた状況が非常に似ていることは驚く。
補給軽視・補給不足の中で弾薬もなく戦えず、医薬品不足・食料不足から多くの兵が病に倒れ、飢餓に陥っている点。いわゆる斬り込みによる白兵戦主体思想の中、連合軍の圧倒的かつ組織的な火力の前になすすべもなく敗退していったこと・・・。
彼らの多くがその体験から、いまだによく眠れなかったり夢に見たりしているし、誰にも話すこともできず(何人かの方は「なぜお前は生きているのか?」と言われるようで、話せなくなる・・と証言)、同じ理由で死んでいった戦友たちの遺族のところには行けなかった・・という証言がいくつもでてくる。
証言の中での現地人や沖縄戦での民間人への対応などからは、彼らが解放軍でもなく防衛軍でもない軍隊であったということも語られる・・。
証言を中心に戦況・戦場、また証言者の来歴など適度な補足説明をくわえた構成。バイアスの無い内容は淡々と元兵士たちの想いを伝えるが、それだけにひとつひとつ重く、印象に残る。
証言を収録したのは2000年代後半、招集当時20歳前後であった青年たちも80歳代を迎え、最後の証言とばかりに次々と語られ収録された想いは圧巻。
いわゆる激戦地として知られる戦地に派遣された部隊出身者を中心に収録されている。
マニラ、レイテ島、ガダルカナル島、ニューギニア、ペリリュー島、インパール作戦・・
あとがきでも触れられているが、別々の戦場でのことを語っているにも関わらず、彼らが置かれた状況が非常に似ていることは驚く。
補給軽視・補給不足の中で弾薬もなく戦えず、医薬品不足・食料不足から多くの兵が病に倒れ、飢餓に陥っている点。いわゆる斬り込みによる白兵戦主体思想の中、連合軍の圧倒的かつ組織的な火力の前になすすべもなく敗退していったこと・・・。
彼らの多くがその体験から、いまだによく眠れなかったり夢に見たりしているし、誰にも話すこともできず(何人かの方は「なぜお前は生きているのか?」と言われるようで、話せなくなる・・と証言)、同じ理由で死んでいった戦友たちの遺族のところには行けなかった・・という証言がいくつもでてくる。
証言の中での現地人や沖縄戦での民間人への対応などからは、彼らが解放軍でもなく防衛軍でもない軍隊であったということも語られる・・。
証言を中心に戦況・戦場、また証言者の来歴など適度な補足説明をくわえた構成。バイアスの無い内容は淡々と元兵士たちの想いを伝えるが、それだけにひとつひとつ重く、印象に残る。