他の方のレビューにもあるように、心理学系の本を何冊か読んだことのある人ならだれでも知っているようなことがさらっと書かれている部分が結構あります。
知らない人にはなるほどと思わせますが、知っている人からするともっと深く突っ込んで欲しいと思わせるかもしれません。
この方の別の著書にも見受けられる傾向ですが、既に自分で結論をつくってそれに各事例を都合よくもってきている印象がしてなりません。
心理学系の話は大体そうだと言ってしまえばそうかもしれませんが。
それと、各章の冒頭に小話のようなものが書かれていますが、何を言いたいのかよく分からないものが多いです。もしかするとこれも著者のいう意外性で注意をそらして説得する技術なのでしょうか。
また、心理実験の結果が多く記載されていますが、それに至る過程、どこそこに飛行機で行ったとか、暑かったとか、そういうまったく関係のない情景描写や説明が多くて読みにくい。例え話も訳が悪いのかどうかわかりませんが、主語がなかったり、代名詞が何をさすのかよく分からないので非常に読みにくかったです。
内容的に言えば詐欺師や有能な弁護士などの実例からヒントを得て、いかにして人を説得しているのか?豊富な実例と、そういった状況時の脳の働きなどから人間の行動パターンを導き出してその謎を解明しているといった感じで参考になるものも多数ありました。

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瞬間説得 その気にさせる究極の方法 単行本 – 2011/6/23
営業マン、詐欺師、交渉人、セラピスト、広告マン、検察官、電話セールス......
説得のプロのなかでも、達人だけに備わる「瞬間説得5つの法則」とは?
説得のプロのなかでも、達人だけに備わる「瞬間説得5つの法則」とは?
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2011/6/23
- ISBN-104140814772
- ISBN-13978-4140814772
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商品の説明
著者について
ケヴィン・ダットン(Kevin Dutton)
1967年、ロンドン生まれ。心理学者。「社会的影響」の研究における第一人者。ケンブリッジ大学セント・エドマンズ・カレッジのファラデー科学・宗教研究所で研究員を務める。
1967年、ロンドン生まれ。心理学者。「社会的影響」の研究における第一人者。ケンブリッジ大学セント・エドマンズ・カレッジのファラデー科学・宗教研究所で研究員を務める。
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2011/6/23)
- 発売日 : 2011/6/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 392ページ
- ISBN-10 : 4140814772
- ISBN-13 : 978-4140814772
- Amazon 売れ筋ランキング: - 373,814位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月17日に日本でレビュー済み
心理学などの基本を超えた「粋」レベルのお話で大変学びが深まった。おすすめ。
2012年2月25日に日本でレビュー済み
帯の印象から瞬間的に説得する方法について書かれていると思ったが、
著者が瞬間的に説得された事例について、
それは偶然か、それとも偶然でないかを様々な角度・事例から検証した、「論文」という方が近い。
結論は、もちろん偶然でない、のだが、メカニズムとして、5つの要素、
単純性・私的利益感、意外性、自信、共感、が重要だとしている。
(著者は英語での頭文字をとってSPICEとしている)
確かにこの結論は異議を唱えるものではないが、
逆に言うと極めて普通に感じてしまい(なので☆3つ)、「瞬間」というインパクトとは程遠い。
実生活への応用としては、自分の話がこの5つの要素に合致しているかどうか、
チェックするという使い方はできるかもしれない。
著者が瞬間的に説得された事例について、
それは偶然か、それとも偶然でないかを様々な角度・事例から検証した、「論文」という方が近い。
結論は、もちろん偶然でない、のだが、メカニズムとして、5つの要素、
単純性・私的利益感、意外性、自信、共感、が重要だとしている。
(著者は英語での頭文字をとってSPICEとしている)
確かにこの結論は異議を唱えるものではないが、
逆に言うと極めて普通に感じてしまい(なので☆3つ)、「瞬間」というインパクトとは程遠い。
実生活への応用としては、自分の話がこの5つの要素に合致しているかどうか、
チェックするという使い方はできるかもしれない。
2011年8月28日に日本でレビュー済み
本書は、心理学や認知行動理論のエッセンスをちりばめて、他者を心理的に誘導するための方策を沢山のエピソードや小話をまじえ、それこそ説得的に展開している。チャルディーニの名著『影響力の武器』からの引用が多く、それほど目新しさを感じるポイントは多くなかった。
ただ、著者が出している、SPICEと略される瞬間説得の5要素については実践で頭に入れておくと有効活用できるかも、と思わせた。そして、最も重要なことは、自信をもってアプローチすること。結構当たり前のことの重要性をあらためて認識させてくれる。
ただ、著者が出している、SPICEと略される瞬間説得の5要素については実践で頭に入れておくと有効活用できるかも、と思わせた。そして、最も重要なことは、自信をもってアプローチすること。結構当たり前のことの重要性をあらためて認識させてくれる。
2011年7月24日に日本でレビュー済み
心理学的に見られる人間の行動を逆手にとって、豊富な事例を挙げながら、「その気にさせてしまう」手法を学ぶ本。
本書に紹介される事例は、小咄のようにおもしろくて上質の話題が豊富にある。
たとえば、
チャーチルが晩餐会で銀の塩入れを盗もうとした人を発見した後の行動。
暴力を振るわれることの多い職業安定所の職員で、一度も振るわれたことのない人物の秘訣。
同じワインを、高級ワインとテーブルワインのボトルに入れて、ソムリエに試飲させてもらったときの感想。
きりのよい値段と端数のついた値段のついた商品の売れ行きの違い。
ホテルのタオルの再利用のためのメッセージの違いで変化する人間の行動。
サクラがいるだけで、本来の色とは違う色を答えてしまう実験。
苦痛のある状況に慣れてしまうと、その場からは逃げなくなってしまう実験。
支持政党が違うだけで、矛盾が見えなくなってしまう現象。
禁煙のロンドンの地下鉄で、タバコに火をつけた人を見つけたときにそれをやめさせた男の行動。
ギャンブル投資に成功するのは脳の感情領域に異常を持つ人たち。
電気ショックよりも報酬の方が人の行動に効果があるという実験。
泥棒に入られた時に即座に対応して、泥棒の住所を聞き出して犯人逮捕まで結び付けた人物。
などなど、数え上げたらきりがない。
行動経済学にも通じるところがあり、いかに人間が合理的でない存在なのか、簡単にだまされてしまうのかがよくわかる。
改めて、人間を合理的存在と考えた旧来の経済学が、現実世界を説明できないのかもよくわかった。
そしてもう一つ、心に響いた言葉。
「人間には、成長思考と固定思考がある。
肯定的に考える訓練をするだけで、不安は取り除かれ、成長思考に転ずることができる。」
本書に紹介される事例は、小咄のようにおもしろくて上質の話題が豊富にある。
たとえば、
チャーチルが晩餐会で銀の塩入れを盗もうとした人を発見した後の行動。
暴力を振るわれることの多い職業安定所の職員で、一度も振るわれたことのない人物の秘訣。
同じワインを、高級ワインとテーブルワインのボトルに入れて、ソムリエに試飲させてもらったときの感想。
きりのよい値段と端数のついた値段のついた商品の売れ行きの違い。
ホテルのタオルの再利用のためのメッセージの違いで変化する人間の行動。
サクラがいるだけで、本来の色とは違う色を答えてしまう実験。
苦痛のある状況に慣れてしまうと、その場からは逃げなくなってしまう実験。
支持政党が違うだけで、矛盾が見えなくなってしまう現象。
禁煙のロンドンの地下鉄で、タバコに火をつけた人を見つけたときにそれをやめさせた男の行動。
ギャンブル投資に成功するのは脳の感情領域に異常を持つ人たち。
電気ショックよりも報酬の方が人の行動に効果があるという実験。
泥棒に入られた時に即座に対応して、泥棒の住所を聞き出して犯人逮捕まで結び付けた人物。
などなど、数え上げたらきりがない。
行動経済学にも通じるところがあり、いかに人間が合理的でない存在なのか、簡単にだまされてしまうのかがよくわかる。
改めて、人間を合理的存在と考えた旧来の経済学が、現実世界を説明できないのかもよくわかった。
そしてもう一つ、心に響いた言葉。
「人間には、成長思考と固定思考がある。
肯定的に考える訓練をするだけで、不安は取り除かれ、成長思考に転ずることができる。」