4歳くらいの子供がいる方なら、文句なくおすすめです。
お受験とか勉強ができることより、コミュニケーション能力の方が子供の人生にとって大事で、それが身につくかどうかは親次第。むしろ親の適正が問われる。
悲しいことに自分に適正があるとは思えないのですが、なるべく他者とコミュニケーションを取る親の姿を見せようと思いました。
いわゆる嫌ネトウヨ的な…10年前の知識人たちにとってのある種のブームであったわけですが…宮台さんのいくらかの発言には苦笑する他ないのですが、まあ本筋とは関係ないので、星5です。(ああした一種のヘイトで、政治的なスタンスとして気分を害さないか、はっきりしていない人には直接勧められないのは非常に残念。本筋が非常に良いだけに。)
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父として考える (生活人新書) 新書 – 2010/7/8
見えてきた、日本のウラオモテ!
子育て、教育、民主主義……。
ここまで語るか!? 父ふたり。
娘ができて初めて見えた日本社会の問題点とは?
若者の非婚や少子化をいかに乗り越えるか?
育児体験の比較から、教育問題や男女のパートナーシップのあり方までを論じ、「子ども手当」など保育支援策を検討。
ツイッターなど新メディアを利用した民主主義の新たな可能性まで、今日の知的課題をも浮き上がらせる白熱の討論。
もはや父親として、この国の現状を黙視してはいられない!
育児体験から教育制度、若者の非婚や少子化問題まで。
「おひとりさま」の問題点から、ツイッターを利用した民主主義の可能性まで。父親ふたりがホンネで語る白熱の討論!
子育て、教育、民主主義……。
ここまで語るか!? 父ふたり。
娘ができて初めて見えた日本社会の問題点とは?
若者の非婚や少子化をいかに乗り越えるか?
育児体験の比較から、教育問題や男女のパートナーシップのあり方までを論じ、「子ども手当」など保育支援策を検討。
ツイッターなど新メディアを利用した民主主義の新たな可能性まで、今日の知的課題をも浮き上がらせる白熱の討論。
もはや父親として、この国の現状を黙視してはいられない!
育児体験から教育制度、若者の非婚や少子化問題まで。
「おひとりさま」の問題点から、ツイッターを利用した民主主義の可能性まで。父親ふたりがホンネで語る白熱の討論!
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2010/7/8
- 寸法1.2 x 11.1 x 17.1 cm
- ISBN-104140883243
- ISBN-13978-4140883242
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商品の説明
著者について
・東 浩紀(あずま・ひろき)
一九七一年生まれ。
批評家、小説家、早稲田大学教授。専攻は哲学、表象文化論。
著書に『自由を考える』『東京から考える』(共著、NHKブックス)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、三島由紀夫賞受賞)など。
・宮台真司(みやだい・しんじ)
一九五九年生まれ。
社会学者、首都大学東京教授。専攻は理論社会学、社会システム理論。
著書に『幸福論』(共著、NHKブックス)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)など。
一九七一年生まれ。
批評家、小説家、早稲田大学教授。専攻は哲学、表象文化論。
著書に『自由を考える』『東京から考える』(共著、NHKブックス)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、三島由紀夫賞受賞)など。
・宮台真司(みやだい・しんじ)
一九五九年生まれ。
社会学者、首都大学東京教授。専攻は理論社会学、社会システム理論。
著書に『幸福論』(共著、NHKブックス)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)など。
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2010/7/8)
- 発売日 : 2010/7/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4140883243
- ISBN-13 : 978-4140883242
- 寸法 : 1.2 x 11.1 x 17.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 390,885位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 16,180位社会学 (本)
- - 30,237位新書
- - 70,945位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年、宮城県生まれ。
社会学者、評論家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)。『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)『<世界>はそもそもデタラメである』(メディアファクトリー)、『制服少女たちの選択』(朝日文庫)、『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)など多数。
1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。専門は哲学、表象文化論、情報社会論。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(河出書房新社)、『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)ほか多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
社会学者・宮台真司と哲学者・東浩紀の子育て論だ。
両者の書籍は時に専門的すぎて難しいと感じる時もあるのだが、
本書は「自分の子供」を通じて、子育てはもちろん社会を論じているのでとてもわかりやすかった。
幅広く論じているのだが、惹かれたのが「子がいる人生」について書かれている箇所。
特に、ハッとさせられたのが以下の1行だ。
・いまの社会では、すべての決定で流動性が前提となっているというか、流動性の確保こそが正解=リスクヘッジだと見なされる傾向がある。しかし子どもの存在はその前提に真っ向から挑戦してくる。
職場でも、住居でも、金融資産でも流動性を確保せよと喧伝される。
しかし、自分の子供は当たり前だが流動性ゼロである。まぁ、自分の思い通りになどにならない。
でもだからこそ、多くの実りをあたえてくれる存在なのだと思う。
以下、ポイント抜粋。
・「ホームベース」をつくることは、偶発性に抗って「決断」することと同義です。
・承認をもらえる場があるからこそ、失敗を恐れず突き進める。仕事上の真のリスクヘッジは、信頼できるパートナーを見つけることを含めたホームベース形成能力です。
・言えば「困ったときに助けてくれるひとがいるかどうか」なんです。「だれかに助けてもらえるかどうか」は「だれかを助けてあげられるかどうか」と表裏一体です。「愛されるかどうか」は「愛せるかどうか」と表裏一体です。
・自分が幸せになろうと思えば、ひとを幸せにするしかない。
・もっとも重要なリスクヘッジはひとり寂しく死ななくてすむための関係性を、二重にも三重にも構築しておく
・「ひとりきりになっても経済的に困らないように独り立ちしさえすれば……」なんてのは、社会が経済的に順風満帆だった時代の、単なる甘えです
・ロマンチシズムとリアリズムも対立するものではない。ロマンがなければ現実は動かない。ロマンチシズムを導入することこそがリアリズムであることがありうる。ロマンなんてないんだよ、と言い募ることがリアリズムであるわけではないのです。
・経済による階級社会ではなくて、ソーシャルスキルの階級社会といったところでしょうか。むろんそれは経済的な階層とも繋がるでしょうが。 宮台 繫がるでしょうね。でも「ものをわかっているひとたち」がそれなりに有効なネットワークをつくることに成功すれば、必ずしも経済的に豊かでなくともネットワークに入れるようになるでしょう。そういう包摂的なネットワークをつくることが僕たちの目標
・コネをつくることが大切です。その場合のコネとは、自分のことを肯定的に証言してくれるひとのことです。
・子どもにとって重要なのはコミュニケーション能力なのだ、その獲得のためには複数のコミュニティに所属していることが重要なのだ、というお話でした。
・グーグル出現のあと、もっとも重要なのは、知識そのものではなく、「知識をどうやって検索するか」、つまり検索語を知っているかどうかになっていまし
両者の書籍は時に専門的すぎて難しいと感じる時もあるのだが、
本書は「自分の子供」を通じて、子育てはもちろん社会を論じているのでとてもわかりやすかった。
幅広く論じているのだが、惹かれたのが「子がいる人生」について書かれている箇所。
特に、ハッとさせられたのが以下の1行だ。
・いまの社会では、すべての決定で流動性が前提となっているというか、流動性の確保こそが正解=リスクヘッジだと見なされる傾向がある。しかし子どもの存在はその前提に真っ向から挑戦してくる。
職場でも、住居でも、金融資産でも流動性を確保せよと喧伝される。
しかし、自分の子供は当たり前だが流動性ゼロである。まぁ、自分の思い通りになどにならない。
でもだからこそ、多くの実りをあたえてくれる存在なのだと思う。
以下、ポイント抜粋。
・「ホームベース」をつくることは、偶発性に抗って「決断」することと同義です。
・承認をもらえる場があるからこそ、失敗を恐れず突き進める。仕事上の真のリスクヘッジは、信頼できるパートナーを見つけることを含めたホームベース形成能力です。
・言えば「困ったときに助けてくれるひとがいるかどうか」なんです。「だれかに助けてもらえるかどうか」は「だれかを助けてあげられるかどうか」と表裏一体です。「愛されるかどうか」は「愛せるかどうか」と表裏一体です。
・自分が幸せになろうと思えば、ひとを幸せにするしかない。
・もっとも重要なリスクヘッジはひとり寂しく死ななくてすむための関係性を、二重にも三重にも構築しておく
・「ひとりきりになっても経済的に困らないように独り立ちしさえすれば……」なんてのは、社会が経済的に順風満帆だった時代の、単なる甘えです
・ロマンチシズムとリアリズムも対立するものではない。ロマンがなければ現実は動かない。ロマンチシズムを導入することこそがリアリズムであることがありうる。ロマンなんてないんだよ、と言い募ることがリアリズムであるわけではないのです。
・経済による階級社会ではなくて、ソーシャルスキルの階級社会といったところでしょうか。むろんそれは経済的な階層とも繋がるでしょうが。 宮台 繫がるでしょうね。でも「ものをわかっているひとたち」がそれなりに有効なネットワークをつくることに成功すれば、必ずしも経済的に豊かでなくともネットワークに入れるようになるでしょう。そういう包摂的なネットワークをつくることが僕たちの目標
・コネをつくることが大切です。その場合のコネとは、自分のことを肯定的に証言してくれるひとのことです。
・子どもにとって重要なのはコミュニケーション能力なのだ、その獲得のためには複数のコミュニティに所属していることが重要なのだ、というお話でした。
・グーグル出現のあと、もっとも重要なのは、知識そのものではなく、「知識をどうやって検索するか」、つまり検索語を知っているかどうかになっていまし
2010年7月25日に日本でレビュー済み
社会学という学問は、
自分の所属する社会がどうなっているかを、
外側から理解するのに役立つと思う。
それで、
自分の属する場所や社会を外側から見れるようになると、
その内側で行き詰ってしまったときに、
脱出口を見つけやすくなるのだと思う。
私自身も一人の父親として、
子育中にいろいろ行き詰まりを感じることがあるけれど、
その行き詰まりは、
自分の属する世代のこのような特徴と関係しているのだな、
とか、
自分の所属する地域社会にもこのような要因があるのだな、
とか考えられると、
気持ちが少し晴れる気がする。
本書ではほかに、
コミュニケーション能力の重要性が強調されているが、
子供が親の無意識からそれを学ぶのだとしたら、
我が家では絶望的なきがした。
なので、
コミュニケーション能力を向上させるために、
できるだけ多くのコミュニティーに所属させる、
ということについては、
なるべくそうしようと思った。
自分の所属する社会がどうなっているかを、
外側から理解するのに役立つと思う。
それで、
自分の属する場所や社会を外側から見れるようになると、
その内側で行き詰ってしまったときに、
脱出口を見つけやすくなるのだと思う。
私自身も一人の父親として、
子育中にいろいろ行き詰まりを感じることがあるけれど、
その行き詰まりは、
自分の属する世代のこのような特徴と関係しているのだな、
とか、
自分の所属する地域社会にもこのような要因があるのだな、
とか考えられると、
気持ちが少し晴れる気がする。
本書ではほかに、
コミュニケーション能力の重要性が強調されているが、
子供が親の無意識からそれを学ぶのだとしたら、
我が家では絶望的なきがした。
なので、
コミュニケーション能力を向上させるために、
できるだけ多くのコミュニティーに所属させる、
ということについては、
なるべくそうしようと思った。
2010年9月3日に日本でレビュー済み
結局、その辺の居酒屋で30代くらいのリーマンが語ってる話と変わらん。
「若い頃は色々ヤンチャしたけど、俺達オトナになって丸くなったよな」
ぐらいのあのゆるーい感じ。
内容も、NHK9時のニュースに出てきそうな凡庸なものばかりだし、それについての、手立てもごくごく普通の父親が言い出しそうなこと。
僕はそうじゃないが、10代20代のイケイケの、名を成したい、何かを知りたいと思ってる若い奴からすれば「はあ?何言ってるのおっさん?」と言う感じの
だらだら感。
とりあえず1990年代に援助交際女子高生を絶賛してた宮台が、自分の娘だけには、援助交際を容認させないことは分かった。
「若い頃は色々ヤンチャしたけど、俺達オトナになって丸くなったよな」
ぐらいのあのゆるーい感じ。
内容も、NHK9時のニュースに出てきそうな凡庸なものばかりだし、それについての、手立てもごくごく普通の父親が言い出しそうなこと。
僕はそうじゃないが、10代20代のイケイケの、名を成したい、何かを知りたいと思ってる若い奴からすれば「はあ?何言ってるのおっさん?」と言う感じの
だらだら感。
とりあえず1990年代に援助交際女子高生を絶賛してた宮台が、自分の娘だけには、援助交際を容認させないことは分かった。
2010年7月29日に日本でレビュー済み
私もこの二人の争点はコミュ力、またソーシャルスキルということにあると感じた。
しかし、この本でも述べられているように、現実にはとりあえずいい大学をでていい会社へという考えを持つ親が多数いて、
そのような方針のもとに育ってしまう子供たちが多数いる。子供が成長するまでの20年位は今後変わらないと思う。
その数十年の間に、コミュ力が劣ってしまった人間はどんどん生まれ育ってしまう…
宮台氏は教育を変えていくしかないとの考えで、それは正論だと思うが、
制度が変わるのは数十年かかると思う。
かといって他に手立てがあるのかというと、
それについては述べられていない。
今日のニュースで、
内閣府の調査でひきこもり70万人、ひきこもり親和軍155万人とのニュースが流れた。
これは、コミュ力とかなり密接に結びついていると思うが、
一体どうすればいいのだろうか。
虚部がなければ社会がまわらないとお二人とも述べている。
おまえらは「へたれ」で今の情報資本主義の社会では不要になったのだから、「死ね」とは言えないだろう。
言ってもいいのかもしれないが、それでは東氏の言う「0年代的な虚構批判」はますます起きてしまい、
まともに社会はまわらなくなるだろう。
コミュ力軽視の教育を受けてしまったような人間が、
どうやって生きていくかについて、もう少し踏み込んで欲しかった。
しかし、まだまだお子さんは幼くて、希望に満ち満ちているのだから、
お二人の今の時点では難しいのかもしれない。
今後のお二人の著作、特に東氏の考えをもっと聞きたいし、
私自身もどうすればいいか考えなくてはならないだろう。
私は38歳。独身。友達は少ない。ひきこもりではないが、
きっとひきこもり親和郡だろう。
コミュ力軽視の教育を受けてきたひきこもり世代の一人として、
絶望的でありながらも、それでも希望を持ちたいのだ。
しかし、この本でも述べられているように、現実にはとりあえずいい大学をでていい会社へという考えを持つ親が多数いて、
そのような方針のもとに育ってしまう子供たちが多数いる。子供が成長するまでの20年位は今後変わらないと思う。
その数十年の間に、コミュ力が劣ってしまった人間はどんどん生まれ育ってしまう…
宮台氏は教育を変えていくしかないとの考えで、それは正論だと思うが、
制度が変わるのは数十年かかると思う。
かといって他に手立てがあるのかというと、
それについては述べられていない。
今日のニュースで、
内閣府の調査でひきこもり70万人、ひきこもり親和軍155万人とのニュースが流れた。
これは、コミュ力とかなり密接に結びついていると思うが、
一体どうすればいいのだろうか。
虚部がなければ社会がまわらないとお二人とも述べている。
おまえらは「へたれ」で今の情報資本主義の社会では不要になったのだから、「死ね」とは言えないだろう。
言ってもいいのかもしれないが、それでは東氏の言う「0年代的な虚構批判」はますます起きてしまい、
まともに社会はまわらなくなるだろう。
コミュ力軽視の教育を受けてしまったような人間が、
どうやって生きていくかについて、もう少し踏み込んで欲しかった。
しかし、まだまだお子さんは幼くて、希望に満ち満ちているのだから、
お二人の今の時点では難しいのかもしれない。
今後のお二人の著作、特に東氏の考えをもっと聞きたいし、
私自身もどうすればいいか考えなくてはならないだろう。
私は38歳。独身。友達は少ない。ひきこもりではないが、
きっとひきこもり親和郡だろう。
コミュ力軽視の教育を受けてきたひきこもり世代の一人として、
絶望的でありながらも、それでも希望を持ちたいのだ。
2010年7月13日に日本でレビュー済み
オタクの擁護者と援助交際の擁護者というかつて最も父のイメージから遠かった二人が父として語る(前書きより)本書、子供を持たない初期の二人と父となった今の二人の違いを楽しむ等マニアックな読み方をしてくれても面白いだろうとの事。とは言え東氏自身がこう言いつつも「父から遠い破壊的でリベラルな二人」というイメージは単純化されすぎているとも言う。いずれにせよ今となっては二人が揃って自分の娘をツイッターのアイコンにしている事、宮台氏が娘の自慢になると止まらない事などから二人の父としての姿をよく知って馴染んでいる人は数多いと思う。その意味では今更二人の父としての姿に驚くような事はないかもしれない。だがそうは言っても一冊の本の「主題」として「父」が押し出されるのは新鮮な事であるし、この二人が父として語るとこーなるかー(例えば宮台氏がいちいち教育学の説に子供の成長が合致しているかを確認して感心していたり…)という面白みはやはりある。
一章の二人の子育て談義はとても和やかな調子で進み、笑いが多く微笑ましい。東氏が前書きで「子育てに関してはそれは違うんですよとはなかなか言えない」と言うように議論といった風ではない。しかしだんだんと毒のある社会批評や、子供ではなく本人らの話が多くなり始めわりと早々いつも通りな風になる。私見では二章から既に空気が変わったと思う。全面的に書名らしい話をしているのは一章だけとも言えるかもしれない。その事からも分かる事だが本書の話題は学歴主義批判から仕事と家族の峻別批判、ツイッター論、若者批判、民主主義など必ずしも教育論に限定されてはいない。また難解さは低く、宮台氏の話も珍しく長くない(長い時は3頁分くらい喋っているのに今回はそれが全くといっていい程ない)。恐らく比較的読みやすくあっさりと通読する事ができるだろう。
最後にやや踏み込んだ生意気な感想を加えておく。話題は多岐に渡るとは言え、私的印象では広く浅くという具合であり、最もメインの話題となっているのは二章以降「若者のコミュ力低下批判」であるという印象が強い。それは最後まで続いており、東氏と宮台氏の議論らしい議論も基本的にこれをめぐるもので、他は掘り下げられないか同調で終わっている印象が強い。宮台氏は大変コミュ力、またソーシャルスキル、集団性といったものを重視しており、悪く言えば些か病的な程にも見える。本人の言葉で言えば「ソーシャルスキル(コミュ力)に基づいて階級社会を作るべき」とまで提唱する程である。つまりそういう社会が来るべきという事ですか?と問い返す東氏は文字だけでは分からないが、この宮台氏のコミュ力至上主義にはあまりついていけていないようにも見える。実際東氏は例えば最近の若者はコミュ力がないと宮台氏が言う時には「ツイッター等を見てると今の若い子もコミュ力があるように見える」と返すし、宮台氏がヘタレの根性を叩き直さねばみたいに言っていると「駄目な人はほっとけばいいのでは」と返し、「コミュ力のある学生をもっと育てねば」と宮台氏が言うと「コミュ力は教育でつけさせるには馴染まない」と返し、さらに「企業がヘタレを雇わないのは教育の問題ではなく情報資本主義の問題だ」と言う。さらには「もうコミュ力ってそもそもあまりいらないんじゃないか」とも言う。つまるところこの論点では宮台氏と東氏はだいぶ対立していて、かなり議論になっているのである。そしてこの議論は最後まで平行線で終わっていると見える。私自身が宮台氏が批判するようなヘタレである事もあるが、私はこの論点に関しては東氏に共感する。
一章の二人の子育て談義はとても和やかな調子で進み、笑いが多く微笑ましい。東氏が前書きで「子育てに関してはそれは違うんですよとはなかなか言えない」と言うように議論といった風ではない。しかしだんだんと毒のある社会批評や、子供ではなく本人らの話が多くなり始めわりと早々いつも通りな風になる。私見では二章から既に空気が変わったと思う。全面的に書名らしい話をしているのは一章だけとも言えるかもしれない。その事からも分かる事だが本書の話題は学歴主義批判から仕事と家族の峻別批判、ツイッター論、若者批判、民主主義など必ずしも教育論に限定されてはいない。また難解さは低く、宮台氏の話も珍しく長くない(長い時は3頁分くらい喋っているのに今回はそれが全くといっていい程ない)。恐らく比較的読みやすくあっさりと通読する事ができるだろう。
最後にやや踏み込んだ生意気な感想を加えておく。話題は多岐に渡るとは言え、私的印象では広く浅くという具合であり、最もメインの話題となっているのは二章以降「若者のコミュ力低下批判」であるという印象が強い。それは最後まで続いており、東氏と宮台氏の議論らしい議論も基本的にこれをめぐるもので、他は掘り下げられないか同調で終わっている印象が強い。宮台氏は大変コミュ力、またソーシャルスキル、集団性といったものを重視しており、悪く言えば些か病的な程にも見える。本人の言葉で言えば「ソーシャルスキル(コミュ力)に基づいて階級社会を作るべき」とまで提唱する程である。つまりそういう社会が来るべきという事ですか?と問い返す東氏は文字だけでは分からないが、この宮台氏のコミュ力至上主義にはあまりついていけていないようにも見える。実際東氏は例えば最近の若者はコミュ力がないと宮台氏が言う時には「ツイッター等を見てると今の若い子もコミュ力があるように見える」と返すし、宮台氏がヘタレの根性を叩き直さねばみたいに言っていると「駄目な人はほっとけばいいのでは」と返し、「コミュ力のある学生をもっと育てねば」と宮台氏が言うと「コミュ力は教育でつけさせるには馴染まない」と返し、さらに「企業がヘタレを雇わないのは教育の問題ではなく情報資本主義の問題だ」と言う。さらには「もうコミュ力ってそもそもあまりいらないんじゃないか」とも言う。つまるところこの論点では宮台氏と東氏はだいぶ対立していて、かなり議論になっているのである。そしてこの議論は最後まで平行線で終わっていると見える。私自身が宮台氏が批判するようなヘタレである事もあるが、私はこの論点に関しては東氏に共感する。