シリーズの下巻。本書ではタブー語と語用論・社会言語学的な考察がなされる。
第7章では、いささかどきりとさせられる語句や表現がぽんぽん飛び出してくる。一応心の準備はしておいた方がよいが、目指すところは社会学・言語的な考察である。タブーではあるが、タブーのベールをはぎとり、その語彙や表現を通じて、タブーをタブーたらしめている観念やルールについて明らかにしていく。
第8章では語用論的議論を通じ、単なる形式的な情報伝達だけでは説明できないコミュニケーションや人間関係の側面を整理する。ただ何でも知らせればいいというものではない。ことばが「諸刃の剣」であることが証明される。
第9章では全体のまとめとして、言語の機能や、そこから明らかにされた人間性、そしてそれにもとづく現代社会での教育の在り方が示される。長い知的冒険を経たうえでの、大変建設的なものだ。
訳は勿論頑張っているもので、一定以上の点数をあげてよいものであるが、できれば原著の英語を味わうべきであろう。しかしまた、郡司隆男先生の解説もまた素晴らしい。日本語の例も取り込み、簡明に議論を補っている。これも必読だ。
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思考する言語(下) 「ことばの意味」から人間性に迫る (NHKブックス) 単行本(ソフトカバー) – 2009/4/24
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R指定の言語学?
悪態、口説き文句、ワイロの申し出......。
感情や社会性はいかに言葉に埋め込まれるか?
暗黙のメッセージは雄弁である。
なぜことばにタブーが存在するのか?
fuck, shit, niggerといったタブー語を取り上げ、意味や用法の分析、情動に関わる脳の仕組みの考察から、なぜ人は特定の語に不快感を抱くのか、その複雑な心理を解明。
また、依頼表現や口説き文句の分析をもとに、ことばによる駆け引きで人間関係が調節される様を示し、他者の心理を巧みに推察する憶測のメカニズムに迫る。
ことばから人間の認知のクセを読み解くとともに、認知の限界をも超える、言語の無限の可能性を明らかにする。
- ISBN-104140911328
- ISBN-13978-4140911327
- 出版社NHK出版
- 発売日2009/4/24
- 言語日本語
- 本の長さ258ページ
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登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2009/4/24)
- 発売日 : 2009/4/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 258ページ
- ISBN-10 : 4140911328
- ISBN-13 : 978-4140911327
- Amazon 売れ筋ランキング: - 368,105位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 25,273位語学・辞事典・年鑑 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年9月23日に日本でレビュー済み
2012年9月25日に日本でレビュー済み
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言語の比較的深層を中心にあつかった入門書 (上 + 中 + 下) だ. 深層についてといっても,「これでもか !」 というくらいに列挙された例はみな英語からとられているから,日本人にはかならずしもわかりやすくはない.
言語学とともに英語という言語に興味があるひとなら,きっと興味がもてるだろう. 日本語と英語との構造的なちがいを意識しながら読むこともできるだろうが,読みながらそれをきちんと把握するのはむずかしい.
言語学とともに英語という言語に興味があるひとなら,きっと興味がもてるだろう. 日本語と英語との構造的なちがいを意識しながら読むこともできるだろうが,読みながらそれをきちんと把握するのはむずかしい.
2010年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上、中、下、3冊、あっと云う間に読みました。非常に平易な語り口(翻訳された方、ご苦労様でした)で言語についての新しい見方が紹介され一読の価値のある本です。罵りのいろいろな表現の背後にある生理的なメカニズムに関する考察など大変興味深く読みました。言語(単語)の使用にも当然のことながら社会的伝統の枠があり、今後それがどう変わって行くか興味のある点です。現在、表現の良し悪しについても、どのような表現が良いのか基準がはっきりしない状態で不毛な議論がされているように思われますが、そういうことを考えるためにも良い示唆を与えてくれると思います。