教養として世界文学を読むということがほとんど行われなくなった今でも
亀山郁夫先生の訳された『カラマーゾフの兄弟』は例外的に若い層にも支持されています。
本書は、現在NHK教育放送で月曜夜に放映されている、ドストエフスキー及び
20世紀ロシアの芸術家たちの業績を亀山先生がひもとく番組のテキストです。
『カラマーゾフ』『白痴』『悪霊』といったドストエフスキーの代表作の解題が
深遠で迫力に満ち、現代を生きる我々に訴えかける内容であるのはいうまでもありませんが
スターリン時代に芸術と独裁権力の相克に悩んだブルガーコフ、エイゼンシュテイン、ショスタコービッチといった
芸術家たちのエピソードも実に興味深く、彼らの業績に触れてみたいと思わされます。
21世紀になってプーチン大統領率いるロシアの存在感は増すばかりですが、
彼らの精神風土については近い国でありながらもあまり知られていません。
本書は19〜20世紀のロシアの芸術に興味のある人には絶好の入門書(この内容でこのお値段はお得です)であり
西欧と異なる文化を持つロシアを理解する手助けになる一冊だと思います。
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この人この世界 2008年2-3月 (NHK知るを楽しむ/月) ムック – 2008/1/1
悲劇のロシア-ドストエフスキーからショスタコーヴィチへ-
- 本の長さ181ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2008/1/1
- ISBN-104141891878
- ISBN-13978-4141891871
登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2008/1/1)
- 発売日 : 2008/1/1
- 言語 : 日本語
- ムック : 181ページ
- ISBN-10 : 4141891878
- ISBN-13 : 978-4141891871
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,138,989位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 212,905位雑誌 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年2月23日に日本でレビュー済み
2008年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近年の著者亀山郁夫の活躍は凄まじい。異常な売れ行きを見せた『カラマーゾフ』新訳ばかりではない。『レコード芸術』におけるショスタコーヴィチの連載、スターリン下の芸術家を描いて大仏次郎賞を取った研究書、さらにさらに東京外国語大学の学長職!!!!
亀山には圧倒的な学問業績のみならず、政治力もあるということか。ある種の超人である。
本書は、意外にもドストエフスキーと20世紀のロシア〜ソヴィエト〜ロシアをつなぐほとんど唯一の入門書だ! 政治と芸術。それに翻弄される人間。
もし、本書に1点だけ注文をつけるとすれば(おこがましいが)、ドストエフスキーの項目においてミハイル・バフチンの問題が触れられていないということだ。亀山は確か別の本で、バフチンにも触れ、それを敢えて論じない旨を述べていたような気もするが、最近のドストエフスキー関係の著書では、それを回避しているように思える。誤解だろうか。
亀山には圧倒的な学問業績のみならず、政治力もあるということか。ある種の超人である。
本書は、意外にもドストエフスキーと20世紀のロシア〜ソヴィエト〜ロシアをつなぐほとんど唯一の入門書だ! 政治と芸術。それに翻弄される人間。
もし、本書に1点だけ注文をつけるとすれば(おこがましいが)、ドストエフスキーの項目においてミハイル・バフチンの問題が触れられていないということだ。亀山は確か別の本で、バフチンにも触れ、それを敢えて論じない旨を述べていたような気もするが、最近のドストエフスキー関係の著書では、それを回避しているように思える。誤解だろうか。