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ハンナ・アーレント『全体主義の起原』 2017年9月 (100分 de 名著) ムック – 2017/8/25
ナチス・ドイツによるユダヤ人問題の「最終解決」。それはある時期のある地域に特有の問題だったのか? それとも──。ナチスの迫害を逃れた一人のユダヤ系ドイツ人の著書を通して、排外主義的な思潮や強権的な政治手法が再び現れつつある今、「人間にとって悪とは何か」「悪を避けるために私たちはどうすべきか」を考える。
- 本の長さ116ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2017/8/25
- ISBN-104142230786
- ISBN-13978-4142230785
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
トランプのおかげでアーレントの名著「全体主義の起源」を読む人が増えている
NHK Eテレの人気教養番組「100分de名著」(月曜午後10:25〜10:50)。同番組で、ドイツ系ユダヤ人としてナチス・ドイツの残虐性の根源を生涯追究し続けた政治哲学者ハンナ・アーレントの主著を取り上げた回のテキストが異例のスピードで増刷を決めた。
「『全体主義の起原』がトランプ政権の誕生などを受け全米でふたたびベストセラーになっていることに注目し、企画がスタートしました」(番組プロデューサー)
「原著は長大で、読み通すのは大変。理解するにも世界史を始め、さまざまな前提知識が必要です。そこで、手頃な入門書としてこのテキストをお買い求めになった方が多いようですね。編集する際にも、脚注や図版をシリーズの別のものと比べて多く入れ、情報量と読みやすさの両立を心がけました。本書を読むだけで、ある程度は『全体主義の起原』の内容がつかめるはずです」(担当編集者の本多俊介さん)
シリーズの主な読者は50代、60代の男性。しかし本書に関しては、向学心に燃える20代、30代の若い読者からの反響も大きい。また、アーレントが女性であることも影響してか、女性読者の割合も高い。そもそも名著に対する需要の高まりが、本書や番組人気の背景には感じられる。
「切実な問題は直接悩むより、名著という現実から一見遠く感じられるものを介した方が考えやすいのかもしれませんね」(番組プロデューサー)
評者:前田 久
(週刊文春 2018年2月1日号掲載)登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2017/8/25)
- 発売日 : 2017/8/25
- 言語 : 日本語
- ムック : 116ページ
- ISBN-10 : 4142230786
- ISBN-13 : 978-4142230785
- Amazon 売れ筋ランキング: - 205,182位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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仲正氏のお話は要点が凝縮されていて理解しやすく、アーレントが訴えかけていることが伝わってきてすごくよかった。とりわけアイヒマンの所。
アーレントに挑戦する人は一読の価値あり。
原著は難しくて理解できない3冊の本を纏めてくれているのも有難い。
Kindleで不満なのは、ページがわからないこと。読書会で、使用させていただきましたが、ページが分かれば探しやすい。
という文章で締めくくっている。そのくせ本書は実に分かりやすい。そんな事を考えて少し笑って
しまった。
本書で展開されるアーレントの考えは読んでいて怖ろしい。何が怖ろしいかというと自分自身が
十分にアイヒマンになってしまうかもしれないと思ってしまうからだ。もっと言うと既に
アイヒマンになっているのではないか。そんな問いかけをつきつけられているような気が
してくるからである。
ナチスや、その構成員であるアイヒマンが生れてきた土壌を本書は丁寧に描き出している。
端的にいうとナチスを「歴史の教科書」に閉じ込めるのではなく、今の世界と日本の中で
同じような「土壌」の有無を検証する本と言える。検証結果として仲正はかなり強い警鐘を
鳴らしていると僕は読んだ。その警鐘の音の大きさが、すなわち本書の分かりやすさと言える。
ここは仲正とアーレントに従って、再度冒頭に戻る。本書は分かりやすいだけに、実は、結構
危険な一冊ではないか。そう考えることが本書の正しい読者であるべきだ。少なくとも、
時間をおいて再読することにしたところだ。
ある土地があって、さまざまな民族や人々が住んでいて、それをまとめるかたちで国家があるはずなのに。
最初に国家ありきで、次に「この国に住むべき人々はこんな人」と規定されてしまう恐ろしさ。
それはナチス時代も今も変わらない。
ゆきづまった政党政治が解決してくれない問題を、いとも簡単に解決してみせてくれるかのような、目もくらむ世界観を提示し、ひとびとを幻惑させる全体主義の指導者たち。政党に加入したり支持したりするほどには政党政治に魅力を感じない大衆が、すなわち政党政治に幻滅し政党によって組織化できない大衆が、誰でもが全体主義を選ぶ。
そして、その全体主義の一員となったとき、悪人ではなく、ただの凡庸な人が、単に指示に忠実に従うことで、気づかないうちに思考停止し、全体主義者の命令を実行する。これは企業社会でも同じ。つまり誰でもなりうる。
今は戦後ではなく、あらたな戦前なのではないのか。
NHK 攻めてるね。いい本を知りました。
全体主義とは、国によって言葉は違うが、要は、プロパガンダの言葉内容をもって、特定の主義、イデオロギーを使って、あるいは仮想の対立者をこしらえて、漁夫の利を得る為、暗黙裡に、支配者が被支配者をコントロールするための手段。
現代は、それがマスメディアであり、新聞、テレビ、週刊誌などを通して全体主義の道具化に役立っている。
悪の枢軸として使用される「共産主義」の用語はもちろん、共産主義に対峙する、われらの「資本主義」や「大衆主義」の用語もその同類であり、戦前の「全体主義」と同質性である。
結局のところ現代の「グローバリズム」という用語そのものも、種々雑多な「主義」そのものを一つに束ねることにより、偏重した物質文明を全世界に深く浸透させるべく、新たなプロパガンダとして、幾世代にも渡った「全体主義」の延長線上の落とし穴であることもこの書物で気づかされる。
本の内容と背景を解説してくれる。
番組も見ているがこの本も買っている。
但し、この本も書店にはないし、アマゾンでも定価で売っていない場合がある
NHKの本を注文する所でも在庫なしで、注文不可。
だから古本で高くなるという図式。なんだろうなぁ。
本来の「全体主義の起源」は訳が相当不評で本屋(でかい所にしかない)
でパラパラめくったが、たぶん読むのは無理だろうと諦めた。スマン。
「エルサレムのアイヒマン」も訳が不評で本屋にもなく、たぶん無理かなぁと思う。
そういう意味でもこの100分は素晴らしい。
これが、アメリカでベストセラーになるのかと思うんだけど、訳の責任だけなんだろうか。