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河合隼雄スペシャル 2018年7月 (100分 de 名著) ムック – 2018/6/25
河合 俊雄
(その他)
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こころには構造がある
「こころの問題」について考え続けた臨床心理学者・河合隼雄。『ユング心理学入門』『昔話と日本人の心』『神話と日本人の心』『ユング心理学と仏教』の4作品から、日本人のこころのあり方や文化の独自性を見つめ直し、他者といかに関わるかを考えていく。
「こころの問題」について考え続けた臨床心理学者・河合隼雄。『ユング心理学入門』『昔話と日本人の心』『神話と日本人の心』『ユング心理学と仏教』の4作品から、日本人のこころのあり方や文化の独自性を見つめ直し、他者といかに関わるかを考えていく。
- 本の長さ112ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2018/6/25
- 寸法14.8 x 0.8 x 21 cm
- ISBN-104142230883
- ISBN-13978-4142230884
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登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2018/6/25)
- 発売日 : 2018/6/25
- 言語 : 日本語
- ムック : 112ページ
- ISBN-10 : 4142230883
- ISBN-13 : 978-4142230884
- 寸法 : 14.8 x 0.8 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 146,907位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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河合俊雄(かわい としお)
1957年生まれ。1982年京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。Ph.D.(チュー
リッヒ大学、1987年)、ユング派分析家資格取得(1990年)。甲南大学助教授、京都
大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻助教授(心理臨床学講座)を経て、現在、京
都大学こころの未来研究センター教授。主な著書に、『心理臨床の理論』(岩波書
店)『京都「癒しの道」案内』(朝日新書、共著)、『発達障害への心理療法的アプ
ローチ』(創元社、編著)『村上春樹の「物語」-夢テキストとして読み解く』(新潮社)などがあり、訳書にユング『赤の書』(創元社)がある。
心理療法の実践から見えてくる現代の意識に関心を持っている。
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/staff/2008/05/post.html
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月3日に日本でレビュー済み
河合隼雄(1928-2007) 臨床心理学者(ユング派分析医)。
ひとの心などわかるはずがないと言い続けながらひとの悩みに寄り添った
河合隼雄が、晩年「私とはなにか?」と質問されたとき、常に答えたのは
「私の一生がその答えの発見の過程である」。たしかに河合はその答えを
見つけるために、多くの思想を紆余曲折し自らも独自の考えを創り上げていった。
河合隼雄の兄弟がすごい。
長男 仁 外科医
次男 公 内科医
三男 雅雄 霊長類学者
四男 迪雄 歯科医
五男 隼雄 臨床心理学者
六男 逸雄 脳神経学者
3人は医者。3人は学者(いずれも京大教授) 兄弟4人で弦楽4重奏。
隼雄はフルート担当。どうしたらこんな優秀な子どもたちを育てられるのか。
隼雄以前に彼の両親の教育や家庭環境に興味がいく。ちなみにこの本で隼雄を
解説してくれるのが隼雄の長男河合俊雄氏(京大教授!)。
終戦時隼雄は17歳。敗戦の多くの若者がそうだったように日本的なものや
仏教や神話を毛嫌い。科学万能主義で、大学も京大数学科を選ぶ。3年間
高校の数学教師。若い生徒からの悩み相談に「責任ある対応をするため」
京大大学院に籍をおいて臨床心理学を学ぶ。フルブライト留学生を経て
チューリヒのユング研究所に留学。日本で初のユング派分析医の資格をとる。
(だからこのテキストの前半はユング心理学入門である。)
ところが学んだことをもちかえって日本人にあてはめてみると、ある程度は
適用が効くものの、どうもしっくりこない。西洋人のこころのありようと日本人の
それは違うんじゃないかと思い始める。そこで日本民族の心の深層構造を分析する
ために、若い頃は嫌いだった日本の昔話や神話や仏教へと深みにはまっていく。
(そのあたりのことをこのテキストの後半がカバーする。)
面白かったことは、たとえばツクヨミ。アマテラスとスサノヲと共に三神を
なすが、全く活躍しない。古事記から無視されている。このことから日本神話は
中空構造をもっているのではないかと隼雄は推理する。無為の神が残りの相対立
するふたつの神を均衡させ深刻な対立を回避する構造になっていると。
松本清張の遺作『神々の乱心』は、邪教「月辰会」の祭神をツクヨミに設定して
不安心理を煽っている。ツクヨミに活躍させると確かに世の中は乱れるのである。
Amazonで購入
河合隼雄(1928-2007) 臨床心理学者(ユング派分析医)。
ひとの心などわかるはずがないと言い続けながらひとの悩みに寄り添った
河合隼雄が、晩年「私とはなにか?」と質問されたとき、常に答えたのは
「私の一生がその答えの発見の過程である」。たしかに河合はその答えを
見つけるために、多くの思想を紆余曲折し自らも独自の考えを創り上げていった。
河合隼雄の兄弟がすごい。
長男 仁 外科医
次男 公 内科医
三男 雅雄 霊長類学者
四男 迪雄 歯科医
五男 隼雄 臨床心理学者
六男 逸雄 脳神経学者
3人は医者。3人は学者(いずれも京大教授) 兄弟4人で弦楽4重奏。
隼雄はフルート担当。どうしたらこんな優秀な子どもたちを育てられるのか。
隼雄以前に彼の両親の教育や家庭環境に興味がいく。ちなみにこの本で隼雄を
解説してくれるのが隼雄の長男河合俊雄氏(京大教授!)。
終戦時隼雄は17歳。敗戦の多くの若者がそうだったように日本的なものや
仏教や神話を毛嫌い。科学万能主義で、大学も京大数学科を選ぶ。3年間
高校の数学教師。若い生徒からの悩み相談に「責任ある対応をするため」
京大大学院に籍をおいて臨床心理学を学ぶ。フルブライト留学生を経て
チューリヒのユング研究所に留学。日本で初のユング派分析医の資格をとる。
(だからこのテキストの前半はユング心理学入門である。)
ところが学んだことをもちかえって日本人にあてはめてみると、ある程度は
適用が効くものの、どうもしっくりこない。西洋人のこころのありようと日本人の
それは違うんじゃないかと思い始める。そこで日本民族の心の深層構造を分析する
ために、若い頃は嫌いだった日本の昔話や神話や仏教へと深みにはまっていく。
(そのあたりのことをこのテキストの後半がカバーする。)
面白かったことは、たとえばツクヨミ。アマテラスとスサノヲと共に三神を
なすが、全く活躍しない。古事記から無視されている。このことから日本神話は
中空構造をもっているのではないかと隼雄は推理する。無為の神が残りの相対立
するふたつの神を均衡させ深刻な対立を回避する構造になっていると。
松本清張の遺作『神々の乱心』は、邪教「月辰会」の祭神をツクヨミに設定して
不安心理を煽っている。ツクヨミに活躍させると確かに世の中は乱れるのである。
2018年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
河合俊雄さんの肉声をはじめて聞きました。
お父さんとの印象のギャップが・・・親近感の差というのか。
教授としてではなく、息子としてのサプライズな思い出話ではじめて欲しかったです。
父のエピソードから、ユング心理学を視聴者にわかりやすく辻説法するような展開を想像していました。
しかし、ここで、はたと、私は息子さんに河合隼雄を求めていたのでは?と気づきました。頭のスイッチを入れ替えて録画したものを再度見返すと、息子さんにも、なぜか不思議な?魅力があります、次回も楽しみです。
お父さんとの印象のギャップが・・・親近感の差というのか。
教授としてではなく、息子としてのサプライズな思い出話ではじめて欲しかったです。
父のエピソードから、ユング心理学を視聴者にわかりやすく辻説法するような展開を想像していました。
しかし、ここで、はたと、私は息子さんに河合隼雄を求めていたのでは?と気づきました。頭のスイッチを入れ替えて録画したものを再度見返すと、息子さんにも、なぜか不思議な?魅力があります、次回も楽しみです。
2018年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やはりテキストあった方が良いね。
TV見てこのテーマ欲しいと思うので次回はkindl版が良いと思った。
FireHID8インチをPrimeセールでコスパ高く端末購入したので
今後はKindleでクラウドかストレージで購入ですね。
本(紙)の良さもありますが見たい時にMy書斎というとやっぱりデジタルは良いと思いました。
TV見た方kindle版でをPrime価格もあるともっと購入拡がるのでは?
TV見てこのテーマ欲しいと思うので次回はkindl版が良いと思った。
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今後はKindleでクラウドかストレージで購入ですね。
本(紙)の良さもありますが見たい時にMy書斎というとやっぱりデジタルは良いと思いました。
TV見た方kindle版でをPrime価格もあるともっと購入拡がるのでは?
2019年5月12日に日本でレビュー済み
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しばらく河合先生から遠ざかっていたが、最近すべてを読み返している。抵抗なく流れるように脳裏に届いた。
2018年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味深い点もありますが、こじつけっぽく感じる点も多いです。
p.110では、近現代人は「進歩」の図式を提供する直線的段階的な過程の理論を受け入れやすく、それに対して、仏教は「そもそも始めとか終わりなどというものがなく、すべてがすべてのままで、全体としては不変という世界の姿」を見せてくれると述べていますが、これは大乗仏教での覚りの内容のことでしょう?覚りに至る修道過程については、原始仏教でも大乗仏教でも直線的段階的な過程の理論はあり、特に原始仏教では、完全な煩悩解脱に到達した阿羅漢は「もはや学ぶべきことのない者」という意味で「無学」と呼ばれています。「全体としては不変」という世界のあり方については、科学でも「エネルギー保存の法則」など、似たような考え方があり、世界には変化する面と変化しない面があるという点は仏教も科学も同じです。
p.112では、今昔物語集の「信濃国の王藤観音、出家の語(こと)」という仏教説話が引用されています。ある村人が、武士の姿をした観音がやってくるという夢を見た後、本当に武士が傷を治すためにその村に湯治にやってきて、夢の話を聞いていた村人たちがその武士をしつこく拝むので、武士は「自分は観音なのだ」と思って出家したという話です。河合隼雄さんはこの話を根拠に、「日本の中世の人の「私」は、他との区別もほとんどなく、自も他も融合しているほどの存在として受けとめられていた」と述べていますが、武士が「自分は観音なのだ」と思ったのは、村人の夢を仏の導きのようなものとして解釈したからであって、自他の区別がないわけではなく、夢と現実の区別がなくなっているわけでもありません。「他人」の「夢」の中の話であることは理解した上で、その夢を仏の導きと解釈しただけです。
旧約聖書の創世記37:5-11では、ヨセフが見た夢の中に登場する太陽と月を両親が自分たちのことだと解釈した話があります。他人の夢の中に登場するものを自分のことと解釈する話は世界中にあるはずで、日本だけのことではありません。そして、それは自他の区別がないことを意味しているわけではありません。
p.120-121では、「クライエント(患者)との人間関係を、非個人的な水準にまで広げてもてるようになると、その底に流れている感情は、「いとしい」という感情も混じった「かなしみ」だ」という河合隼雄さんの見解について、仏教学者の末木文美士(すえきふみひこ)氏が、「なぜ「かなしみ」なのか、必ずしも十分に説得力のある説明はない。理屈ではなく、意識の底の底に沈みこんだとき、河合が掘り当てた水脈なのだ。…」と述べていますが、仏教の影響という観点から考えると、「「いとしい」という感情も混じった「かなしみ」」というのは仏の「大悲」という言葉の影響と取れますので、心理療法の実践体験から出てきた考えというよりは、その体験を「大悲」の概念から解釈したものと考えられます。
「大悲」は部派仏教では神格化された仏陀だけが持つ徳性とされていましたが、大乗仏教では、その神格化された仏陀の観念を継承しながら、「仏性」はすべての人に備わっていると考えるようになったので、河合さんは、そういう思想に基づいて、「仏性」としての「大悲」を人間の非個人的(普遍的)な無意識の奥に見ようとしているのではないかという気がします。しかし、釈迦が神格化される前の原始仏教では、「悲(あわれみ)」は四無量心(慈・悲・喜・捨)の一つに過ぎず、特別重視されていたわけではありません。神格化の過程で重視されるようになった「大悲」が万人の心の底にあると考えることは果たして妥当でしょうか?仏教を取り入れるなら、密教で即身成仏の境地とされる「大楽」を万人の心の底に見ることも可能です。実際、瞑想を長くやっている人は「すべてが美しく見える」というような体験をする人がけっこういるそうです。仏性や覚りの本質をどうとらえるかはいろんな説があるわけですから、まず一つ一つの説を批判的に検討する必要があると思います。
p.110では、近現代人は「進歩」の図式を提供する直線的段階的な過程の理論を受け入れやすく、それに対して、仏教は「そもそも始めとか終わりなどというものがなく、すべてがすべてのままで、全体としては不変という世界の姿」を見せてくれると述べていますが、これは大乗仏教での覚りの内容のことでしょう?覚りに至る修道過程については、原始仏教でも大乗仏教でも直線的段階的な過程の理論はあり、特に原始仏教では、完全な煩悩解脱に到達した阿羅漢は「もはや学ぶべきことのない者」という意味で「無学」と呼ばれています。「全体としては不変」という世界のあり方については、科学でも「エネルギー保存の法則」など、似たような考え方があり、世界には変化する面と変化しない面があるという点は仏教も科学も同じです。
p.112では、今昔物語集の「信濃国の王藤観音、出家の語(こと)」という仏教説話が引用されています。ある村人が、武士の姿をした観音がやってくるという夢を見た後、本当に武士が傷を治すためにその村に湯治にやってきて、夢の話を聞いていた村人たちがその武士をしつこく拝むので、武士は「自分は観音なのだ」と思って出家したという話です。河合隼雄さんはこの話を根拠に、「日本の中世の人の「私」は、他との区別もほとんどなく、自も他も融合しているほどの存在として受けとめられていた」と述べていますが、武士が「自分は観音なのだ」と思ったのは、村人の夢を仏の導きのようなものとして解釈したからであって、自他の区別がないわけではなく、夢と現実の区別がなくなっているわけでもありません。「他人」の「夢」の中の話であることは理解した上で、その夢を仏の導きと解釈しただけです。
旧約聖書の創世記37:5-11では、ヨセフが見た夢の中に登場する太陽と月を両親が自分たちのことだと解釈した話があります。他人の夢の中に登場するものを自分のことと解釈する話は世界中にあるはずで、日本だけのことではありません。そして、それは自他の区別がないことを意味しているわけではありません。
p.120-121では、「クライエント(患者)との人間関係を、非個人的な水準にまで広げてもてるようになると、その底に流れている感情は、「いとしい」という感情も混じった「かなしみ」だ」という河合隼雄さんの見解について、仏教学者の末木文美士(すえきふみひこ)氏が、「なぜ「かなしみ」なのか、必ずしも十分に説得力のある説明はない。理屈ではなく、意識の底の底に沈みこんだとき、河合が掘り当てた水脈なのだ。…」と述べていますが、仏教の影響という観点から考えると、「「いとしい」という感情も混じった「かなしみ」」というのは仏の「大悲」という言葉の影響と取れますので、心理療法の実践体験から出てきた考えというよりは、その体験を「大悲」の概念から解釈したものと考えられます。
「大悲」は部派仏教では神格化された仏陀だけが持つ徳性とされていましたが、大乗仏教では、その神格化された仏陀の観念を継承しながら、「仏性」はすべての人に備わっていると考えるようになったので、河合さんは、そういう思想に基づいて、「仏性」としての「大悲」を人間の非個人的(普遍的)な無意識の奥に見ようとしているのではないかという気がします。しかし、釈迦が神格化される前の原始仏教では、「悲(あわれみ)」は四無量心(慈・悲・喜・捨)の一つに過ぎず、特別重視されていたわけではありません。神格化の過程で重視されるようになった「大悲」が万人の心の底にあると考えることは果たして妥当でしょうか?仏教を取り入れるなら、密教で即身成仏の境地とされる「大楽」を万人の心の底に見ることも可能です。実際、瞑想を長くやっている人は「すべてが美しく見える」というような体験をする人がけっこういるそうです。仏性や覚りの本質をどうとらえるかはいろんな説があるわけですから、まず一つ一つの説を批判的に検討する必要があると思います。
2018年10月28日に日本でレビュー済み
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放送だけを見てよくわからなかったところも、テキストを読むとよくわかりました。特に「ユング心理学入門」については、このテキスト自体がユング心理学入門かと思えるほど詳しく書かれていて、ユングについても理解が深まりました。河合先生の作品をもっと読んでみたくなりました。
2018年8月14日に日本でレビュー済み
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日本に本格的にユング心理学を紹介した河合隼雄の仕事の概要が、よくまとまっています。ユング心理学の紹介のみならず、西洋と比較したときの日本人の心のありようを理解するのに大変適切な紹介の書となっていると思います。より詳しく学びたい人のためには、この書の中で取り上げられている様々な本が参照になると思います。
2018年8月9日に日本でレビュー済み
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河合先生のエッセンスが凝縮されており、安心感があります。愛読します。