ヨーロッパ中世を5世紀後半(西ローマ帝国の滅亡)から15世紀と設定し、
主にフランスを舞台にしています。
本書は4つのメイン・テーマから構成されています。
まず「中世ヨーロッパ社会とは何か」ではヨーロッパ社会の根底にあるローマとゲルマンの伝統、
キリスト教との関係、民衆と資源の支配者である領主について述べられています。
領主による民衆への暴力を教会が防ぎ、教会が地域の治安維持を担っていたというのは興味深かったです(31頁)。
そして「中世の人々の一生」では家族がテーマとなっています。
カトリック教会は夫婦の性的交渉に関して子孫を残すためではなく、
性的な不品行を予防するための必要悪と見なし、結婚を消極的にとらえているとしています(65-66頁)。
また、墓と住居の位置関係から死への「恐れ」が「畏れ」へと転換したというのも面白かったです(78-80頁)。
「衣・食・住」の章では民衆の住居、権力の象徴となった長い衣、メニューから見えてくる身分制社会について述べられます。
最後の「消費社会のあけぼの」では鉄をキーワードにして、中世においてヨーロッパでは鉄の使用は限定的であったとしています。
そして15世紀になると近代・現代社会の土台が形成されたとして本書を結んでいます。
中世は「暗黒時代」などではなく、古代の文化・習俗と新しい文化・習俗(例えばキリスト教など)が混じり、
その状態が定着していく時代であったと言うことができると私は思いました。
要望としてはフランスの中世の様子と他のヨーロッパの地域の中世との比較をもっとしてもらいたかったです。
ともあれフランス社会史を楽しめる一冊です。
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中世ヨーロッパ生活誌 (NHKシリーズ NHKカルチャーアワー・歴史再発見) ムック – 2007/12/1
堀越 宏一
(著)
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2007/12/1
- ISBN-104149106320
- ISBN-13978-4149106328
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登録情報
- 出版社 : NHK出版 (2007/12/1)
- 発売日 : 2007/12/1
- 言語 : 日本語
- ムック : 190ページ
- ISBN-10 : 4149106320
- ISBN-13 : 978-4149106328
- Amazon 売れ筋ランキング: - 900,824位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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