元警官だけあって、細部の描写など非常にリアルです。
たとえば「制圧」という短編では、冒頭から、警察官が、銃を持った男がいるとの通報を受けた警官の、いつ反撃されるか分からないという緊迫した事件現場での目線が順を追って書かれています。
手には何か持っていないか、拳銃のありか、男の顔、ボディーランゲージといての表情、部屋の奥のドアといった細部を確認した後、最後に全体の把握をする。
また、文体にも好感がもて、再読したくなる文学としてのクオリティーも感じさせます。というか、むしろ再読することで初めて気づく奥の深さのようなものを感じるがため、1度めに読んだときより、2度目に読んだときの方が面白いと感じます。
ミステリーというよりは、文学作品としての面白さが本書にはあります。
「すべてのものが遅かれ早かれ道に迷う」
「恐怖を抱えていたら、自分を赦すことも希望を持つこともできない。」
「人は自らの弱さを抱きしめるとき、強くなれる」
「なんだか自分が馬鹿みたい、人間にはそう感じることも大事だ」
このような示唆に富んだ言葉も出てきます。
もう一度読みかえすと、☆の数が増えるかもしれません。
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あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1783) 新書 – 2006/2/8
ローリー・リン ドラモンド
(著),
駒月 雅子
(翻訳)
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- 本の長さ308ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2006/2/8
- ISBN-104150017832
- ISBN-13978-4150017835
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2006/2/8)
- 発売日 : 2006/2/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 308ページ
- ISBN-10 : 4150017832
- ISBN-13 : 978-4150017835
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,305,872位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2009年3月3日に日本でレビュー済み
とにかく暗くて読後感のスッキリしないお話です。
テーマは私小説的心理的暴力といったところだと思
います。ハードボイルドや犯罪小説を読み慣れた人
には意外に類型化したお話という印象ではないでしょ
うか。読後にハードボイルドのようなものを読んで
気分をスッキリリフレッシュしたくなります。
どうも「このミス」とは好みが合わないことがはっ
きりしました。評価はともかくとしてミステリーや
ハードボイルドの範疇でないことはあきらかと思い
ます。かといってそういう趣味に頼らない小説とし
てどうかと言うとちょっと物足りないのです。
輸入TVメロドラマシリーズあるいはニュースショー
的味わいと言えると思います。
なお死体の様子などの描写は
「科学が死体に語らせる―驚異の法医学捜査最前線 」
マイクル ベイデン Michael Baden (著),
マリオン ローチ Marion Roach (著),
ハヤカワ
「死体につく虫が犯人を告げる」
マディソン・リー・ゴフ Madison Lee Goff 著
草思社
などの本が先に出ていて、読んだ記憶から言うと、
ディテールはそういう本を参考にしたと思われるフ
シもあり、この小説集の全てが著者の実体験を元に
していると考えるのはいささかロマンティックに過
ぎるのではないかと思われます。
テーマは私小説的心理的暴力といったところだと思
います。ハードボイルドや犯罪小説を読み慣れた人
には意外に類型化したお話という印象ではないでしょ
うか。読後にハードボイルドのようなものを読んで
気分をスッキリリフレッシュしたくなります。
どうも「このミス」とは好みが合わないことがはっ
きりしました。評価はともかくとしてミステリーや
ハードボイルドの範疇でないことはあきらかと思い
ます。かといってそういう趣味に頼らない小説とし
てどうかと言うとちょっと物足りないのです。
輸入TVメロドラマシリーズあるいはニュースショー
的味わいと言えると思います。
なお死体の様子などの描写は
「科学が死体に語らせる―驚異の法医学捜査最前線 」
マイクル ベイデン Michael Baden (著),
マリオン ローチ Marion Roach (著),
ハヤカワ
「死体につく虫が犯人を告げる」
マディソン・リー・ゴフ Madison Lee Goff 著
草思社
などの本が先に出ていて、読んだ記憶から言うと、
ディテールはそういう本を参考にしたと思われるフ
シもあり、この小説集の全てが著者の実体験を元に
していると考えるのはいささかロマンティックに過
ぎるのではないかと思われます。
2006年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ルイジアナの州都バトンルージュの市警に勤務する制服警官の視点から、警察の日常業務が描かれている。その精緻で豊かさのある描写から生まれる臨場感、並々ならぬリアリティーはちょっと比類がない。
さらに、5人の女性警察官達をロンド形式で追う連作短編は、どれもタフでデリケートで誠実な世界を構築している。生きるという事の何たるかは、生きる事を通してしか伝えられない。
日常と非日常の接する時間、生と死が交錯する空間を仕事場に選んだ5人。彼女等女性警官の心の軌跡、生の記録が全10編。どの作品をとっても、ニュアンスに富み、香気溢れた文章が、切実さと意外性とで生きることの不思議を伝えてくれる。
導入展開で作品世界に絡めとり、後半のキャシーでブースターに点火、ロケットは更に上昇する。そして5人目のサラを難儀の末に周回軌道に乗せて、未来を託すという構成も素晴らしい。
MWA最優秀短編賞の受賞作を含む警察小説であるから、ポケミスでのラインナップは当然といえば当然だが、読後感から言えばポケミスより新潮クレストブックなのだった。
さらに、5人の女性警察官達をロンド形式で追う連作短編は、どれもタフでデリケートで誠実な世界を構築している。生きるという事の何たるかは、生きる事を通してしか伝えられない。
日常と非日常の接する時間、生と死が交錯する空間を仕事場に選んだ5人。彼女等女性警官の心の軌跡、生の記録が全10編。どの作品をとっても、ニュアンスに富み、香気溢れた文章が、切実さと意外性とで生きることの不思議を伝えてくれる。
導入展開で作品世界に絡めとり、後半のキャシーでブースターに点火、ロケットは更に上昇する。そして5人目のサラを難儀の末に周回軌道に乗せて、未来を託すという構成も素晴らしい。
MWA最優秀短編賞の受賞作を含む警察小説であるから、ポケミスでのラインナップは当然といえば当然だが、読後感から言えばポケミスより新潮クレストブックなのだった。
2018年1月21日に日本でレビュー済み
文庫の裏に書かれていたあらすじではミステリーかなと思って買いました。
読んでみたら全然違いました。ミステリーを期待して読み始めたものとしては苛立ちました。
文学作品として売るべきなのでは?
ミステリーでないものをミステリーとして売るのは小説にとっても良くないのではないでしょうか?
もし文学作品が読みたいと思って買ったのであれば感想が違ったかもしれません。
ミステリーのつもりで買って最初の1篇で違っていたため騙された・がっかりという気持ちが強くて集中できなかったですね。
文章も非常に読みづらく、人物像が非常に曖昧にしか描けないので全く入り込めませんでしたね。
読んでみたら全然違いました。ミステリーを期待して読み始めたものとしては苛立ちました。
文学作品として売るべきなのでは?
ミステリーでないものをミステリーとして売るのは小説にとっても良くないのではないでしょうか?
もし文学作品が読みたいと思って買ったのであれば感想が違ったかもしれません。
ミステリーのつもりで買って最初の1篇で違っていたため騙された・がっかりという気持ちが強くて集中できなかったですね。
文章も非常に読みづらく、人物像が非常に曖昧にしか描けないので全く入り込めませんでしたね。
2006年4月15日に日本でレビュー済み
「あなたに不利な証拠〜」読了。純文学ですなあ。低レベルの。
書評家は商売だから仕方ないと思うけど。ミステリとしては
駄目でしょ。こんな本がミステリとして認知されたなら何でもありです。で、心の謎、皮膚感覚の謎、生き方への思いを表そうとしてるのなら技術が低すぎます。翻訳者のレベルが低いのかもしれませんが…。それと藤沢さんのハードボイルド論を引用していた書評家もいました。
本気ですかなあ?藤沢さんは「あなたに不利な〜」みたいな泣き言など決してかかなかった小説職人ですよ。まあ、毎月本に関する雑誌出してる書評家とつるんでくそおもしろくもない本を薦めてるんでしょうな。
勘弁してよ。
書評家は商売だから仕方ないと思うけど。ミステリとしては
駄目でしょ。こんな本がミステリとして認知されたなら何でもありです。で、心の謎、皮膚感覚の謎、生き方への思いを表そうとしてるのなら技術が低すぎます。翻訳者のレベルが低いのかもしれませんが…。それと藤沢さんのハードボイルド論を引用していた書評家もいました。
本気ですかなあ?藤沢さんは「あなたに不利な〜」みたいな泣き言など決してかかなかった小説職人ですよ。まあ、毎月本に関する雑誌出してる書評家とつるんでくそおもしろくもない本を薦めてるんでしょうな。
勘弁してよ。
2009年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
池上冬樹の帯を見て購入した。『素晴らしい!素晴らしい!もうこれほど素晴らしい小説を読んだのは、いつ以来だろう』こんなにベタ褒めの帯は見たことがない。まるでコピー・ライターのような帯だ。一抹の不安は、本書がアメリカ探偵クラブ賞の受賞作なことだ。これは読者に大きな誤解を与える。確かに10編の短編は、アメリカの女性警官が経験する強盗、殺人、レイプなどの様々な事件を題材としているが、むしろ、そこに描きこまれているのは、ひとりの人間としての女性警官の苦悩であり、生々しい葛藤である。これほど圧倒的に存在感のある『声』の小説を久しく読んだことはない。
池上氏は末尾の解説にて、いみじくも、『日本の純文学が失いつつある徹底したリアリズムの強さ、叙事が生み出す詩情の輝きをあらためて印象づけてくる』と述べているのが適切だ。決して、エンターテーメント、ミステリーといった面白さはないが、是非、次のようなリアルな文章を堪能して欲しい。
『肉体が活動を停止すると、たまった体液が放出される。死体を扱うのに最適なのは体液が染しみ出る前だ。死後硬直が始まると、死体は膨張して大きな黒い水疱になり、しまいに皮膚がはじける。そのときの匂いは、味になる。わたしは死の味が舌や喉や肺をびっしり覆ってしまうとは知らなかった。煙草を吸ってもだめだった。コーヒーや、思いつく中でもっとも刺激の強いアルコール、ストレートのジンですすいでもだめだった・・・』(味、感触、視覚、音、匂いより)
池上氏は末尾の解説にて、いみじくも、『日本の純文学が失いつつある徹底したリアリズムの強さ、叙事が生み出す詩情の輝きをあらためて印象づけてくる』と述べているのが適切だ。決して、エンターテーメント、ミステリーといった面白さはないが、是非、次のようなリアルな文章を堪能して欲しい。
『肉体が活動を停止すると、たまった体液が放出される。死体を扱うのに最適なのは体液が染しみ出る前だ。死後硬直が始まると、死体は膨張して大きな黒い水疱になり、しまいに皮膚がはじける。そのときの匂いは、味になる。わたしは死の味が舌や喉や肺をびっしり覆ってしまうとは知らなかった。煙草を吸ってもだめだった。コーヒーや、思いつく中でもっとも刺激の強いアルコール、ストレートのジンですすいでもだめだった・・・』(味、感触、視覚、音、匂いより)
2016年3月21日に日本でレビュー済み
5人の女性警察官を主人公にした短編集。
身体的な痛みに関する記述や、父親、あるいはパートナーへの複雑な感情が
女性特有の視点で生々しく重く描かれていました。
緊張を和らげてくれるようなキャラクターが登場せず、それぞれの物語がずっと
張りつめた状態で展開していくので、読んでいる間、肩や眉間に力が入りっぱなし。
でも、最後の最後に、じわ〜っとくる言葉と出会え、よかったです。
身体的な痛みに関する記述や、父親、あるいはパートナーへの複雑な感情が
女性特有の視点で生々しく重く描かれていました。
緊張を和らげてくれるようなキャラクターが登場せず、それぞれの物語がずっと
張りつめた状態で展開していくので、読んでいる間、肩や眉間に力が入りっぱなし。
でも、最後の最後に、じわ〜っとくる言葉と出会え、よかったです。
2020年9月22日に日本でレビュー済み
実際にこういうことが今もどこかの現場で起こっているのだろうと思わせる、ルポのような小説。圧倒的な描写力で、その場にいるような緊張感を味わえる。それだけに、タフな女刑事のセリフが、漫画のお嬢様か関西のおじさんしか使わないような女言葉で訳されているのが残念でした。