推理小説的にどうかって言うと、レビュー書いてる他の人達の指摘が、大体その通りです。
なかなか面白い側面とおバカな側面が入りまじってる感じで、まあ推理小説なんてレベルは様々でピンキリですし、これはとりあえず普通のレベルすね。
そもそもギルバート・アデアって、ロジックだのトリックだのって理屈で勝負できる作家じゃないでしょうし、せいぜいトリックはそこそこ、ロジックはダメってタイプの人だと思います
(この人が本気で論理に関心持つとは、到底思えないですもんね)。
だから、『閉じた本』で展開したような、そういう足りない面を補うブラックユーモアでも爆発しない限りは、平凡な推理小説しか書けないのはミエミエなんで、ブラックユーモアにだけ期待して読みました。
でも、閉じた本に比べるとびみょーでした。まあ、「普通の推理小説書いても、そういう下品な黒い笑いはちゃーんと書くわけね」と、ちょっと思ってニンマリする程度です。
ストーリーも、平凡な面白さに過ぎないって感じすね。まあまあ楽しめるとは思いますけど。
推理と言いストーリーと言い、全てにおいて凡作って意味で、☆3。
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ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808) 新書 – 2008/1/11
1935年、英国ダートムーア。吹雪のため、人々はロジャー・フォルクス大佐の邸に閉じ込められた。大佐、その妻と娘、ゴシップ記者、アメリカ人青年、女流作家、牧師とその妻、女優、医師とその妻。やがてゴシップ記者が全員の秘密を握っていることを示唆し、彼への憎しみが募るなか、悲劇が起こる。密室状況で記者が殺害されたのだ。被害者のポケットには不可解なアルファベットが記された紙片が。やがてセイウチ髭のトラブショウ元警部が駆けつけ、大佐が重大な告白を始める。「私の本当の名はロジャー」……ミステリの枠を打ち破る超ミステリ
- 本の長さ235ページ
- 言語英語
- 出版社早川書房
- 発売日2008/1/11
- ISBN-104150018081
- ISBN-13978-4150018085
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2008/1/11)
- 発売日 : 2008/1/11
- 言語 : 英語
- 新書 : 235ページ
- ISBN-10 : 4150018081
- ISBN-13 : 978-4150018085
- Amazon 売れ筋ランキング: - 979,622位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
発表当時に物議を起こしたアクロイド殺害事件のパロディーでしょう。 でも、それなりに本格の薫りがして私の好みに合った作品でした。
2008年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ポストモダニズムの才人アデアが、真っ向勝負で本格推理小説に挑戦した超意欲作です。ポケミスの帯には‘ミステリの枠を打ち破る超ミステリ’と書かれています。この文句は確かに当っている所も無くはありませんが、例えば超自然的な存在が出て来る可能性を連想させる意味で誤解を招きますので、やや不適当だと思います。実際はオーソドックスな正統派のパズラーで、作者はアガサ・クリスティー女史の全長編作品を読み返して研究し、ミステリの女王としての新作を書く意気込みで取り組まれました。とは言っても真面目なだけでなく、軽妙な遊びの部分もたっぷりと含まれています。本書の原題は名作「アクロイド殺し」のアナグラムになっていますし、作中に人気女流推理作家を登場させてクリスティー女史をライバル視させたり、登場人物の名をドナルド・ダックワースという名にしたりと、思わずにやりとさせられます。それから本書の最大の特徴は、「オリエント急行の殺人」や「そして誰もいなくなった」に見られる女史得意の‘複数動機を持つ容疑者’の趣向に挑んでいる事で、勿論そのままでは駄目ですので、そこをどう料理するのかが作者の腕の見せ所ですが、結果は見事に課題をクリアしています。その他、吹雪に閉ざされた邸、密室殺人、容疑者全員を集めての謎の解明、と本格派ミステリー・ファン垂涎のストーリーが凝縮されています。物語の舞台を1930年代のイギリスに置いて黄金期の推理小説の雰囲気を現代に甦らせる事に成功しており、作者の健闘努力は充分に讃えて良いと思います。唯、惜しい事に先達の残した偉大な作品と比べるとやや見劣りはします。トリックは驚天動地とは行きませんし、愛憎ドラマの小説としてのコクが今一歩という所です。大傑作とは云えませんが、大いに楽しめる秀作である事には間違いありません。尚、通の方は最後の方で乱歩とドイルを思い出されるでしょう。
2013年9月29日に日本でレビュー済み
ほぼ同じトリックを使った日本作家によるミステリーが1992年に刊行されています。「閉ざされた雪の山荘」という設定まで同じです。恐らくアデアはその作品を参考にしたのでしょうが、換骨奪胎が不充分のように思えます。チェーホフの『狩場の悲劇』とクリスチィの『アクロイド殺し』の間にある画期的な飛躍が全く感じられません。真相が明らかになった瞬間の衝撃度も我が国の先行作品に比べて圧倒的に弱く、心寂しさだけが残りました。
2012年9月15日に日本でレビュー済み
1935年、ある屋敷が雪で閉ざされ、殺人が発生、元警部が捜査を始め・・・というストーリーの推理小説。
あのポストモダン評論家のアデアが本格推理小説?というので若干驚きつつ、若干期待して本書を手に取りましたが、私の場合期待が高すぎたようです。解説の若島教授の指摘を参照すると所々本格推理小説へのオマージュやパスティーシュになっていて凝りに凝った作品だというのは納得できますが、余計な情報を取っ払って純粋に推理小説として読んだ場合、単に殺人が起こって、やがて大団円に向かうでけで、読者を驚かす仕掛けのような物がなく、暇潰しにはちょうど良かったですが、少々食い足りない感じを受けました。同じような著作にニコルスン「装飾庭園殺人事件」やマコーマック「ミステリウム」がやはりミステリの体裁をしたメタフィクション風の小説として面白かったので、アデアにも似たような現代性の期待をかけてしまい、それでこういう読後感になりました。一寸、眼高手低に思いましたが他の方はどうでしょうか。
まぁ普通の本格推理小説を読む気で読めばそれなりに楽しいでしょうが、私はちょっと・・・という作品でした。再読するかどうか、人に勧めたくなるかどうかは微妙です。
あのポストモダン評論家のアデアが本格推理小説?というので若干驚きつつ、若干期待して本書を手に取りましたが、私の場合期待が高すぎたようです。解説の若島教授の指摘を参照すると所々本格推理小説へのオマージュやパスティーシュになっていて凝りに凝った作品だというのは納得できますが、余計な情報を取っ払って純粋に推理小説として読んだ場合、単に殺人が起こって、やがて大団円に向かうでけで、読者を驚かす仕掛けのような物がなく、暇潰しにはちょうど良かったですが、少々食い足りない感じを受けました。同じような著作にニコルスン「装飾庭園殺人事件」やマコーマック「ミステリウム」がやはりミステリの体裁をしたメタフィクション風の小説として面白かったので、アデアにも似たような現代性の期待をかけてしまい、それでこういう読後感になりました。一寸、眼高手低に思いましたが他の方はどうでしょうか。
まぁ普通の本格推理小説を読む気で読めばそれなりに楽しいでしょうが、私はちょっと・・・という作品でした。再読するかどうか、人に勧めたくなるかどうかは微妙です。
2008年11月12日に日本でレビュー済み
Gilbert Adairの『The Act of Roger Murgatroyd』(2006年)の翻訳。
だいたいタイトルから分かるとおり、『アクロイド殺し』をモチーフにしたミステリである。と思うと、いきなり乱歩っぽさが出てきたりして、びっくりさせられる。
アガサ・クリスティーの全長編66冊を読破してから書き始めたということで、密室、雪で通信も交通も断たれた屋敷、元名探偵、いずれも一癖ありそうな登場人物たちと、舞台だてはいかにも。小ネタも多い。
そこに、半分はパロディ的な解決が接合されている。試みとしては充分に面白いものだと思う。ただ、ミステリとして評価するといわれれば、答えはノーだろう。いま、これをやることの意味が分からないし、小説としての面白さもいまいち。
また、翻訳が良くない。
だいたいタイトルから分かるとおり、『アクロイド殺し』をモチーフにしたミステリである。と思うと、いきなり乱歩っぽさが出てきたりして、びっくりさせられる。
アガサ・クリスティーの全長編66冊を読破してから書き始めたということで、密室、雪で通信も交通も断たれた屋敷、元名探偵、いずれも一癖ありそうな登場人物たちと、舞台だてはいかにも。小ネタも多い。
そこに、半分はパロディ的な解決が接合されている。試みとしては充分に面白いものだと思う。ただ、ミステリとして評価するといわれれば、答えはノーだろう。いま、これをやることの意味が分からないし、小説としての面白さもいまいち。
また、翻訳が良くない。