前半には必要なのかどうか不明なエピソードが多く、じれったさを感じた。また、コーチの秘密(一部)が明らかにされるのも、もっと早くてもよかった。でもそれがかえってコーチのカリスマ性を感じさせる演出なのか・・・。
後半の展開はよかった。のこり1/3ほどから一気に読ませる展開だった。
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湖は餓えて煙る (ハヤカワ・ミステリ1839) 新書 – 2010/9/8
ブライアン・グルーリー
(著),
青木 千鶴
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
ある冬の夜、湖に打ちあげられたスノーモビル。それは十年前別の湖で事故死した伝説的アイスホッケー・コーチが乗っていたはずのものだった。彼を失い衰退した町にかつての英雄の死への疑念が膨らむ。取材にあたるコーチの元教え子、地方紙記者のガスは、誰にも望まれぬまま町の歴史と最愛のチームの暗部に切り込んでいくことになるが――。アイスホッケー選手としても第一線の記者としても挫折したガスが、過去との対峙の末に見出すものとは? 迫真の筆致と不屈のジャーナリスト魂が深く胸を打つ感動のミステリ。2010年アンソニー賞最優秀ペイパーバック賞、バリー賞最優秀ペイパーバック賞の2冠を達成。
- 本の長さ552ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2010/9/8
- ISBN-104150018391
- ISBN-13978-4150018399
商品の説明
著者について
ブライアン・グルーリー Bryan Gruley 《ウォール・ストリート・ジャーナル》シカゴ支局長。2002年、9.11の報道でウォール・ストリート・ジャーナル取材チームの一員としてピュリッツアー賞を受賞。2003年には第二次世界大戦中ユダヤ人を助けた黒人将校の記事で、個人として同賞の候補になった。小説デビュー作である本書はアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞の候補になるなど高く評価されている。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2010/9/8)
- 発売日 : 2010/9/8
- 言語 : 日本語
- 新書 : 552ページ
- ISBN-10 : 4150018391
- ISBN-13 : 978-4150018399
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,099,110位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
重層的なストーリー展開は新人とも思えなく上手いと思う。内容については質が高いのは、ほぼレビューアーの一致した意見と思う。問題は翻訳だ。この主人公は「おれ」という1人称が最適だろうか。そうは思えない。また、「看護師」という言葉が出てくるが、これは誤っている。この時代は「看護婦」なのだ。翻訳者の責任だろうか、編集者の責任だろうか。こんないい加減な翻訳は読みたくない。どうしたハヤカワ。
2010年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
米国ミシガン州の北部田舎町にかって住んだことがあり興味を以て読みました。ミステリー小説が好きなので興味のある方は是非読んでみてはいかがでしょうか。TBSラジオでもどなたかが推薦していました。登場人物が多くカタカナが多くて読みにくい点もありますがロスコモンの田舎町にはとても懐かしい名前が出てきて面白かったです。湖の景観が好きな方は是非ミシガンで生活してみてはいかがでしょうか。
綾瀬市吉岡在住 MASA
綾瀬市吉岡在住 MASA
2014年9月26日に日本でレビュー済み
伝説的なアイス・ホッケーの監督のスノー・モービルが見つかり、やがて・・・というお話。
著者はこれが小説の処女作だそうですが、既に大物感が漂う堂々とした小説に仕上がっており驚かされます。文章もうまく処女作でここまで書けたらアッパレな出来だと思います。ただ、プロットの中核をなす謎が割とありきたりなネタで、私も90年代の推理小説で散々読まされたことから、またか、という感慨を抱いたのも事実であります。この辺をもうちょっと工夫してくれたら☆5つあげてもよかったのですが・・・。
という毀誉褒貶ありますが、筆力のある方らしいので今後の活躍を期待したいと思います。機会があったらご一読を。
著者はこれが小説の処女作だそうですが、既に大物感が漂う堂々とした小説に仕上がっており驚かされます。文章もうまく処女作でここまで書けたらアッパレな出来だと思います。ただ、プロットの中核をなす謎が割とありきたりなネタで、私も90年代の推理小説で散々読まされたことから、またか、という感慨を抱いたのも事実であります。この辺をもうちょっと工夫してくれたら☆5つあげてもよかったのですが・・・。
という毀誉褒貶ありますが、筆力のある方らしいので今後の活躍を期待したいと思います。機会があったらご一読を。
2010年10月26日に日本でレビュー済み
そして時期は2月、どれをとっても痺れる様なアメリカン・ハードボイルド・ミステリーのお膳立て。
ジョン・ハートの「川は静かに流れて」を彷彿とさせるが、より乾いたハードなタッチ。
前半はアイス・ホッケーにまつわる主人公の回想とその他登場人物との係わりを丹念に描いており、
アイス・ホッケーの試合場面の臨場感には、このスポーツに全く興味の無い私も、思わず引き込まれる迫力の描写。
しかし、肝心の事件自体は全く進展らしきものをみせず、登場人物の名前のややこしさもあって、睡魔にも時折
見舞われる始末。正直に言うと、200ページ位のところで、本書の読了を放棄しようか、と一瞬思ったりした。
だが...300ページ過ぎから話はジェットコースター!!
残り250枚はページをめくるのももどかしく、あッ、と言う間に読了。
最初の<悪事>は容易に思い至るのだが、そこに更なる第二、弟三の仕掛けが用意されていて...
読み終わってから気づくのだが、退屈だとおもった前半の相関関係を丹念に読んでいないと、後半のジェット・コースターに
乗り遅れるので注意を...
本書の主人公も、アイス・ホッケーというスポーツに入れ込みすぎて、結局それ以外の大人の事情を、すっかり見逃していた
ことになるのだが...
本書の続編「The Hanging Tree」も本国で評判が良いようで、本当に楽しみです。
翻訳もおおむね快調、読みやすい。ただ一点、155P<のろまなサッカーが釣れたよ>とはどういう意味?
ジョン・ハートの「川は静かに流れて」を彷彿とさせるが、より乾いたハードなタッチ。
前半はアイス・ホッケーにまつわる主人公の回想とその他登場人物との係わりを丹念に描いており、
アイス・ホッケーの試合場面の臨場感には、このスポーツに全く興味の無い私も、思わず引き込まれる迫力の描写。
しかし、肝心の事件自体は全く進展らしきものをみせず、登場人物の名前のややこしさもあって、睡魔にも時折
見舞われる始末。正直に言うと、200ページ位のところで、本書の読了を放棄しようか、と一瞬思ったりした。
だが...300ページ過ぎから話はジェットコースター!!
残り250枚はページをめくるのももどかしく、あッ、と言う間に読了。
最初の<悪事>は容易に思い至るのだが、そこに更なる第二、弟三の仕掛けが用意されていて...
読み終わってから気づくのだが、退屈だとおもった前半の相関関係を丹念に読んでいないと、後半のジェット・コースターに
乗り遅れるので注意を...
本書の主人公も、アイス・ホッケーというスポーツに入れ込みすぎて、結局それ以外の大人の事情を、すっかり見逃していた
ことになるのだが...
本書の続編「The Hanging Tree」も本国で評判が良いようで、本当に楽しみです。
翻訳もおおむね快調、読みやすい。ただ一点、155P<のろまなサッカーが釣れたよ>とはどういう意味?
2010年12月27日に日本でレビュー済み
『卵をめぐる祖父の戦争』に続く、ハヤカワ・ポケット・ミステリ新装第二弾。
’10年、「このミステリーがすごい!」海外編で第19位にランクインした、≪ウォール・ストリート・ジャーナル≫が9.11事件報道により’02年にピュリッツァー賞を受賞した際の一員で、現在は同紙のシカゴ支局長をつとめるブライアン・グルーリーの小説デビュー作。惜しくも受賞を逃したが、アメリカにおけるミステリーの最高峰、’10年度「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」のベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)にもノミネートされた。
1998年2月。ところはミシガン州北部の田舎町スタヴェイション・レイク。‘おれ’ことガスは、少年時代にアイスホッケーの州大会決勝でおかした致命的なミス、そして成人してからの大都市デトロイトで≪デトロイト・タイムズ≫の記者として勇み足を踏んで解雇・現在も係争中、という二重のトラウマを抱えている。34才の現在は地元ローカル紙≪パイロット≫の編集長代理をつとめ、アイスホッケーも趣味で続けている。
そんなある晩、凍てついた湖のほとりにスノーモビルの残骸が打ちあげられた。それは、かつて‘おれ’も師事した、少年アイスホッケー・チームを率いた伝説のコーチ、ブラックバーンが10年前に事故死した時に乗っていたものだった。にわかに浮上する殺人の疑い。‘おれ’と、ただひとりの部下・赤毛の女性記者ジョーニーは早速取材を始めるのだが、それは世にもおぞましい、町の“暗部”を暴くことでもあった。
あくまでも事実の追求とそれを記事にすることにこだわる‘おれ’の“新聞記者”魂。間奏曲のように回想される、少年時代にひたむきに打ち込んだ“スポーツ”。そしてほろ苦い“青春小説”のテイスト。いつしか‘おれ’に感情移入して、この長い、読み応えたっぷりの重層的な物語を、特に後半に至って思わずの急展開につい一気読みしてしまう。
’10年、「このミステリーがすごい!」海外編で第19位にランクインした、≪ウォール・ストリート・ジャーナル≫が9.11事件報道により’02年にピュリッツァー賞を受賞した際の一員で、現在は同紙のシカゴ支局長をつとめるブライアン・グルーリーの小説デビュー作。惜しくも受賞を逃したが、アメリカにおけるミステリーの最高峰、’10年度「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」のベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)にもノミネートされた。
1998年2月。ところはミシガン州北部の田舎町スタヴェイション・レイク。‘おれ’ことガスは、少年時代にアイスホッケーの州大会決勝でおかした致命的なミス、そして成人してからの大都市デトロイトで≪デトロイト・タイムズ≫の記者として勇み足を踏んで解雇・現在も係争中、という二重のトラウマを抱えている。34才の現在は地元ローカル紙≪パイロット≫の編集長代理をつとめ、アイスホッケーも趣味で続けている。
そんなある晩、凍てついた湖のほとりにスノーモビルの残骸が打ちあげられた。それは、かつて‘おれ’も師事した、少年アイスホッケー・チームを率いた伝説のコーチ、ブラックバーンが10年前に事故死した時に乗っていたものだった。にわかに浮上する殺人の疑い。‘おれ’と、ただひとりの部下・赤毛の女性記者ジョーニーは早速取材を始めるのだが、それは世にもおぞましい、町の“暗部”を暴くことでもあった。
あくまでも事実の追求とそれを記事にすることにこだわる‘おれ’の“新聞記者”魂。間奏曲のように回想される、少年時代にひたむきに打ち込んだ“スポーツ”。そしてほろ苦い“青春小説”のテイスト。いつしか‘おれ’に感情移入して、この長い、読み応えたっぷりの重層的な物語を、特に後半に至って思わずの急展開につい一気読みしてしまう。
2010年11月4日に日本でレビュー済み
今年最大の掘り出しもの!
日本語タイトルがまずいので、あまり期待しないで読みはじめたのですが(笑)。
少年の成長モノに弱い私のハートをわしづかみ!
なじみのないアイスホッケーの世界も新鮮に読めました。
最近、ミステリの分野で食傷気味なファザコン色も、この程度ならクドくないです。
オチの一部は冒頭から予想できちゃったりもして、「やっぱりね」と喜ばせてくれたりもして。
続編もすごく楽しみです。
日本語タイトルがまずいので、あまり期待しないで読みはじめたのですが(笑)。
少年の成長モノに弱い私のハートをわしづかみ!
なじみのないアイスホッケーの世界も新鮮に読めました。
最近、ミステリの分野で食傷気味なファザコン色も、この程度ならクドくないです。
オチの一部は冒頭から予想できちゃったりもして、「やっぱりね」と喜ばせてくれたりもして。
続編もすごく楽しみです。
2010年11月23日に日本でレビュー済み
登場人物が多く、名前を覚えることと、人間関係を把握するまで大変なので、最初の20〜30ページがもたつくという欠点がありますが、登場人物の紹介があるので、問題ないでしょう。
最初を乗り切ると、スポーツ、青春(成長)の豊穣な物語が待っています。
登場人物のキャラクターがセリフや直接的な描写に頼ることも無く、仕草や小道具を巧みに使い異なる角度から描くことで、生き生きと立体的に描かれており、最近読んだ小説の中では出色の出来といえるでしょう。
例えば「エッゴ」と主人公が呼ぶホッケー道具にまつわるエピソードや主人公の思いを描写することで、ホッケーに対する愛情、幼馴染との親密さ、主人公の成長などを象徴させた点は、見事しか形容しようがありません。
肝心のミステリーとしてはミステリーを読みなれた人なら先を読めてしまうという弱い点がありますが、それを補って余りある、感動的な物語を楽しませてくれました。
最初を乗り切ると、スポーツ、青春(成長)の豊穣な物語が待っています。
登場人物のキャラクターがセリフや直接的な描写に頼ることも無く、仕草や小道具を巧みに使い異なる角度から描くことで、生き生きと立体的に描かれており、最近読んだ小説の中では出色の出来といえるでしょう。
例えば「エッゴ」と主人公が呼ぶホッケー道具にまつわるエピソードや主人公の思いを描写することで、ホッケーに対する愛情、幼馴染との親密さ、主人公の成長などを象徴させた点は、見事しか形容しようがありません。
肝心のミステリーとしてはミステリーを読みなれた人なら先を読めてしまうという弱い点がありますが、それを補って余りある、感動的な物語を楽しませてくれました。