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人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317) 文庫 – 1978/10/1
シオドア スタージョン
(著),
矢野 徹
(翻訳)
- 本の長さ380ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1978/10/1
- ISBN-104150103178
- ISBN-13978-4150103170
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1978/10/1)
- 発売日 : 1978/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 380ページ
- ISBN-10 : 4150103178
- ISBN-13 : 978-4150103170
- Amazon 売れ筋ランキング: - 350,798位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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イメージ付きのレビュー
4 星
超人類の誕生をテーマとしたSF長編
幻想SF作家、スタージョンの代表作の一つ。54年に国際幻想文学賞を受賞している。黒人の双子、父親に閉じこめられている少女、発育不全の赤ん坊、白痴の青年…といった、世間から邪険に扱われている者達が実は様々な超能力者で、一つに集まることにより人間を遙かに凌いでいく−という、SF作品としては少し重めのテーマ。超能力者たちは年齢や性別はバラバラだが、共通するのはみな無邪気であること。その天使性と悪魔性のギャップの恐ろしさが、あまり派手でない描写によってより引き立てられている。正気と狂気、健常と奇形は表裏一体であること、虐げられた者たちが集団となることによって得られる優越とその切なさのようなものをうまく描いている。残念なのは翻訳が冗長で文体も古くさく、読むのに少々骨が折れること(最も原文も説明的でありすぎるところもあるらしいが)。ぜひ新訳を求む。また、最近表紙が新しくなっているが、前述の天使性と悪魔性のギャップ、をうまく表している不気味な旧表紙の方が好み。ちなみに全く関係ないが、本作はマンガ「ドラゴンヘッド」にて登場人物が読んでいる描写があり、再度認知度が上がった。かくいう私もそう。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
購入前の情報より、きれいなものでした。ブックオフなどでは見つけることができず利用してみました。入手できて満足です。
2012年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は「一角獣・多角獣」という傑作短編集が発表された当時に執筆された長編小説です。
「一角獣・多角獣」の中の傑作短編小説に「孤独の円盤」いう作品がありますが,そこでは次のような趣旨のことが書かれています。
「生きものには言うに言われぬさびしさがあり,その大きなさびしさを生き物同士で分かちあわねばならない」
同時期に執筆された本作にも,どこか「さびしさ」が漂っています。
ただ,本作は,どこか読者を突き放したような書かれ方をしており,最初に読んでいる段階では十分理解するのが難しいところがあります。
なんだかわけが分からなくて,なんどか読むのを止めようかと思いながらも,でももう少しと思いながら読み続けると,あるところでハッと気づかされる場面があり,そこで改めて最初に戻って読み直すと,意味の分からなかった会話の内容がスイスイと頭に入ってくるという不思議な文体で書かれています。
「白蟻は樹を消化できないが,白蟻の腹の中にいる微生物はできる。そして白蟻が食べるものは,その微生物があとにのこしたものなんだ」
「共棲よ。二つの種類の生命が,生存のためにおたがいにもたれかかっているのよ」
「それで,四つか五つの種類が,そうやっているってことの本はあるかい?」
第1章で登場する,とほうもない白痴ローンは,集団人という新たな段階にある人類の存在について探し求める男である。
瞬間移動ができる双子の少女,念動力をもち,かつ赤ん坊と会話ができる少女,とてつもない頭脳をもつ赤ん坊,人の心を自由に操作できる少年。彼らをつなぐのがローンだ。
とにかくあきらめずに最後まで読んでみてください。
「一角獣・多角獣」の中の傑作短編小説に「孤独の円盤」いう作品がありますが,そこでは次のような趣旨のことが書かれています。
「生きものには言うに言われぬさびしさがあり,その大きなさびしさを生き物同士で分かちあわねばならない」
同時期に執筆された本作にも,どこか「さびしさ」が漂っています。
ただ,本作は,どこか読者を突き放したような書かれ方をしており,最初に読んでいる段階では十分理解するのが難しいところがあります。
なんだかわけが分からなくて,なんどか読むのを止めようかと思いながらも,でももう少しと思いながら読み続けると,あるところでハッと気づかされる場面があり,そこで改めて最初に戻って読み直すと,意味の分からなかった会話の内容がスイスイと頭に入ってくるという不思議な文体で書かれています。
「白蟻は樹を消化できないが,白蟻の腹の中にいる微生物はできる。そして白蟻が食べるものは,その微生物があとにのこしたものなんだ」
「共棲よ。二つの種類の生命が,生存のためにおたがいにもたれかかっているのよ」
「それで,四つか五つの種類が,そうやっているってことの本はあるかい?」
第1章で登場する,とほうもない白痴ローンは,集団人という新たな段階にある人類の存在について探し求める男である。
瞬間移動ができる双子の少女,念動力をもち,かつ赤ん坊と会話ができる少女,とてつもない頭脳をもつ赤ん坊,人の心を自由に操作できる少年。彼らをつなぐのがローンだ。
とにかくあきらめずに最後まで読んでみてください。
2007年6月14日に日本でレビュー済み
この小説はサイボーグ009の元ネタです。それでは原作は009とどう違うか?
まずキャラクターは009と同じです。違いは空想科学としての設定です。
例えば反重力など空想科学だとしてもそれなりの仮説を設定して、それを
検証しようとする。これが日本のSFには欠けています、欧米のSFは真面目に
考える。
そしてたとえ小説の中の政治経済でもきちんと大きなテンプレートを
予め構築してから小説を書き始める。だから読み応えがある。
次にスタージョンの小説は非常に解かりにくい前衛小説として有名です。
ここで読むコツを少し伝授。
スタージョンの小説は起承転結のプロット或いはスクリプトに何処か
1つブラックボックスを入れます。だから途中で急にわけのわからない
小説に思える。だからその落とし穴が何処か探す事。途中で読み返しても
良いです。
それから小説の中の重要な手がかりも故意に抜き取っている事もあります。
ここでまたわからなくする。意識してスタージョンはそうします。
この二点を気をつけてください。
まずキャラクターは009と同じです。違いは空想科学としての設定です。
例えば反重力など空想科学だとしてもそれなりの仮説を設定して、それを
検証しようとする。これが日本のSFには欠けています、欧米のSFは真面目に
考える。
そしてたとえ小説の中の政治経済でもきちんと大きなテンプレートを
予め構築してから小説を書き始める。だから読み応えがある。
次にスタージョンの小説は非常に解かりにくい前衛小説として有名です。
ここで読むコツを少し伝授。
スタージョンの小説は起承転結のプロット或いはスクリプトに何処か
1つブラックボックスを入れます。だから途中で急にわけのわからない
小説に思える。だからその落とし穴が何処か探す事。途中で読み返しても
良いです。
それから小説の中の重要な手がかりも故意に抜き取っている事もあります。
ここでまたわからなくする。意識してスタージョンはそうします。
この二点を気をつけてください。
2008年3月30日に日本でレビュー済み
「社会から疎外された、どこかが"欠けた"孤独な者たち。彼らは、出会い、結びつくことでひとつの新しい、強大な種−−集団人(ホモ・ゲシュタルト)となる!」
こんなプロットだけでも、自分自身の心に"欠けたモノ"を持つ人にとっては魅力的な物語に感じられるでしょう。
そして、この作品はその期待を決して裏切りません。
スタージョンの描く孤独と触れあい、そして理想−−−
スタージョン以外誰も考えつかない独創性−−−
本作品は、この二つのエッセンスが素晴らしくブレンドされているのです。
中篇「赤ん坊は三つ」に「とほうもない白痴」「道徳」を前後編としてつけ加えて成立されたとは思えぬ完成度の物語。
特に白痴の青年ローンが不幸な少女エヴァリン・キューと感応して目覚める場面や、少年ジェリーと催眠療法医スターンの掛け合いは必読です。
読んでおくべき、また読んで満足できる一冊としてお薦めできます。
それから最後に一言。
SF小説の副題に「道徳」なんてつけるセンスの持ち主、スタージョン以外考えられない!!
こんなプロットだけでも、自分自身の心に"欠けたモノ"を持つ人にとっては魅力的な物語に感じられるでしょう。
そして、この作品はその期待を決して裏切りません。
スタージョンの描く孤独と触れあい、そして理想−−−
スタージョン以外誰も考えつかない独創性−−−
本作品は、この二つのエッセンスが素晴らしくブレンドされているのです。
中篇「赤ん坊は三つ」に「とほうもない白痴」「道徳」を前後編としてつけ加えて成立されたとは思えぬ完成度の物語。
特に白痴の青年ローンが不幸な少女エヴァリン・キューと感応して目覚める場面や、少年ジェリーと催眠療法医スターンの掛け合いは必読です。
読んでおくべき、また読んで満足できる一冊としてお薦めできます。
それから最後に一言。
SF小説の副題に「道徳」なんてつけるセンスの持ち主、スタージョン以外考えられない!!
2013年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幻想SF作家、スタージョンの代表作の一つ。54年に国際幻想文学賞を受賞している。
黒人の双子、父親に閉じこめられている少女、発育不全の赤ん坊、白痴の青年…といった、世間から邪険に扱われている者達が実は様々な超能力者で、一つに集まることにより人間を遙かに凌いでいく−という、SF作品としては少し重めのテーマ。
超能力者たちは年齢や性別はバラバラだが、共通するのはみな無邪気であること。その天使性と悪魔性のギャップの恐ろしさが、あまり派手でない描写によってより引き立てられている。正気と狂気、健常と奇形は表裏一体であること、虐げられた者たちが集団となることによって得られる優越とその切なさのようなものをうまく描いている。
残念なのは翻訳が冗長で文体も古くさく、読むのに少々骨が折れること(最も原文も説明的でありすぎるところもあるらしいが)。ぜひ新訳を求む。
また、最近表紙が新しくなっているが、前述の天使性と悪魔性のギャップ、をうまく表している不気味な旧表紙の方が好み。
ちなみに全く関係ないが、本作はマンガ「ドラゴンヘッド」にて登場人物が読んでいる描写があり、再度認知度が上がった。かくいう私もそう。
黒人の双子、父親に閉じこめられている少女、発育不全の赤ん坊、白痴の青年…といった、世間から邪険に扱われている者達が実は様々な超能力者で、一つに集まることにより人間を遙かに凌いでいく−という、SF作品としては少し重めのテーマ。
超能力者たちは年齢や性別はバラバラだが、共通するのはみな無邪気であること。その天使性と悪魔性のギャップの恐ろしさが、あまり派手でない描写によってより引き立てられている。正気と狂気、健常と奇形は表裏一体であること、虐げられた者たちが集団となることによって得られる優越とその切なさのようなものをうまく描いている。
残念なのは翻訳が冗長で文体も古くさく、読むのに少々骨が折れること(最も原文も説明的でありすぎるところもあるらしいが)。ぜひ新訳を求む。
また、最近表紙が新しくなっているが、前述の天使性と悪魔性のギャップ、をうまく表している不気味な旧表紙の方が好み。
ちなみに全く関係ないが、本作はマンガ「ドラゴンヘッド」にて登場人物が読んでいる描写があり、再度認知度が上がった。かくいう私もそう。
幻想SF作家、スタージョンの代表作の一つ。54年に国際幻想文学賞を受賞している。
黒人の双子、父親に閉じこめられている少女、発育不全の赤ん坊、白痴の青年…といった、世間から邪険に扱われている者達が実は様々な超能力者で、一つに集まることにより人間を遙かに凌いでいく−という、SF作品としては少し重めのテーマ。
超能力者たちは年齢や性別はバラバラだが、共通するのはみな無邪気であること。その天使性と悪魔性のギャップの恐ろしさが、あまり派手でない描写によってより引き立てられている。正気と狂気、健常と奇形は表裏一体であること、虐げられた者たちが集団となることによって得られる優越とその切なさのようなものをうまく描いている。
残念なのは翻訳が冗長で文体も古くさく、読むのに少々骨が折れること(最も原文も説明的でありすぎるところもあるらしいが)。ぜひ新訳を求む。
また、最近表紙が新しくなっているが、前述の天使性と悪魔性のギャップ、をうまく表している不気味な旧表紙の方が好み。
ちなみに全く関係ないが、本作はマンガ「ドラゴンヘッド」にて登場人物が読んでいる描写があり、再度認知度が上がった。かくいう私もそう。
黒人の双子、父親に閉じこめられている少女、発育不全の赤ん坊、白痴の青年…といった、世間から邪険に扱われている者達が実は様々な超能力者で、一つに集まることにより人間を遙かに凌いでいく−という、SF作品としては少し重めのテーマ。
超能力者たちは年齢や性別はバラバラだが、共通するのはみな無邪気であること。その天使性と悪魔性のギャップの恐ろしさが、あまり派手でない描写によってより引き立てられている。正気と狂気、健常と奇形は表裏一体であること、虐げられた者たちが集団となることによって得られる優越とその切なさのようなものをうまく描いている。
残念なのは翻訳が冗長で文体も古くさく、読むのに少々骨が折れること(最も原文も説明的でありすぎるところもあるらしいが)。ぜひ新訳を求む。
また、最近表紙が新しくなっているが、前述の天使性と悪魔性のギャップ、をうまく表している不気味な旧表紙の方が好み。
ちなみに全く関係ないが、本作はマンガ「ドラゴンヘッド」にて登場人物が読んでいる描写があり、再度認知度が上がった。かくいう私もそう。
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2002年1月23日に日本でレビュー済み
ある作品がSFであるための最も重要な要素の一つとして,センス・
オブ・ワンダー(「驚きの感覚」とでも訳すのでしょうか?)を挙げて
いた人がいました。この作品は,まさにそのセンス・オブ・ワンダーに
満ちた物語です。
くわしい内容の説明はひかえておきますが,この作品で提唱される,
ホモ・ゲシュタルト(集団有機体としての人間)という概念は,後年
様々な科学者や,芸術家の作品に影響を与えました(たとえば,石森章
太郎氏の『サイボーグ009』)。
アイデアもさることながら,作品全体を漂う不思議な雰囲気,巧妙な
ストーリー展開と,どれをとっても比類なき名作だと思います。
オブ・ワンダー(「驚きの感覚」とでも訳すのでしょうか?)を挙げて
いた人がいました。この作品は,まさにそのセンス・オブ・ワンダーに
満ちた物語です。
くわしい内容の説明はひかえておきますが,この作品で提唱される,
ホモ・ゲシュタルト(集団有機体としての人間)という概念は,後年
様々な科学者や,芸術家の作品に影響を与えました(たとえば,石森章
太郎氏の『サイボーグ009』)。
アイデアもさることながら,作品全体を漂う不思議な雰囲気,巧妙な
ストーリー展開と,どれをとっても比類なき名作だと思います。
2004年2月13日に日本でレビュー済み
シオドア・スタージョンの『人間以上』は、なかなか良い。あるいは、それ程でもない。では無く、良く分からない。あるいは、好き。かに、その評価が分かれる作品のような気がします。そして、好きな人にとってのその評価はほとんど最大級となり得る大きな可能性を秘めているような気がします。10人に1人の確立なのか、100人に1人なのか、それは分かりませんが、好きになった人にとって、『人間以上』は、確実に、ずぅーと探していたものがようやく見つかったかのような喜びを与えてくれるでしょうし、同時に、その人にとっての、無人島に持って行くべき本を確実に一冊増やしてくれる。そういう作品だと思います。そして、それは、そのまま、シオドア・スタージョンのもうひとつの傑作『夢みる宝石』にも当て嵌ります。未読の方は、この両作品、試されてみる価値は十二分にあるのではないでしょうか。
2003年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スタージョンが本書でつくり出したホモ・ゲシュタルトは、まさに「人間以上」の存在である。さまざまな超能力者から構成され、なおかつ緊密な一体性を保っている。集団でありながら一個の人間で、それが従来の人間(=現在の我々)とずれを生じ、また時には重ね合わされる。このあたりの手法が見事であった。予断を許さないストーリー展開となかなか明かされない謎。これらが相まって一気に読み進めてしまった。
しかしスタージョンのホモ・ゲシュタルトは、良い意味でも悪い意味でもアメリカ的すぎる。従来の人間との対比は意外性を追求しているところがかえって単純すぎる。そして、あまりにも楽天的な結末は読者をがっかりさせる。実に惜しい作品だと思う。
しかしスタージョンのホモ・ゲシュタルトは、良い意味でも悪い意味でもアメリカ的すぎる。従来の人間との対比は意外性を追求しているところがかえって単純すぎる。そして、あまりにも楽天的な結末は読者をがっかりさせる。実に惜しい作品だと思う。