タイムマシンに乗ってキリストの死を見届けに行ったら、自分がキリストになってしまった、とういう話。
ムアコックにしては異色だが、これはすごい。
どうしようもないダメ人間だった主人公が自分が聖書に書いてあるキリストと同じ行動をしていることに気付き、そして、キリストであるという自覚を持つに至る。そして、キリストが取った行動をなぞり、聖者のごとく振る舞う。そこに主人公の成長を見いだすが、最終的にはやっぱり小さなダメ人間であることには変わりがないというのが結論。
タイムマシンに乗るに至るまでの過程というか、人生をキリスト時代と対比して克明に描いており、その対比がうまい。ピーター・アクロイド「
魔の聖堂
」でよく似た手法がとられているが、私はこちらの方が好きだ。
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この人を見よ (ハヤカワ文庫 SF 444) 文庫 – 1981/8/1
マイクル ムアコック
(著),
峯岸 久
(翻訳)
- 本の長さ260ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1981/8/1
- ISBN-104150104441
- ISBN-13978-4150104443
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1981/8/1)
- 発売日 : 1981/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 260ページ
- ISBN-10 : 4150104441
- ISBN-13 : 978-4150104443
- Amazon 売れ筋ランキング: - 669,530位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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5 星
これはすごい
タイムマシンに乗ってキリストの死を見届けに行ったら、自分がキリストになってしまった、とういう話。 ムアコックにしては異色だが、これはすごい。 どうしようもないダメ人間だった主人公が自分が聖書に書いてあるキリストと同じ行動をしていることに気付き、そして、キリストであるという自覚を持つに至る。そして、キリストが取った行動をなぞり、聖者のごとく振る舞う。そこに主人公の成長を見いだすが、最終的にはやっぱり小さなダメ人間であることには変わりがないというのが結論。 タイムマシンに乗るに至るまでの過程というか、人生をキリスト時代と対比して克明に描いており、その対比がうまい。ピーター・アクロイド「魔の聖堂」でよく似た手法がとられているが、私はこちらの方が好きだ。
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2008年12月19日に日本でレビュー済み
タイムマシンに乗ってキリストの死を見届けに行ったら、自分がキリストになってしまった、とういう話。
ムアコックにしては異色だが、これはすごい。
どうしようもないダメ人間だった主人公が自分が聖書に書いてあるキリストと同じ行動をしていることに気付き、そして、キリストであるという自覚を持つに至る。そして、キリストが取った行動をなぞり、聖者のごとく振る舞う。そこに主人公の成長を見いだすが、最終的にはやっぱり小さなダメ人間であることには変わりがないというのが結論。
タイムマシンに乗るに至るまでの過程というか、人生をキリスト時代と対比して克明に描いており、その対比がうまい。ピーター・アクロイド「[[ASIN:4105348019 魔の聖堂]]」でよく似た手法がとられているが、私はこちらの方が好きだ。
ムアコックにしては異色だが、これはすごい。
どうしようもないダメ人間だった主人公が自分が聖書に書いてあるキリストと同じ行動をしていることに気付き、そして、キリストであるという自覚を持つに至る。そして、キリストが取った行動をなぞり、聖者のごとく振る舞う。そこに主人公の成長を見いだすが、最終的にはやっぱり小さなダメ人間であることには変わりがないというのが結論。
タイムマシンに乗るに至るまでの過程というか、人生をキリスト時代と対比して克明に描いており、その対比がうまい。ピーター・アクロイド「[[ASIN:4105348019 魔の聖堂]]」でよく似た手法がとられているが、私はこちらの方が好きだ。
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2011年3月29日に日本でレビュー済み
タイムマシンが完成した、さて過去の
どこから探求しよう?
この小説の主人公はまず、キリストというのは
本当に実在したのかどうか、確かめに行きます。
さて、そうして過去へ遡ってみると・・・。
ある意味、ブラックジョークです。
とても辛辣な。
でもそんなテイストで終始させない批評眼が、
この作品にはあります。
宗教マニアにはツッコミどころ満載でしょう。
そんなの関係ないです。
このムアコックの大胆な想像力こそが、
まさにセンス・オブ・ワンダー。
「必殺からくり人」に似たようなシチュエーションの
回がありました。
たぶん脚本家の方にはこの小説が
念頭にあったのでしょう。
短いが硬質の傑作!!
どこから探求しよう?
この小説の主人公はまず、キリストというのは
本当に実在したのかどうか、確かめに行きます。
さて、そうして過去へ遡ってみると・・・。
ある意味、ブラックジョークです。
とても辛辣な。
でもそんなテイストで終始させない批評眼が、
この作品にはあります。
宗教マニアにはツッコミどころ満載でしょう。
そんなの関係ないです。
このムアコックの大胆な想像力こそが、
まさにセンス・オブ・ワンダー。
「必殺からくり人」に似たようなシチュエーションの
回がありました。
たぶん脚本家の方にはこの小説が
念頭にあったのでしょう。
短いが硬質の傑作!!
2003年4月26日に日本でレビュー済み
タイムマシンがあったら何を見てみたいだろう? イエス・キリストの復活を見てみたい人は(キリスト教信者じゃなくても)結構いるのではないだろうか?
標題の物語は、それを実行した人の話。やや陰鬱なトーンの中で、タイムマシンに関する重要なテーマ、「歴史は変えることができるのか」についてをベースに話が進んでいく。物語自体はあまり長くないものですが、ストーリーの流れと結末の衝撃に、深く考えさせられるものがあります。
ニーチェの同名の小説と同じぐらいの深い意味があると思って、著者はこの題名を付けたのではないだろうか、そんな思いです。
標題の物語は、それを実行した人の話。やや陰鬱なトーンの中で、タイムマシンに関する重要なテーマ、「歴史は変えることができるのか」についてをベースに話が進んでいく。物語自体はあまり長くないものですが、ストーリーの流れと結末の衝撃に、深く考えさせられるものがあります。
ニーチェの同名の小説と同じぐらいの深い意味があると思って、著者はこの題名を付けたのではないだろうか、そんな思いです。
2008年2月23日に日本でレビュー済み
英雄譚を得意とするイメージのムアコックによる異色作。
「闇よ、集え!」にやや近く、一転して重厚な世界を作り上げている作品です。ですので、ムアコックの英雄譚が好きな方には余り奨めません。どちらかと言えば、反ムアコックの方に読んでいただきたい作品です。
人生に悩む男が、タイムマシンに乗って、イエスの存在を確かめに来る。退路を絶たれた中で、目的を果たすべく旅をする彼が見たものは...!
白痴同然のイエス、身持ちの悪い浮気性のマリアであった。衝撃を受けた主人公は、その後、果たしてどうしたのか?
また、イエス伝説はどうして生まれたのか?
恐るべき整合性でムアコックは、架空(かどうかは誰も分かりませんが)のストーリーを生み出しました。迫力ある後半部分には、本当に驚きました。
ラストは強烈!
是非、お読み下さい。
「闇よ、集え!」にやや近く、一転して重厚な世界を作り上げている作品です。ですので、ムアコックの英雄譚が好きな方には余り奨めません。どちらかと言えば、反ムアコックの方に読んでいただきたい作品です。
人生に悩む男が、タイムマシンに乗って、イエスの存在を確かめに来る。退路を絶たれた中で、目的を果たすべく旅をする彼が見たものは...!
白痴同然のイエス、身持ちの悪い浮気性のマリアであった。衝撃を受けた主人公は、その後、果たしてどうしたのか?
また、イエス伝説はどうして生まれたのか?
恐るべき整合性でムアコックは、架空(かどうかは誰も分かりませんが)のストーリーを生み出しました。迫力ある後半部分には、本当に驚きました。
ラストは強烈!
是非、お読み下さい。