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竜の戦士 (ハヤカワ文庫 SF 483 パーンの竜騎士 1) ペーパーバック – 1982/8/18

4.2 5つ星のうち4.2 11個の評価

ネビュラ賞、ヒューゴー賞を受賞した傑作です。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (1982/8/18)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1982/8/18
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ペーパーバック ‏ : ‎ 427ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4150104832
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150104832
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 11個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
11グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年4月21日に日本でレビュー済み
青銅、褐、青、緑。
色とりどりの竜にうちまたがり、竜騎士は惑星パーンの空を駆け巡って邪悪の星からの侵入者を迎え撃つ。
平穏な400年の間に竜騎士の役割は忘れ去られ、衰退の一途にあったが、そんな時に侵入者襲来の予兆である”赤ノ星”が空に出現する・・・

1960年代後半に発表された女流ファンタジーの古典。
当時、このジャンルは産声を上げたばかりであり、同時代のファンタジーの多くと同様SF的な接点がある。
惑星パーンが宇宙開拓で入植の対象となり、その後忘れ去れたという設定は、物語の本質には直接関係ないようであるが、ターゲットとして想定されていたSF読者への導入部としては適切であろう。
パーンの竜達は、SFで言うところの”ワープ”と”タイム・トラベル”が可能である。SFにおいてこれらの技術を登場させるためには、「何の説明もなし」とはいかないだろうが、ファンタジーにおいてはすんなりと受け入れられる。
この後に続く多くのファンタジーがSF的接点を持たずとも受け入れられるようになったのは、本作のようなジャンル・ミックスな作品の成果なのだと改めて思った。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 さすがに、ヒューゴーー賞、ネビュラ賞両賞受賞作である。久しぶりに再読しても、面白く、一気に読めた。ちょっと登場人物が多すぎて、こんがらがるのが難点。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年9月8日に日本でレビュー済み
本書の原型が雑誌に発表されたのは1967年なので50年以上前になる。日本ではまず1973年にハヤカワSFシリーズで出版され、1982年にSF文庫に再録された。評者が今回読んだのはこのSF文庫版だが、出版時に買ったものなので40年間積んでいたことになる。次には読もうと思い始めてからでも既に10年近く経ってしまった。

 本書はヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞しているし、SF文庫でも続篇がたくさん出ているので出版当時は人気だったのだろうと思う。様々な参考文献でも紹介されていたが、最近はさすがに名前を見ることもなくなってしまった。
 そんな本書を今さら読もうというのは、趣味とこだわり以外何もない。

 巻末の解説では、本書が発表された当時のアメリカでは古いタイプのSFが飽きられ始めていたのだが、そんな時に、女性によって書かれ女性が主人公となるSFファンタジーである本書が新しい興奮をもたらしたこと、そして、本書以降、SFにおいても女性作家が認められるようになり、増加したと書かれている。同時期に注目され始めたル・グィンとの違いについても簡単に触れられている。

 あらすじについては、あちこちで紹介されているのでお馴染みだが、失われた植民地である中世風の惑星パーンを舞台に、200年に一度接近する惑星から飛んでくる災い、糸胞を退治するために飛び回る火を吐くドラゴン(竜)とそれをテレパシーで操る竜騎士の物語である。当時人気が出始めていたファンタジーとSFの中間のような設定で、評者もそこに興味を持っていた。
 ファンタジーのような世界と舞台設定だけど、そこにSFがどのように組み込まれているのか?それこそが本作の注目点だろう。
 しかし、身も蓋もない言い方をしてしまうと、本書がSFでなければならない理由はあまりなかった。設定でSF的と言えるのは、この世界を襲う脅威が他の惑星からやってくることと、テレパシーとテレポーテーションの能力を持つドラゴンが自然のものではなく、植民地時代の知識を継いだパーン人によって生み出されたと説明されていることぐらい。
 ストーリーについては、終盤にテレポーテーションで時を超える場面が登場するが、それぐらい。

 一方で、気になった点を挙げると、まず竜のテレポート。竜を乗りこなす竜騎士が目的地を脳裏に思い浮かべると、それを読み取った竜が目的地へテレポートするのだが、たまたま主人公が思い浮かべた目標が懐かしい過去の情景だったため、彼女の竜は過去のその地へテレポートしてしまう。この理屈だと、過去の記憶を元にして目的地を設定すると、現在の目的地にはたどり着けないことになってしまう。
 2点目。パーンを襲う糸胞は、“不毛の惑星から、成長するのに必要な栄養を与えてくれる有機物を求めて”宇宙空間を渡ってくるということなのだが、厳しい不毛の惑星で惑星間空間を超えるような糸胞が成長できるのだろうか?また、パーンの地表に降りた糸胞は有機物を食べ尽くして大地を荒廃させた後、死滅してしまうということなのだが、それで終わりだとしたら生物として意味がないのではないか?これについて本書ではそれ以上の説明はなかった。
 3点目、登場人物がわかり難い。ハイフンで繋がれている竜騎士の名前が覚えにくいうえに、伴侶となる竜の名前が覚えられない。これは誰の竜だったかなと。登場人物が少ない第一部は問題ないけど第二部以降はわけがわからなくなる。一覧表を作ればよいのだけれど、主従の関係も出てきたので面倒になって途中であきらめた。シリーズに嵌ってしまえば問題ないのだが、今の時点ではそこまで行かない。第一巻にも、せめて主要人物だけでも一覧表があればわかり易いと思う。
 4点目、パーンの広さがまったく感じられない。テレポートすれば関係ないのだけれど、太守たちの中にはベンデン大巌洞まで数週間歩き続けたという記述もあるが、大陸の反対側から数週間でたどり着けるものなのか?また、南ノ大陸までも一気に飛べる距離でしかないのか?
 5点目、続篇とシリーズ化について、作者は第一巻の時点でどこまで考えていたのだろうか?現在では長大なシリーズになっているけれど、第一巻の時点ではそこまで想定していなかったのではないか?(将来のシリーズ化を考えていろいろ設定を考えておくけど、結局、一巻だけで終わるのはよくある話だけど)せめて第一巻だけは単独で完結していて欲しかった。明らかに伏線と思われるような記述もあるし、糸胞の詳細など続篇を予定して中途半端な記述にしているのかがわからずモヤモヤする。評価が辛めになったのは、この点が大きいかもしれない。

 ただ、往年の名作なので、後の世界(日本のエンタメ界)に影響を与えたことは十分考えられる。
 評者が思い浮かべたのは次の3件。
 まず、佐藤史生の『夢見る惑星』 これはドラゴンと人間の関係も含めてそのものズバリ。
 2点目は、『風の谷のナウシカ』 最初に気付いたのは、森に潜む胞子を火炎放射器で焼く村人のイメージだけど、城砦の歴史を描いた壁のタペストリーとか、飛翔シーンなど部分的に拾っているようだ。一方で、腐海の存在理由と生態系の設定は本書の糸胞の設定に対する作者なりの提案かも知れない。
 3点目は、『ファイブスターストーリーズ(以下、FSS)』 特に初期の設定。FSSの騎士とファティマ、そしてモーターヘッドの関係が、竜と竜騎士の関係に良く似ている。そこだけでなく、大陸配置図や封建諸国と領主の設定、テレポーテーションするドラゴンの存在、定期的に接近して災いをもたらす長周期軌道の遊星、また、食いしん坊のドラゴンの幼生など、思い当たるところが次々出てくる。評者はFSSの初期設定について、以前からFSSはどこから発想したのだろうかと疑問に思っていたのだが、もしかしたらここにその一つがあったのかも。

 翻訳に一部問題があるような気がする。読み難いところがあるし、一部のセリフに違和感があるし、前後で意味が通じなかったり、論理が逆転している文章がある。原文の問題もあるのだろうか?続篇のどれかはペーパーバック版を持っているので、そこまで読んだら確認したいけど、続編は訳者が違う。

 なお、本書の原型はアナログ誌の1967年10月号から1968年1月号まで4回に分けて連載されたそうだが、10月号に掲載された分(序章と第一部?)がヒューゴー中篇賞を受賞。11月号に掲載された第二部を飛ばして、12月号と68年1月号に掲載された分(第三部、第四部?・・・第三部だけが受賞との資料もある?)がネビュラ中篇賞を受賞したというのが興味深い。読んでいた時も第二部はちょっと乗りが悪かった。

 投稿する前にいつものとおり書評検索をしてみたら・・・有るわ有るわ、パーン・シリーズの愛読者からの書評が多数。マキャフリイのファンじゃなければ、今さら本書の投稿なんてしないだろう、という感じ。
 確かに、評者はマキャフリイのファンじゃない。今までに読んだマキャフリイは2冊あるかどうかというぐらい。はっきり言って、本書の評価もイマイチで、ちょっと期待外れな感じ。
 でも、パーン・シリーズは出版当時からずっと期待していて、原書も含めて9冊は買っていたのだ。ずっと積んでいただけだけど・・・。でも、ずっと、早く読みたいとは思っていたのだ。後は、老眼の進行と競争しながらどこまで読めるかだけど、続きを読むのが楽しみ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年2月18日に日本でレビュー済み
 かつて「竜」とか「龍」とか「ドラゴン」と付く本は根こそぎチェックしていた頃、この異色のシリーズと出会いました。

 決して読みやすいわけじゃなく、実はファンタジーじゃなくてSF設定だし、落ちぶれた竜騎士達の戦う相手は空から降って来る糸胞と呼ばれる無生物だし、主人公のレサは傲岸不遜であまり好きになれないタイプ。なのに読めてしまうのは、やはり脇役が魅力的だからでしょう。中でもニメンス!ヒーローの相棒・青銅竜は、並みいる人間を押しのけて、堂々人気ナンバー1じゃないでしょうか。彼にハートマーク飛ばしながら1巻を読み終えたら、その勢いで2巻もどうぞ。その頃には、散らばる隠し設定と伏線の罠に、貴方もハマっているはずです。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年3月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は数十年前に購入し、その後友人に貸して戻ってこなかったアン・マキャフリイの傑作である。もう一度かつての感動を味会うため、中古で安く売っていたのでインターネットで購入した。ストーリー・テラーとしてアン・マキャフリイは期待を裏切らない。一人の少女が幾多の困難に立ち向かい、やがて女王となり黄金の竜にまたがって惑星の危機を救うという、ファンタジーの世界を情感をこめて描いたこの作品はとても魅力的である。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2007年2月12日に日本でレビュー済み
ネビュラ賞、ヒューゴー賞を受賞した傑作です。

竜に乗る騎士=竜騎士達と宇宙から迫り来る糸胞(有害な植物のようなもの)との戦いがメイン・テーマとなりますが、この第一巻では長らく、糸胞は降り注がず、竜騎士不要論が巻き上がっています。主人公フーラルは、古い伝承を信じ、竜騎士の誇りを守ろうとします。しかし、周囲の反発は止みません。そして、竜騎士の勢力は衰えており、仮に糸胞が降れば、支えきれる戦力でもなかったのです。

苦境の中、ヒロインであるレサはフーラルに無断で、ある「危険な賭け」に出ます。

本作の魅力は綿密な舞台設定。女王竜の誕生や竜騎士が選ばれる件、竜の特殊能力など、本当によく練られた設定には驚きます。また、本作は科学的根拠に基づいた舞台設定になっており、3巻以後の竜達のルーツ探しの旅も非常に面白いです。

深みのある舞台はマキャフリィの作品では一番。よくある「竜に乗る」だけの作品とは全然、違います。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年3月29日に日本でレビュー済み
魔法は無いけどドラゴンがいて、それに乗る職種竜騎士がいて活躍する、ファンタジーに見える不思議なSF。
竜はただの乗り物ではなく人格(?)が有り、人の心配をしたり、冗談も理解できる大きく心優しい生き物。
竜騎士は戦争をするのではなく宇宙からやって来る外敵、糸胞と呼ばれる有害なカビのようなモノから地上を守るべく闘う。
この糸胞と闘えるのは竜と竜騎士だけなのだが、数百年の間それも降って来ず、糸胞は伝説の中だけのモノと誰もが思っている世界に、糸胞がついに降って来る…。
竜の戦い方、伝統、住居の場所などに理由が有り、何でも有りのファンタジーが苦手な人も、SFって面倒って言う人も読んで楽しめる一冊。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート