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高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568) 文庫 – 1984/7/31
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購入オプションとあわせ買い
アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダンは、通商代表部の田上信輔に平身低頭して商品の説明をしていた。ここ、サンフランシスコは、現在日本の勢力下にある。第二次大戦が枢軸国側の勝利に終わり、いまや日本とドイツの二大国家が世界を支配しているのだ--。第二次大戦の勝敗が逆転した世界を舞台に、現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作。
- 本の長さ432ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1984/7/31
- ISBN-104150105685
- ISBN-13978-4150105686
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1984/7/31)
- 発売日 : 1984/7/31
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 432ページ
- ISBN-10 : 4150105685
- ISBN-13 : 978-4150105686
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- カスタマーレビュー:
著者について
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イメージ付きのレビュー
5 星
現実と虚妄の○○した世界
新しいカバーの版が出ていたので、改めて買いました。昔はオチがよく理解できなかったのですが、我々の生きる現実の世界に、自己認識と世界(世間)とのずれを感じるようになって来て、この小説の言わんとするところが(恐ろしいことに)解かってきたように思います。フィリップ.K.ディックは常にそうした不安感を抱えて生きていたのでしょうか?精神病的なのは自分自身なのか世界なのか...まるでディックの描く悪夢のような現世界に私も不安で一杯ですが、"高い城の男"が言うように"それ"(ネタバレ秘匿)はあり得ることなのでしょう。ミリタリーテイストのカバーが示すように日独の対立構造が基本の"この世界"なのですが、その手のマニア諸氏の感性をくすぐるような小道具(メッサーシュミットE9ロケット船、航空母艦翔鶴、エルアラメインの戦い)なども出てきて読むにつれて"この世界"に引き込まれて行きます。「流れよわが涙・・・」や、「電気羊・・・」も同傾向の作品ですが、この作品が一番の大仕掛けで読み応えがあると思います。「逆回りの世界」も改版/カバー替え(できれば新訳/改訳)して再販して欲しいですね☆
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原作小説の方が面白い。TVドラマは話を複雑にし過ぎて焦点がボケました。
2022年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
解釈が難しい。作者の主張がよくわからない。
なぜSF小説なのか?
並行宇宙論であるためか?
なぜSF小説なのか?
並行宇宙論であるためか?
2021年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
歴史改変もの、あるいはパラレルワールドもの。amazonのテレビドラマ『高い城の男』の原作です。
ナチス・ドイツと日本が第二次大戦に勝利し、アメリカが東西に分割されている、という設定はテレビドラマに受けつがれているものの、ストーリー展開はテレビドラマ版とはまったく別物です。ジュリアナ、田上、フランク、チルダン、アベンゼンは登場しますが、ジョン・スミスや木戸大尉は出てきません。
文化論的には興味深いですが、登場人物が易経や筮竹占いを真剣に受け止めているところなどは、やや滑稽に思えます。
またテレビドラマ版を知らずに本作を読んだとしても、ラストがあっけなくて、ちょっと肩透かしを喰らった感じがするかもしれません。
個人的には、古物商チルダンが裕福な梶浦夫妻に対して抱く屈折した感情の描写が興味深かったです。
ナチス・ドイツと日本が第二次大戦に勝利し、アメリカが東西に分割されている、という設定はテレビドラマに受けつがれているものの、ストーリー展開はテレビドラマ版とはまったく別物です。ジュリアナ、田上、フランク、チルダン、アベンゼンは登場しますが、ジョン・スミスや木戸大尉は出てきません。
文化論的には興味深いですが、登場人物が易経や筮竹占いを真剣に受け止めているところなどは、やや滑稽に思えます。
またテレビドラマ版を知らずに本作を読んだとしても、ラストがあっけなくて、ちょっと肩透かしを喰らった感じがするかもしれません。
個人的には、古物商チルダンが裕福な梶浦夫妻に対して抱く屈折した感情の描写が興味深かったです。
2016年8月18日に日本でレビュー済み
『ブレードランナー』『トータルリコール』『マイノリティリポート』の原作者による、第二次大戦で枢軸国が勝利したパラレルワールドの、1960年代北米を舞台にした小説です。
「本物と偽物の違いは何か」「本物であることに果たして意味があるのか」という問いが全編通して流れるのは、ディックの定番だなと思います。
プライムビデオで独占配信ドラマ化され米・英アマゾンでは大ヒット、少し遅れてドイツ語版が作成され独アマゾンでも大ヒット、かなり遅れましたが、日本国内では物議を醸しそうないろいろ不味いところをカットしたうえで日本アマゾンでも日本語版が公開され、またまた大ヒットとなった作品です。
ドラマ版は2017年11月現在、第2シーズンまで公開されていますが、2018年には第3シーズンも(少なくとも米国アマゾンでは)公開になる予定です。
『ブレードランナー』の続編が最近劇場公開になったことからも、同じ原作者の作品ということで、また注目が集まっているのではないでしょうか。
小説版とドラマ版、どちらも私としては無茶苦茶面白いと思っているんですが、両者はかなり設定が異なっています。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』と『ブレードランナー』以上に、いや『新世紀エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』くらい違う、という例えが正しいのでしょうか。
「どちらか一方だけでいいや、単純に小説をドラマ化しただけでどうせ同じでしょ」と思っていると、思い切り予想外の展開を見せていきます。
キーワードになる『イナゴ身重く横たわる』は、この小説版では「高い城の男」と呼ばれる謎の小説家の書いた大ヒット小説ですよね。
連合国が勝ったパラレルワールドを描いていることからナチス政府は「反逆的である」として禁書とし、作者の命を狙うナチスの工作員がウヨウヨしている一方で、帝国日本政府は「あくまでフィクションにすぎない」として黙殺しており、日本人の中には「ナチスが禁止してる本だってよ!」とかえって面白がって読みふけっている者までいるということになっています。
ですが、ドラマ版では日独およびそれらの傀儡政府に所持を禁止され地下で密かにやり取りされている、連合国が勝利した世界を映した謎の8ミリ(もしかしたら16ミリかも?)フィルムです。
そのフィルムを、レジスタンスの手を借りて「高い城の男」という謎の人物が配布・収集しているということになっています。
主人公の一人ジュリアナは、小説版では元夫のフランクとは既に離婚しているけれどもその姓を名乗ったままで、中立地帯で柔道のインストラクターをして生計を立てている「ジュリアナ・フリンク」です。
しかしドラマ版では、帝国日本の支配下にあるサンフランシスコで恋人フランクと同棲し、交通事故で大怪我を負ったことから長らく仕事はしていなかったのですが、だいぶ回復し「職探しでもしてみようかしら」と思いつつリハビリを兼ねた趣味の合気道の道場にも通っている「ジュリアナ・クレイン」です。
フランクは、「フランク・フリンク」という名前でサンフランシスコ在住、迫害を恐れユダヤ系であることを周囲には隠している人物という点は共通ですが、やはりかなり設定が異なります。
小説版では、元妻のジュリアナと離婚はしたものの未練を捨てきれず、それを意地やらテレやらでなんとか隠しながら表向きは建具工場、その実は骨とう品の贋作を作る秘密工場に勤めていたけれども、なんだかいろいろと嫌気がさして同僚のエドとともにベンチャーのアクセサリー製造工房を立ち上げた青年です。
ドラマ版では、恋人のジュリアナと同棲し、コツコツ趣味のメタルアクセサリー作りをしながら、合法的な骨とう品レプリカ(昔の拳銃のコピーのモデルガン)を作る工場にエドと一緒に勤めている青年となっています。
ジョーも、姓すら異なるほど設定が違います。
小説版では、ある日突然中立地帯に現れジュリアナと知り合うことになる、「長距離トラックの用心棒でイタリア系の元軍人ジョー・チナデーラ」と名乗っているナチスの工作員です。
ドラマ版では「レジスタンス活動のため自らナチス政権下のニューヨークからトラックを運転してきた青年ジョー・ブレイク」と名乗っているナチスの工作員で、やっぱり中立地帯でジュリアナと知り合います。
また、田上氏やバイネス/ヴェゲナー氏、チルダン氏の設定も少し違いますし、ドラマ版で重要なキーパーソンである、ジュリアナの種違いの妹(実の母とその再婚相手の娘)でレジスタンス活動をしているトルーディ、アメリカ人ながらナチスの傀儡国家の東アメリカのナチ党親衛隊支部高官にまで上り詰めたスミス氏、大日本帝国憲兵隊・駐サンフランシスコ本部の木戸氏(日本語音声でも英語音声でも、場面によって「大尉」と呼ばれたり「警部」と呼ばれたりしているのが謎です)は、小説版には存在すらしていません。
ドラマ版を見て原作が読みたくなった方は、以上の違いに注意して下さい。
さて、この小説版では先述の本物と偽物云々という以外にも、以下の3つの視点からストーリーが展開されていきます。
一つ目は、勤め人を辞めエドとともにベンチャーのアクセサリー工房を立ち上げたフランクの一代記と、そのフランクに影響されていくチルダンをはじめとした周りの人々の物語。
二つ目は、「高い城の男」の謎を探るジュリアナとジョーの冒険物語。
三つ目は、史実の米ソ同様に同盟国としてともに世界大戦に勝利したものの、冷戦に突入し、いつなんどき核戦争を起こしかねないという状態になった日独の国際政治ドラマ(田上氏やバイネス氏の話が中心)。
ディック作品の常として、これらの表面上のストーリーラインの下を流れる哲学は一貫して「本物と偽物の違い」に関する問いなのですが、その哲学の部分をあまり考えなくてもそれなりに楽しめるレベルなのは素晴らしいと思います。
最期の1ページまでドキドキハラハラが止まりませんでした。
本書では、ディックの長編では珍しく哲学の部分は控えめな主張となり、エンターテインメントの部分が強調されています。
是非、一読してディックの世界に足を踏み入れてみて下さい。
ただ文句をつけたいところが一点。
原語版で"Baron L. B. Kaelemakule"とされている人物がこの版では「鎌倉男爵」という名前になっていること。
実際、日本のファミリーネームとしてはおかしい名前を付けられている人物が数多く日本人設定で本書には登場しています。
しかし、"Kaelemakule"はそうした明らかな設定ミスとは異なり、ネイティブハワイアンのファミリーネームとしてちゃんと実際に存在している名前です。
史実の帝国日本には実は、李氏朝鮮王家の血縁者である等の理由から、朝鮮籍で爵位を与えられた人物も数十名単位で存在していました。
この小説の世界では史実の「アメリカ合衆国」の領土のうちハワイ、アラスカ、グアム、ミッドウェイが外地領(史実の台湾・朝鮮と同じ状態、かつ、史実でもグアムが日本に占領されていた時期が短期間あります)、アメリカ西海岸が日本の傀儡国家(史実の満州国と同じ状態)になっているようなので、この「カエレマクレ男爵」は旧ハワイ王国時代のカメハメハ/カラカウア/ルナリロ3王家いずれかの末裔であることから爵位を与えられた人物なのではないかと思います。
まあこの男爵はいてもいなくてもストーリーにはあまり関係しない人物であり、実際ドラマ版にも少なくとも第2シーズンまでは一回も登場していないのですが、そこ以外は本当に好きな作品です。
【2017年12月加筆修正済】
「本物と偽物の違いは何か」「本物であることに果たして意味があるのか」という問いが全編通して流れるのは、ディックの定番だなと思います。
プライムビデオで独占配信ドラマ化され米・英アマゾンでは大ヒット、少し遅れてドイツ語版が作成され独アマゾンでも大ヒット、かなり遅れましたが、日本国内では物議を醸しそうないろいろ不味いところをカットしたうえで日本アマゾンでも日本語版が公開され、またまた大ヒットとなった作品です。
ドラマ版は2017年11月現在、第2シーズンまで公開されていますが、2018年には第3シーズンも(少なくとも米国アマゾンでは)公開になる予定です。
『ブレードランナー』の続編が最近劇場公開になったことからも、同じ原作者の作品ということで、また注目が集まっているのではないでしょうか。
小説版とドラマ版、どちらも私としては無茶苦茶面白いと思っているんですが、両者はかなり設定が異なっています。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』と『ブレードランナー』以上に、いや『新世紀エヴァンゲリオン』と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』くらい違う、という例えが正しいのでしょうか。
「どちらか一方だけでいいや、単純に小説をドラマ化しただけでどうせ同じでしょ」と思っていると、思い切り予想外の展開を見せていきます。
キーワードになる『イナゴ身重く横たわる』は、この小説版では「高い城の男」と呼ばれる謎の小説家の書いた大ヒット小説ですよね。
連合国が勝ったパラレルワールドを描いていることからナチス政府は「反逆的である」として禁書とし、作者の命を狙うナチスの工作員がウヨウヨしている一方で、帝国日本政府は「あくまでフィクションにすぎない」として黙殺しており、日本人の中には「ナチスが禁止してる本だってよ!」とかえって面白がって読みふけっている者までいるということになっています。
ですが、ドラマ版では日独およびそれらの傀儡政府に所持を禁止され地下で密かにやり取りされている、連合国が勝利した世界を映した謎の8ミリ(もしかしたら16ミリかも?)フィルムです。
そのフィルムを、レジスタンスの手を借りて「高い城の男」という謎の人物が配布・収集しているということになっています。
主人公の一人ジュリアナは、小説版では元夫のフランクとは既に離婚しているけれどもその姓を名乗ったままで、中立地帯で柔道のインストラクターをして生計を立てている「ジュリアナ・フリンク」です。
しかしドラマ版では、帝国日本の支配下にあるサンフランシスコで恋人フランクと同棲し、交通事故で大怪我を負ったことから長らく仕事はしていなかったのですが、だいぶ回復し「職探しでもしてみようかしら」と思いつつリハビリを兼ねた趣味の合気道の道場にも通っている「ジュリアナ・クレイン」です。
フランクは、「フランク・フリンク」という名前でサンフランシスコ在住、迫害を恐れユダヤ系であることを周囲には隠している人物という点は共通ですが、やはりかなり設定が異なります。
小説版では、元妻のジュリアナと離婚はしたものの未練を捨てきれず、それを意地やらテレやらでなんとか隠しながら表向きは建具工場、その実は骨とう品の贋作を作る秘密工場に勤めていたけれども、なんだかいろいろと嫌気がさして同僚のエドとともにベンチャーのアクセサリー製造工房を立ち上げた青年です。
ドラマ版では、恋人のジュリアナと同棲し、コツコツ趣味のメタルアクセサリー作りをしながら、合法的な骨とう品レプリカ(昔の拳銃のコピーのモデルガン)を作る工場にエドと一緒に勤めている青年となっています。
ジョーも、姓すら異なるほど設定が違います。
小説版では、ある日突然中立地帯に現れジュリアナと知り合うことになる、「長距離トラックの用心棒でイタリア系の元軍人ジョー・チナデーラ」と名乗っているナチスの工作員です。
ドラマ版では「レジスタンス活動のため自らナチス政権下のニューヨークからトラックを運転してきた青年ジョー・ブレイク」と名乗っているナチスの工作員で、やっぱり中立地帯でジュリアナと知り合います。
また、田上氏やバイネス/ヴェゲナー氏、チルダン氏の設定も少し違いますし、ドラマ版で重要なキーパーソンである、ジュリアナの種違いの妹(実の母とその再婚相手の娘)でレジスタンス活動をしているトルーディ、アメリカ人ながらナチスの傀儡国家の東アメリカのナチ党親衛隊支部高官にまで上り詰めたスミス氏、大日本帝国憲兵隊・駐サンフランシスコ本部の木戸氏(日本語音声でも英語音声でも、場面によって「大尉」と呼ばれたり「警部」と呼ばれたりしているのが謎です)は、小説版には存在すらしていません。
ドラマ版を見て原作が読みたくなった方は、以上の違いに注意して下さい。
さて、この小説版では先述の本物と偽物云々という以外にも、以下の3つの視点からストーリーが展開されていきます。
一つ目は、勤め人を辞めエドとともにベンチャーのアクセサリー工房を立ち上げたフランクの一代記と、そのフランクに影響されていくチルダンをはじめとした周りの人々の物語。
二つ目は、「高い城の男」の謎を探るジュリアナとジョーの冒険物語。
三つ目は、史実の米ソ同様に同盟国としてともに世界大戦に勝利したものの、冷戦に突入し、いつなんどき核戦争を起こしかねないという状態になった日独の国際政治ドラマ(田上氏やバイネス氏の話が中心)。
ディック作品の常として、これらの表面上のストーリーラインの下を流れる哲学は一貫して「本物と偽物の違い」に関する問いなのですが、その哲学の部分をあまり考えなくてもそれなりに楽しめるレベルなのは素晴らしいと思います。
最期の1ページまでドキドキハラハラが止まりませんでした。
本書では、ディックの長編では珍しく哲学の部分は控えめな主張となり、エンターテインメントの部分が強調されています。
是非、一読してディックの世界に足を踏み入れてみて下さい。
ただ文句をつけたいところが一点。
原語版で"Baron L. B. Kaelemakule"とされている人物がこの版では「鎌倉男爵」という名前になっていること。
実際、日本のファミリーネームとしてはおかしい名前を付けられている人物が数多く日本人設定で本書には登場しています。
しかし、"Kaelemakule"はそうした明らかな設定ミスとは異なり、ネイティブハワイアンのファミリーネームとしてちゃんと実際に存在している名前です。
史実の帝国日本には実は、李氏朝鮮王家の血縁者である等の理由から、朝鮮籍で爵位を与えられた人物も数十名単位で存在していました。
この小説の世界では史実の「アメリカ合衆国」の領土のうちハワイ、アラスカ、グアム、ミッドウェイが外地領(史実の台湾・朝鮮と同じ状態、かつ、史実でもグアムが日本に占領されていた時期が短期間あります)、アメリカ西海岸が日本の傀儡国家(史実の満州国と同じ状態)になっているようなので、この「カエレマクレ男爵」は旧ハワイ王国時代のカメハメハ/カラカウア/ルナリロ3王家いずれかの末裔であることから爵位を与えられた人物なのではないかと思います。
まあこの男爵はいてもいなくてもストーリーにはあまり関係しない人物であり、実際ドラマ版にも少なくとも第2シーズンまでは一回も登場していないのですが、そこ以外は本当に好きな作品です。
【2017年12月加筆修正済】
2017年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あらすじだとか世界観は他のレビュアーが書いていますので省略
ごく素朴なこの本を読んだ感想ですが
「読み手を選ぶ」なぁ~という感じでした。
面白い面白くないの二択で答えるなら
自分には面白かったです。
毎日1時間程度、約50ページづつ読むとして
400ページ強なので一週間ちょっとで読めます。
その気になれば一晩で読破できるでしょう
時間が許せば、その方が前後の繋がりなど
分かりやすいかと思います。
なにせ、話がアチコチの場所に飛びますから
少し前の事になると忘れてしまいます。
この小説には重要な人物が何人かでてきますが
最初はジュリアナが主人公かと思っていましたが
今では田上氏がそうなんじゃないか?と感じています。
準主人公はロバート・チルダンかな?
フランクのおかげでアメリカ人の誇りを取り戻したみたいなもんだから・・
ただ、このお話には終始、易経がでてきて物語を支配しています。
自分はその方面はとんと疎いので何とも言えないですが
まさかの最後もそのオチとは・・
事前に得ていた情報から、想像していた展開と
大いに違っていましたが、こういうソフトな終わり方も悪くないと思いました。
まだ一度しか読んでないので、また二度三度と読んだら
感想も変化するやも知れませんね。
あと、軍事的用語が多く出てきますので
それなりの知識があるのとないのとでは
絶対ある方が楽しめるかと思います。
例
特高・・特別高等警察、大日本帝国の政治警察、取り締まり対象は主に無政府主義者、共産主義者、社会主義者など
国防軍・・ドイツの正規軍(陸・海・空軍)
SS・・ドイツ親衛隊、元はヒトラーを護衛する党内組織として創設されたが、
第二次大戦開戦時には軍事組織の保有を許可されている↓
武装SS・・親衛隊における武装集団、国防軍とは違い徴兵権はないので基本的に志願による入隊が中心
SD・・親衛隊情報部または親衛隊保安部(諜報組織)
ゲシュタポ・・秘密国家警察(ドイツ警察の中の秘密警察部門)
※主にWIKIより抜粋
ごく素朴なこの本を読んだ感想ですが
「読み手を選ぶ」なぁ~という感じでした。
面白い面白くないの二択で答えるなら
自分には面白かったです。
毎日1時間程度、約50ページづつ読むとして
400ページ強なので一週間ちょっとで読めます。
その気になれば一晩で読破できるでしょう
時間が許せば、その方が前後の繋がりなど
分かりやすいかと思います。
なにせ、話がアチコチの場所に飛びますから
少し前の事になると忘れてしまいます。
この小説には重要な人物が何人かでてきますが
最初はジュリアナが主人公かと思っていましたが
今では田上氏がそうなんじゃないか?と感じています。
準主人公はロバート・チルダンかな?
フランクのおかげでアメリカ人の誇りを取り戻したみたいなもんだから・・
ただ、このお話には終始、易経がでてきて物語を支配しています。
自分はその方面はとんと疎いので何とも言えないですが
まさかの最後もそのオチとは・・
事前に得ていた情報から、想像していた展開と
大いに違っていましたが、こういうソフトな終わり方も悪くないと思いました。
まだ一度しか読んでないので、また二度三度と読んだら
感想も変化するやも知れませんね。
あと、軍事的用語が多く出てきますので
それなりの知識があるのとないのとでは
絶対ある方が楽しめるかと思います。
例
特高・・特別高等警察、大日本帝国の政治警察、取り締まり対象は主に無政府主義者、共産主義者、社会主義者など
国防軍・・ドイツの正規軍(陸・海・空軍)
SS・・ドイツ親衛隊、元はヒトラーを護衛する党内組織として創設されたが、
第二次大戦開戦時には軍事組織の保有を許可されている↓
武装SS・・親衛隊における武装集団、国防軍とは違い徴兵権はないので基本的に志願による入隊が中心
SD・・親衛隊情報部または親衛隊保安部(諜報組織)
ゲシュタポ・・秘密国家警察(ドイツ警察の中の秘密警察部門)
※主にWIKIより抜粋
2020年1月2日に日本でレビュー済み
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読む前のイメージはドイツと日本がWW2で買った場合を描いた本でしたが、実際に読んでみると物の真贋や同じ形をした物でも実際には違うことを描いた本だなあという印象を受けました。
あとは現代の白人至上主義と真逆に白人が戦争に負けただけで弱者扱いになって白人であることに劣等感を持ってるのが感慨深かった。
その反面、タオについてはサッパリでした。
作中に登場する道(タオ)の考え方はユング心理学のシンクロニシティに近い考えらしいのでタオに興味持った方はユング心理学調べてみるといいんじゃないかと思います。
電気羊より読みやすいと他のレビューにあるようにたしかに電気羊より読みやすい印象です。
あと理解できないというレビューがいくつか見られますが、
表現の仕方が少し癖のある感じなので理解できない人がいるのはそのせいかなと。
内容がてんこもりなせいで理路整然としてるとは言えないんですよね。
あとは現代の白人至上主義と真逆に白人が戦争に負けただけで弱者扱いになって白人であることに劣等感を持ってるのが感慨深かった。
その反面、タオについてはサッパリでした。
作中に登場する道(タオ)の考え方はユング心理学のシンクロニシティに近い考えらしいのでタオに興味持った方はユング心理学調べてみるといいんじゃないかと思います。
電気羊より読みやすいと他のレビューにあるようにたしかに電気羊より読みやすい印象です。
あと理解できないというレビューがいくつか見られますが、
表現の仕方が少し癖のある感じなので理解できない人がいるのはそのせいかなと。
内容がてんこもりなせいで理路整然としてるとは言えないんですよね。
2017年4月28日に日本でレビュー済み
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小説の世界よりもより凝った作り込みで、原作の方が分かりにくかった。
設定は面白いけれども、フィルムにした点でビデオが勝っていると思う。
設定は面白いけれども、フィルムにした点でビデオが勝っていると思う。
2015年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初はアメリカ人が日本とドイツに戦争で負けた世界で、日本とドイツに再度戦争して勝つお話なのかな?と思って読んでいたけれど、そんなことはなかった。
序盤はロバート・チルダンというアメリカ人の話が主流。
この人物がただの商売人で「日本人嫌い、でも、ビジネスパートナーだし、戦勝国だから相手してやる」といった感じで、本書の世界の世知辛さを体現している。
だから、それだけの物語なのかと勘ぐってしまい、展開が少し退屈だと感じた。
だが、読み進めていくにつれ、出てくる登場人物同士が間接的に影響し合い、自らの運命を変えていく。
あるものは人を救い、あるものは新境地に達し、そして、あるものは別の真実にたどり着く。
それらの過程が日本人なら歴史の教科書で誰もが知る『易経』という占いによって様々に作用しあい、選択していく。
登場人物は立場は違えど、圧倒的な権力に屈服せざる得ない人たちだ。その者共が悩み苦しみ結果にたどり着く、または導く。
中でも、主要な登場人物である田上とフリンクの関係性には深い因果を感じた。
物語全体として派手さはないし、解りやすい一筋物語があるわけではないけれど、『易経』を通じて織りなす様々な人々の物語とその結果は読んでいて引き込まれていった。
本書には仏教や哲学的なもの等々の小難しいセリフが多い。
作中にロバート・チルダンが、ある日本人から”無(ウー)”に関することを熱心に説明されるシーンがあるのだが、ロバートはよくわかってなかった。
ぶっちゃけ、私もロバートと同じ状態だった。
単に教養がないだけ、本書を読み込めてないだけだと言われれば、ぐうの音もでないが...
以上のように多少小難しい話があるので取っつきにくい、読みにくいかもしれないが、
個人的に以上に述べた要素が好みであれば読んで損はないと断言できる。
序盤はロバート・チルダンというアメリカ人の話が主流。
この人物がただの商売人で「日本人嫌い、でも、ビジネスパートナーだし、戦勝国だから相手してやる」といった感じで、本書の世界の世知辛さを体現している。
だから、それだけの物語なのかと勘ぐってしまい、展開が少し退屈だと感じた。
だが、読み進めていくにつれ、出てくる登場人物同士が間接的に影響し合い、自らの運命を変えていく。
あるものは人を救い、あるものは新境地に達し、そして、あるものは別の真実にたどり着く。
それらの過程が日本人なら歴史の教科書で誰もが知る『易経』という占いによって様々に作用しあい、選択していく。
登場人物は立場は違えど、圧倒的な権力に屈服せざる得ない人たちだ。その者共が悩み苦しみ結果にたどり着く、または導く。
中でも、主要な登場人物である田上とフリンクの関係性には深い因果を感じた。
物語全体として派手さはないし、解りやすい一筋物語があるわけではないけれど、『易経』を通じて織りなす様々な人々の物語とその結果は読んでいて引き込まれていった。
本書には仏教や哲学的なもの等々の小難しいセリフが多い。
作中にロバート・チルダンが、ある日本人から”無(ウー)”に関することを熱心に説明されるシーンがあるのだが、ロバートはよくわかってなかった。
ぶっちゃけ、私もロバートと同じ状態だった。
単に教養がないだけ、本書を読み込めてないだけだと言われれば、ぐうの音もでないが...
以上のように多少小難しい話があるので取っつきにくい、読みにくいかもしれないが、
個人的に以上に述べた要素が好みであれば読んで損はないと断言できる。
他の国からのトップレビュー
adam kyle
5つ星のうち5.0
That's great book!
2020年10月1日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Thank you for my package in coming home is here!!1
Robert J. Geoffroy
5つ星のうち1.0
I am sure I will enjoy the American version
2016年2月3日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
I did not realize the book was in Japanese. I shall be returning it due to that reason. I seen the series on Amazon. I am sure I will enjoy the American version.