攻殻機動隊やマトリックスを想起させつつ、その原点たる面白さです。
爽快な疾走感で駆け抜けつつも、最後は心地よい哀愁を残してくれる名作だと思います。
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ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 1986/7/1
ウィリアム・ギブスン
(原名),
黒丸 尚
(翻訳)
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〔ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞〕ハイテクと汚濁の都、千葉シティの空の下、コンピュータ・ネットワークの織りなす電脳空間を飛翔できた頃に思いを馳せ、ケイスは空虚な日々を送っていた。今のケイスはコンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。だがその能力再生を代償に、ヤバい仕事の話が舞いこんできた。依頼を受けたケイスは、電脳未来の暗黒面へと引きこまれていくが……新鋭が華麗かつ電撃的文体を駆使して放つ衝撃のサイバーパンクSF!
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1986/7/1
- ISBN-10415010672X
- ISBN-13978-4150106720
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1986/7/1)
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- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 415010672X
- ISBN-13 : 978-4150106720
- Amazon 売れ筋ランキング: - 13,921位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 39位ハヤカワ文庫 SF
- - 77位英米文学研究
- - 93位SF・ホラー・ファンタジー (本)
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イメージ付きのレビュー
3 星
全ての始まり、電脳三部作。
『ニューロマンサー』『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライヴ』の電脳三部作を読んだのは30年くらい前か。当時は読解力も足りず、多くの人が語るように世界観のイメージについて行けなかったが、それでもなんとなくキャラクターたちの格好良さを感じながら全部読み終えた。そこからずい分経って、偶然出会ったのが映画『マトリックス』そして漫画『攻殻機動隊』。あまりにも時間が経っていた為に、この二つが電脳三部作のオマージュだとは最初全く気づかなかった。今回『ニューロマンサー』を再読して、あまりにも似ていることに思わず笑ってしまうほどだった。だから二つのオマージュによってかなり読書中イメージの手助けを得られていると言って良い。『マトリックス』三部作は多くの映画の中で一つのマイフェバリットと言えるし、『攻殻機動隊』は漫画だけでなく、TVアニメや映画もほとんど観て来たので、それによってようやくウィリアム・ギブスンの描く小説世界が映像的に認識できるようになった。とくにTVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の1期2期は、ほぼ電脳三部作を模倣していると言っても過言ではないから、ウィリアム・ギブスンを読む前にこれらを予習的に観ておくと、結構楽しめるのではないかと思われる。ちなみに『ニューロマンサー』を再読する前に短編集『クローム襲撃』を読んで、同様に映画や漫画・アニメによってイメージが補強されていると感じた。また映画『マトリックス』主演のキアヌ・リーヴスは、もう一つウィリアム・ギブスンの映画化作品に出ている。それが『クローム襲撃』に収録されている短編『記憶屋ジョニィ』=映画『JM』である。この作品も映画よりむしろ『攻殻機動隊』の中に似たシーンを想起させるものがあった。オマージュ作品群を先に吸収しておくと、『ニューロマンサー』から始まるウィリアム・ギブスンの電脳三部作が決して冗長でも無駄な描写だらけでもないことが良く分かる。ようするに、我々凡人にはついて行けないくらい先鋭的な描写をしていたことが30年経って理解された。それでも再読は70~80%くらいしか読解できていないような気はする。やっぱり難しいことは確かなのだ。だからウィリアム・ギブスンがつまらないという評価は決して間違いではないと思う。高く評価する自分でさえ、★は3つしかつけられないのだから。それでもこれはやはりSFの一つのバイブルである。読まずに見過ごすことは馬鹿げている。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
サイバーパンク等の金字塔です。
しかしながら、独特の文章で私には向きませんでした。
ページも多いですし、ちびちび読むと良いかもしれません。
しかしながら、独特の文章で私には向きませんでした。
ページも多いですし、ちびちび読むと良いかもしれません。
2023年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Kindle 版で、少なくとも以下の2箇所、場面転換を示す空行(改行2つ)が無いため、初見さんはストーリーが追えずに混乱するはず
•アーミテジとケイスの毒の話をした後、スプロールに出掛ける前
•モリイがセンス/ネットから脱出した後、ルーパス•ヤンダーボーイがアーミテジと会う場面
ハードカバーでは空行が入っていたと思う。
ただでさえ読みづらいと評判の、黒丸節がくねくね冴え渡る傑作翻訳。忠実に電子化してほしい。
•アーミテジとケイスの毒の話をした後、スプロールに出掛ける前
•モリイがセンス/ネットから脱出した後、ルーパス•ヤンダーボーイがアーミテジと会う場面
ハードカバーでは空行が入っていたと思う。
ただでさえ読みづらいと評判の、黒丸節がくねくね冴え渡る傑作翻訳。忠実に電子化してほしい。
2021年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『ニューロマンサー』『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライヴ』の電脳三部作を読んだのは30年くらい前か。当時は読解力も足りず、多くの人が語るように世界観のイメージについて行けなかったが、それでもなんとなくキャラクターたちの格好良さを感じながら全部読み終えた。
そこからずい分経って、偶然出会ったのが映画『マトリックス』そして漫画『攻殻機動隊』。あまりにも時間が経っていた為に、この二つが電脳三部作のオマージュだとは最初全く気づかなかった。今回『ニューロマンサー』を再読して、あまりにも似ていることに思わず笑ってしまうほどだった。だから二つのオマージュによってかなり読書中イメージの手助けを得られていると言って良い。
『マトリックス』三部作は多くの映画の中で一つのマイフェバリットと言えるし、『攻殻機動隊』は漫画だけでなく、TVアニメや映画もほとんど観て来たので、それによってようやくウィリアム・ギブスンの描く小説世界が映像的に認識できるようになった。とくにTVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の1期2期は、ほぼ電脳三部作を模倣していると言っても過言ではないから、ウィリアム・ギブスンを読む前にこれらを予習的に観ておくと、結構楽しめるのではないかと思われる。
ちなみに『ニューロマンサー』を再読する前に短編集『クローム襲撃』を読んで、同様に映画や漫画・アニメによってイメージが補強されていると感じた。また映画『マトリックス』主演のキアヌ・リーヴスは、もう一つウィリアム・ギブスンの映画化作品に出ている。それが『クローム襲撃』に収録されている短編『記憶屋ジョニィ』=映画『JM』である。この作品も映画よりむしろ『攻殻機動隊』の中に似たシーンを想起させるものがあった。
オマージュ作品群を先に吸収しておくと、『ニューロマンサー』から始まるウィリアム・ギブスンの電脳三部作が決して冗長でも無駄な描写だらけでもないことが良く分かる。ようするに、我々凡人にはついて行けないくらい先鋭的な描写をしていたことが30年経って理解された。それでも再読は70~80%くらいしか読解できていないような気はする。やっぱり難しいことは確かなのだ。
だからウィリアム・ギブスンがつまらないという評価は決して間違いではないと思う。高く評価する自分でさえ、★は3つしかつけられないのだから。それでもこれはやはりSFの一つのバイブルである。読まずに見過ごすことは馬鹿げている。
そこからずい分経って、偶然出会ったのが映画『マトリックス』そして漫画『攻殻機動隊』。あまりにも時間が経っていた為に、この二つが電脳三部作のオマージュだとは最初全く気づかなかった。今回『ニューロマンサー』を再読して、あまりにも似ていることに思わず笑ってしまうほどだった。だから二つのオマージュによってかなり読書中イメージの手助けを得られていると言って良い。
『マトリックス』三部作は多くの映画の中で一つのマイフェバリットと言えるし、『攻殻機動隊』は漫画だけでなく、TVアニメや映画もほとんど観て来たので、それによってようやくウィリアム・ギブスンの描く小説世界が映像的に認識できるようになった。とくにTVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の1期2期は、ほぼ電脳三部作を模倣していると言っても過言ではないから、ウィリアム・ギブスンを読む前にこれらを予習的に観ておくと、結構楽しめるのではないかと思われる。
ちなみに『ニューロマンサー』を再読する前に短編集『クローム襲撃』を読んで、同様に映画や漫画・アニメによってイメージが補強されていると感じた。また映画『マトリックス』主演のキアヌ・リーヴスは、もう一つウィリアム・ギブスンの映画化作品に出ている。それが『クローム襲撃』に収録されている短編『記憶屋ジョニィ』=映画『JM』である。この作品も映画よりむしろ『攻殻機動隊』の中に似たシーンを想起させるものがあった。
オマージュ作品群を先に吸収しておくと、『ニューロマンサー』から始まるウィリアム・ギブスンの電脳三部作が決して冗長でも無駄な描写だらけでもないことが良く分かる。ようするに、我々凡人にはついて行けないくらい先鋭的な描写をしていたことが30年経って理解された。それでも再読は70~80%くらいしか読解できていないような気はする。やっぱり難しいことは確かなのだ。
だからウィリアム・ギブスンがつまらないという評価は決して間違いではないと思う。高く評価する自分でさえ、★は3つしかつけられないのだから。それでもこれはやはりSFの一つのバイブルである。読まずに見過ごすことは馬鹿げている。
『ニューロマンサー』『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライヴ』の電脳三部作を読んだのは30年くらい前か。当時は読解力も足りず、多くの人が語るように世界観のイメージについて行けなかったが、それでもなんとなくキャラクターたちの格好良さを感じながら全部読み終えた。
そこからずい分経って、偶然出会ったのが映画『マトリックス』そして漫画『攻殻機動隊』。あまりにも時間が経っていた為に、この二つが電脳三部作のオマージュだとは最初全く気づかなかった。今回『ニューロマンサー』を再読して、あまりにも似ていることに思わず笑ってしまうほどだった。だから二つのオマージュによってかなり読書中イメージの手助けを得られていると言って良い。
『マトリックス』三部作は多くの映画の中で一つのマイフェバリットと言えるし、『攻殻機動隊』は漫画だけでなく、TVアニメや映画もほとんど観て来たので、それによってようやくウィリアム・ギブスンの描く小説世界が映像的に認識できるようになった。とくにTVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の1期2期は、ほぼ電脳三部作を模倣していると言っても過言ではないから、ウィリアム・ギブスンを読む前にこれらを予習的に観ておくと、結構楽しめるのではないかと思われる。
ちなみに『ニューロマンサー』を再読する前に短編集『クローム襲撃』を読んで、同様に映画や漫画・アニメによってイメージが補強されていると感じた。また映画『マトリックス』主演のキアヌ・リーヴスは、もう一つウィリアム・ギブスンの映画化作品に出ている。それが『クローム襲撃』に収録されている短編『記憶屋ジョニィ』=映画『JM』である。この作品も映画よりむしろ『攻殻機動隊』の中に似たシーンを想起させるものがあった。
オマージュ作品群を先に吸収しておくと、『ニューロマンサー』から始まるウィリアム・ギブスンの電脳三部作が決して冗長でも無駄な描写だらけでもないことが良く分かる。ようするに、我々凡人にはついて行けないくらい先鋭的な描写をしていたことが30年経って理解された。それでも再読は70~80%くらいしか読解できていないような気はする。やっぱり難しいことは確かなのだ。
だからウィリアム・ギブスンがつまらないという評価は決して間違いではないと思う。高く評価する自分でさえ、★は3つしかつけられないのだから。それでもこれはやはりSFの一つのバイブルである。読まずに見過ごすことは馬鹿げている。
そこからずい分経って、偶然出会ったのが映画『マトリックス』そして漫画『攻殻機動隊』。あまりにも時間が経っていた為に、この二つが電脳三部作のオマージュだとは最初全く気づかなかった。今回『ニューロマンサー』を再読して、あまりにも似ていることに思わず笑ってしまうほどだった。だから二つのオマージュによってかなり読書中イメージの手助けを得られていると言って良い。
『マトリックス』三部作は多くの映画の中で一つのマイフェバリットと言えるし、『攻殻機動隊』は漫画だけでなく、TVアニメや映画もほとんど観て来たので、それによってようやくウィリアム・ギブスンの描く小説世界が映像的に認識できるようになった。とくにTVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の1期2期は、ほぼ電脳三部作を模倣していると言っても過言ではないから、ウィリアム・ギブスンを読む前にこれらを予習的に観ておくと、結構楽しめるのではないかと思われる。
ちなみに『ニューロマンサー』を再読する前に短編集『クローム襲撃』を読んで、同様に映画や漫画・アニメによってイメージが補強されていると感じた。また映画『マトリックス』主演のキアヌ・リーヴスは、もう一つウィリアム・ギブスンの映画化作品に出ている。それが『クローム襲撃』に収録されている短編『記憶屋ジョニィ』=映画『JM』である。この作品も映画よりむしろ『攻殻機動隊』の中に似たシーンを想起させるものがあった。
オマージュ作品群を先に吸収しておくと、『ニューロマンサー』から始まるウィリアム・ギブスンの電脳三部作が決して冗長でも無駄な描写だらけでもないことが良く分かる。ようするに、我々凡人にはついて行けないくらい先鋭的な描写をしていたことが30年経って理解された。それでも再読は70~80%くらいしか読解できていないような気はする。やっぱり難しいことは確かなのだ。
だからウィリアム・ギブスンがつまらないという評価は決して間違いではないと思う。高く評価する自分でさえ、★は3つしかつけられないのだから。それでもこれはやはりSFの一つのバイブルである。読まずに見過ごすことは馬鹿げている。
このレビューの画像
2022年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これはサイバーパンクの起源ともされている作品で1984年に発表されました。
サイバーパンクというと、まあ攻殻機動隊みたいな世界観です。
マトリックスと呼ばれるサイバースペース、人とエレクトロニクスの融合、そういう背景で描かれるのが徹底した人間の泥臭さ。
インターネットの商業利用が1989年なので、それよりも5年も前にネットやメタバースが存在するような世界を、描き出していた事になります。
40年前に、この世界の進化の方向を予言していたみたいです。
読んでみませんか?
サイバーパンクというと、まあ攻殻機動隊みたいな世界観です。
マトリックスと呼ばれるサイバースペース、人とエレクトロニクスの融合、そういう背景で描かれるのが徹底した人間の泥臭さ。
インターネットの商業利用が1989年なので、それよりも5年も前にネットやメタバースが存在するような世界を、描き出していた事になります。
40年前に、この世界の進化の方向を予言していたみたいです。
読んでみませんか?
2022年10月6日に日本でレビュー済み
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ほぼ新品の状態。
古いのでやれや傷みがあるだろうと予想していました。嬉しい誤算です。
古いのでやれや傷みがあるだろうと予想していました。嬉しい誤算です。
2023年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
有名なので読んだけど1割も理解できたかどうか、雰囲気でしか読めなかった
2015年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ケイスは「電脳空間カウボーイ」だった。
世界をつなぐコンピュータネットワークであるサイバースペースに没入(「ジャックイン」と読む)して、情報を盗み出すことが彼の仕事。
しかしある時、慢心から雇い主の情報を盗み、それが露見した末、制裁として脳神経の一部を損なわれてサイバースペースへジャックインすることが出来なくなってしまう。
サイバースペースに身を浸している時こそが真実で、あとは捨ててもいいようなものだと思っていたケイス。
失った神経を復旧させる手立てを求めてアメリカから日本の千葉シティへとやってきたが果たせず、ヤクザと小商いをするジャンキーへ身を落とし、刹那的に日々を送っていた。
そんなケイスの前にある日モリイという女が現れる。彼女は武装ギミックを身体の随所に仕込んだ、用心棒を生業とするサイボーグだった。
このお話はスマホ一人一台時代の今だからこそ、分かるんじゃないだろうか。
本作が発表されたのは1984年。それからさらに10年経ってようやく私は生まれて初めての自分用パソコンを手に入れた。あのころはモデム通信だったし、検索エンジンはそのもう少し後に出たっけ。その頃を振り返ってみると「インターネット」という世界中に張り巡らされた網の目状の概念を思い描くことは難しかったと思う。
その私たちが使うインターネットを視覚的に再構築した場「サイバースペース」(または「マトリックス」とも)。
『ニューロマンサー』の核になるこの概念を黒丸尚は「電脳空間」と訳した。「電脳空間」に「サイバースペース」とルビをふる表記。
漢字から意味を想起し、カタカナの音の響きでイメージをふくらませるこの手法をふんだんに取り入れた本作は、見たことのない物の意味の理解とビジュアルの展開を同時に行わねばならないので非常に読み難いのだが、慣れてくると異様なドライブ感を味わえる稀有な作品だと思う。
また、この作品では独自のガジェットが多数登場する。
人口内臓で幻影を作り出す、サディストのイリュージョニスト。
千葉シティ製人工肝臓。
培養槽で量産されたミンクの毛皮。
手作りスペースコロニー自治区。
クローン忍者。
今は存在しないけれど、なんとなく現在と地続きなガジェットたち。どのガジェットを取っても、どれもが主役といえるほどの磁力を発している。
こんな無数のガジェットが寄り集まって構成された未来社会は、恐ろしくて艶かしくて雑然としていてゾクゾクするほど魅力的だ。
SFにまったく詳しくないのでこれは単なる感想なのだが、30年前の作品とは思えないほどストーリーと核心にあるイメージは今日的で、ビジュアルも鮮烈だと感じた。
CG技術が発達した現在なら忠実な映像化も可能だと思うのだが、肉体と機械が猥雑に絡まりあうこのイメージは、小説からダイレクトに頭の中で再構成されるからこそ、麻薬のような陶酔感があるのかもしれない。
(ただし私の場合は「ブレードランナー」「マトリックス」「攻殻機動隊」などのすでにビジュアル化されたイメージがあったからこそ、その作業が可能になったと思う。「攻殻機動隊」の世界観は本書から想起されたものだとどこかで読んだように思う。「マトリックス」はその「攻殻機動隊」からの影響を監督自ら語っていた。「ブレードランナー」との関係は、本書解説に書かれていた)
また、SF的なモノはその存在についてだけでなく、精神についても匂わせている。
たとえばガジェットの一つである改造人間たち。
彼らは高性能な身体を手に入れたとて、仮面ライダーや009のように重い使命を背負うわけではない。
その体は、運命によって与えられたのではなく金銭で贖ったものなのだ。
改造した身体でいるアイデンティティを自分自身でどう持ち続けるのか。その危険性もチラリと示される。
最終的には近未来の新しい哲学の世界に踏み込んでゆくようだったと思う。
かつて手塚治虫が鉄腕アトムでロボットの人権について考えたように、未来の世界では新しい存在が人間の領域と接し重なり合って存在してゆくようになるのだろう。
どこまでが人間でどこからが機械なのかさえ分からないような境地が出現してくるのかもしれない。
高度経済成長期に描かれた能天気な未来図はここにはなく、尖鋭化しすぎた技術の発達は個々の手では制御しかね、もはや手綱を放した暴れ馬のごとく無軌道に疾走している。
御者となるべき新しい倫理はまだない。
機械でもない人間でもない新しい存在が、そこに何らかの影響を及ぼすことになるかもしれない。
パっと見からして最高にカッコイイ作品なのだが、作品の核心もそれに釣り合うクールさで読後も痺れっぱなし。私的オールタイムベスト入り決定です。
世界をつなぐコンピュータネットワークであるサイバースペースに没入(「ジャックイン」と読む)して、情報を盗み出すことが彼の仕事。
しかしある時、慢心から雇い主の情報を盗み、それが露見した末、制裁として脳神経の一部を損なわれてサイバースペースへジャックインすることが出来なくなってしまう。
サイバースペースに身を浸している時こそが真実で、あとは捨ててもいいようなものだと思っていたケイス。
失った神経を復旧させる手立てを求めてアメリカから日本の千葉シティへとやってきたが果たせず、ヤクザと小商いをするジャンキーへ身を落とし、刹那的に日々を送っていた。
そんなケイスの前にある日モリイという女が現れる。彼女は武装ギミックを身体の随所に仕込んだ、用心棒を生業とするサイボーグだった。
このお話はスマホ一人一台時代の今だからこそ、分かるんじゃないだろうか。
本作が発表されたのは1984年。それからさらに10年経ってようやく私は生まれて初めての自分用パソコンを手に入れた。あのころはモデム通信だったし、検索エンジンはそのもう少し後に出たっけ。その頃を振り返ってみると「インターネット」という世界中に張り巡らされた網の目状の概念を思い描くことは難しかったと思う。
その私たちが使うインターネットを視覚的に再構築した場「サイバースペース」(または「マトリックス」とも)。
『ニューロマンサー』の核になるこの概念を黒丸尚は「電脳空間」と訳した。「電脳空間」に「サイバースペース」とルビをふる表記。
漢字から意味を想起し、カタカナの音の響きでイメージをふくらませるこの手法をふんだんに取り入れた本作は、見たことのない物の意味の理解とビジュアルの展開を同時に行わねばならないので非常に読み難いのだが、慣れてくると異様なドライブ感を味わえる稀有な作品だと思う。
また、この作品では独自のガジェットが多数登場する。
人口内臓で幻影を作り出す、サディストのイリュージョニスト。
千葉シティ製人工肝臓。
培養槽で量産されたミンクの毛皮。
手作りスペースコロニー自治区。
クローン忍者。
今は存在しないけれど、なんとなく現在と地続きなガジェットたち。どのガジェットを取っても、どれもが主役といえるほどの磁力を発している。
こんな無数のガジェットが寄り集まって構成された未来社会は、恐ろしくて艶かしくて雑然としていてゾクゾクするほど魅力的だ。
SFにまったく詳しくないのでこれは単なる感想なのだが、30年前の作品とは思えないほどストーリーと核心にあるイメージは今日的で、ビジュアルも鮮烈だと感じた。
CG技術が発達した現在なら忠実な映像化も可能だと思うのだが、肉体と機械が猥雑に絡まりあうこのイメージは、小説からダイレクトに頭の中で再構成されるからこそ、麻薬のような陶酔感があるのかもしれない。
(ただし私の場合は「ブレードランナー」「マトリックス」「攻殻機動隊」などのすでにビジュアル化されたイメージがあったからこそ、その作業が可能になったと思う。「攻殻機動隊」の世界観は本書から想起されたものだとどこかで読んだように思う。「マトリックス」はその「攻殻機動隊」からの影響を監督自ら語っていた。「ブレードランナー」との関係は、本書解説に書かれていた)
また、SF的なモノはその存在についてだけでなく、精神についても匂わせている。
たとえばガジェットの一つである改造人間たち。
彼らは高性能な身体を手に入れたとて、仮面ライダーや009のように重い使命を背負うわけではない。
その体は、運命によって与えられたのではなく金銭で贖ったものなのだ。
改造した身体でいるアイデンティティを自分自身でどう持ち続けるのか。その危険性もチラリと示される。
最終的には近未来の新しい哲学の世界に踏み込んでゆくようだったと思う。
かつて手塚治虫が鉄腕アトムでロボットの人権について考えたように、未来の世界では新しい存在が人間の領域と接し重なり合って存在してゆくようになるのだろう。
どこまでが人間でどこからが機械なのかさえ分からないような境地が出現してくるのかもしれない。
高度経済成長期に描かれた能天気な未来図はここにはなく、尖鋭化しすぎた技術の発達は個々の手では制御しかね、もはや手綱を放した暴れ馬のごとく無軌道に疾走している。
御者となるべき新しい倫理はまだない。
機械でもない人間でもない新しい存在が、そこに何らかの影響を及ぼすことになるかもしれない。
パっと見からして最高にカッコイイ作品なのだが、作品の核心もそれに釣り合うクールさで読後も痺れっぱなし。私的オールタイムベスト入り決定です。