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順列都市 (下) (ハヤカワ文庫 SF イ 2-2) 文庫 – 1999/10/31
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- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1999/10/31
- ISBN-104150112908
- ISBN-13978-4150112905
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対象商品: 順列都市 (下) (ハヤカワ文庫 SF イ 2-2)
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1999/10/31)
- 発売日 : 1999/10/31
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4150112908
- ISBN-13 : 978-4150112905
- Amazon 売れ筋ランキング: - 168,750位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とある物理世界がとある神を無効化する、という物凄いお話でした。
2024年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
後半ちょっと毛色が変わった展開になるのですね。不死の世界で死ぬとはこういうことなのだなと。
2023年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界観、テーマ、設定、キャラクター、科学描写、ストーリーなど全てにおいてバランスの良い傑作SF
仮想世界や人格コピーなど出し尽くされたSF要素が主軸の作品にも関わらず、その練り込まれた設定や独特の世界観は唯一無二であり新しさすら感じさせる
登場人物がコロコロ変わるので最初は難解に感じるが、あらすじが理解できてくると一気に物語に引き込まれる
自分のオリジナルとコピーの違いは何か、そして死の定義とは何か、といった重厚な哲学的テーマを物語の最初から最後に至るまで見事に取り込んでおり、結末も読者を裏切らない
読後も物語の世界の余韻から抜け出せず、クライマックスの圧倒的なスケールとスピード感を頭の中で反芻したくなるような作品だった
仮想世界や人格コピーなど出し尽くされたSF要素が主軸の作品にも関わらず、その練り込まれた設定や独特の世界観は唯一無二であり新しさすら感じさせる
登場人物がコロコロ変わるので最初は難解に感じるが、あらすじが理解できてくると一気に物語に引き込まれる
自分のオリジナルとコピーの違いは何か、そして死の定義とは何か、といった重厚な哲学的テーマを物語の最初から最後に至るまで見事に取り込んでおり、結末も読者を裏切らない
読後も物語の世界の余韻から抜け出せず、クライマックスの圧倒的なスケールとスピード感を頭の中で反芻したくなるような作品だった
2014年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一とおり読み終えましたが、正直下巻はイマイチかなと思いました。SFとして見た場合、別の宇宙という特性上、イーガンの『俺ルール』で何でもアリになってしまい、前半(上巻)ほどのリアリティがありません。
そのルールにしても、けっきょくすべての根本にあるのは上巻で語られる『塵理論』ですが、これが何度読んでも、どうしても個人的に納得できませんでした。上巻は塵理論の真偽はどうであれ物語としては問題なく読み進められるのですが、TVC宇宙が発進してしまう下巻は、まずこれを受け入れられないとダメです。
…で、私はダメでした。
端的には塵理論の洞察を得る実験(上巻)で、まるでシミュレーションにおいて途中を計算しなくても最終的な結果が得られるようなケースがありますが、それができたら逐次計算の意味がなくなってしまいます。すべての解は解析的に得られることになってしまいます。ええ?そうなの!?(そんなバカな)と。
仮に百歩譲ってそこは正しかったとしても、じゃあ、人間の精神活動はスナップショットで記述できるのかというとそれも変だと思います。もはや哲学的な議論になってしまいますが、それは愚直な(?)逐次計算の *過程* で生じると考えた方が自然かなぁ。精神のスナップショットとしてのどんな立派な文学作品よりも、生きて逐次計算を続けている一寸の虫の方がよほど魂は宿っていると思えてなりません。
ここでさらに譲って、人間の本質あるいは宇宙がスナップショットで記述できるとしちゃうと、そもそも TVC 宇宙を『発進』させる必要性すらないんじゃないか、『エデンの園配置』を作った時点で順列都市とやらは裏の宇宙で勝手に動いてるはずなんじゃないの(逐次計算に意味はないんでしょ)、と言う感じです。
以上、そんなわけで、ハードSFとして楽しく読めたのは上巻 順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) までで、下巻は疑問点がどうしても引っかかりっぱなしでストーリーに集中できなかったという次第です。逆に塵理論が素直に受け入れられれば面白いと思います。シミュレーションのマトリョーシカ宇宙が相互に織りなす世界、宇宙に対する read only 権限しか持たない人物のサイドストーリーなど、物語としての見どころはいっぱいです。
そのルールにしても、けっきょくすべての根本にあるのは上巻で語られる『塵理論』ですが、これが何度読んでも、どうしても個人的に納得できませんでした。上巻は塵理論の真偽はどうであれ物語としては問題なく読み進められるのですが、TVC宇宙が発進してしまう下巻は、まずこれを受け入れられないとダメです。
…で、私はダメでした。
端的には塵理論の洞察を得る実験(上巻)で、まるでシミュレーションにおいて途中を計算しなくても最終的な結果が得られるようなケースがありますが、それができたら逐次計算の意味がなくなってしまいます。すべての解は解析的に得られることになってしまいます。ええ?そうなの!?(そんなバカな)と。
仮に百歩譲ってそこは正しかったとしても、じゃあ、人間の精神活動はスナップショットで記述できるのかというとそれも変だと思います。もはや哲学的な議論になってしまいますが、それは愚直な(?)逐次計算の *過程* で生じると考えた方が自然かなぁ。精神のスナップショットとしてのどんな立派な文学作品よりも、生きて逐次計算を続けている一寸の虫の方がよほど魂は宿っていると思えてなりません。
ここでさらに譲って、人間の本質あるいは宇宙がスナップショットで記述できるとしちゃうと、そもそも TVC 宇宙を『発進』させる必要性すらないんじゃないか、『エデンの園配置』を作った時点で順列都市とやらは裏の宇宙で勝手に動いてるはずなんじゃないの(逐次計算に意味はないんでしょ)、と言う感じです。
以上、そんなわけで、ハードSFとして楽しく読めたのは上巻 順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) までで、下巻は疑問点がどうしても引っかかりっぱなしでストーリーに集中できなかったという次第です。逆に塵理論が素直に受け入れられれば面白いと思います。シミュレーションのマトリョーシカ宇宙が相互に織りなす世界、宇宙に対する read only 権限しか持たない人物のサイドストーリーなど、物語としての見どころはいっぱいです。
2019年4月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
謎の仮想世界が始まり終わります ハマれば凄い世界に連れ去られてしまう こんな世界って有り得るの?でも有り得るのだろうなあ ハードSFって何と聞かれれば、コレと答えれば間違いない
2020年8月24日に日本でレビュー済み
難しい物語だという評判を確かめる意味もあって、直前にできるだけ予備知識を入れずに読んだ結果(昔読んだ解説はまったく忘れていた。)、評判は正しかったことを確認した(笑)。
読了後、あとがきをはじめとするいくつかの参考資料を読むことによって徐々に理解が深まる。
予備知識なしの初読で本書を理解するのは難しい。事前に物語の基本構造が理解できていれば、上部構造の解釈に全力を注ぐことができるだろう。
一方で、予備知識がファースト・コンタクトの驚きを割り引いてしまうことも間違いない。予備知識なしで読むことによって、本書のアイデアを最大限に味わうことができた。
理解のしやすさとファースト・コンタクトした際の感動の保護。両者のバランスが取れているのが良い紹介文なのではないか。
その点、本書巻末の訳者あとがきは、分かり易いが抑制的に書かれており、特にややこしい前半部を理解するのに役立つだろう。今回評者は本編読了後にあとがきを読んだが、上巻を読む前に読んでいれば益になる部分の方が多いと思う。
本書は上下巻に分かれているが、第一部“エデンの園配置(コンフィギュレーション)”が上巻の全部と下巻のほとんど半分を占めており、第二部“順列都市”が残り、下巻のだいたい半分くらい。
アイデアと論理のほとんどは第一部で種がまかれているが、上巻だけ、あるいは第一部を読み終えた時点でその先の展開を予測するのは非常に難しい。
それらのまかれた種は、第二部で十分に生長し、収穫されるが、それを味わうためには第一部をある程度理解しておく必要があるだろう。
評者は、本書について論理的な裏付けのあるワールド・スクリーン・バロックの進化系、特にヴァン・ヴォークトの“非Aシリーズ”の現代版という印象を持った。
ヴォークトの“非Aシリーズ”は驚愕のアイデアに彩られた目もくらむようなストーリー展開で読者を幻惑するが、評者はその背後にあるものを理解することができなかった。それはTVC宇宙と〈コピー〉のようなもので、作者ヴォークトが様々な個々の部品を手当たり次第に張り付けたモザイクのようなものだと思う。
一方、本書は、オートヴァースの原理によって成立している惑星ランバートのように、あるいは物理法則の上に成立している現実世界のように、強固な基盤を持ったアイデアの上に構築されている。驚異的なストーリーは掘り下げることによってその根拠を示すことができるのだ。
終盤には少し強引なところも見受けられるが、奇想天外なアイデアで読者を幻惑する詐欺的とも言えるストーリーでありながら、本書がハードSFと呼ばれるのは、その論理性が評価されてのことだろう。
言わずもがなのことではあるが、第一部と第二部の終盤で予想外に展開するラブストーリーは、意外性目当ての付け足しの設定のようだけれど、人間が生きる意味とは何かという主題を補完して物語の厚みを増すことに貢献しているのではないだろうかと思う。
エピローグを読むと本編との落差が大きすぎて虚無的な気分になるけれど、これが現実の人生というものだろう。
読了後、あとがきをはじめとするいくつかの参考資料を読むことによって徐々に理解が深まる。
予備知識なしの初読で本書を理解するのは難しい。事前に物語の基本構造が理解できていれば、上部構造の解釈に全力を注ぐことができるだろう。
一方で、予備知識がファースト・コンタクトの驚きを割り引いてしまうことも間違いない。予備知識なしで読むことによって、本書のアイデアを最大限に味わうことができた。
理解のしやすさとファースト・コンタクトした際の感動の保護。両者のバランスが取れているのが良い紹介文なのではないか。
その点、本書巻末の訳者あとがきは、分かり易いが抑制的に書かれており、特にややこしい前半部を理解するのに役立つだろう。今回評者は本編読了後にあとがきを読んだが、上巻を読む前に読んでいれば益になる部分の方が多いと思う。
本書は上下巻に分かれているが、第一部“エデンの園配置(コンフィギュレーション)”が上巻の全部と下巻のほとんど半分を占めており、第二部“順列都市”が残り、下巻のだいたい半分くらい。
アイデアと論理のほとんどは第一部で種がまかれているが、上巻だけ、あるいは第一部を読み終えた時点でその先の展開を予測するのは非常に難しい。
それらのまかれた種は、第二部で十分に生長し、収穫されるが、それを味わうためには第一部をある程度理解しておく必要があるだろう。
評者は、本書について論理的な裏付けのあるワールド・スクリーン・バロックの進化系、特にヴァン・ヴォークトの“非Aシリーズ”の現代版という印象を持った。
ヴォークトの“非Aシリーズ”は驚愕のアイデアに彩られた目もくらむようなストーリー展開で読者を幻惑するが、評者はその背後にあるものを理解することができなかった。それはTVC宇宙と〈コピー〉のようなもので、作者ヴォークトが様々な個々の部品を手当たり次第に張り付けたモザイクのようなものだと思う。
一方、本書は、オートヴァースの原理によって成立している惑星ランバートのように、あるいは物理法則の上に成立している現実世界のように、強固な基盤を持ったアイデアの上に構築されている。驚異的なストーリーは掘り下げることによってその根拠を示すことができるのだ。
終盤には少し強引なところも見受けられるが、奇想天外なアイデアで読者を幻惑する詐欺的とも言えるストーリーでありながら、本書がハードSFと呼ばれるのは、その論理性が評価されてのことだろう。
言わずもがなのことではあるが、第一部と第二部の終盤で予想外に展開するラブストーリーは、意外性目当ての付け足しの設定のようだけれど、人間が生きる意味とは何かという主題を補完して物語の厚みを増すことに貢献しているのではないだろうかと思う。
エピローグを読むと本編との落差が大きすぎて虚無的な気分になるけれど、これが現実の人生というものだろう。
2020年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ありがとうございました。
2021年7月13日に日本でレビュー済み
読む前の本書に対するイメージとしては、ハードSFでひたすら論理と理論が絶え間なく飛び交う説教くさい作品だと勝手に思っていたのですが、実際に読んでみるとそういった印象は見事に(特に下巻で)覆されました。
生と死、アイデンティティ、有限と無限、永遠の時間、永遠の孤独、贖罪、人生の選択、などなど考えさせられました。
上巻の途中で挫折してしばらく放置していたのですが、久しぶりに続きを読んでみたところ、上巻終盤~下巻の話の展開が予想外に面白く一気に最後まで読むことができました。
(以下ネタバレ)
この物語に対するイーガンの締めくくり方が見事でした。最終節の”別れ”のシーンが、哲学的問題を読者に投げかけるとともに、とめどない切なさが読者の心に押し寄せる。
本書を読み始めた頃はあまり好きではなかったポール・ダラムというキャラクターが、終盤にさしかかる頃にはスターとして映りました。
『順列都市』は、ポール・ダラムという男の人生そのものであると同時に、彼とともに数奇な運命を辿った”人々”の群像劇でもあります。
SF小説としてではなく一般的な小説としても面白いのでおススメです。
生と死、アイデンティティ、有限と無限、永遠の時間、永遠の孤独、贖罪、人生の選択、などなど考えさせられました。
上巻の途中で挫折してしばらく放置していたのですが、久しぶりに続きを読んでみたところ、上巻終盤~下巻の話の展開が予想外に面白く一気に最後まで読むことができました。
(以下ネタバレ)
この物語に対するイーガンの締めくくり方が見事でした。最終節の”別れ”のシーンが、哲学的問題を読者に投げかけるとともに、とめどない切なさが読者の心に押し寄せる。
本書を読み始めた頃はあまり好きではなかったポール・ダラムというキャラクターが、終盤にさしかかる頃にはスターとして映りました。
『順列都市』は、ポール・ダラムという男の人生そのものであると同時に、彼とともに数奇な運命を辿った”人々”の群像劇でもあります。
SF小説としてではなく一般的な小説としても面白いのでおススメです。