映画『2001年 宇宙の旅』のメイキング本としては、『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』という本があるが、
これは公開当初の雑多な情報をスクラップブック状態にまとめたもので、こちらの期待には応えてくれない。
しかしアーサー・C・クラークの本書は、一流作家がまとめているだけあって、きちんとした整合感があり、楽しめる。
作者とキューブリックの出会いが語られる。
クラークは映画制作に参加するため、住んでいたセイロンを発ち、ニューヨークに向かう。
その時、彼の頭の中では、かつて書いた短編「前哨」が映画のスタート地点として使えそうだというアイディアが浮かんでいた。
本書には、「前哨」の全編(15ページ分)が、訳者による新訳で収録されている。
読んでみると、映画『2001年』の月のシーンの原形が、見事にそこにあり驚く。
書かれたのは1948年、60年以上も前の作品だが、生き生きとした説得力と描写力があって今読んでも新鮮な魅力がある。
映画では、太古の猿人から、スペースシップが飛び交う宇宙に、見事に飛躍するが、
映画製作の途中では、未来から過去へとフラッシュ・バックする構成も検討されていた。
クラークは未来人が猿人たちと出会う場面を見事な小説の一場面として書いている。
それもまるごと収められている。
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失われた宇宙の旅2001 (ハヤカワ文庫 SF ク 1-32) 文庫 – 2000/4/1
アーサー C.クラーク
(著),
伊藤 典夫
(翻訳)
- 本の長さ427ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2000/4/1
- ISBN-104150113084
- ISBN-13978-4150113087
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2000/4/1)
- 発売日 : 2000/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 427ページ
- ISBN-10 : 4150113084
- ISBN-13 : 978-4150113087
- Amazon 売れ筋ランキング: - 120,532位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2012年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
制作当時キューブックがどういった発言をしていたのか実に参考になる著書です。クラークもノイローゼの一歩手前までいっていたのでしょうね。
2017年5月2日に日本でレビュー済み
小説「2001年宇宙の旅」で既に映画の謎は説明しつくされています。当初、挿入されるはずの各パートのナレーションを削除してキューブリック監督が意図的
に難解な映画にしてしまった。小説版ではモノリスの意味や役割、宇宙人の惑星の描写や主人公ボーマンの変貌と進化と結末を詳しく描写しています。この段
階ですでに映画のテーマと謎解きは終わっていますが、本書「失われた~」はクラークがキューブリック監督に提出して却下削除された原稿が小説でもエッセイ
でもない形で1970年代に出版されました。
この作品は「人類の夜明け」のパートで宇宙人クリンダーが人類の始祖となる猿人に具体的に道具の使い方を教えて猿人の脅威となる動物を撃退し食料と
なる動物を獲得して生存の為の方法を教えている。さらに映画や小説では冷凍睡眠してコンピュータハル9000に殺されるメンバーがほぼ全員到着する。
この映画と小説に強烈に興味をもって何度も見ているかたにとっては既知の事実かも知れないが、この本が翻訳されて、アーサーCクラークの考えた原案
と結末が鮮明に理解できて、既存の「2001年宇宙の旅」をさらに深く楽しめるのでは無いでしょうか?
に難解な映画にしてしまった。小説版ではモノリスの意味や役割、宇宙人の惑星の描写や主人公ボーマンの変貌と進化と結末を詳しく描写しています。この段
階ですでに映画のテーマと謎解きは終わっていますが、本書「失われた~」はクラークがキューブリック監督に提出して却下削除された原稿が小説でもエッセイ
でもない形で1970年代に出版されました。
この作品は「人類の夜明け」のパートで宇宙人クリンダーが人類の始祖となる猿人に具体的に道具の使い方を教えて猿人の脅威となる動物を撃退し食料と
なる動物を獲得して生存の為の方法を教えている。さらに映画や小説では冷凍睡眠してコンピュータハル9000に殺されるメンバーがほぼ全員到着する。
この映画と小説に強烈に興味をもって何度も見ているかたにとっては既知の事実かも知れないが、この本が翻訳されて、アーサーCクラークの考えた原案
と結末が鮮明に理解できて、既存の「2001年宇宙の旅」をさらに深く楽しめるのでは無いでしょうか?
2019年4月11日に日本でレビュー済み
あらゆる邪推が拒絶される姿勢は胸がすくが、映像化不可能なのに重ねられる描写は複雑な心境になる。
2017年5月17日に日本でレビュー済み
クラークにしか表現できない異星人の描き方がたまらない。
映画ドキュメントも興味深く好きだが、小説部分だけで再文庫化して欲しいです。
映画ドキュメントも興味深く好きだが、小説部分だけで再文庫化して欲しいです。
2011年8月7日に日本でレビュー済み
この本は私にとってはこの上なく大切な本の1冊である。「2001年宇宙の旅」から「3001年 終局への旅」まで、どの作品も夢中になって読んだ後、この本を手にしたとき、どれだけうれしかったか。
この本は不思議な構成となっている。現実の執筆過程、映画を作る上での話し合いのエピソードの間に、SFのストーリー(あり得たかもしれない2001年宇宙の旅)がはさまっているのだから。読んでいて、私は現実とSFの世界を行ったり来たり。それがとても心地よかった。
猿人とモノリスとの出会いのシーンは、元々の原稿ではかなり違ったものとなっている。この失われたエピソードを読むことができて良かった。そこには、結局は出てくることのなかった別世界の存在が登場している。そしてHAL。彼もまた、元々の原稿ではかなり違う存在として描かれている。キーワードは「可動性」。さらに、スターゲートを通った後の描写。映画ではゲートを通った後は「あの描写」となったが、失われた原作では、不思議な都市、自然、生物、世界がたくさん出てくる。この魅力的なバージョンもぜひ見てみたかったが、映像化するのは当時はかなり困難を伴うものだったはずだ。
この本は、まさに宝物。もうひとつの2001年宇宙の旅だった。
この本は不思議な構成となっている。現実の執筆過程、映画を作る上での話し合いのエピソードの間に、SFのストーリー(あり得たかもしれない2001年宇宙の旅)がはさまっているのだから。読んでいて、私は現実とSFの世界を行ったり来たり。それがとても心地よかった。
猿人とモノリスとの出会いのシーンは、元々の原稿ではかなり違ったものとなっている。この失われたエピソードを読むことができて良かった。そこには、結局は出てくることのなかった別世界の存在が登場している。そしてHAL。彼もまた、元々の原稿ではかなり違う存在として描かれている。キーワードは「可動性」。さらに、スターゲートを通った後の描写。映画ではゲートを通った後は「あの描写」となったが、失われた原作では、不思議な都市、自然、生物、世界がたくさん出てくる。この魅力的なバージョンもぜひ見てみたかったが、映像化するのは当時はかなり困難を伴うものだったはずだ。
この本は、まさに宝物。もうひとつの2001年宇宙の旅だった。
2007年4月4日に日本でレビュー済み
クラークが脚本家として参加した「2001年宇宙の旅」のシナリオ製作記である。
もちろん映画も見たし、原作も読んだことがあるが、何となくあの作品は「偉大なSF作家」であるクラークの力によって構想され、映像化のアイデアももたらされたに違いないと思っていた。猿人が知性を獲得する冒頭の印象的なシーンも、モノリスのアイデアも、宇宙船での数々の事件のエピソードも、後半の映像の氾濫部分も、ラストに至るシーンも、すべて、すべて「偉大なクラーク」の業績だと感じていた、と言うか信じていた。しかし本書を読んで分かったことは、監督キューブリックとの議論を交わしてアイデア練り上げたり、書き直しにつぐ書き直しでイマジネーションを絞られるクラークの姿だった。繰り返される推敲を経て、監督の思い通りのストーリーを生み出し、それが更に監督の所望した映像と合致した。これが「2001年宇宙の旅」であったと言うことが分かった。映画作りの裏話と共に、産みの苦しみのプロセスが非常に興味深い。
本書では差し戻しでお蔵入りになった「もうひとつの2001年」と呼べる作品が収められている。最終稿と比べると興味深いが、それぞれの断片でも十分楽しめること請け合いである。
もちろん映画も見たし、原作も読んだことがあるが、何となくあの作品は「偉大なSF作家」であるクラークの力によって構想され、映像化のアイデアももたらされたに違いないと思っていた。猿人が知性を獲得する冒頭の印象的なシーンも、モノリスのアイデアも、宇宙船での数々の事件のエピソードも、後半の映像の氾濫部分も、ラストに至るシーンも、すべて、すべて「偉大なクラーク」の業績だと感じていた、と言うか信じていた。しかし本書を読んで分かったことは、監督キューブリックとの議論を交わしてアイデア練り上げたり、書き直しにつぐ書き直しでイマジネーションを絞られるクラークの姿だった。繰り返される推敲を経て、監督の思い通りのストーリーを生み出し、それが更に監督の所望した映像と合致した。これが「2001年宇宙の旅」であったと言うことが分かった。映画作りの裏話と共に、産みの苦しみのプロセスが非常に興味深い。
本書では差し戻しでお蔵入りになった「もうひとつの2001年」と呼べる作品が収められている。最終稿と比べると興味深いが、それぞれの断片でも十分楽しめること請け合いである。
2005年5月23日に日本でレビュー済み
A.C.クラークとスタンリー・キューブリックが"2001年宇宙の旅"を作成するにあたっての共同作業のプロセスが細かく書かれていて読んでいると、こうやってあのシーンは思いついたんだ、ああこ~んな事だったのかとやたらに感銘を受けるエピソードがてんこ盛り。というより二人の意見がしばしば対立するところが面白い。例えば、キューブリックが、ETが地球に降り立って、人類にコマンドー戦術を教えて人類の繁栄をうながすとかどう? とアイディアを持ち出してきたので、クラークがそりゃ使えんなと思った話とか。午前中いっぱい映画のアイディアを考えようとしても何も浮かんでこなかったとか。(笑)また、こうであったかもしれない映画の脚本(要は捨てた方で、映画には登場しなかった隠れた原稿)が圧倒的に面白い。
他の国からのトップレビュー
Adam Sanford
5つ星のうち5.0
For the 2001 fans
2024年2月24日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Excellent insight into the many ups and downs, the crests and troughs, of the turbulent creation of 2001.
Clarke's earlier drafts still have narrative and descriptive punch, despite being ultimately abandoned.
An excellent read.
Clarke's earlier drafts still have narrative and descriptive punch, despite being ultimately abandoned.
An excellent read.
Alex Michael Bonnici
5つ星のうち5.0
The Lost Worlds of 2001 by Arthur C. Clarke
2013年3月6日に英国でレビュー済みAmazonで購入
I love this book because it provides an in depth overview of one of the evolution greatest science fiction epics ever written and to appear on the silver screen.
aaargh
5つ星のうち4.0
Good, if badly produced e-book
2024年2月8日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
Book provides interesting insights into the Clarke-Kubrick collaboration, along with large helpings of earlier drafts of Clarke's eventual book.
But I can't remember ever seeing so many typos in an ebook. Somebody should be embarrassed by the piss-poor execution of this.
But I can't remember ever seeing so many typos in an ebook. Somebody should be embarrassed by the piss-poor execution of this.
Dean Stansfield
5つ星のうち4.0
Very good
2014年5月30日に英国でレビュー済みAmazonで購入
A solid read from bygone years.
Although the contents have been covered in more recent titles.
I felt compelled to buy a copy,to add to my small collection of 2001 books.
Written not long after the succes of the movie;helps give this book a time capsule feel.The book is second hand but bearly used.
Can't really complain for pennies.
Although the contents have been covered in more recent titles.
I felt compelled to buy a copy,to add to my small collection of 2001 books.
Written not long after the succes of the movie;helps give this book a time capsule feel.The book is second hand but bearly used.
Can't really complain for pennies.
Harley
5つ星のうち5.0
This Book is Hard to Find
2022年12月6日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
I have read this book before...checked it out of my local library as a kid. I wanted to read it again. I found this reasonably priced paper back copy advertised on Amazon, so I picked it up. I am very happy with the result. As used paperbacks go from that era, it is in pretty good shape.