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プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫 SF ウ 4-17) 文庫 – 2005/1/1

4.2 5つ星のうち4.2 58個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2005/1/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/1/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 603ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 415011501X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150115012
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 58個の評価

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カート・ヴォネガット・ジュニア
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カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2022年8月18日に日本でレビュー済み
他の作品と違わずヴォネガットらしさのある世界観とユーモア。
他のユートピア/デストピア作品に劣らない設定と構成。

アメリカ的な合理主義と資本主義経済の延長にある、シンギュラリティのそのまた先(あるいは現代)を見据えた、「人間」を置き去りにしてしまう社会(世界)を浮き彫りにした小説。

なぜこんなにおもしろい作品が絶版なのか。
GAFAの台頭を考えてみよう。
この本よりもGAFAのサービスが選ばれる理由はいったいなんだろうか。

ふと思うことは、禁書にするよりも絶版にしてしまうほうが弱体化としては効率的だ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
機械が自動で何でもやってくれる時代が到来。
人間は何をすべきかわからないままだらだらしている。
(ちなみに、同じような世界観の、オーウェル「1984年」の場合では、人間は文化教養を謳歌して、ヒマはしていない)
生まれながらに地位と金を持ちながら、そんな毎日になにかしら「ズレ」を感じている主人公ポール。
そこに、自分より早く出世していた昔の仲間フィナティーがやってきて「おれは仕事をやめた。こんなつまらん世界はくそくらえだ。ぶちこわしてやる」
その発言にビリビリと何かを感じ、全自動化社会への反逆心を強めていく主人公。
「いくら”何もしないでも生きていける”という幸福を得ようと、働かずしてどうやって人間は喜びを得られようか」という思いが強くなっていき……。

……という感じで、話の筋は、シニカルながら「人間愛」に満ち溢れ、ちょいとSFの入った、ヴォネガットお得意のやつです。
で、これまたいつものヴォネガット通り、そんなに勢いのある文体じゃあないのに、そのうち話が混沌の様相を帯びてきて最後は……というもの。小説書くのうまいなあ、と思います。

600ページあります。長いです。でもおもしろいです。読みごたえあります。
しかし、他のヴォネガット作品に比べると、シンプルで、また冗長な感があります。スピードを感じない、というか。
それから、以降の作品に比べると、登場人物のキャラクターが弱いです。個人的にはポールをたきつけたフィナティーにもっと大暴れしてほしかった。
また、オチも弱いです。「タイタンの妖女」のラストのあのどんでん返しに比べると、「え、これで終わりなの」という感じ。まあ、「タイタン」のオチはぶっとびすぎてるから、一般的に考えたら比較すべきものではないかもしれないけど。

でも、いい作品なんですけどね。処女作でこんなの書くんだから、とんでもねー作家だと思います。

ただ、ヴォネガットにはこれ以上にぶっとんだ作品がたくさんある(「タイタン」「ローズウォーター」「スローターハウス」「猫のゆりかご」等)ので、そっちを読んで、「あ、俺、この作家のやり口好きだわ」と思えたのなら、読めばいいんじゃないでしょうか。ヴォネガットの作品に限定していえば、☆3つです。

ちなみに僕は最初「タイタン」から入りました。そのあと文庫になってる本は結構読みましたが、基本ハズレはなかったです。分かりやすかったのは「ローズウォーター」かな。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年5月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 本書の発表当時書評家に、オーウェルの「1984年」、ハックスリーの「すばらしき新世界」の亜流と評価されたとあとがきにあるが、とてもとんちんかんだったと言わざるを得ない。
 もちろん「1984年」には抑圧された支配構造が生み出す非人間性という普遍性を感じるが、本書が決定的に異なっているのは陽気なまでの楽観主義である。どれほどシニカルな立場におかれても、登場人物一人一人が決して絶望的でないし、未来が約束されていなくとも生きる希望に満ちている。
 これだけコンピュータを含む機械文明の発達した現在という時代に立ってみると、それが当たり前になって機械が人の仕事を奪い、支配の道具になっていると考えることはほとんどない。しかし、国際的にも国内でも、経済徴兵や少数者の支配力の増大等、富の格差の問題がこれだけ顕著になってくると、本書が予見した時代が今まさに起きようとしている感じもする。
 それでも絶望せずにいるのは、やはりヴォネガットがつくった主人公たちのような人々が、実際にもいると信じられる何かが私たちにあるからだろう。その意味でも読者の気分をとらえた説得力ある作品だと思う。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ボネカットの以降の作品エッセンスが埋め込められた小説。それは神に対する問いかけであり(作品を書き続ける中途で作者は質問することをやめたが)、人類の存在意義と叡智。そして常にまとわりついて離れぬ愚かさ(歴史の俯瞰と回顧を通して)の描写。それらをユーモアと詩、そして哲学を捏ねて丸めて築き上げた苦い苦い物語であります。戦争と軍隊と個人、戦争だけではなく、大は組織、小は家族と個人の関わりの中で息をする、せざるを得ない人間の性(さが)をボネカットの作品に見ることが出来る。それらがどう発展し、どのような結論を以降の作品で解答を得たかを理解するためにも必読の書であります。
2016年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シニカルで、叙情的で、もの悲しいストーリーなのですが、ユーモア感覚がよく、面白く読めました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年11月30日に日本でレビュー済み
第二次世界大戦後から程なくして、アメリカは、かつての大恐慌に対する反省や、長期の技術革新による豊かさを得ると同時に発生する失業者の増加などの社会不安を抑えるため、修正資本主義そして計画経済の道を歩みます。それは、当時、このSFが描かれた時代の感覚で言えば、この作品の中でもチラリと指摘されている共産主義的な特徴がありました。ハインラインなど他のSF作家の作品でも、未来の地球はアメリカといえども貿易を自主規制せねばならず、計画経済体制のもと過剰生産された新車が政府の補助金でスクラップにされることが織り込まれた社会体制になるはずだ。というような状況を予期しています。

この『プレイヤー・ピアノ』は、それを主題に取り上げた作品で、少数のエリート技術者が国家経済を支え、庶民たちは、かつては工場で職能を発揮していたものの、その技能は自動機械のテープにコピーされている世界を描いています。工場でプライドを持って働いていた労働者は、今では仕事がなく、生活保護を受けていつも飲んだくれている。題名のプレイヤー・ピアノとは、今では博物館でしかお目にかかれない紙テープを使った自動演奏のピアノで、テープの幅などは規格化されていて、いろんな楽曲の譜面をテープ化したものが、音楽ソフトとして本当に発売されていました。それと同じように、労働者のモノづくりの技巧がテープ化され、もう労働者は必要ない。工場の自動機械が全部やってくれる。

そういう陰鬱な時代を描写しているはずなのですが・・・ なんというか、作中のエリートは、厳しい自律精神と義務感で、世のために一生懸命働いているし、庶民も生活を保証されそれなり明るく生きているという、現代の我々から見れば正直な話、うらやましい世界。所得格差はあれど、社会的地位の高い金持ちエリートは、金持ちの義務として大金を投じた住宅を買うという形で社会に富を還元するのが世の中の道徳的常識であったりします。

例えば、超エリートである主人公が、ある安い家を買おうとしたら、不動産取引の業務担当者は、声を震わせながら、自分が解雇されようともそんな売買契約書の作成はできないと、まるで死刑を覚悟の上で国王を諌める下級役人のような態度で、社会秩序を守ろうとする。富の再分配という現実の資本主義最大の悩み事が、この作品では、政治経済のルールと社会の道徳的規範とで、かなり解決されていることを伺わせる一コマです。いったいこれのどこが、『ディストピア』なんですかね? と、私は作中の細かい描写を熟読しつつ、独り言でツッコミをいれたいくらいでした。端的に言えば、この作品世界は、かつてマルクスが非科学的だと馬鹿にした「空想的社会主義」「ユートピア社会主義」が実現してしまった世界なのです。

経済思想の歴史や、戦後間もない時期になされていた未来予測などの予備知識がないと、本作品は、カタルシスも何もない駄作にしか見えないかもしれません。でも、同時代に書かれた幾つかのSFが、(主題ではなく作品の背景として)描いていた未来像や、1950~80年くらい時期の、実際のアメリカの大企業の経済活動や労使関係などの予備知識があると、非常に興味深い作品です。そして、21世紀に行きている我々(日本人だけでなく、欧米の人も)が、こういう『ユートピア』を手にすることにはならなかった理由を考察する上でも、有益な本だと思います。ポイントになるのは、この作品が触れていない、冷戦期の、冷戦崩壊後の、そして現在起こっている国際経済の変化や問題は何か? ということでしょうね。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年11月8日に日本でレビュー済み
ドジ終点部隊... そして革命への憧れと挫折。 半分自伝小説だと思っています。作者の現実への思いがあふれているように感じます。若い頃読んで、大変な影響を受けました。マイベストテンの上位にずっと居座り続ける作品です。
2003年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ヴォネガットの長編処女作ですが、初めてヴォネガットを読む際においては、とても入りやすいと思います。設定などは確かにSFともいえますが、読む際においてそれほど気にならないでしょう。SFファンでなくても、とっつきやすいといえます。むしろヴォネガットの描く人物達の人間臭さがとても共感でき、機械と人間の付き合い方を改めて考える機会を得られることだと思います。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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