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この世の彼方の海―永遠の戦士エルリック〈2〉 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 2006/5/1
マイクル ムアコック
(著),
井辻 朱美
(翻訳)
- 本の長さ431ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2006/5/1
- ISBN-104150115613
- ISBN-13978-4150115616
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2006/5/1)
- 発売日 : 2006/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 431ページ
- ISBN-10 : 4150115613
- ISBN-13 : 978-4150115616
- Amazon 売れ筋ランキング: - 802,489位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年5月28日に日本でレビュー済み
ファンタジーながら、昨今流行している、ジュヴナイルとは系統が全く異なりますが。<br /><br />待ちに待った、『エルリック・サーガ』2巻。私も訳者の井辻氏と同じくエルリック様に様を付ける一人です(旧版のどれかのあとがき参照/確かあったハズ)<br /><br />ネタバレになりますが、この巻には、エルリック様とサイモリル姫、そしてメルニボネ帝国の落日を語った、『夢見る都』が収録されており、私は旧版同様ラストで目頭を熱くさせながら読みました。<br />魔剣ストームブリンガーが為に、自らの予言どおり命を落としたサイモリル。<br />事故とはいえ、最愛のサイモリルの命を奪い、魔剣を厭いながらもそれに縛られ続けるエルリック様…。<br />言いたい事が上手く纏まっていないのですが、とにかく、哀しい物語です。<br /><br />あ、最後にこれだけ。<br />ヒーローじゃない!と言われたりするエルリック様。<br />でも、私やこの物語を愛する人たちにとって彼は《エターナル・チャンピオン》なのです。<br /><br />
2006年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『この世の彼方の海 ハヤカワ文庫 SF―永遠の戦士エルリック』シリーズ第2巻です。収録されているのは旧版における『この世の彼方の海』と『白き狼の宿命』です。本邦初訳の内容はありません。『夢見る都』『神々の笑うとき』『 歌う城砦』の中編三本で旧版『白き狼の宿命』に相当するということになります。
旧版でも2冊とも井辻訳だったので、新訳であっても大きく違和感覚えることはないでしょう。2冊分が1冊に入っているので本が厚いです。
大きなマイナスポイントは本文中に挿画が無いことですね。表紙イラストはそれなりに存在感あるのですが……
ストーリーとしては、ヒロイックファンタジーの古典的名作ですし、翻訳も安心できます。が、一冊に収めるには、長編一作と中編三作というのは、なんとなくバランス悪いかも。
それと、作品が発表された順番と物語の時系列がバラバラですので、どうしても違和感を覚える部分があるのは仕方ありません。もちろん細かい矛盾点などは修正されているのでしょうけど、読者的には読む順番により作中の時間と空間をあちらこちらへ飛んでちょっと困惑気味です。
『この世の彼方の海』のエピソードにしても、未来、現在、過去へ旅するわけですし。
特に中編『夢見る都』は、エルリックサーガにおいて一番最初に発表されたエピソードだそうです。ここからエルリックの物語が広がったのだと思うと、感慨深いと同時に、そういう観点で見ると確かに、このエピソードは荒削りのようにも感じます。
それにしても考えてみれば、一番最初のエピソードで、エルリックはいきなり女殺しの本領を発揮していたのですね。
旧版でも2冊とも井辻訳だったので、新訳であっても大きく違和感覚えることはないでしょう。2冊分が1冊に入っているので本が厚いです。
大きなマイナスポイントは本文中に挿画が無いことですね。表紙イラストはそれなりに存在感あるのですが……
ストーリーとしては、ヒロイックファンタジーの古典的名作ですし、翻訳も安心できます。が、一冊に収めるには、長編一作と中編三作というのは、なんとなくバランス悪いかも。
それと、作品が発表された順番と物語の時系列がバラバラですので、どうしても違和感を覚える部分があるのは仕方ありません。もちろん細かい矛盾点などは修正されているのでしょうけど、読者的には読む順番により作中の時間と空間をあちらこちらへ飛んでちょっと困惑気味です。
『この世の彼方の海』のエピソードにしても、未来、現在、過去へ旅するわけですし。
特に中編『夢見る都』は、エルリックサーガにおいて一番最初に発表されたエピソードだそうです。ここからエルリックの物語が広がったのだと思うと、感慨深いと同時に、そういう観点で見ると確かに、このエピソードは荒削りのようにも感じます。
それにしても考えてみれば、一番最初のエピソードで、エルリックはいきなり女殺しの本領を発揮していたのですね。
2016年6月23日に日本でレビュー済み
ルビーの玉座を従兄弟イイルクーンに預け、一人遍歴の旅に出たメルニボネ皇帝エルリックは、新興の種族である人間の打ちたてた新王国を巡るが、彼らと自分の種族の差異は大きく望みであった共存共栄の道は見出せない。
新王国では一介の傭兵に身をやつしていたエルリックだったが、今や追われる身となり、ようやく辿り着いた浜辺で嫌世感に取り付かれた彼の前に一隻の大きな船が現れる。
船にはエルリックのような戦士が多数乗船しており、中でもエルリックを含めた4人の戦士を船長は「四戦士」と呼び、四戦士の一人であるコルムは面識がないのに、以前共に戦ったことがあると言う。
船長は、多元宇宙の様々な場所・時代からこの船に乗り込んだ戦士達が<法>も<混沌>も越えた外宇宙からの侵入者であるアガックとカガックを討ち果たすために召集されたものだと語り、エルリックにも協力を求める。
常に白い霧の渦巻く海ならぬ海を往く船は、やがてアガックとカガックが根城としている島の海岸に着き、エルリック、ホークムーン、コルムそしてエレコーゼの四戦士は、それぞれに4人づつの戦士を率いて上陸するのだが・・・
冒頭で描写される四戦士邂逅の場面は他の永遠の戦士シリーズを読んでいないと戸惑うだろうが、エレコーゼが口にする「女殺しのエルリック」という仇名は本書の中で語られる別の冒険を予言しており、彼らの不思議な繋がりを垣間見ることが出来る。
未来、現在そして過去への旅を通じて、エルリックは黒の剣ストームブリンガーとの忌むべき共生関係を強めていくが、本書の後半ではストームブリンガーの呪われた特性が如実に語られる。
イイルクーンはエルリックの長期不在を良いことに、再び皇帝を僭称。
従兄弟の裏切りを一度は許したことのあるエルリックだったが、今回は新王国諸国の海軍を自ら先導して故国の<夢見る都>イムルイルを急襲する。
同族たるメルニボネ人に親和性が無いとは言え、新王国の人間達にも特に肩入れする理由の無い彼が、ここまで過激な行動に出たのは、嫌世感に端を発したものではあろうが、あまりと云えばあまり。
最後のメルニボネ皇帝は予てより同国人と自らの性質の差異に悩んでいたが、結局その冷酷さで最終的にはメルニボネ人らしさを証明したようだ。
”同族殺し”にして”許婚殺し”という二つ名を持つことになったエルリックは、本書の中で更に<踊る霧>シャーリラやジャーコルの女王イシャーナを相手に”女殺し”ぶりを見せてくれる。
新王国では一介の傭兵に身をやつしていたエルリックだったが、今や追われる身となり、ようやく辿り着いた浜辺で嫌世感に取り付かれた彼の前に一隻の大きな船が現れる。
船にはエルリックのような戦士が多数乗船しており、中でもエルリックを含めた4人の戦士を船長は「四戦士」と呼び、四戦士の一人であるコルムは面識がないのに、以前共に戦ったことがあると言う。
船長は、多元宇宙の様々な場所・時代からこの船に乗り込んだ戦士達が<法>も<混沌>も越えた外宇宙からの侵入者であるアガックとカガックを討ち果たすために召集されたものだと語り、エルリックにも協力を求める。
常に白い霧の渦巻く海ならぬ海を往く船は、やがてアガックとカガックが根城としている島の海岸に着き、エルリック、ホークムーン、コルムそしてエレコーゼの四戦士は、それぞれに4人づつの戦士を率いて上陸するのだが・・・
冒頭で描写される四戦士邂逅の場面は他の永遠の戦士シリーズを読んでいないと戸惑うだろうが、エレコーゼが口にする「女殺しのエルリック」という仇名は本書の中で語られる別の冒険を予言しており、彼らの不思議な繋がりを垣間見ることが出来る。
未来、現在そして過去への旅を通じて、エルリックは黒の剣ストームブリンガーとの忌むべき共生関係を強めていくが、本書の後半ではストームブリンガーの呪われた特性が如実に語られる。
イイルクーンはエルリックの長期不在を良いことに、再び皇帝を僭称。
従兄弟の裏切りを一度は許したことのあるエルリックだったが、今回は新王国諸国の海軍を自ら先導して故国の<夢見る都>イムルイルを急襲する。
同族たるメルニボネ人に親和性が無いとは言え、新王国の人間達にも特に肩入れする理由の無い彼が、ここまで過激な行動に出たのは、嫌世感に端を発したものではあろうが、あまりと云えばあまり。
最後のメルニボネ皇帝は予てより同国人と自らの性質の差異に悩んでいたが、結局その冷酷さで最終的にはメルニボネ人らしさを証明したようだ。
”同族殺し”にして”許婚殺し”という二つ名を持つことになったエルリックは、本書の中で更に<踊る霧>シャーリラやジャーコルの女王イシャーナを相手に”女殺し”ぶりを見せてくれる。
2006年8月12日に日本でレビュー済み
エルリック・サーガ新版の第二巻。今作はさらに世界が広がります。
「この世の彼方の海」1976(第三部は73年初出)
「<夢見る都>」1961
「神々の笑うとき」1961
「歌う城砦」1967
今回の新版で初めてエルリックに触れているのですが、本当に読んでよかったと思います。今回もすばらしい! 「この世の彼方の海」では、ムアコックの世界観の要である、ウワサの「永遠の戦士」達が登場し、エルリックとともに次元を超えた戦いを繰り広げます。幻想的、叙事詩的でありながら、やはりSF作家としてのムアコックの本領発揮といえるSF的世界観が読者のイメージの限界に挑戦してくるかのよう。異次元生物との最終決戦の描写は、もはや観念を超えて哲学的ですらあります。
残りの三篇はやはり初期の作品ということで、計算された構造はありませんが、まだあら削りな世界の若さと、前巻の「真珠の砦」など後期の作品と並べて読むことで、世界観が成熟してゆく様子がよくわかり、とても興味深く読むことができます。「歌う城砦」などは、SF的でありながらファンタジイの基本を押さえていて、さらにシェイクスピア的な世界観を根底に持つなかなか深い作品だと思います。
一度読んで終わりではなく、これからの人生で、何度も読むことになりそうな作品です。この本と出合えて本当に良かった。出版社と訳者に感謝です。
「この世の彼方の海」1976(第三部は73年初出)
「<夢見る都>」1961
「神々の笑うとき」1961
「歌う城砦」1967
今回の新版で初めてエルリックに触れているのですが、本当に読んでよかったと思います。今回もすばらしい! 「この世の彼方の海」では、ムアコックの世界観の要である、ウワサの「永遠の戦士」達が登場し、エルリックとともに次元を超えた戦いを繰り広げます。幻想的、叙事詩的でありながら、やはりSF作家としてのムアコックの本領発揮といえるSF的世界観が読者のイメージの限界に挑戦してくるかのよう。異次元生物との最終決戦の描写は、もはや観念を超えて哲学的ですらあります。
残りの三篇はやはり初期の作品ということで、計算された構造はありませんが、まだあら削りな世界の若さと、前巻の「真珠の砦」など後期の作品と並べて読むことで、世界観が成熟してゆく様子がよくわかり、とても興味深く読むことができます。「歌う城砦」などは、SF的でありながらファンタジイの基本を押さえていて、さらにシェイクスピア的な世界観を根底に持つなかなか深い作品だと思います。
一度読んで終わりではなく、これからの人生で、何度も読むことになりそうな作品です。この本と出合えて本当に良かった。出版社と訳者に感謝です。
2006年6月4日に日本でレビュー済み
表題作の「この世の彼方の海」は、いかにもヒロイック・ファンタジーらしい物語で楽しませてくれます。
三部構成で、「未来への旅」「現在への旅」「過去への旅」から成り立っている。その中から、この物語の世界観が、又一つ見えてきます。
それにしても、なかなかこの物語のエルリックに共感して行けないのは何故だろうかと思います。それは、ある意味でエルリックが、アンチ・ヒーローの要素を持っているからかも知れません。〈混沌〉と〈法〉という二元論的な世界で、〈混沌〉の神アリオッホに、魔剣ストームブリンガーに身を委ねています。それはどちらかと言えば、「黒」のイメージを強く感じさせます。
このあたりが、所謂ヒロイック・ファンタジーの持つ黒白がはっきりしている世界観とはやや違っている気がします。ここに、このファンタジーが、今のところ他のファンタジーのようなすっきりした面白さを感じられない原因かも知れません。
三部構成で、「未来への旅」「現在への旅」「過去への旅」から成り立っている。その中から、この物語の世界観が、又一つ見えてきます。
それにしても、なかなかこの物語のエルリックに共感して行けないのは何故だろうかと思います。それは、ある意味でエルリックが、アンチ・ヒーローの要素を持っているからかも知れません。〈混沌〉と〈法〉という二元論的な世界で、〈混沌〉の神アリオッホに、魔剣ストームブリンガーに身を委ねています。それはどちらかと言えば、「黒」のイメージを強く感じさせます。
このあたりが、所謂ヒロイック・ファンタジーの持つ黒白がはっきりしている世界観とはやや違っている気がします。ここに、このファンタジーが、今のところ他のファンタジーのようなすっきりした面白さを感じられない原因かも知れません。