他の方も言っているが、生まれてくる子供が何故か女性が圧倒的に多いという、この世界についての説明は全く無い。けれどライトノベルとして、そういう世界なのだと割り切って考えれば、軽くテンポよく読み進められるし、この世界を楽しめると思う。男女逆転世界のラブロマンスであり、家族の絆の物語である。
私は結構楽しめたし、続編があったら読んでみたいと思う。
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ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫 SF ス 16-2) 文庫 – 2007/10/24
極端に男性が少ないこの世界では、当然ながら女王が統治し、兵士も職人も何から何まで女性中心だ。一方男性は貴重な存在のため、誘拐などされぬよう姉妹たちの固いガードのもとで育てられていた。ウィスラー家の長男ジェリンはもうすぐ16歳。ある日、盗賊に襲われた娘を助けたところ、彼女は王女のひとりだった。迎えに来た王家の長姉(エルデスト)レン王女は、生来の美貌のうえ心優しいジェリンにひと目ぼれ、ぜひ夫にと熱望するが……
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2007/10/24
- ISBN-104150116393
- ISBN-13978-4150116392
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商品の説明
著者について
ウェン・スペンサーは1963年ペンシルバニア州の生まれ。ピッツバーグ大学で情報科学を専攻したのち、さまざまな仕事につきながら、作家を目指したという。
2001年、長篇Alien Tasteでデビュー。超能力探偵を主人公にしたこの作品は一躍注目を集め、処女長篇を対象としたコンプトン・クルーク賞を受賞。2003年発表の『ティンカー』も、ロマンティックSFが大好きな読者が選ぶサファイア賞を受賞し、さらにこの年、ジョン・W・キャンベル新人賞も受賞している。
2001年、長篇Alien Tasteでデビュー。超能力探偵を主人公にしたこの作品は一躍注目を集め、処女長篇を対象としたコンプトン・クルーク賞を受賞。2003年発表の『ティンカー』も、ロマンティックSFが大好きな読者が選ぶサファイア賞を受賞し、さらにこの年、ジョン・W・キャンベル新人賞も受賞している。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2007/10/24)
- 発売日 : 2007/10/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4150116393
- ISBN-13 : 978-4150116392
- Amazon 売れ筋ランキング: - 572,209位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年12月16日に日本でレビュー済み
男女の比率が1:20の世界において、男子はまさに財産であり、労働力も権利も認められてはいません。
そんな世界において、主人公の男の子は姉妹達と変わりなく育てられ、知性や勇気を兼ね備えた希有な存在として育ちました。
その彼が危険を冒して、川にうち捨てられた兵士を助け出したのが物語の始まりとなります。
兵士ではなく王女を助けた事により、その姉たる長姉王女が主人公に恋し、王家に迎え入れるべく奮闘を始めます。
一方主人公の方も王女に惹かれ、王宮に招かれる事で王女の姉妹達や、彼女たちを狙う陰謀と対峙する事になります。
当初、表紙や世界設定だけを見た時点では、日本のライトノベルを、
それもヘタレ主人公が活躍しないのにもてまくるというモノを想像してしまうかもしれません。
ですが中身はまるで違います。
家族の、そして一家の財産でもある主人公ですが、姉妹達、とりわけ家長でもある長姉は彼の事を深く愛しており、
一家の繁栄を掴もうとする以上に、彼の結婚後の幸せを願っており、そのように行動します。
偶然であり、なかば必然ともなる王家を狙う陰謀に対しても、忠義と愛情を持って応えます。
一家の成り立ちと祖先への敬意を知るにつれ、主人公一家に対して貴重な暖かさを感じます。
この世界は、男にとって都合の良いハーレム世界ではありません。
子種が貴重だからこそ、男は襲われる存在であり、奪われる財産となるのです。
しかしそこに確かな愛情や真摯な恋愛感情がある限り、素晴らしくて暖かい家族が、そして一家ができあがると信じさせてくれます。
男女比率の不均衡さや文化・文明の具合は詳細な描写ではなく、必要な分が必要なときにある程度です。
しかし、世界そのものや、その根幹の謎を解く必要などありません。
先にも書き記しましたが、これは家族の愛の絆が素晴らしいと言う事を見せてくれる物語だからです。
そんな世界において、主人公の男の子は姉妹達と変わりなく育てられ、知性や勇気を兼ね備えた希有な存在として育ちました。
その彼が危険を冒して、川にうち捨てられた兵士を助け出したのが物語の始まりとなります。
兵士ではなく王女を助けた事により、その姉たる長姉王女が主人公に恋し、王家に迎え入れるべく奮闘を始めます。
一方主人公の方も王女に惹かれ、王宮に招かれる事で王女の姉妹達や、彼女たちを狙う陰謀と対峙する事になります。
当初、表紙や世界設定だけを見た時点では、日本のライトノベルを、
それもヘタレ主人公が活躍しないのにもてまくるというモノを想像してしまうかもしれません。
ですが中身はまるで違います。
家族の、そして一家の財産でもある主人公ですが、姉妹達、とりわけ家長でもある長姉は彼の事を深く愛しており、
一家の繁栄を掴もうとする以上に、彼の結婚後の幸せを願っており、そのように行動します。
偶然であり、なかば必然ともなる王家を狙う陰謀に対しても、忠義と愛情を持って応えます。
一家の成り立ちと祖先への敬意を知るにつれ、主人公一家に対して貴重な暖かさを感じます。
この世界は、男にとって都合の良いハーレム世界ではありません。
子種が貴重だからこそ、男は襲われる存在であり、奪われる財産となるのです。
しかしそこに確かな愛情や真摯な恋愛感情がある限り、素晴らしくて暖かい家族が、そして一家ができあがると信じさせてくれます。
男女比率の不均衡さや文化・文明の具合は詳細な描写ではなく、必要な分が必要なときにある程度です。
しかし、世界そのものや、その根幹の謎を解く必要などありません。
先にも書き記しましたが、これは家族の愛の絆が素晴らしいと言う事を見せてくれる物語だからです。
2008年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
極端に男女比率が異なる(女性が圧倒的多数)、男女の役割が逆転した中世風世界……と、ル・グインが書けばひたすら重々しく、ティプトリーが書けばやたらとグロテスクになりそうな設定が、この人が書くとただの「玉の輿ファンタジー」になってしまうという。いやはや、さすがアメリカのライトノベル作家だけのことはあるね!
本当に男女を入れ替えて比率を変えただけなので、男は女々しく頼りないし、女たちは雄雄しく逞しい。特にウィスラー家の姉たちのカッコよさと言ったら、『スコーリア戦史』のソズが何人もいるみたい。ぜんぜんジェンダーSFっぽくならないから、普通に楽しく読めた。むしろそれを狙って、堅苦しいフェミニズム小説を笑い飛ばすのが目的なんじゃないかと思うくらい。
宗教色がほとんどないのが唯一気になった点で、ひょっとして女たちが実権を握ると宗教も世俗化するというネタだろうかとも思ったが、最後にちゃんと寺院が出てくるし、単に描かなかっただけみたいだ。というくらい、ほとんど深い思索はなにもなし。ひたすら気軽に楽しめるファンタジー。
本当に男女を入れ替えて比率を変えただけなので、男は女々しく頼りないし、女たちは雄雄しく逞しい。特にウィスラー家の姉たちのカッコよさと言ったら、『スコーリア戦史』のソズが何人もいるみたい。ぜんぜんジェンダーSFっぽくならないから、普通に楽しく読めた。むしろそれを狙って、堅苦しいフェミニズム小説を笑い飛ばすのが目的なんじゃないかと思うくらい。
宗教色がほとんどないのが唯一気になった点で、ひょっとして女たちが実権を握ると宗教も世俗化するというネタだろうかとも思ったが、最後にちゃんと寺院が出てくるし、単に描かなかっただけみたいだ。というくらい、ほとんど深い思索はなにもなし。ひたすら気軽に楽しめるファンタジー。
2011年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
設定とテンポとキャラがいい―これに尽きると思います。
なにか面白いSFの入門書は?と聞かれたら、その中の一冊としてあげてもいいくらい、親しみやすく読みやすく作品です。
とはいえハードなSFというよりも、ファンタジー色が強いかなと私的には感じました。
普段アニメとかラノベは見るけど海外のSFには馴染みのないなーという方も
日本アニメ好きな作家が解釈してみせた―ハーレムものと似ているけどたしかに違う
「女だらけの世界」という設定を是非とも楽しんでみてください。
オススメの一作品です。
なにか面白いSFの入門書は?と聞かれたら、その中の一冊としてあげてもいいくらい、親しみやすく読みやすく作品です。
とはいえハードなSFというよりも、ファンタジー色が強いかなと私的には感じました。
普段アニメとかラノベは見るけど海外のSFには馴染みのないなーという方も
日本アニメ好きな作家が解釈してみせた―ハーレムものと似ているけどたしかに違う
「女だらけの世界」という設定を是非とも楽しんでみてください。
オススメの一作品です。
2007年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はじめはタイトルを見てジェンダーの話しかと思って手をつけなかったけど
読んでみたら、ぐんぐん引き込まれて一気に読んでしまいました。
女が多い世界の物語のお決まりのパターンではなく
斬新な、でも実際女がやたら多いとこうなるんじゃないかって感じの世界。
女が支配すると平和な世界になると思っていたのですが、
欲望をこういう視点で捉えるのもなかなか一興です。
ぜひぜひ読んで見てください。っていうか続きを読みたいです!
読んでみたら、ぐんぐん引き込まれて一気に読んでしまいました。
女が多い世界の物語のお決まりのパターンではなく
斬新な、でも実際女がやたら多いとこうなるんじゃないかって感じの世界。
女が支配すると平和な世界になると思っていたのですが、
欲望をこういう視点で捉えるのもなかなか一興です。
ぜひぜひ読んで見てください。っていうか続きを読みたいです!
2009年11月25日に日本でレビュー済み
もう、だいぶ前に購入したが、未だに本棚を整理した際、ふと手にとって読み始めると終わらなくなる本。お気に入りの箇所を読んでは感動してしまう。
文化的時代は南北戦争時代の少し前くらいだろうか。土地的には、ミシシッピー川あたりで、仏国や英国等の植民地が乱立していた様な感じ。魔法とかは一切なく、鋼と火薬の世界である。そんな背景の中、男性の出産率が以上に低いのがこの世界だ。そのため、男は商品として取引の対象となっている。
男はたいていちやほやされて「種馬」として扱われしまうのだが、主人公の家庭は、偵察・破壊工作兵(米軍で言えば、グリーンベレー、英国ではSASだろうか。)としての精神と訓練を男女平等に行っていた。そんな彼が冒険を経て意中の女性と結ばれる物語である。
主人公も魅力的だが、何よりも、この物語の影の主人公はエルデストではないだろうか。賢く、義理堅く、情にあふれるが、家族全体を視野に入れて妥協するところがない。そして何よりも強い。
天空の城ラピュタを見て、「シータなんかガキだな。やっぱ一番いいのはドーラだろう。」と思える人にお勧め。
文化的時代は南北戦争時代の少し前くらいだろうか。土地的には、ミシシッピー川あたりで、仏国や英国等の植民地が乱立していた様な感じ。魔法とかは一切なく、鋼と火薬の世界である。そんな背景の中、男性の出産率が以上に低いのがこの世界だ。そのため、男は商品として取引の対象となっている。
男はたいていちやほやされて「種馬」として扱われしまうのだが、主人公の家庭は、偵察・破壊工作兵(米軍で言えば、グリーンベレー、英国ではSASだろうか。)としての精神と訓練を男女平等に行っていた。そんな彼が冒険を経て意中の女性と結ばれる物語である。
主人公も魅力的だが、何よりも、この物語の影の主人公はエルデストではないだろうか。賢く、義理堅く、情にあふれるが、家族全体を視野に入れて妥協するところがない。そして何よりも強い。
天空の城ラピュタを見て、「シータなんかガキだな。やっぱ一番いいのはドーラだろう。」と思える人にお勧め。
2010年8月12日に日本でレビュー済み
キャラクターリストと,たくさんのイラストが必要なのでは?
ハヤカワは,わかっているのか,いないのか。
ベタな伏線をベタに回収していきます。
登場シーンでモヒカンなみに死の予感をさせる下品な輩(女)や気取った青年貴族(女)がフラグ通り死んでいきます。
女たちが実権を握った世界も権謀術数渦巻く血で血を洗う世界なのです。
冒険の舞台はこうでなくてはいけません。
そして,その冒険の舞台である,本作のウリであるところの世界設定。
戦うヒロイン達を陰から応援する主人公が当たり前になりつつある昨今,ある意味ただしい世界観。
ゆるくリボン装備黒髪ロンゲ色白美肌のすぐ顔を赤くする美しい主人公。
オトコの娘?主人公に萌え,熱いオンナたちに燃えるのは正しいのです,正義なのです。
これは正義,これも正義なのです。
翻訳小説は今ここにはじまっている。
ハヤカワは,わかっているのか,いないのか。
ベタな伏線をベタに回収していきます。
登場シーンでモヒカンなみに死の予感をさせる下品な輩(女)や気取った青年貴族(女)がフラグ通り死んでいきます。
女たちが実権を握った世界も権謀術数渦巻く血で血を洗う世界なのです。
冒険の舞台はこうでなくてはいけません。
そして,その冒険の舞台である,本作のウリであるところの世界設定。
戦うヒロイン達を陰から応援する主人公が当たり前になりつつある昨今,ある意味ただしい世界観。
ゆるくリボン装備黒髪ロンゲ色白美肌のすぐ顔を赤くする美しい主人公。
オトコの娘?主人公に萌え,熱いオンナたちに燃えるのは正しいのです,正義なのです。
これは正義,これも正義なのです。
翻訳小説は今ここにはじまっている。
2008年1月21日に日本でレビュー済み
一夫多妻制。この言葉が指し示すものを、180度回転させたところがユニークだ。
西部劇風の異世界を舞台にしたファンタジーであるところも、アメリカ発らしく、ユニークだ。
家族の土地は家族で守り、家庭で家族は育まれる。中でも、未婚の男子を手厚く守り、わがウィスラー家は義理の姉妹を裏切らない。
とにかく女性が元気で男前、いや、漢前。男性はひたすら乙女であるのが理想。しかし、生き延びる苦労を書き添えている点で、リアルをきちんと投影できる。
小難しいジェンダー論なしに、好きな男の子のために、女の子は頑張っちゃうのだ。男の子だって好きな女のこのために頑張っちゃう。
性別に拘泥することを軽やかに風刺して、ただ人間であることに立ち戻らされる、たくましい物語。
西部劇風の異世界を舞台にしたファンタジーであるところも、アメリカ発らしく、ユニークだ。
家族の土地は家族で守り、家庭で家族は育まれる。中でも、未婚の男子を手厚く守り、わがウィスラー家は義理の姉妹を裏切らない。
とにかく女性が元気で男前、いや、漢前。男性はひたすら乙女であるのが理想。しかし、生き延びる苦労を書き添えている点で、リアルをきちんと投影できる。
小難しいジェンダー論なしに、好きな男の子のために、女の子は頑張っちゃうのだ。男の子だって好きな女のこのために頑張っちゃう。
性別に拘泥することを軽やかに風刺して、ただ人間であることに立ち戻らされる、たくましい物語。