ジャンプという超能力を持つがゆえに、その存在を脅かされる少年の逃避行の物語。
能力を使ったことが敵に検知されるという発想が面白かった。おかげで主人公はいつまでたっても安穏と暮らせない。特に種明かしなどはないのだが、それが逆に不気味であった。
追われて命を狙われる理由が最後まで明かされないことで常に不安感をあおり、主人公の憂鬱さを感じることができる。ヨーロッパとアメリカ、そして東南アジアのリゾートを行き来して、友人たちとのつかの間の静かな生活を送っても、結局安寧は得られない主人公は哀れに思うし、それに巻き込まれてしまう周囲の協力者の存在は悲しい。
それにしても人間は、どんなに恵まれた能力があっても、一人では生きていけないのだな、と変なところに感心してしまった。
スピーディーな展開で一気に読める作品。
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ジャンパー グリフィンの物語 (ハヤカワ文庫 SF ク 8-7) 文庫 – 2008/3/7
スティーヴン・グールド
(著),
公手 成幸
(翻訳)
イギリス人の少年グリフィンは、5歳のときからジャンプする能力――テレポーテーション能力を発揮していた。ジャンパーを殺そうとする謎の組織に追われる彼は、両親と各地を転々としたすえ、アメリカに移住する。だが、ついに一家の居場所をつきとめられてしまった。グリフィンはジャンプで別の土地に逃げ、新生活を送りはじめるが、そこにも敵は迫りつつあった……ジャンパーのグリフィンがたどる冒険を描く、話題作!
- 本の長さ390ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2008/3/7
- ISBN-104150116539
- ISBN-13978-4150116538
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2008/3/7)
- 発売日 : 2008/3/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 390ページ
- ISBN-10 : 4150116539
- ISBN-13 : 978-4150116538
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,289,390位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2010年2月28日に日本でレビュー済み
その名の通り、主人公がテレポーテーションするお話。
理由もわからず襲ってくる組織の正体がわからないのがとても気になります。
主人公のバカな行動は目に余りますが
(ジャンプしなけりゃ見つからないのに!!)
後半は少し賢くなったようで、敵を手玉に取ったりします。
終盤の組織と戦うところはドキドキしてとても面白かったです。
なんら疑問が解明されないまま終わってしまうので不満な人もいると思いますが、
疑問を残したままの作品がダメだと思いません。
次回作が出たらぜひ読みたいと思います。
理由もわからず襲ってくる組織の正体がわからないのがとても気になります。
主人公のバカな行動は目に余りますが
(ジャンプしなけりゃ見つからないのに!!)
後半は少し賢くなったようで、敵を手玉に取ったりします。
終盤の組織と戦うところはドキドキしてとても面白かったです。
なんら疑問が解明されないまま終わってしまうので不満な人もいると思いますが、
疑問を残したままの作品がダメだと思いません。
次回作が出たらぜひ読みたいと思います。
2008年4月9日に日本でレビュー済み
作者のスティーヴン・グールドを、スティーヴン・j・グールドと勘違いして注文してしまった。
まったくの別人だったんですね。
これだけ派手に宣伝しているんだから、映画の原作だって気がついてもよさそうなものなのに。
さてこの小説は映画化されている「ジャンパー」とは内容は違っているようで、同じテレポーテーションを持った別の少年を主人公にした作品でした。
物語の9割くらいが逃げてばっかりの状況で、反撃に出るのが最後の最後の数十ページだけですね。
せっかくの能力があんまり生かされているようではないなあ。
それに主人公を殺そうと付けねらっている悪の組織(正義の戦士という名前ですが)も結局正体が明かされないまま終わっている。
映画の方はそこんところはもうすこし 説明があるのでしょうか。
後はまあよくあるタイプの、アメリカ人好みのステレオタイプの好青年といった印象です。
わざわざ映画館にいくほどではないなかなあ。
まったくの別人だったんですね。
これだけ派手に宣伝しているんだから、映画の原作だって気がついてもよさそうなものなのに。
さてこの小説は映画化されている「ジャンパー」とは内容は違っているようで、同じテレポーテーションを持った別の少年を主人公にした作品でした。
物語の9割くらいが逃げてばっかりの状況で、反撃に出るのが最後の最後の数十ページだけですね。
せっかくの能力があんまり生かされているようではないなあ。
それに主人公を殺そうと付けねらっている悪の組織(正義の戦士という名前ですが)も結局正体が明かされないまま終わっている。
映画の方はそこんところはもうすこし 説明があるのでしょうか。
後はまあよくあるタイプの、アメリカ人好みのステレオタイプの好青年といった印象です。
わざわざ映画館にいくほどではないなかなあ。
2008年3月3日に日本でレビュー済み
デイヴィーを主人公とした「ジャンパー」とは、別物語のグリフィンの物語なのですが、前作ではデイヴィーが「ジャンプ」出来ることに戸惑いを示す部分が前半を占めていました。
ところが、この作品ではのっけから両親を殺され、最初から闇の組織に命を狙われます。優しくしてくれた人たちや、愛する人の関係者たちも皆問答無用で襲われ、殺されて行きます。
従って、そうしたサスペンス的な楽しみはありますが、前作のように主人公に「人間」的なものを余り感じさせてくれません。その点でやや不満が残りました。
確かに、どんなことが起こっても、めげずに立ち向かってゆく主人公の逞しさは感じられます。でも、こうしたSFと言う現実離れした物語であるだけに、そうした共感できる部分が欲しい気がします。
是非、「ジャンパー」の続編「Reflex」では、デイヴィーの「人間」臭さを期待したいと思います。それと、ミリーの活躍も楽しみです。
ところが、この作品ではのっけから両親を殺され、最初から闇の組織に命を狙われます。優しくしてくれた人たちや、愛する人の関係者たちも皆問答無用で襲われ、殺されて行きます。
従って、そうしたサスペンス的な楽しみはありますが、前作のように主人公に「人間」的なものを余り感じさせてくれません。その点でやや不満が残りました。
確かに、どんなことが起こっても、めげずに立ち向かってゆく主人公の逞しさは感じられます。でも、こうしたSFと言う現実離れした物語であるだけに、そうした共感できる部分が欲しい気がします。
是非、「ジャンパー」の続編「Reflex」では、デイヴィーの「人間」臭さを期待したいと思います。それと、ミリーの活躍も楽しみです。
2008年6月8日に日本でレビュー済み
超能力SF小説の分野に爽やかな新風を吹き込んだ「ジャンパー」シリーズの三作目ですが、第一作の映画化に伴って設定が大幅に変更されており、2007年発表の本書は前作とはかなり雰囲気が変わっています。イギリス人の少年グリフィンは5歳で既にジャンプする能力を獲得していたが、ジャンパーを抹殺しようと企む謎の組織パラディン(正義の戦士)に追われ、両親との逃亡生活を強いられて来た。そして遂に組織はアメリカに移住した一家に迫る。グリフィンは間一髪ジャンプして逃れるが、彼の行く所には常に危険の影がつきまとうのだった。逃亡中に知合って助けてくれたコンスエロと優しい姪のアレハンドラとの牧歌的で幸福な日々、ロンドンの空手教室で仲良くなったヘンリーとの友情、そしてフランスで偶然出逢った少女E・Vとの情熱的な恋といった微笑ましいエピソードがありますが、気の休まる暇もなく自分から離れて行ったり、残酷な運命が待ち構えています。前作とは打って変わって生か死かの世界が物語の中心になりますので、どうしても過酷にならざるを得ませんが、それにしても厳しく可哀相過ぎると思います。確かに人間的には逞しくなりますが、これでは人生に対して達観し冷笑的になってしまうでしょう。ジャンプするという能力の奇抜さが失われ、著者にとって前作とはストーリーを変える必要があったからでしょうか、本書はあまりにも暗すぎる物語になりました。このシリーズは恐らく著者のライフワークになりそうな気がしますので、これからは物語の展開が難しいとは思いますが、ジャンパーの仲間を増やして組織に対抗させるなりして、もう一度前作の明るさを取り戻したストーリーを読ませて頂きたいと思います。