スペオペはあまり関心がないと思いながら、面白く読み進んできたシリーズですが、この最終3部にいたって、読後感がどうもすっきりしません。
異星人と接して、しかも彼らを滅ぼしかねない状況にありながら、人間とは何ぞやというような哲学的、形而上学的な思考のかけらも浮かばない登場人物。かわりに周囲の人間との関係性ばかりに神経を使っていつもいつも感情的になっている。
前2冊ではその感情がストーリーの推進力や思わぬ発見のきっかけになっていたのが、本書では展開をモタモタさせているだけのような気がして。面白くはあるけれど、アメリカの家族もののドラマのようなしつこさを感じます。
ただ、前2冊を読んでこれを読まない、という選択肢も考えにくいので、シリーズ全体として楽しく読めたことを評価します。
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プロバビリティ・スペース (ハヤカワ文庫 SF ク 13-3) 文庫 – 2009/1/9
ジョン・W・キャンベル賞受賞作。
ケンブリッジの自宅から物理学者カペロが誘拐された! 現場を目撃した娘のアマンダは身の危険を感じ、心理学者のマーベットを頼って月へ、そして火星へと向かう。だが、マーベットはカウフマンとともに世界(ワールド)へと向かっていて不在。しかも軍強硬派のピアース大将がクーデターを起こし、火星は戦場と化していた。やがて実権を掌握したピアースは、敵を殲滅すべく、最強の武器である人工物をフォーラーの母星系に送りこむが……!?
ケンブリッジの自宅から物理学者カペロが誘拐された! 現場を目撃した娘のアマンダは身の危険を感じ、心理学者のマーベットを頼って月へ、そして火星へと向かう。だが、マーベットはカウフマンとともに世界(ワールド)へと向かっていて不在。しかも軍強硬派のピアース大将がクーデターを起こし、火星は戦場と化していた。やがて実権を掌握したピアースは、敵を殲滅すべく、最強の武器である人工物をフォーラーの母星系に送りこむが……!?
- 本の長さ592ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/1/9
- ISBN-104150116962
- ISBN-13978-4150116965
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商品の説明
著者について
ナンシー・クレスは1948年生まれ。ニューヨーク州の田舎町で育ち、ニューヨーク州立大学を卒業後、4年ほど小学校で教える。結婚を機に仕事をやめ、子育てのかたわら大学に戻り、教育と文学の修士号を取得。1976年、ギャラクシイ誌に短篇"The Earth Dwellers"でデビュー。1981年にポケット社からThe Prince of Morning Bellsで念願の長篇デビューをはたす。1991年にアシモフ誌に発表した中篇"Beggars in Spain"でヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞。1996年同じくアシモフ誌に発表し、ネビュラ賞、アシモフ誌読者賞、スタージョン記念賞を受賞した中篇「密告者」の世界をもとに作り上げた、『プロバビリティ・ムーン』にはじまる3部作を2000年から発表。第3作である本書『プロバビリティ・スペース』は、2003年のジョン・W・キャンベル記念賞を受賞した。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/1/9)
- 発売日 : 2009/1/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 592ページ
- ISBN-10 : 4150116962
- ISBN-13 : 978-4150116965
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,659,754位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年4月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近泡理論から16次元の世界観などが紹介されているようですが、この本のストーリーもその方向で読める。
2009年2月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プロバビリティ三部作、完結編。3冊の中ではもっとも「スペオペ度」が高いのに、微妙にスカッとしないというか、相変わらずのまったりペースなので、評価していいものかどうか、よくわからない。
少なくともストーリーを楽しむ作品じゃないと思うんだよね。今回、<世界>はあまり登場しない一方で火星の比重が高いんだけど、最後のネタ以外に火星の重要性がぜんぜん高くないとか。
それより、ステレオタイプっぽい描かれ方をしている登場人物たちの境遇や行動に、妙なリアリティがあるあたりが楽しみどころだと思う。マーベットとカペロという二人の才能に振り回されるカウフマンの「中間管理職っぽさ」とか、にも関わらずもっとも大胆な発想をするカウフマンに「えーっ」となったり、でも最後までヒーローでいさせてもらえない皮肉とか。
問題はそういう面白さが、物語の面白さにマッチしてないところなんだろうな。いや、面白かったけどさ、傑作かと聞かれると違うよな、と(笑)。
少なくともストーリーを楽しむ作品じゃないと思うんだよね。今回、<世界>はあまり登場しない一方で火星の比重が高いんだけど、最後のネタ以外に火星の重要性がぜんぜん高くないとか。
それより、ステレオタイプっぽい描かれ方をしている登場人物たちの境遇や行動に、妙なリアリティがあるあたりが楽しみどころだと思う。マーベットとカペロという二人の才能に振り回されるカウフマンの「中間管理職っぽさ」とか、にも関わらずもっとも大胆な発想をするカウフマンに「えーっ」となったり、でも最後までヒーローでいさせてもらえない皮肉とか。
問題はそういう面白さが、物語の面白さにマッチしてないところなんだろうな。いや、面白かったけどさ、傑作かと聞かれると違うよな、と(笑)。