よき伝達者の惑星プレーンドムでローダン一行が遭遇した敵との戦いの結末と地球の近傍惑星ゴシュモル・キャッスルを偵察する〈テラ・パトロール〉の活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第392巻。本巻の執筆者は好感度抜群のエーヴェルスと大ベテランのマールです。本巻では前半の地球を捜索する側のローダンの物語から後半地球で謎の敵と苦闘するアラスカの物語に再び移行します。まだ両者が交わるには時間が掛かりそうですが、最近ふと思ったのはそういえば前者で言及される具象ヴェルノクと後者に登場する具象クレルマクの関係性がまだ見えないなという点で段々と気になって来ました。
『コンタクト・センター』H.G.エーヴェルス著:ローダンは‘言葉’が具象ヴェルノクの手先であると確信し警告を発するが‘よき伝達者’達は全く信じようとしない。本編では敵の分子変形能力者が仕掛けた巧妙な罠を見破るローダンの慧眼にやっぱり一流は格が違うなと感心させられます。またフェイヤーダル人の惑星のロボット・ジョージはテラにいるK2ロボットのアウグストゥスとは大違いで完璧に頼りになる存在だなと感じました。『炎の飛行士』クルト・マール著:〈テラ・パトロール〉はワリク、ブラフ、ラングル、アウグストゥスの四人でテラの近傍惑星ゴシュモル・キャッスルの偵察を計画する。彼の地ではテラのコウモリに似た原始種族ムシーラーの危険な戦士ワルシーがテラナーを神と考えながらもアフィリー政府の駐在員に襲い掛かろうとしていた。本編では精神が不安定な状態の若者ブラフが奇跡的な偶然からムシーラーとの戦闘を回避する役割を果たす展開になるのが不幸中の幸いで最後は寂しいですが私もワリクと同じく彼の幸せを祈ってあげたいと思います。アウグストゥスは相変わらず最早存在しない管理エレメントから命令を受けた振りをして行動の拠り所にする回路の狂った不安定な存在ですが、時折お惚けで皆を笑わせ気持ちを和ませてくれる所は魅力がありますし、今回も肝心な所で大活躍し危ないピンチを救ってくれますので、これからも辛抱して上手に導いてあげて欲しい物だと思います。
本巻の翻訳者、嶋田洋一氏のあとがきは年に一度のSF仲間80人程の温泉旅行の集い「ガタコン」の湯河原での楽しい思い出と奥様を含めて女性仲間二人を喪い追悼した寂しい気持ちを綴られています。今回の後半は番外編と呼ぶべき内容で、いよいよテラを舞台に謎の侵略者との決戦か!と意気込んでいたのに肩透かしを食らった感があり残念でしたが、そこはもう一度気を取り直して「第一具象」というタイトルから冒頭に述べた疑問にも答が出そうな予感を抱かせる次巻に大いに期待したいと思います。
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炎の飛行士 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-392 宇宙英雄ローダン・シリーズ 392) 文庫 – 2011/1/7
《ソル》乗員のホンス・プリス=フェルマイデンとセシントラ・ワルドンは、テルムの女帝とフェイヤーダル人との連絡に使われるコンタクト・センターをめざしていた。権力闘争にあけくれて、テルムの女帝にとりついでくれようともしない規律創造者のサトゲノスとレザルスローンには内緒で、コンタクト・センターに侵入しようというのだ。だが、《ソル》で生まれ育った者には想像もつかない困難がふたりを待ちうけていた……
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/1/7
- ISBN-104150117918
- ISBN-13978-4150117917
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2011/1/7)
- 発売日 : 2011/1/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 255ページ
- ISBN-10 : 4150117918
- ISBN-13 : 978-4150117917
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,256,444位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,888位ハヤカワ文庫 SF
- カスタマーレビュー:
著者について
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2011年1月24日に日本でレビュー済み
2011年1月29日に日本でレビュー済み
H・G・エーヴェルス「コンタクト・センター」
フェイヤーダル人の規律創造者が争い出す中、テルムの女帝に仕えていたロボットがローダンを誘い・・・
結局、フェイヤーダル人も人間と同様の失敗を犯し、その間にさっさとテルムの女帝のロボットは使命を遂行・・・久々に登場したものの、あっさり敗退したのは分子変形能力者。ロボットにまで変形するとは・・・しかもバルディオクの具象の配下だったらしい。
クルト・マール「炎の飛行士」
ゴシュモキャッスルでの幕間劇・・・と言った感じで女性キャラが一人増えた。ステーションで眠っていた五人のうち男性4人は殺されてしまい・・・つまり作劇上、男は要らないから殺された訳ね・・・
フェイヤーダル人の規律創造者が争い出す中、テルムの女帝に仕えていたロボットがローダンを誘い・・・
結局、フェイヤーダル人も人間と同様の失敗を犯し、その間にさっさとテルムの女帝のロボットは使命を遂行・・・久々に登場したものの、あっさり敗退したのは分子変形能力者。ロボットにまで変形するとは・・・しかもバルディオクの具象の配下だったらしい。
クルト・マール「炎の飛行士」
ゴシュモキャッスルでの幕間劇・・・と言った感じで女性キャラが一人増えた。ステーションで眠っていた五人のうち男性4人は殺されてしまい・・・つまり作劇上、男は要らないから殺された訳ね・・・