・807話: テラをめぐる戦い、H.G.エーヴェルス著
前話の冒頭と同様、テラ標準歴紀元前36万年建立のトバの石碑から、トバに関わる文が引用されている。伝説のトバに関わりがあるガイズ=ヴォールビーラーである分子変形能力者MVのナフーンは、ネーサンから過去のデータを入手した。バルディオクに属しながら、新しいトバを築くのが目的だ。
前話でネーサンにより遮断されたロミオとジュリエットを救うためにジョスカン・ヘルムートはルナに入った。前話でMVに騙されたブリー/ロワ・ダントン/ジェフリー・ワリンジャーともども、ナフーンに翻弄されるのは情けない。そこにラファエルが現れ、ネーサンを復帰させるために残って欲しいと頼んだ。その言い方にむっとするのはブリーらしい。後でヘルムートとロボット2体は転送機で《ソル》に転送された。
地球に残ったタッチャー・ア・ハイヌについて説明があった。火星に植民した祖先から厳しい環境に耐えるaクラス火星人が生まれた。控え目ながら強靭な精神力を持つそうだが、タッチャーは少々ひねくれているのでは。
《ソル》攻撃のためフルクースの大艦隊が現れた。ローダンはジェント・カンタルのテラ・パトロールを地球に派遣した。グッキーとラス・ツバイもタッチャー/ダライモク救出のために《バタフライ》で再度地球へ。
タッチャーは小陛下に捕えられたが、運ばれた先から脱出できた理由がよく分からない。MVカーレクと遭遇し、薬品で動きを封じてしまった。これを見つけたグッキーはタッチャーと勘違いし《バタフライ》へ。タッチャーに変形途中の直方体の形がでてきて、気味が悪かった。ツバイは脅されて逃がしてしまった。
脱出したタッチャーが不可視化してダライモクに近づき、毒づきあう会話は最高に面白い。正気に戻ったダライモクが地面から溶岩を噴出させた。タッチャーが何故か小陛下の肉塊を胸に付けていて、ヨードを吸収していたことから、小陛下はフィヨルドの海水からヨードを吸収していることが分かった。ダライモクが起こした地震でその構造が崩れて、小陛下は死んでしまった。グッキーはタッチャーとダライモクを助け出し、ツバイとジェントのところに集結した。あまりにも最期があっけなかった小陛下。具象クレルマクはテラ人類の行動を不思議に思った。私も200億人が消えたのは不思議だ。
《ソル》はグッキー/ツバイ/タッチャー/ダライモクの《バタフライ》を回収、バルディオク打倒のため宇宙の深淵に向かった。ブリーたちはルナに、ジェント達は地球に残った。
(2018.5.12読了)
・808話: ルサムントラの暗黒、H.G.フランシス著
もぐらたたき方式で星系3つを調査し、新たにシャンニョン星系の第2惑星ルサムントラで、ついに小陛下のインパルスをキャッチした。ペリーはクリスタルにコントロールされているかのような様子で、周りから不快な目で見られている。前話から急に展開が変わった感じだ。
ペリーの指示でシガ星人のコートウェイン・カーン翡翠が選出された。エネルギー・フィールドに浸透できる能力があるが、アトランが知らなかったのが変だ。アトランが迎えに行くと、肥満体でトレイ型の飛翔装置に乗って出てきた。ダライモクといい、カーンといい、偏見が入ったようなキャラクター設定だと思う。
アトラン/カーン/ラス・ツバイが上陸した。丁寧でおかしな会話のアトランとカーンが面白い。小陛下は排除された。
ルサムントラにはドールという種族がいて、小陛下の隷属状態から解放されて、建物を築き続け始めた。ローダン達はメンタル面のケアをしてあげた。冒頭から不思議な行動をとるドール人を理解できないまま読み進めた。
フルクース艦にルサムントラを封鎖されてしまい、アトラン達を回収できなくなった時、チョールク艦隊が急に現れて撃退してくれた。アトラン達の危機にはひやりとさせられた場面が多々あった。
チョールクの司令官プーカルとローダン達が対面し、プーカルの小陛下を滅ぼしていく申し出を断った。ローダンも同じような行動を始めたと思うが、何が違うのかは分からなかった。とにかくローダンのクリスタルに不快な指令室の面々だ。
最期に、具象クレルマク/シェルノク/ヴェルノクが第4具象ブルロクが自分たちを強化すると不気味な会合を開いた。まだまだ展開が複雑になるに違いない。
(2018.5.15読了)
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ルサムントラの暗黒 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-404 宇宙英雄ローダン・シリーズ 404) 文庫 – 2011/7/8
北欧のナムソスに本拠をおく小陛下に捕まった四十人あまりの人類は、小陛下の奴隷にされてしまっていた。しかも、かれらは、地球に戻るよう宇宙のかなたにいる人類に超心理性の呼びかけをする道具にされていたのだ。その調査にむかったダライモク・ロルヴィクも小陛下に捕まってしまう。仲間とともに《ソル》に帰還しなかった、火星人タッチャー・ア・ハイヌは、地球に残り、ロルヴィクをなんとか救出しようとするが……
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/7/8
- ISBN-104150118167
- ISBN-13978-4150118167
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2011/7/8)
- 発売日 : 2011/7/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4150118167
- ISBN-13 : 978-4150118167
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,858,057位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,526位ハヤカワ文庫 SF
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
2グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年8月7日に日本でレビュー済み
テラ戦士と地球の侵略者具象クレルマクの手先‘小陛下’との攻防の終盤戦と異銀河の惑星ルサムントラに舞台を移しての戦いを描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第404巻。本巻の執筆者は技巧派の両雄競演エーヴェルスとフランシスです。苦難の末ようやく地球のポジションを得て勇躍到達した物の、200億人類の消失という衝撃の事実を知って戸惑い、喪失感から目標を見失いつつあるローダン一行に追い討ちを掛ける様に更に新たな暗い翳りが加わりました。それはローダンがテルムの女帝から贈られた胸に帯びるクリスタルによって操られているのではないかというテラ戦士達の疑惑です。
『テラをめぐる戦い』H.G.エーヴェルス著:aクラス火星人タッチャーは昔宇宙の大泥棒から習得した技で自分の姿を見えなくして、囚われの身となったロルヴィクを小陛下から救出すべく一人で地球に残留する。本編ではルナとテラでの分子変形能力者との騙し合いの対決が結果的に死者を出さない痛み分けとなり、ロルヴィクを代用のアミュレットで見事に復活させ、小陛下の弱点を掴み掛けて盛り上がって行き、さあいよいよこれからだ!という所で唐突に迎える結末には一瞬あ然とします。しかも誰もが全く疑問に思っていない様子なのも不思議で、どうか今後きちんと合理的な説明が為されます様にと切に祈ります。『ルサムントラの暗黒』H.G.フランシス著: ローダンはバルディオクの支配する星系にいると考えられる小陛下を狩り出そうと異銀河を探索し、やっと発見した惑星ルサムントラにアトラン、ツバイ、新戦力のシガ星人ミュータントが主力の部隊を派遣する。本編に初登場したコートウェイン・“翡翠”・カーンは、もしもファンの間で「嫌いなミュータント」のアンケートを実施したらロルヴィクを抜いて文句なしで堂々の一位に踊り出しそうな近頃では珍しい最悪のキャラクターです。尊大で我が儘な上にアトランの命令にも背く怖い者知らずの変人ですが、最後に決して諦めない不屈の心意気を見せてやや持ち直します。テラのイルカに似た種族ドールの本能が生んだ悲劇のドラマの全ての責任がテラナーにあるとは思いませんが、テラ戦士には二大超越知性体の代理戦争の傭兵として戦う事の愚かさに早く気づいて本質を見極め賢明な道を歩んで行って欲しいと思います。
本巻の翻訳者、五十嵐洋氏のあとがきは小学2年生から50代半ばの現在まで続く趣味のプラモ作りのお話で、最近では年齢からキツイ物があると述べながらも再び取り組もうと頑張る決意で結ばれています。ローダンとアトラン他テラ戦士達の信頼関係に亀裂が生じ先行きに大きな不安を感じる中、ラストで予告される不気味な第四具象ブルロクの動きも非常に気になる所ですが、次巻はどうやら200億人類の消失の謎に関係する物語の様ですので、重苦しい気分を一変させる久々に新鮮なSF冒険活劇の味わいに期待したいと思います。
『テラをめぐる戦い』H.G.エーヴェルス著:aクラス火星人タッチャーは昔宇宙の大泥棒から習得した技で自分の姿を見えなくして、囚われの身となったロルヴィクを小陛下から救出すべく一人で地球に残留する。本編ではルナとテラでの分子変形能力者との騙し合いの対決が結果的に死者を出さない痛み分けとなり、ロルヴィクを代用のアミュレットで見事に復活させ、小陛下の弱点を掴み掛けて盛り上がって行き、さあいよいよこれからだ!という所で唐突に迎える結末には一瞬あ然とします。しかも誰もが全く疑問に思っていない様子なのも不思議で、どうか今後きちんと合理的な説明が為されます様にと切に祈ります。『ルサムントラの暗黒』H.G.フランシス著: ローダンはバルディオクの支配する星系にいると考えられる小陛下を狩り出そうと異銀河を探索し、やっと発見した惑星ルサムントラにアトラン、ツバイ、新戦力のシガ星人ミュータントが主力の部隊を派遣する。本編に初登場したコートウェイン・“翡翠”・カーンは、もしもファンの間で「嫌いなミュータント」のアンケートを実施したらロルヴィクを抜いて文句なしで堂々の一位に踊り出しそうな近頃では珍しい最悪のキャラクターです。尊大で我が儘な上にアトランの命令にも背く怖い者知らずの変人ですが、最後に決して諦めない不屈の心意気を見せてやや持ち直します。テラのイルカに似た種族ドールの本能が生んだ悲劇のドラマの全ての責任がテラナーにあるとは思いませんが、テラ戦士には二大超越知性体の代理戦争の傭兵として戦う事の愚かさに早く気づいて本質を見極め賢明な道を歩んで行って欲しいと思います。
本巻の翻訳者、五十嵐洋氏のあとがきは小学2年生から50代半ばの現在まで続く趣味のプラモ作りのお話で、最近では年齢からキツイ物があると述べながらも再び取り組もうと頑張る決意で結ばれています。ローダンとアトラン他テラ戦士達の信頼関係に亀裂が生じ先行きに大きな不安を感じる中、ラストで予告される不気味な第四具象ブルロクの動きも非常に気になる所ですが、次巻はどうやら200億人類の消失の謎に関係する物語の様ですので、重苦しい気分を一変させる久々に新鮮なSF冒険活劇の味わいに期待したいと思います。