さすがにイーガンです。
「量子論的ゆらぎ」や「不確定性原理」を利用しながら、難解でもなくそのまま読み通せる作品集です。
量子論など全く分からずとも(つまり私のこと)、面白く読みました。
初めてイーガン(「順列都市」等の長編でした)に接したときを思い出しました。
解説にもあるように「とにかく分からない箇所があっても」そのまま読み通ければいいかと思います。
少なくとも「量子論」などに精通していなくとも、フィクションとしてとても面白い作品ばかりです。
この短編集ではハードSF的側面だけではなく、「自らが創造主となった場合に、その生命をどのようにでも
扱っていいのか」というような問いかけもあり、「倫理と生命工学」を考えさせられる場面が多々あります。
人間の人格を持ったコンピュータ上のソフトウェアや、そのソフトに生身の人間の人格をコピーする話。
「脳移植」でクローン自体に人格が乗り移った話。深宇宙に人格を移されたソフトウェアが人間のように振舞う話。
ブラックホールの「事象の地平線」を越えた話
… ネタばれにならないように、この程度の紹介だけしますが、
少なくとも購入して失敗だったと感じることもまずありません。
イーガンを知らない方にもお勧めします。
繰り返しますが、そのまま理解しようなどとはせず、とにかく読み通せばイーガンの意図したことは理解できますので。
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プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 2011/9/22
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購入オプションとあわせ買い
地球から遙か遠宇宙のブラックホール〈チャンドラセカール〉ではある驚異的なプロジェクトが遂行されようとしていた。果たして人類は時空の構造を知り得るのか?――ローカス賞受賞の表題作、別の数学体系をもつ並行世界との最終戦争を描く「暗黒整数」、ファースト・コンタクトSFの最高峰「ワンの絨毯」ほか、本邦初訳作品を含む全7篇を収録。現代SF界最高の作家の最先端作品を精選した日本オリジナル短篇集第4弾。
[収録作品]
「クリスタルの夜」
「エキストラ」
「暗黒整数」
「グローリー」
「ワンの絨毯」
「プランク・ダイヴ」
「伝播」
[収録作品]
「クリスタルの夜」
「エキストラ」
「暗黒整数」
「グローリー」
「ワンの絨毯」
「プランク・ダイヴ」
「伝播」
- 本の長さ415ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/9/22
- ISBN-104150118264
- ISBN-13978-4150118266
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2011/9/22)
- 発売日 : 2011/9/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 415ページ
- ISBN-10 : 4150118264
- ISBN-13 : 978-4150118266
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本短編集収録作品のうち「エキストラ」のみは、短編集「祈りの海」収録の「ぼくになることを」同様のテーマでスイスイと読みやすく入り込みやすい作品でしたが、それ以外の作品では、いずれも数ページ読んでは前に戻り読み返すことを繰り返しながら読み進めましたので、短編一作読み終えるたびに少し頭が良くなったような気分にさえなります。
特に「ワンの絨毯」を時間をかけて読み終えたときは、苦労して読み終えたかいがあったと、なんだか自分を褒めてあげたいような、そんなお得な気持ちにさえなります。
この「ワンの絨毯」において面白いと思ったのは「人間の思考によって現在の宇宙が創造された」とする人間宇宙論に対し、人間以外の知的生命を探索することでその人間宇宙論に反証する、つまり「人類の思考が創造したとされている宇宙」であるなら「意識を持つ異星生命は、かならずそれ自身の独立した宇宙を構築するはずである」から、人類と同一宇宙に意識を持つ生命を発見することは、この人間宇宙論に対する唯一の反証となるのだという点です。
またこのワンの絨毯は長編「ディアスポラ」の一部として吸収された際に、この大きなテーマが変更されているとのことで、まだ未読の「ディアスボラ」でどのように描かれているのか逆に興味がわきます。「ディアスボラ」は長編作品の中でも評判がとくに良いようですね。
しかしながら、本短編集のうち表題作の「プランク・ダイブ」だけはあまりの難解さに読了を断念してしまいました。
「ワンの絨毯」にしても「グローリー」「クリスタルの夜」にしても意味の分からない科学用語が出てきても読み飛ばしながら先に進め、後から振り返り、なるほど良くできていると感じることができるのですが、この「プランク・ダイブ」だけは、最初の一ページ目から最終ページまでガチガチのハードさで、私にはもうさっぱり手がつけられません。
せっかくの表題作なのに、表題作だけを読みきれなかった唯一の短編集になってしまいました。残念。
特に「ワンの絨毯」を時間をかけて読み終えたときは、苦労して読み終えたかいがあったと、なんだか自分を褒めてあげたいような、そんなお得な気持ちにさえなります。
この「ワンの絨毯」において面白いと思ったのは「人間の思考によって現在の宇宙が創造された」とする人間宇宙論に対し、人間以外の知的生命を探索することでその人間宇宙論に反証する、つまり「人類の思考が創造したとされている宇宙」であるなら「意識を持つ異星生命は、かならずそれ自身の独立した宇宙を構築するはずである」から、人類と同一宇宙に意識を持つ生命を発見することは、この人間宇宙論に対する唯一の反証となるのだという点です。
またこのワンの絨毯は長編「ディアスポラ」の一部として吸収された際に、この大きなテーマが変更されているとのことで、まだ未読の「ディアスボラ」でどのように描かれているのか逆に興味がわきます。「ディアスボラ」は長編作品の中でも評判がとくに良いようですね。
しかしながら、本短編集のうち表題作の「プランク・ダイブ」だけはあまりの難解さに読了を断念してしまいました。
「ワンの絨毯」にしても「グローリー」「クリスタルの夜」にしても意味の分からない科学用語が出てきても読み飛ばしながら先に進め、後から振り返り、なるほど良くできていると感じることができるのですが、この「プランク・ダイブ」だけは、最初の一ページ目から最終ページまでガチガチのハードさで、私にはもうさっぱり手がつけられません。
せっかくの表題作なのに、表題作だけを読みきれなかった唯一の短編集になってしまいました。残念。
2011年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年最後に来た、本当に大物の傑作。
今年も話題作が何作か出て、帯につられて読んだが、
正直全て、「スカ」。
やはり、イーガンは違う。「本物」である。
正直、最初の2作は凡作(失礼)?の出来で、
「イーガン、大丈夫か??」と心配したのだが、
”暗黒整数”あたりからギアが上がって、”ワンの絨毯”ときた。
これは、早川編集者にやられました(笑)。文庫本構成が完璧です。
ワンの絨毯、プランクダイブは、掛け値なしの最高点があげられます。
ここまでがーんと頭を殴られるSFは本当に久しぶり。 最高だ!
そして、最後の”伝播”もあっさりしていると見せかけて、読後感がいい。
読みにくいけど、是非「ディアスポラ」を読んでから本書にかかると、
面白さ2倍です。
SFファンをやっていて、本当に良かった!
今年も話題作が何作か出て、帯につられて読んだが、
正直全て、「スカ」。
やはり、イーガンは違う。「本物」である。
正直、最初の2作は凡作(失礼)?の出来で、
「イーガン、大丈夫か??」と心配したのだが、
”暗黒整数”あたりからギアが上がって、”ワンの絨毯”ときた。
これは、早川編集者にやられました(笑)。文庫本構成が完璧です。
ワンの絨毯、プランクダイブは、掛け値なしの最高点があげられます。
ここまでがーんと頭を殴られるSFは本当に久しぶり。 最高だ!
そして、最後の”伝播”もあっさりしていると見せかけて、読後感がいい。
読みにくいけど、是非「ディアスポラ」を読んでから本書にかかると、
面白さ2倍です。
SFファンをやっていて、本当に良かった!
2012年1月16日に日本でレビュー済み
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合わない、というよりわからない。
「量子のふるまい」とか「量子のスピンと角度」とか言われるとお手上げです。全くイメージできない。ブラックホールに突入する際の青方偏移とか時間の位相が逆転するとか、全くわかりません。興味もない。つーか引用した言葉自体も正しくないかも。学者の名前も、アインシュタイン以外は一人も知りません。
どーしてこんなに難しそうなの。吾妻ひでおもマンガの中で「イーガン読むと眠くなるよね」とつぶやいていて、激しく同意したものでした。『祈りの海』でくじけて以来、遠巻きにしていましたが、あまりの皆さんの絶賛ぶりにまた手を出してしまいました。
なんか凄いことはわかる。
でもやっぱり私みたいに、数学的概念を持ち出された時点でくじける人もいるのです。
名作を読みこなせないおバカをお許しください。
「量子のふるまい」とか「量子のスピンと角度」とか言われるとお手上げです。全くイメージできない。ブラックホールに突入する際の青方偏移とか時間の位相が逆転するとか、全くわかりません。興味もない。つーか引用した言葉自体も正しくないかも。学者の名前も、アインシュタイン以外は一人も知りません。
どーしてこんなに難しそうなの。吾妻ひでおもマンガの中で「イーガン読むと眠くなるよね」とつぶやいていて、激しく同意したものでした。『祈りの海』でくじけて以来、遠巻きにしていましたが、あまりの皆さんの絶賛ぶりにまた手を出してしまいました。
なんか凄いことはわかる。
でもやっぱり私みたいに、数学的概念を持ち出された時点でくじける人もいるのです。
名作を読みこなせないおバカをお許しください。
2023年5月10日に日本でレビュー済み
表題作のほかにもクリスタルの夜、暗黒整数とイーガンを代表する傑作短編が収められているのに、何故かこれだけkindle版が無い(早川から出てるイーガンだと)
このレビューも今、発作的に読み返したくなって書いてます。紙の本は蔵書から探すのが面倒なんですよ…
このレビューも今、発作的に読み返したくなって書いてます。紙の本は蔵書から探すのが面倒なんですよ…
2011年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本オリジナル短編集ということで、イーガンの日本での人気はよっぽど高いのだろうとは思うが、一方で「マニア向けで手強いのばっかりじゃないの?」と警戒する気持ちもあった。が、冒頭の2作はむしろ平易で、SF初心者にもオススメしたいところ。特に「クリスタルの夜」は「いかにして〈シンギュラリティ〉の成果を人類だけのものとするか」というセコいアイデアを実行に移す話で、くすくす笑いが止まらなかった。これは〈シンギュラリティ〉モノのいい変奏曲。
と、油断してると3本目から一気にハードになってくるわけだが。「暗黒整数」は『ひとりっ子』収録の画期的数学SF「ルミナス」の続編で、ハード数学SF+パニック小説であいかわらず楽しいシリーズ。それからおなじみ「ワンの絨毯」は「あれ? 『ディアスポラ』に入ってたじゃん」と思いきやオリジナルの中編バージョン。お得意の「人間のアイデンティティ」テーマにとどまらず「人類のアイデンティティ」にまで踏み込む傑作。
表題作はブラックホールに飛び込んでいくプロジェクトの話で、70%くらいは意味不明の科学用語で埋め尽くされている難敵。いや、理解するのはあきらめたけど、結果を持ち帰れない実験に意味があるのかというけっこう科学的に深い話だね、これは。
このまま「ド」がつくほどのハードSFで爆走して終わりかと思いきや、最後の「伝播」は、難しいところがいっさいなし、それでいてもっともSFマインドにズドンと来る傑作だった。この構成はずるい。いや上手い。
と、油断してると3本目から一気にハードになってくるわけだが。「暗黒整数」は『ひとりっ子』収録の画期的数学SF「ルミナス」の続編で、ハード数学SF+パニック小説であいかわらず楽しいシリーズ。それからおなじみ「ワンの絨毯」は「あれ? 『ディアスポラ』に入ってたじゃん」と思いきやオリジナルの中編バージョン。お得意の「人間のアイデンティティ」テーマにとどまらず「人類のアイデンティティ」にまで踏み込む傑作。
表題作はブラックホールに飛び込んでいくプロジェクトの話で、70%くらいは意味不明の科学用語で埋め尽くされている難敵。いや、理解するのはあきらめたけど、結果を持ち帰れない実験に意味があるのかというけっこう科学的に深い話だね、これは。
このまま「ド」がつくほどのハードSFで爆走して終わりかと思いきや、最後の「伝播」は、難しいところがいっさいなし、それでいてもっともSFマインドにズドンと来る傑作だった。この構成はずるい。いや上手い。
2012年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔は片端からSFを読んだものだが、最近はなかなか読みたい、という作品に出会えないでいた。この本は店頭で手に取ってみて気になったのだが、数学の部分の難解さに一度あきらめていたもの。でも後日、やはり気になって購入した。面白かった。ただ、手を抜いて読めない緊迫感もあった。というのは、最初に引っかかったとおり、数学の部分になると難解で流し読みをするわけにいかなかったからだ。流し読みしてしまうと、私にはその後の物語の流れがわからなくなることに気づいた。
「クリスタルの夜」では、意識を持つ人間レベルのAIをつくる試みが描かれる。読後は、「創造主になるのは大変だ」という感想を持った。
「エキストラ」は正直、やや不快感を感じたし、怖い話だな、とも感じた。
「暗黒整数」は、全く違う宇宙?の生命体と、いかにして意思疎通をするのか、そしてそれがいかに難しいかを感じさせられた。しかし、現在の地球の世界情勢との共通性も感じられる作品だった。
「グローリー」は、連作で他の探検も読んでみたくなる、そんな作品だった。主人公2人の元の姿はどんな形なのか、属する共同体はどうなのか、それを知りたいと思った。
「ワンの絨毯」は、もはや人間が身体にとどまらなくなってから久しい時代の物語。こうなると、数千年はあっという間に過ぎていくのか、生きることに退屈しないのか、そして肉体から転写された第一世代の後の世代は、どのように作られて性格づけがなされて行ったのか、その場合の家族関係はどうなのか、この情報という形でのヒトを存在せしめているコンピュータ(だと思うが)の故障対策や保守はどうしているのかなど、ぜひ詳しく知りたいと思った。
「プランク・ダイヴ」は正直、私には難しすぎて理解できなかった作品。
「伝播」。遠い星に「種子」を送った主人公の若き時代の話から、年取った時代の話まで、短編であるが長い期間の話。実体としてではない形での存在はこの本の他の作品にもやや違った形態で出てくるが、情報としてのヒトが、どのように人格含めて元のように保たれるのか、十分なバックアップをしても消滅の危険はあるが、そのあたりはこの時代にはどのように解決されているのかなど、興味は尽きない。
「クリスタルの夜」では、意識を持つ人間レベルのAIをつくる試みが描かれる。読後は、「創造主になるのは大変だ」という感想を持った。
「エキストラ」は正直、やや不快感を感じたし、怖い話だな、とも感じた。
「暗黒整数」は、全く違う宇宙?の生命体と、いかにして意思疎通をするのか、そしてそれがいかに難しいかを感じさせられた。しかし、現在の地球の世界情勢との共通性も感じられる作品だった。
「グローリー」は、連作で他の探検も読んでみたくなる、そんな作品だった。主人公2人の元の姿はどんな形なのか、属する共同体はどうなのか、それを知りたいと思った。
「ワンの絨毯」は、もはや人間が身体にとどまらなくなってから久しい時代の物語。こうなると、数千年はあっという間に過ぎていくのか、生きることに退屈しないのか、そして肉体から転写された第一世代の後の世代は、どのように作られて性格づけがなされて行ったのか、その場合の家族関係はどうなのか、この情報という形でのヒトを存在せしめているコンピュータ(だと思うが)の故障対策や保守はどうしているのかなど、ぜひ詳しく知りたいと思った。
「プランク・ダイヴ」は正直、私には難しすぎて理解できなかった作品。
「伝播」。遠い星に「種子」を送った主人公の若き時代の話から、年取った時代の話まで、短編であるが長い期間の話。実体としてではない形での存在はこの本の他の作品にもやや違った形態で出てくるが、情報としてのヒトが、どのように人格含めて元のように保たれるのか、十分なバックアップをしても消滅の危険はあるが、そのあたりはこの時代にはどのように解決されているのかなど、興味は尽きない。
2011年10月21日に日本でレビュー済み
イーガンの作品集の中で最もハードSF色が高いとのふれこみで、確かにその通りなのでしょうが、これまでの短編集と比べてもかなり読みやすい、わかりやすいという印象です。
いいえ、決して数学理論や量子力学がわかると言いたいのではありません。
実際の理論なのか、擬似科学なのかすら全くわからないけれど、どこに理論の「キモ」をもってきているのかだけはわかる。その中で真理の追究というのが当事者にとってどんな意味を持つのかという個々の人間にかかわる命題から、人類というもののよりどころをどこに置くべきかの考察まで、実に鮮やかに際立って浮かび上がるように示されている。だから、わからないなりに、それをもとにした世界観やガジェットを小説として存分に堪能できる--その満足感がこれまでになく高いのだと思います。わからないのに、作品としてわかりやすい。
ストーリーを犠牲にしているわけではないです。むしろ逆で、ここ何冊かの作品集で感じていた人間を描きながらどこか空々しい感じが消えて、登場人物が皆チャーミングに思えるし。今まではささっと読んでいた数学的説明のセリフもじっくり味わってしまいました。
個々の作品としては本書の収録作を上回る良作もいっぱいあったと思いますが、作品集として考えるとこれまででも最高の部類かと思います。少なくとも、個人的には一番好きかもしれません。
いいえ、決して数学理論や量子力学がわかると言いたいのではありません。
実際の理論なのか、擬似科学なのかすら全くわからないけれど、どこに理論の「キモ」をもってきているのかだけはわかる。その中で真理の追究というのが当事者にとってどんな意味を持つのかという個々の人間にかかわる命題から、人類というもののよりどころをどこに置くべきかの考察まで、実に鮮やかに際立って浮かび上がるように示されている。だから、わからないなりに、それをもとにした世界観やガジェットを小説として存分に堪能できる--その満足感がこれまでになく高いのだと思います。わからないのに、作品としてわかりやすい。
ストーリーを犠牲にしているわけではないです。むしろ逆で、ここ何冊かの作品集で感じていた人間を描きながらどこか空々しい感じが消えて、登場人物が皆チャーミングに思えるし。今まではささっと読んでいた数学的説明のセリフもじっくり味わってしまいました。
個々の作品としては本書の収録作を上回る良作もいっぱいあったと思いますが、作品集として考えるとこれまででも最高の部類かと思います。少なくとも、個人的には一番好きかもしれません。