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妖女サイベルの呼び声 (ハヤカワ文庫 FT 1) 文庫 – 1979/2/28

4.0 5つ星のうち4.0 35個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (1979/2/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1979/2/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 308ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4150200017
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150200015
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 35個の評価

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パトリシア・A.マキリップ
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上位レビュー、対象国: 日本

2020年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
荻原規子さんのエッセイで、この本のことを知りました。紹介されていた登場人物の言葉に惹かれ、その言葉を読みたくて、購入した一冊です。
主人公サイベルの復讐がメインテーマのはずですが、なぜか美しい作品です。余分なことを語らず、それでいて、美しい情景が色鮮やかに浮かび上がってきます。また、幻獣という存在が、この世界に深みを与えています。

ファンタジーに、冒険や英雄や戦いを求める人には、肩すかしされたような感じになるかもしれません。特に終盤は、もつれていた糸が、するすると解けていくような展開です。私はそこも好感を持ちましたが、違うものを期待する人は多分、物足りないのではないかと思います。

また、主人公サイベルのドリードに対する復讐心は、やけに頑なで、共感を呼びにくいかもしれません。プライドが高く、頑なサイベル…そんな彼女に、愛を捧げるコーレンが一途です。

日常から少し離れたい、静謐で美しい異世界に浸りたい人にお薦めです。ただし、美しいだけだと思って読むと、なかなか手強い作品かもしれませんので、ご注意を。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古い作品なので、読みにくいところもあると思いますし、特殊な環境でそだった主人公なので、心や誇りのあり方が現代の私たちとは異なるところもあります。そこが合うか合わないかあると思います。
有名な古典ファンタジーで、主人公であるサイベルの想いを考えながら読むとあじわい深い作品だと思われます。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レビューの高さから期待して買いました。
でも自分にとってはそれほどでもないのかなぁと・・・
少々もの足りなかったです
丁寧に作りこまれた世界観なのに
最後のほうが、もうページ数ないからさっさと終わらせなきゃってかんじで
なんかさくさく進んでいくのが残念でした
あと、北欧神話の影響を受けているのかな?とも
黄金を愛するドラゴンとか
北欧神話でもこのドラゴン出てきます
呪いのかかった黄金に魅入られ、ドラゴンになってしまった人間の話があるんです

ファンタジー系に関わらず、コアな本の虫の方々には
率先しておすすめしませんが、読む価値はある作品でもあります
2010年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
久しぶりに幻想文学を読む喜びを味わった気がしました。

独特な雰囲気の世界設定、非常に魅力的な個性を持つ主人公。
そして読者を捕えて離さない巧妙なプロット。
言う事なしです。

マキリップの作品を読んだのは、これが初めてなのですが、非常に優れた感性を持つ作家であると感じました。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年3月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これほど美しい文章と、深く広がる情緒感を堪能できる本は
とても少ないと思います。

今読み終わったばかりで、言葉も浮かばないほどに
感動しています。
ストーリーもさることながら
とにかく文章から来る圧倒的な世界観と
人物像が胸の奥深くを揺さぶる1冊です。

静かな感動と、幻想的世界への旅を
お望みの方にこそお勧めの1冊だと思います。。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公が無垢のまま、子どもを授かるところから、主人公の成長が始まるのはおもしろいと思いました。
複数世代が登場するファンタジーでは通常一番若い世代が主人公ということが多いし、「妖女」というタイトルのせいもあり、最初、物語の主人公はタムだと思ってたので。

ドリードと魔術師が出てくる塔のくだりは、すごく良かった。

しかし、サイベルが大切な人を犠牲にしてまで、そのため(しかも未遂)にドリードに復讐するというのは??
ドリードは愛ゆえ己の弱さゆえの行動だったのに対して、サイベルは自分のプライドを傷つけられて許さないという風に見えました。
サイベルには特殊な才能がある分、欠けてるところがあるとは思うのですが…

はまれなかったのですが、一定の価値がある本だとは感じたので、最後まで読みました。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どうも脚本を読んでいるかのようで、感動という言葉とは最後まで無縁でした。
冒頭から特に説明なくサイベル達の属する世界に放り込まれ、何だ何だと思っているうちにも物語は淡々と進行していきます。若くして隠棲しているサイベル、一人の青年が館を訪れたその日から彼女の人生は変わっていきます。青年が彼女に預けたものによってさまざまな事が彼女にふりかかり、その都度サイベルは葛藤するのですが、私には彼女の苦悩や怒り、とまどいがいまいち理解できないままです。サイベルの美しさと呼び声以上の魅力って何なんだろう。
彼女が呼び寄せた獣たちや謎かけは楽しかったのですが、どうも淡々としすぎていました。
視覚化した方が面白そうなので今度は漫画で読んでみようと思います。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年11月28日に日本でレビュー済み
全く事前情報など無く、新しく創刊されるハヤカワFTの第1弾としてどんなもんかなーとなんとなく手に取って読みました
自分はそれまでファンタジーというとバロウズなどヒロイックファンタジーと言うかスペースオペラのようなものしか読んだことが無く、このサイベルの呼び声を読んで、「これがファンタジーか!」と雷に打たれたような衝撃を受けたのを覚えています(たぶん高校生の時だったかな?)
この作品の影響で、今でも世界観、倫理観、価値観などが違う世界を丁寧に描いた作品こそファンタジーだと思っています