タニス・リーの文庫はバラつきありの読書の仕方をしてましたので、惑乱の公子はうっすらとしか記憶にありませんでした。
今回再購入して読んだところ、なかなか面白かったです。白い砂漠と白い神殿が容易に脳裏に浮かびました。
バベルの塔っぽいエピソードを上手くアレンジしていたり、惑乱公子の原型はコレかな?と推測してみたりと楽しめました。
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惑乱の公子 (ハヤカワ文庫 FT 89) 文庫 – 1986/7/1
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1986/7/1
- ISBN-104150200890
- ISBN-13978-4150200893
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1986/7/1)
- 発売日 : 1986/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 280ページ
- ISBN-10 : 4150200890
- ISBN-13 : 978-4150200893
- Amazon 売れ筋ランキング: - 714,571位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2018年7月31日に日本でレビュー済み
シーヴの王妃ジャスリンは、世継ぎを宿している間に夫であるネムドルの寵愛を失ったと思い込み、幼い我が子を草原に置き去りにして犬に食らわせてしまう。
この、愛のために生じた狂気に誘われてか、ジャスリンのもとに五人の闇の君の一人である<惑乱の公子>チャズが現れ、「夫を狂い死にさせてくれ」という彼女の願いを快く聞き入れる。
ネムドル王は、チャズの惑わしによって<名声>という名の狂気に囚われ、死後も自らの名を残そうと、天にまで届こうかという「ペイベルーの塔」の建築に着手するのだが、結局は瓦解してシーヴもネムドルの名も歴史から消えてしまう。
人の身にあっては長い年月も、<闇の君>にとっては僅かな時間。
ベイベルーが遺跡となり、新たな街が造られたときに、チャズにとってはライバルにあたる<妖魔の君>アズュラーンに対する挑戦の全容が明らかになるのだが・・・
<闇の君>と呼ばれる存在は5人居るとされるが、これまでに登場したのは<闇の公子>アズュラーン、<死の王>ウールム、<惑乱の公子>チャズの三人のみで、続刊でも残る二人について語られることはない。
これ以上<闇の君>達に翻弄されては人類の存続が危ぶまれるからか。
人間を、そしてその住む世界全体をすら玩具のように見ているという点において、チャズとアズュラーンは似ている。似ているからこそ互いに強烈なライバル心を抱くのだろう。
チャズの挑戦は、人間にあっては数世代にも渡る時間をかけて、まるでドミノ倒しのように行われるのだが、その巧みなプロットは巻末において明らかになる仕組み。
奔放な遊び人的資質を持つアズュラーンが、<恋の狂気>に取り付かれるというのは、チャズ一流のジョークなのだろう。
たまたま、本書の続編である「熱夢の女王」を先に読んだのだが、その軸の一つはチャズに先手を打たれたアズュラーンの報復劇であり、本書を書き上げた時点で、既に続刊の構想があったように思える。
単独で読んでも充分に面白いが、ドミノ倒しの爽快感を味わうなら「熱夢の女王」まで一気に読むのが良いだろう。
この、愛のために生じた狂気に誘われてか、ジャスリンのもとに五人の闇の君の一人である<惑乱の公子>チャズが現れ、「夫を狂い死にさせてくれ」という彼女の願いを快く聞き入れる。
ネムドル王は、チャズの惑わしによって<名声>という名の狂気に囚われ、死後も自らの名を残そうと、天にまで届こうかという「ペイベルーの塔」の建築に着手するのだが、結局は瓦解してシーヴもネムドルの名も歴史から消えてしまう。
人の身にあっては長い年月も、<闇の君>にとっては僅かな時間。
ベイベルーが遺跡となり、新たな街が造られたときに、チャズにとってはライバルにあたる<妖魔の君>アズュラーンに対する挑戦の全容が明らかになるのだが・・・
<闇の君>と呼ばれる存在は5人居るとされるが、これまでに登場したのは<闇の公子>アズュラーン、<死の王>ウールム、<惑乱の公子>チャズの三人のみで、続刊でも残る二人について語られることはない。
これ以上<闇の君>達に翻弄されては人類の存続が危ぶまれるからか。
人間を、そしてその住む世界全体をすら玩具のように見ているという点において、チャズとアズュラーンは似ている。似ているからこそ互いに強烈なライバル心を抱くのだろう。
チャズの挑戦は、人間にあっては数世代にも渡る時間をかけて、まるでドミノ倒しのように行われるのだが、その巧みなプロットは巻末において明らかになる仕組み。
奔放な遊び人的資質を持つアズュラーンが、<恋の狂気>に取り付かれるというのは、チャズ一流のジョークなのだろう。
たまたま、本書の続編である「熱夢の女王」を先に読んだのだが、その軸の一つはチャズに先手を打たれたアズュラーンの報復劇であり、本書を書き上げた時点で、既に続刊の構想があったように思える。
単独で読んでも充分に面白いが、ドミノ倒しの爽快感を味わうなら「熱夢の女王」まで一気に読むのが良いだろう。
2005年11月17日に日本でレビュー済み
平たい地球シリーズ第3作。耽美表現満載で、訳者泣かせのタニス・リーのオムニバスファンタジー。シリーズ中で一番の名作だと思います。
闇の公子アズュラーンと聖女ドゥニゼルの美しく激しい愛を作者は至上の静謐さで描き上げています。
そこにタイトルにもなっている、惑乱の公子チャズが絡み、さらなる悲劇へと物語は流れて行くのです。その文章の耽美さ加減には、
「酔わされる」という表現が相応しく、別世界へと易々と誘ってくれます。
この続編である「熱夢の女王」上・下と合わせて読まれると、作者の内的世界の深さに浸れることでしょう。
登場する主要キャラクターは全てそれぞれの美を持って、その世界に存在しています。タニス・リーの世界の扉を叩くきっかけに、この一冊は最適です。
闇の公子アズュラーンと聖女ドゥニゼルの美しく激しい愛を作者は至上の静謐さで描き上げています。
そこにタイトルにもなっている、惑乱の公子チャズが絡み、さらなる悲劇へと物語は流れて行くのです。その文章の耽美さ加減には、
「酔わされる」という表現が相応しく、別世界へと易々と誘ってくれます。
この続編である「熱夢の女王」上・下と合わせて読まれると、作者の内的世界の深さに浸れることでしょう。
登場する主要キャラクターは全てそれぞれの美を持って、その世界に存在しています。タニス・リーの世界の扉を叩くきっかけに、この一冊は最適です。
2005年7月20日に日本でレビュー済み
ありとあらゆる神話、民間伝承などから取ったモチーフで絢爛豪華なファンタジー世界をつくりだしたタニス・リーの傑作。かつて地球が平らかであった頃、妖魔の王や人間たちを狂気に導いた惑乱の公子チャズの物語。
チャズの作り出した狂気からあまたの悲劇や恐怖が生まれていく様子や、踊らされた人間たちの残酷な運命、妖魔の王アズュラーンとの対立が、美麗な文章で綴られています。
残酷な童話や怖ろしい神話がお好きな方に。元ネタ当てするのもいいでしょう。闇の公子アズュラーンの超絶美形っぷりも楽しめます。
チャズの作り出した狂気からあまたの悲劇や恐怖が生まれていく様子や、踊らされた人間たちの残酷な運命、妖魔の王アズュラーンとの対立が、美麗な文章で綴られています。
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