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〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT) 文庫 – 2004/2/10

3.5 5つ星のうち3.5 21個の評価

北イングランドに赴いたジャーナリストのアンドルーは、彼を呼び寄せた女性ケイトから思いがけない話を聞かされる。おたがいの祖先は、それぞれに“瞬間移動”を得意演目としていた、二十世紀初頭の天才奇術師。そして、生涯ライバル関係にあった二人の確執は子孫のアンドルーにまで影響を与えているというのだが……!? 二人の奇術師がのこした手記によって、衝撃の事実が明らかとなる!世界幻想文学大賞受賞の幻想巨篇
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商品の説明

著者について

1943年、イギリスのチェシャー州生まれ。1966年に短篇"The Run"でデビュー。1974年の『逆転世界』で英国SF協会賞を受賞した。1984年の『魔法』をはじめ、近年はSFと幻想小説の境界線上にある作品を発表しており、そのひとつである本書は1996年に世界幻想文学大賞を受賞している。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2004/2/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/2/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 587ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4150203571
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150203573
  • カスタマーレビュー:
    3.5 5つ星のうち3.5 21個の評価

著者について

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クリストファー・プリースト
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2015年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画のプレステージを見て、この作家を知り、試しに読んでみたのですが…..
原作の方が人物像が丁寧に描かれていて、断然よかったです。
映像が無くても、手品の知識が無くても、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
二人の奇術師の争いの話だけでなく、その後の子孫に残した負の遺産が悲しく、美しい文章で綴られています。
ラストシーンはとても余韻の残る物語でした。
この作家の別の作品も買ってみたいです。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年3月28日に日本でレビュー済み
物心ついた頃から、アンドルーの中には、ほかの誰かと人生をわかちあっているという感覚があった。
それは精神的な共感で、”誰か”が彼のことを心配しており、またその”誰か”が不安な状態にあったりするとアンドルーにもそれと判るのだ。
生き別れた双子が居るのではないかとも思ったが、記憶にも、記録にも、彼の片割れの存在を示すものは無い。
ジャーナリストとなったアンドルーは、取材のために趣いた北イングランドの館で、彼をその取材に招いた女性ケイトから思いがけない話を聞かされることになる。
養子として育てられたために自身でさえ知らないアンドルーの家系をケイトが知っていたのだ。
ケイトは、お互いの曽祖父は共に奇術師であり、ライバル関係にあったと言い、更に父親に伴われたアンドルーが幼い頃に一度この館を訪れてもいると語る。
そしてその時、事故によってアンドルーが死ぬのを確かに見たと言うのだ。
アンドルーは自身に関する謎の答えを求めて、何故かケイトが所持している彼の曽祖父、大奇術師アルフレッド・ボーデンの回顧録を読み始めるのだが・・・

アルフレッドの回顧録とケイトの曽祖父にあたるルパート・エンジャの日記がページの大半を占めるのだが、互いの記述の中に羨望や尊敬と、その裏返しである憎悪などの感情を垣間見せる。
二人の祖先が共に得意にしていたのが「瞬間移動」のイリュージョンで、そのタネ明かしを求めるのが話の軸となっているのだが、二人のタネはそれぞれ異なっていて、ルパートのほうは当時の科学者ニコラ・テスラに製作を依頼した電気仕掛けという設定である。
A.C.クラークの「進みすぎた科学は魔法と区別がつかない」と言う言葉を思い出したが、本書はSFともファンタジーとも、更にはミステリーとも言える不思議な作風。
タネ明かしや謎解きという要素は確かに面白いのだが、それ以上に二人の奇術師としての矜持などが細やかに描かれたり、実在の人物であるテスラを登場させることによってリアルさを醸しだしているのが一気に読み通させる原動力となったように思う。
1996年の世界幻想文学賞受賞作の本書は、特にファンタジー好きでなくとも愉しめる良い小説だと感じた。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年8月12日に日本でレビュー済み
ある現代の新聞記者が知り合いから先祖の奇術師の驚愕すべき人生を聞かされ・・・というお話。
ある奇術師と別の奇術師がライバル関係になり切磋琢磨や競争心を燃やすうち互いに奇術師として成長していく・・・という話ならよくありがちな感じですが、そこは才人、プリースト、「語り」=「騙り」の技巧を使って、この小説自体が一つの魔術のような作品にしあげております。とくに実在した発明家の二コラ・テスラの事象を史実に忠実に絡める辺りは著者の手腕に唸りました。衝撃の問題作「魔法」を読んだ後、この小説を読むと若干見劣りしないではないですが、どちらの作品も読んで損のない傑出したファンタジーだと思います。
基本設定の奇術師同士のライバル関係を扱った小説は似たような作品にストラウブ「シャドウランド」がありますが、作者が違うとこうも違うかとちと驚ますが、興味のある方は読み比べてみては。

映画化されているそうなのでDVD化されていれば是非、観ようと思います。出来れば「魔法」の方も映画化して頂きたいですが、難しそうで、だれか挑戦する監督がいたら偉いですよね。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年4月9日に日本でレビュー済み
二人の奇術師の瞬間移動の「トリック」(!)が
 ボーデン→(やっぱり)双子でした
 エンジャ→テスラの発明した電気による超科学的移動装置でした
って、アホか。

冒頭のアンドルーの語りの部分で「双子/分身」のテーマが出ており、ボーデンの語りでも「わたし」の複数性が何度も「明示的」に言及されているのだから、読者は騙されようが無いだろうに。エンジャの移動装置に関してはバカバカしすぎて何をか言わんやである。ほぼテクストの力だけで「奇術」ならぬ「奇蹟」を起こしてみせたキャロル・オコンネルの名作『
クリスマスに少女は還る (創元推理文庫) 』のような筆力と配慮は望むべくもなかった。

本書を読むくらいなら、同じ「分身」をテーマにしながら無駄に分厚い本書よりずっと短いナボコフの『
セバスチャン・ナイトの真実の生涯 (講談社文芸文庫) 』を読み返す方が10倍マシである。本書の解説を書いているナヴォコヴィアンの若島正氏は、こんなものを傑作と褒めてていいのかね。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2007年5月16日に日本でレビュー済み
 素晴らしい大人のための物語です。

 ドラゴンもいません、魔法学校もありません、しかし間違いなくファンタジーの傑作です。

 そこに描かれるのは、ビクトリア朝時代の二人のマジシャン、新聞記者、若き「伯爵」婦人、幻の兄弟、全く関係の無かったそれぞれが、「きらきら輝く金属製の十本の輪」イリュージョンの「チャイニーズ・リンキング・リング」の様に、一瞬で鮮やかに繋がります。

 600ページ近い長編で、複雑な構成にも関わらず、一気に読ませるのは、作者のイリュージョン、翻訳者の力量でしょう。

 読み終えて、「何処からだまされたのだろう」、再度読み直し「最初からだまされていたのだった。」気持ち良くだませれて酔いしれる、そういう作品です。

 できれば前書き、あとがきに「ビクトリア朝時代」「ニコラ・テスラ」についての説明記述があればと思いました。

 なお「テスラ・コイル」の製作については、三才ブックスの「アリエナイ理科の教科書」を参照して下さい。

 
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年6月3日に日本でレビュー済み
カバーデザインから、
昔出たミステリーかなにかの復刻かと思って見過ごしそうになってました。
気づいたらプリーストの久々の新作!
思えば4年前にでたのってクロネンバーグの映画のノベライズだったんですよねえ。
小説としては、面白いし、読ませます。
さすがプリースト! 
長い長い小説書いてるだけあります。
って、それはプルースト・・・
だけどですね。もうちょっと期待をしてたんですよ。
すごい舞台装置だったんで何がでてくるかなあ・・って。
で、鳩が出てくるだけかい!というような感じです。
イリュージョンのような、おおっという「!」がないんですよねえ。
そういえばクロネンバーグの映画でも・・・(以下ネタバレになりそうなので自粛)
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年1月24日に日本でレビュー済み
’04年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第5位、「このミステリーがすごい!」海外編第10位にランクインした、世界幻想文学大賞受賞作。昨年、映画化もされた。

新聞社に勤めるアンドルーは、取材で赴いた北イングランドで、ケイト・エンジャと名乗る女性と出会い、思いもよらない話を聞かされる。お互いの曽祖父は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、「瞬間移動人間」のイリュージョンを得意としていた舞台奇術師だったというのだ。しかも、ふたりの間には確執があり、互いに邪魔しあったり、脚を引っ張りあっていたりしたらしい。

物語の大半は、そのふたり、アルフレッド・ボーデンとルパート・エンジャの手記と日記から成り立っている。5部構成のうち、第2部と第4部に配された、かなりのボリュームを占める彼らの手記と日記を読み進み、ひも解いてゆくと、そこから名声を競い合うふたりの舞台奇術師の確執と悲劇のドラマが浮かび上がってくる。

本書は基本的にはSF・幻想小説になるのだろうが、プリーストの、ファンタスティックで独特のイマジネーションに支配された物語はミステリーとしても充分読み応えがある。また、文庫にして579ページと言う分厚い長編を一気に読み切らせるだけのリーダビリティーも併せ持っている。

本書は、SFを、その非現実性とかファンタジーから一歩踏み出して、ふたりの奇術師を主人公にした、よりリアリスティックな設定のなかで新しい幻想ミステリーに仕立て上げた名品である。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年3月4日に日本でレビュー済み
この作家はSF的な要素を使った話しを書くのが得意なんですね。

手品が舞台なのでタネを思わず考えたくなっちゃいますが、
一流の手品のタネはそうパッと思い付かないので、
じっくりと二人の確執をハラハラ見守ってました。

この作品自体のタネの一つにSF的な要素が使われているんですが、
ストーリー運びが見事で作品の世界観にうまくマッチしています。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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