シリーズもののラストといえば、ヘタすると全てを説明するために混乱してしまうか、説明せずに強引台詞をかませるか…そういう本があります。
だけど。
このシリーズは、違います。
楽しい!
今巻が一番わくわくしながら最後まで楽しませていただきました。
超個性的な登場人物達が、それぞれの決着をみるために、更に自分の色を濃くしながら物語を極彩色に彩ります。
それがまた、予想外。
だけどこれまた、しっくりくる。
かなり完成された最終巻と申せましょう(笑)
例えば、対手の名前を正確に呼ばないあのアケルダマ卿が、言いました。「ライオール教授」。
嵐のような一団を率いてエジプト行のアレクシア、人狼団に馴染みながらも自己を確立するのに必死なビフィ君、やっぱり素敵な帽子達磨のアイヴィ、人狼団+アケルダマ卿+ドローン達総がかりでないと面倒みれないお茶目なプルーデンス嬢、秘密が暴露されて覚悟を決めるライオール教授の苦悩する姿。180度人生(?)を転換する人物もいれば、さらに磨きをかけていく人物も、有。一人ひとりが、自分の選択をし、前向きに生きていく、そんな力強さに惹かれます。とりわけ、マコン卿のきっぱりとした潔さとアレクシアへの愛に、しびれました。うわわ、素敵。
これ以上は語れませんが、これだけ予想外の展開をみせながらも、とびっきり楽しませてくれる物語って、そんなにないです。
あーあ、最終巻かあ。
なんか、御名残惜しゅうございますナ。
他の方がしっかり書いていらっしゃるので、あまり語ることはないのですが、皆様には是非ぜひ、マコン卿とアレクシアの関係について考えていただきたいところ。
だって、ですよ。
片や人狼団のアルファ。
片やソウルレスといえども、人間。
(二人の間のなんともかわいいプルーデンス嬢はまた、さておいて)
二人は婚姻関係と言っても、種族が違います。
そうなると、あの永遠のジレンマテーマが来るわけです。
「ほぼ不死者と限りある命の者の愛の行く末は?」
これだけ互いに離れられない二人です。
さあ、どうする?
これだけでも、楽しいですネ。
読んで、良かった!
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アレクシア女史、埃及(エジプト)で木乃伊(ミイラ)と踊る (英国パラソル奇譚) 文庫 – 2012/9/20
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- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2012/9/20
- ISBN-104150205485
- ISBN-13978-4150205485
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商品の説明
出版社からのコメント
英国人の母と気むずかし屋の父によって厳格に育てられ、反動で物語を書きはじめる。ふるさとの田舎町を飛び出す口実に高等教育を受け、考古学と人類学の学位を取得。ハンドバッグにひそませたビスケットで生き延びながら、ヨーロッパの歴史ある街をいくつも旅したことも。 2009年、P・G・ウッドハウスとジェイン・オースティンの影響を受けて書かれた『アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う』でデビューするや、読者や書評家の絶賛をあびローカス賞をはじめ三つの賞にノミネート。また本書にはじまる〈英国パラソル奇譚〉シリーズの第二巻『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』、第三巻『アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う』 はともにNYタイムズ紙の全米ベストセラー・リストにランクインしている。現在は新大陸の植民地で、ロンドンから直輸入した紅茶を飲みつつ暮らしている。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2012/9/20)
- 発売日 : 2012/9/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 464ページ
- ISBN-10 : 4150205485
- ISBN-13 : 978-4150205485
- Amazon 売れ筋ランキング: - 676,192位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,350位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- - 56,702位文芸作品
- - 146,175位文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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Gail Carriger は、超常現象ロマンス(そしてセクシーなSan Andreas ShifterシリーズをG L Carrigerとして)と組み合わせたマナーのコメディを書いています。彼女の本には、大人のためのパラソルプロテクター、カスタード議定書、超自然社会シリーズ、若者のためのフィニッシングスクールシリーズがあります。彼女は多くの言語で出版されており、数多くのNYTベストセラーを抱えています。彼女はかつて考古学者であり、靴、タコ、紅茶が好きだった。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年9月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
様々な謎が解ける最終巻。埃及に居る最古の吸血鬼女王からの要請に応えてアレクシアと娘のプルーデンス、夫のマコン卿は、親友のアイヴィとその夫が率いる劇団の埃及公演に紛れて旅立つ。別な目的で埃及行きを望むルフォーも参加。そして、反異界族の木乃伊を巡る事件の発端は埃及にあり、その大本は女王と、アレクシアの亡き父にあった。そして執事のフルーテに秘められた秘密。
新たなパラソルを武器に、アレクシアの立ち回りが始まる。
しかし・・・アイヴィが、まさかああいう事になるとは・・・数年くらいした後のアイヴィを見てみたいな。プルーデンスをヒロインにした話も予定されているようなので、そちらでアイヴィが出て来てくれる事を期待。
それにしても相変わらずの痛快ドタバタ・アクション。特に異界族に接触するとその能力を吸い取ってしまうプルーデンスと、異界族に接触するとその能力を消してしまうアレクシアが異界族であるマコン卿と居ると、それだれでドタバタになってしまうのが楽しい。
新たなパラソルを武器に、アレクシアの立ち回りが始まる。
しかし・・・アイヴィが、まさかああいう事になるとは・・・数年くらいした後のアイヴィを見てみたいな。プルーデンスをヒロインにした話も予定されているようなので、そちらでアイヴィが出て来てくれる事を期待。
それにしても相変わらずの痛快ドタバタ・アクション。特に異界族に接触するとその能力を吸い取ってしまうプルーデンスと、異界族に接触するとその能力を消してしまうアレクシアが異界族であるマコン卿と居ると、それだれでドタバタになってしまうのが楽しい。
2014年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
楽しみました。トワイライトとかとはまた違う良さがありますよ。
2012年9月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シリーズ本編最終作です。
正直途中まで読んで「・・・ちゃんと終われるのか?」と
心配しましたが、消化不良にはならずに済みました。
これだけいろいろな要素を詰め込んだ「おもちゃ箱」世界を
終わらせるのはもったいない!と思ったのは作者も同じようで
駆け足気味な部分については2013年以降に発刊される
スピンオフ作品で堪能できるようです。
しばしの間待つ事になりますが、期待しております。
正直途中まで読んで「・・・ちゃんと終われるのか?」と
心配しましたが、消化不良にはならずに済みました。
これだけいろいろな要素を詰め込んだ「おもちゃ箱」世界を
終わらせるのはもったいない!と思ったのは作者も同じようで
駆け足気味な部分については2013年以降に発刊される
スピンオフ作品で堪能できるようです。
しばしの間待つ事になりますが、期待しております。
2019年4月3日に日本でレビュー済み
跳ねっ返り娘だったアレクシア嬢が妻となり、母となり、変化も感じますがアレクシアらしさは健在といった感じです。
今回は最終巻という事で、周囲の環境や人々にも大きな変化があります。
特にアレクシアの親友アイヴィの身に起きる事は周りの運命を左右させる大きなもので。
ここまでの物語を見事に書ききったゲイル・キャリガー女史に敬意を払いたいですし、次回作を期待しながら待ちたいと思います。
アレクシア女史の娘であるプルーデンス嬢の活躍が待ち遠しい!
今回は最終巻という事で、周囲の環境や人々にも大きな変化があります。
特にアレクシアの親友アイヴィの身に起きる事は周りの運命を左右させる大きなもので。
ここまでの物語を見事に書ききったゲイル・キャリガー女史に敬意を払いたいですし、次回作を期待しながら待ちたいと思います。
アレクシア女史の娘であるプルーデンス嬢の活躍が待ち遠しい!
2016年3月4日に日本でレビュー済み
長かったシリーズもようやく完結。
ラブロマンスやら謎の冒険物語やら、豪勢なシリーズでした。
いろんな事件があり、過去の事件などが絡まり、盛り上がり収束していく様はある種爽快でした。
前巻で感じていたもやもやも薄れ、アレクシアとマコン卿の絆も感じられてよかったです。
ルフォーとの友情ももどって(?)よかった!
アビィに関してはめちゃくちゃびっくりしましたが、今後を想像してとても愉快に(笑)
続編もいいけれど、どちらかといえば、今後数年間の番外編としてつづきを読みたい気がします。
別れた人たちとはどうなるのか、今後この世界がどのように動くのか…
この本編後の数年がすごく面白いことになりそうな気がしてなりませんw
なにはともあれ、シリーズ一気に読めちゃいました。
おもしろかったです。
ラブロマンスやら謎の冒険物語やら、豪勢なシリーズでした。
いろんな事件があり、過去の事件などが絡まり、盛り上がり収束していく様はある種爽快でした。
前巻で感じていたもやもやも薄れ、アレクシアとマコン卿の絆も感じられてよかったです。
ルフォーとの友情ももどって(?)よかった!
アビィに関してはめちゃくちゃびっくりしましたが、今後を想像してとても愉快に(笑)
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この本編後の数年がすごく面白いことになりそうな気がしてなりませんw
なにはともあれ、シリーズ一気に読めちゃいました。
おもしろかったです。
2012年9月30日に日本でレビュー済み
4巻で「謎」を絞り込んだ甲斐あり、まずは無難に決着したといえましょう。
反異界族・超異界族のありようは文字通りドタバタ騒ぎで説明される。
故タラボッティ氏の陰謀や人狼団のトラブル、古代史絡みの異界族の設定も筋が通った。
スチームパンク系小道具やエーテル科学の説明もくどからず、サラッとハマった。
不評だったエロ要素も抑制され、教授の過去からまさかそっちへ行くかという線もホドホド。
タンステル劇団やアケルダマ邸内外のドタバタも型が決まって安心です。
登場人物のほぼ全員、収まるところへ収まった。めでたしめでたし。
そう、いつか崩壊しやしないかとハラハラせず安心して追える話にまとまりました。
が、パワー不足な気がするのはなぜ?アレクシアの暴れっぷりが足りない?
いろいろ起きる割に意外性や怒涛性が薄く、最後にまとめすぎちゃった感が残ります。
立ち過ぎキャラが多いのもややぼけた原因かも。番外編で追ったほうがよかったかもねえ。
キャラクターブックを作るのはとっても楽しそうでアニメ向きと思います。
でもアケルダマ卿の名前(本名?最初の愛称?)には笑わせてもらいました。
反異界族・超異界族のありようは文字通りドタバタ騒ぎで説明される。
故タラボッティ氏の陰謀や人狼団のトラブル、古代史絡みの異界族の設定も筋が通った。
スチームパンク系小道具やエーテル科学の説明もくどからず、サラッとハマった。
不評だったエロ要素も抑制され、教授の過去からまさかそっちへ行くかという線もホドホド。
タンステル劇団やアケルダマ邸内外のドタバタも型が決まって安心です。
登場人物のほぼ全員、収まるところへ収まった。めでたしめでたし。
そう、いつか崩壊しやしないかとハラハラせず安心して追える話にまとまりました。
が、パワー不足な気がするのはなぜ?アレクシアの暴れっぷりが足りない?
いろいろ起きる割に意外性や怒涛性が薄く、最後にまとめすぎちゃった感が残ります。
立ち過ぎキャラが多いのもややぼけた原因かも。番外編で追ったほうがよかったかもねえ。
キャラクターブックを作るのはとっても楽しそうでアニメ向きと思います。
でもアケルダマ卿の名前(本名?最初の愛称?)には笑わせてもらいました。
2017年5月21日に日本でレビュー済み
もうひとつの19世紀英国でソウルレス〈魂なき者〉アレクシア女史が活躍する英国異界族物語の5冊目ひとまずの完結編です。今回の日本版訳題「アレクシア女史、埃及で木乃伊と踊る」はこれまでで一番ふざけた物で内容的にもそんな場面がある訳でなくいい加減その物なのですが、まあ極端にまじめ過ぎるのもこのシリーズには似合いませんし、最後はご陽気に砕けた雰囲気が出ていてまずまず良かったのではないかと思います。
伯爵夫人レディ・マコンことアレクシア女史は〈魂盗人〉の愛娘プルーデンスの子育てに並々ならぬ苦労をしながら多忙な日々を送っていたが、三千歳を超える世界最高齢の吸血鬼マタカラ女王から娘と共にエジプトへ招待され、丁度彼の地で起きた人狼失踪事件の謎にも心が向き結局は承諾する。夫マコン卿、親友アイヴィ、マダム・ルフォーらを連れた母娘は、やがて古代都市エジプトの地で恐るべき苦難に遭遇する事となるのだった。
今回も大小の奇妙な謎や少し過激で残酷なシーンや活劇のサスペンスに一喜一憂の人間ドラマの魅力等々がてんこ盛りになっていますね。小さな謎ではプルーデンスの口癖「ノー!」の最後に「成る程ね」と思わせられた意味、大きな謎はマタカラ女王の悲愴な望みと〈神殺し病〉に隠された過去からの企みに壮大な哀しみのドラマを感じました。唯アレクシア女史の父の人となりが全く描かれていないのは不満ですがこれは今後があるのかも知れませんね。過激で残酷なシーンは吸血鬼女王の牙により人間に施す変異の儀式で都合二回描かれる場面は中々にえげつないですね。でも終盤のアイヴィの生死を賭けたドラマには息を呑み結果に大満足しました。活劇のサスペンスはあの強い人狼アルファのマコン卿が襲撃され不覚を取るシーンにハラハラドキドキし強烈に心が痛みました。そして人間ドラマでは、まず人狼界のチャラ男と呼べるビフィとライオール教授の友情を超えた禁断の愛とビフィについて意外な事実が明かされる面白さです。著者は前にマダム・ルフォーでも一度描いていますし抵抗感は無い様ですが、やはり広い読者の好みを考えて限定の場面に止めているのでしょう。そして最後はライオール教授の裏切りの秘密を隠していたアレクシア女史の思惑が夫マコン卿にバレてまたもや仲違いする夫婦生活の最大の危機ですが、これも19章での夫婦のしみじみとした未来への話し合いの場面に心から感動し深い満足を覚えました。でも正直アレクシア女史には大人しく落ち着かずにまだまだドタバタと活躍して欲しいですよね。このシリーズの最大の良さは、それぞれのメインキャラクター達がピンチを迎えても決して悲劇では終わらせないで良い方向に持って行って必ず復活させる著者の優しさにあるのだなと、この最高にドラマチックな最終作を読んでつくづく感じましたね。
あとがきによれば著者は英国異界族物語シリーズの過去と未来に舞台を移した2つのヴァージョンの刊行を予定されているとの事で、完全なフィナーレではなくお楽しみはまだまだ続きそうですので2013年以降の次なる展開に期待したいと思います。
伯爵夫人レディ・マコンことアレクシア女史は〈魂盗人〉の愛娘プルーデンスの子育てに並々ならぬ苦労をしながら多忙な日々を送っていたが、三千歳を超える世界最高齢の吸血鬼マタカラ女王から娘と共にエジプトへ招待され、丁度彼の地で起きた人狼失踪事件の謎にも心が向き結局は承諾する。夫マコン卿、親友アイヴィ、マダム・ルフォーらを連れた母娘は、やがて古代都市エジプトの地で恐るべき苦難に遭遇する事となるのだった。
今回も大小の奇妙な謎や少し過激で残酷なシーンや活劇のサスペンスに一喜一憂の人間ドラマの魅力等々がてんこ盛りになっていますね。小さな謎ではプルーデンスの口癖「ノー!」の最後に「成る程ね」と思わせられた意味、大きな謎はマタカラ女王の悲愴な望みと〈神殺し病〉に隠された過去からの企みに壮大な哀しみのドラマを感じました。唯アレクシア女史の父の人となりが全く描かれていないのは不満ですがこれは今後があるのかも知れませんね。過激で残酷なシーンは吸血鬼女王の牙により人間に施す変異の儀式で都合二回描かれる場面は中々にえげつないですね。でも終盤のアイヴィの生死を賭けたドラマには息を呑み結果に大満足しました。活劇のサスペンスはあの強い人狼アルファのマコン卿が襲撃され不覚を取るシーンにハラハラドキドキし強烈に心が痛みました。そして人間ドラマでは、まず人狼界のチャラ男と呼べるビフィとライオール教授の友情を超えた禁断の愛とビフィについて意外な事実が明かされる面白さです。著者は前にマダム・ルフォーでも一度描いていますし抵抗感は無い様ですが、やはり広い読者の好みを考えて限定の場面に止めているのでしょう。そして最後はライオール教授の裏切りの秘密を隠していたアレクシア女史の思惑が夫マコン卿にバレてまたもや仲違いする夫婦生活の最大の危機ですが、これも19章での夫婦のしみじみとした未来への話し合いの場面に心から感動し深い満足を覚えました。でも正直アレクシア女史には大人しく落ち着かずにまだまだドタバタと活躍して欲しいですよね。このシリーズの最大の良さは、それぞれのメインキャラクター達がピンチを迎えても決して悲劇では終わらせないで良い方向に持って行って必ず復活させる著者の優しさにあるのだなと、この最高にドラマチックな最終作を読んでつくづく感じましたね。
あとがきによれば著者は英国異界族物語シリーズの過去と未来に舞台を移した2つのヴァージョンの刊行を予定されているとの事で、完全なフィナーレではなくお楽しみはまだまだ続きそうですので2013年以降の次なる展開に期待したいと思います。