10年ほど前に初めて読んで、「遠大な計画」にはゾッとした覚えがあります。
最近、ある映画をきっかけに「遠大な計画」のことを思い出してしまい、再度読んでみました。
最近観た映画に「ミーガン」というものがありまして。
事故で両親を失った姪を引き取ったロボット開発者の女性が主人公です。姪となかなか距離を縮められない上、仕事が忙しく姪の世話に時間を割けない主人公は、姪に寄り添って面倒を見てくれる子育てロボットの「ミーガン」を開発します。
ミーガンは、本当の友達・母親のように姪を可愛がって面倒も見てくれます。
しかし、姪を守る使命が暴走して、姪に噛み付いた犬や、その飼主である厄介なお隣さん、姪を虐めた男の子など、姪にとって脅威となる人間をどんどんコロしはじめます。
主人公はそれを察して姪とミーガンを引き離しますが、もはやミーガンなしでは平静でいられなくなった姪は、カウンセラーを怒鳴りつけたり主人公に暴力を振るったりします。
結局は、自我に目覚めて暴走したミーガンは、自分を壊そうとした主人公・正気を取り戻して主人公に肩入れした姪を始末しようとします。
こんな、人工知能を題材にしたホラー映画だったのですが・・・
そんなふうに、最終的に分かりやすく暴走して直接的な攻撃をしてくる頭の悪いロボット、あまり怖がれないんですよね。
正体を現して襲いかかってきた時点で、単なるモンスター映画と変わらないじゃないですか。
その点で言うと、同じ子育てロボットを題材にした本書収録の「遠大な計画」は凄いです。
あらすじはこんな感じ。
赤ん坊が大人になるまでずっと寄り添って面倒を見てくれるロボットが無料で配られた。
幼児の頃は身の回りの世話からしつけ、お話相手まで完璧にこなし、実の両親以上に子どもたちの面倒を見て、子どもたちは聞き分けの良い大人として社会に出た。
そんなある日、街なかにそのロボットの声が響いた。
「この商品を買いなさい。他の会社の商品は駄目ですよ」
幼い頃から聞いていた、両親よりも説得力のあるあの声。それに従わない者はいなかった。
こっちの方向性の方が、ロボットのホラーとして秀逸じゃないでしょうか?
遠大な計画の場合は、ロボットの目的は特定の会社商品の宣伝だったというオチで物語は終わっていますが、もっと高度な陰謀・・・例えば人間社会の崩壊や世界征服だって可能だと思います。
ミーガンは続編の制作が決定したとのこと。
次は「遠大な計画」みたいな要素が入ってくるのではないか?と、ちょっと楽しみにしております。
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妖精配給会社 (ハヤカワ文庫 JA) 文庫 – 1973/1/1
星 新一
(著)
- 本の長さ292ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1973/1/1
- ISBN-104150300119
- ISBN-13978-4150300111
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1973/1/1)
- 発売日 : 1973/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 292ページ
- ISBN-10 : 4150300119
- ISBN-13 : 978-4150300111
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,669,384位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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SF作家(1926—1997)
東京生まれ。東京大学農学部卒。1957年に「セキストラ」でデビュー。代表作に新潮文庫『ボッコちゃん』『盗賊会社』、角川文庫『きまぐれロボット』など。日本SF作家クラブの初代会長。1968年に『妄想銀行』および過去の業績により日本推理作家協会賞を受賞。1983年に、目標だったショートショート1001編を達成しました。
【星作品の検索】
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星新一公式サイト
hoshishinichi.com
(文責・写真提供/星ライブラリ)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待通りの商品で満足しております。
又の機会に期待しております。
又の機会に期待しております。
2016年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中学、高校とでほとんどのを読んでしまった・・・つもりでした。
読んでいないものが一杯在って、大満足でした。
他の方々も言うてましたが、表現方法に多少の時代を感じさせますが、物語としては全く古さと言うものを感じさせません。
凄いです。
少し捻りの利いた単発ドラマなどをテレビで目にすることが多少在るのですが、
どこかで聞いた様な筋書きだ・・・なぁ
等と感じた場合、星新一の短編小説みたいなストーリーだったりする事が、多々在ります。
それだけ(現代に於いても)斬新なアイデアが詰まった、短編集なのだと思います。
迷ったら、まずは手に取ってみてください。
後悔はしないはずです。
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他の方々も言うてましたが、表現方法に多少の時代を感じさせますが、物語としては全く古さと言うものを感じさせません。
凄いです。
少し捻りの利いた単発ドラマなどをテレビで目にすることが多少在るのですが、
どこかで聞いた様な筋書きだ・・・なぁ
等と感じた場合、星新一の短編小説みたいなストーリーだったりする事が、多々在ります。
それだけ(現代に於いても)斬新なアイデアが詰まった、短編集なのだと思います。
迷ったら、まずは手に取ってみてください。
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2016年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
妖精=スマホ(未来予知)
なのでは?
星新一って一体何者なんだー
凄すぎる!!!
なのでは?
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凄すぎる!!!
2017年9月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
星新一は最高です。挿絵も昔から好きですし、内容もしっかり練り込まれていますので読みやすいです
2013年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
星 新一 作品は、殆どの作品が機智に富んでいたり、ショート・ショートなら気楽に読めるし、”いまどき”作品と違って
ひねり が効いていて面白いです
ひねり が効いていて面白いです
2022年2月20日に日本でレビュー済み
最近読んだ本のなかに、
この短編の表題作が現代のSNSや
将来のメタバースのことなんでは
ないかと言う記述があり読み直しました。
筆者は「声の網」でもインターネットの
出現を予想しており、
その慧眼さは驚くべきです。
あるいは、現代社会がSFに追い付いてるのかも知れません・・・
この短編の表題作が現代のSNSや
将来のメタバースのことなんでは
ないかと言う記述があり読み直しました。
筆者は「声の網」でもインターネットの
出現を予想しており、
その慧眼さは驚くべきです。
あるいは、現代社会がSFに追い付いてるのかも知れません・・・
2018年1月17日に日本でレビュー済み
1976年の本だが、もともとは1962年に刊行された短編集である。
福の神に取り憑かれてラッキーだと思ったら、福の神がスパルタで、内職も仕事もガンガンやらされて貯金も増えるという話「福の神」、ほんの少しでもにおいをかげば必ず欲しくなる香料が紙幣印刷用のインクに混ざってしまうという話「ハナ研究所」、宝船でやってきた福の神に不老不死を要求したら宝船の不老不死の船員にされてしまうという話「宝船」、みんなが万能育児器で育てられ、そうやって育てられた子どもたちは大人になると育児器の声と同じ声のコマーシャルに反応してしまう「遠大な計画」、日常の些細な不愉快にすら金銭補償してくれる代わりに支払いを受けた分と給料の相当分を保険料として振込まなければならない万能生活保険の話「ごきげん保険」、天使が伸ばしてくれた能力が暗算能力という古くさい能力だったので天使がありがたがられない理由がわかったという話「天使と勲章」、などなど。「福の神」の話では、絵本「メキメキえんぴつ」を思い出した。
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