なんだ？なんだ？と進む序盤。
ふむふむと慣れてくる中盤。エンズビルが徐々に明らかになっていき
烈火のごとく突き進むクライマックスな終盤。静かだけど驚きと清々しさのラスト。
そして玄鬼の思った人間と創造主の関係、推測にはぞくぞくっときた。
その発想、意外になかった。30年前でも十分に新しい。
神林長平作品は雪風改、グッドラック、アンブロークンアロー
いま、集合的無意識を、と読んでいますが
この作品がもっとも他人に薦めやすい面白さ、読み易さがあると思いました。
雪風は一作目の空戦描写で尻込みする人も多そうで、、、。
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ヒト、神、アンドロイド、そして、猫。
「言葉使い師」神林長平の、ため息のこぼれるような幻想的な物語です。後に「火星三部作」と呼ばれる作品群の嚆矢となる本作の舞台は、もちろん火星。アンドロイドに地上を支配された火星で生きる者たちに起こる事件と、秘かに街中でささやかれる、「エンズビル」の神話。やがて明らかにされていく火星の秘密は、かわいらしい猫とともに、一つの結末へと進んでいきます。22年前の作品ですが、ぜひご一読を。「プリズム」「言壺」とは違った神林作品の傑作のひとつが、ここにあります。
