台詞回しやストーリー展開が秀逸
どことなく『敵は海賊』の海賊課に似たユーモアとシュールさが溢れた会話で、登場人物がありありと描かれている
何やら小難しい設定はあるものの、物語を楽しむ分には問題なし
著者の他作品を読んでいて、機械と意識などについて考える機会のある読者はより一層楽しめるだろうし、神林長平の入門としてもおすすめできる作品
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今宵、銀河を杯にして ハヤカワ文庫JA 文庫 – 1995/7/1
神林 長平
(著)
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1995/7/1
- ISBN-104150305188
- ISBN-13978-4150305185
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (1995/7/1)
- 発売日 : 1995/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 392ページ
- ISBN-10 : 4150305188
- ISBN-13 : 978-4150305185
- Amazon 売れ筋ランキング: - 343,029位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1953年新潟県生まれ。1979年、第5回ハヤカワ・SFコンテスト佳作入選作『狐と踊れ』で作家デビュー。
第1長篇『あなたの魂に安らぎあれ』以来、独自の世界観をもとに「言葉」「機械」などのテーマを重層的に絡みあわせた作品を多数発表、SFファンの圧倒的な支持を受けている。『敵は海賊・海賊版』、『グッドラック 戦闘妖精・雪風』などの長短篇で、星雲賞を数多く受賞(以上、早川書房刊)。1995年、『言壺』で第16回日本SF大賞を受賞した。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2002年12月8日に日本でレビュー済み
植民惑星で鉢合わせした異星人同志が始めた戦い。
そこでしたたかに生き延びる一台の戦車にまつわる物語。
おかしな三つ巴の様相を呈する惑星の状況設定は興味深いが、メインの楽しみとなったのは登場人物達のどこか達観した台詞。
終盤は急ぎすぎる感がある。
そこでしたたかに生き延びる一台の戦車にまつわる物語。
おかしな三つ巴の様相を呈する惑星の状況設定は興味深いが、メインの楽しみとなったのは登場人物達のどこか達観した台詞。
終盤は急ぎすぎる感がある。
2021年10月12日に日本でレビュー済み
神林長平という作家には、シリアス系とスラップステック系の2系統の小説があるが、今作はあきらかに後者に分類して良い作品。とにかく主役のアムジとミンゴの二人が如何に出撃しなくて済むかを考え、戦術コンピューターが混乱するぐらいの長い名前として戦車にマヘルの名前をつけたという設定からしておかしい。しかもその混乱したコンピューターが脱走して野生化してしまったりとか、コンピューターにトランキライザーを使うとか、かなり擬人化した表現が出てくる。ノリは、「敵は海賊」シリーズに近い。またシャーマン少尉もお坊ちゃん的なのんびりムードをかもし出しておりいい味出している。とにかく登場する人物が一癖も二癖もある人間臭い奴等ばかりなのも良い。
また戦車と飛行機という違いはあるものの世界観に関しては、「雪風」にかなり近い。
舞台は異星:フェアリ星と惑星ドーピア
敵は異星体:ジャムとバシアン
戦う戦闘知性:雪風とマヘル
ただ、雪風がコミュニケーションを主題としていたのに対して本作は、機械が意識をもったらどうなるかというコンピューターの知性化について語られている。無意識(イド)を獲得して自己に目覚めるマヘル。そこには兵器なのに戦いたくないという矛盾が生じるなど・・・・・最終章に登場する「生命の場」なる物からもわかる通り、生命とは、意識(知性)とは、という問いかけがなされている作品なのですが、そこはスラップステック系・・・とにかく主人公たちが毎回飲んでいるので真剣な話にならず、そこで終わってしまっています。まあ、これはこれでこの作品的にはアリなんですけどね。
とにかく話も登場人物も結構好きなのですが、一番好きなのが題名で「今宵、銀河を杯にして」ってすごく粋なフレーズですよねえ。。最終章のタイトル「今夜は奢ろう」も気に入ってます。
あとオーソロイドという繁殖可能なアンドロイドが出てきたりとか、氏の代表作である「火星三部作」につながる設定もあり、神林ファンにはいろいろな読み方ができる作品。
また戦車と飛行機という違いはあるものの世界観に関しては、「雪風」にかなり近い。
舞台は異星:フェアリ星と惑星ドーピア
敵は異星体:ジャムとバシアン
戦う戦闘知性:雪風とマヘル
ただ、雪風がコミュニケーションを主題としていたのに対して本作は、機械が意識をもったらどうなるかというコンピューターの知性化について語られている。無意識(イド)を獲得して自己に目覚めるマヘル。そこには兵器なのに戦いたくないという矛盾が生じるなど・・・・・最終章に登場する「生命の場」なる物からもわかる通り、生命とは、意識(知性)とは、という問いかけがなされている作品なのですが、そこはスラップステック系・・・とにかく主人公たちが毎回飲んでいるので真剣な話にならず、そこで終わってしまっています。まあ、これはこれでこの作品的にはアリなんですけどね。
とにかく話も登場人物も結構好きなのですが、一番好きなのが題名で「今宵、銀河を杯にして」ってすごく粋なフレーズですよねえ。。最終章のタイトル「今夜は奢ろう」も気に入ってます。
あとオーソロイドという繁殖可能なアンドロイドが出てきたりとか、氏の代表作である「火星三部作」につながる設定もあり、神林ファンにはいろいろな読み方ができる作品。
2018年7月29日に日本でレビュー済み
昔SFマガジン連載時リアルタイムで読んでいて、何十年も後再読した。細かい内容はあまり覚えてなかったのに、「マヘル・シャラル・ハシ・バズ」と言う奇怪な長い戦車名と、それに伴うとぼけたエピソードは良く覚えていた。そのくらい印象的だったのだ。
これはもう読んでいて単純に楽しくなる。かと言ってSF的アイディアに抜かりはなく、なるほど、と膝を打つ事もしばしば。SF的スパイスの利いた一級品のエンタメ作と評価。個人的には名作だ。
これはもう読んでいて単純に楽しくなる。かと言ってSF的アイディアに抜かりはなく、なるほど、と膝を打つ事もしばしば。SF的スパイスの利いた一級品のエンタメ作と評価。個人的には名作だ。
2005年11月25日に日本でレビュー済み
マヘルシャラルハシバスは機械にも個性をとして戦車につけられた「戦利品に急げ」の意味である。この複雑な名前を立てに人生を楽しみ生きる戦車兵アイラとミンゴ。異性人との戦いの中、その本質を探究にきた戦車長シャーマン。次々に「まじめに」上層部を翻弄しつつ探求する彼らは、ついに全てを答える存在に出会うが。ウィスキー好きにはたまりません。
2008年1月4日に日本でレビュー済み
1987年に徳間書店から出た単行本の文庫化。
著者お得意の、戦車、機械の自意識、異生物との交戦、コミュニケーションの不可能性などのテーマが扱われている。
奇妙で、ハードな世界が描かれているという点では、神林らしさを楽しむことが出来る。しかし、読みやすくしようとの意図も感じられる。とはいえ、ストーリーはあってないようなもので、そういう意味ではちょっと退屈。神林作品としては、ハードとソフトの中間に位置する一冊だろう。
著者お得意の、戦車、機械の自意識、異生物との交戦、コミュニケーションの不可能性などのテーマが扱われている。
奇妙で、ハードな世界が描かれているという点では、神林らしさを楽しむことが出来る。しかし、読みやすくしようとの意図も感じられる。とはいえ、ストーリーはあってないようなもので、そういう意味ではちょっと退屈。神林作品としては、ハードとソフトの中間に位置する一冊だろう。
2001年12月25日に日本でレビュー済み
マヘル‐シャラル‐ハシ‐ハズという長い名をつけられた故に、数奇な運命をたどることになった戦車と、その操縦士たちの物語。
マヘル‐シャラル‐ハシ‐ハズに意志を与えようとする野生コンピュータや、人類の理解を超えた異生体、機械生命体との戦争という著者の代表作「戦闘妖精・雪風」にも共通するモチーフに、「雪風」とはまたちがった切り口から挑んだ意欲作。
「雪風」との最大の違いは「主人公たちが脳天気である」ということだろう。
いつも酒ばかり飲んでいる主人公たちにのせられて、なんだか酔っぱらったような酩酊感と共に、一気に読み終えてしまった。
とにかく機械であれ、人間であれ、難しいことはさておき生きているということは素晴らしいことだ、と単純に感じさせてくれる作品。
惑星ドーピアという奇妙な惑星の歴史の謎があかされていく経緯も、読み応え在り。
マヘル‐シャラル‐ハシ‐ハズに意志を与えようとする野生コンピュータや、人類の理解を超えた異生体、機械生命体との戦争という著者の代表作「戦闘妖精・雪風」にも共通するモチーフに、「雪風」とはまたちがった切り口から挑んだ意欲作。
「雪風」との最大の違いは「主人公たちが脳天気である」ということだろう。
いつも酒ばかり飲んでいる主人公たちにのせられて、なんだか酔っぱらったような酩酊感と共に、一気に読み終えてしまった。
とにかく機械であれ、人間であれ、難しいことはさておき生きているということは素晴らしいことだ、と単純に感じさせてくれる作品。
惑星ドーピアという奇妙な惑星の歴史の謎があかされていく経緯も、読み応え在り。