一見、SF戦闘機小説のようだが、むしろ専門用語が散りばめられた戦闘シーンは媒体に過ぎず、実際は人間の生き死に最も重点を置いた哲学小説である。
小説の中で、人間の存在を理解できないコンピュータ異星人との戦闘の中で、機械ではなく人間が戦場に立つ理由を何度も何度も問いかけてくる。そして、人間が戦場に立たなければいけない理由は、人間が生きる理由と密接に関係しており、「生きたいのに戦場に立つ理由」を探ることとなる。
また、異星人が作り出した人間のコピーの出現によって、主人公たちはより人間であることを再度自覚するようになる。人間についてとことん追求した一作と言えるだろう。
ウォージャンキーや無気力系などの言葉では一蹴できない、生に固執し、コンピュータに運命を預けながら、自身は戦場に最後まで立つことを覚悟している零はとても魅力だ。
理解を超えた異星人の描き方は、近年にヒットした「プロジェクトヘイルメアリー」に匹敵するものであり、1979年から連載が開始された小説だとは思えないクオリティだ。
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グッドラック: 戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-26) 文庫 – 2001/12/15
神林 長平
(著)
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- 本の長さ624ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2001/12/15
- 寸法10.5 x 2.5 x 14.8 cm
- ISBN-104150306834
- ISBN-13978-4150306830
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出版社より
戦闘妖精・雪風〈改〉 | グッドラック 戦闘妖精・雪風 | アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 | アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風 | |
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カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.6
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5つ星のうち4.6
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5つ星のうち4.8
822
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価格 | ¥814¥814 | ¥1,144¥1,144 | ¥924¥924 | ¥2,090¥2,090 |
『戦闘妖精・雪風』シリーズ | 地球への侵攻を開始した未知の異星体〈ジャム〉に反撃すべく、人類は惑星フェアリイに実戦組織FAFを派遣した。戦術戦闘電子偵察機・雪風とともに、孤独な戦いを続ける深井零の任務は、味方を犠牲にしてでも敵の情報を持ち帰るという非情なものだった――。日本SFの新時代を画したシリーズ第一作、改訂新版 | 戦術戦闘電子偵察機・雪風とパイロットの深井零は、未知の異星体ジャムとの熾烈な戦闘の日々をおくっていた。だが、とある作戦行動中に被弾した雪風は、零を機外へと射出、自己データを新型無人機へと転送する・・もはや人間は必要ないと判断したかのように。人間と機械の相克を極限まで追究したシリーズ第2作 | 地球のジャーナリスト、リン・ジャクスンに届いた手紙は、 ジャムと結託してFAFを支配したというロンバート大佐からの、人類に対する宣戦布告だった。 ついに開始されたジャムの総攻撃のなか、FAFと特殊戦、 そして深井零と雪風を待ち受けていたのは、 人間の認識、主観そのものが通用しない苛酷な現実だった。 『戦闘妖精・雪風〈改〉』『グッドラック』に続く、著者のライフワークたる傑作シリーズ、待望の第3作。 | ロンバート大佐を介在させたジャムは、対人類戦に勝利し、地球侵 入を果たした── それがFAF特殊戦の分析だった。機械知性らの 次の対ジャム戦略を練るために、クーリィ准将は特殊戦にアグレッ サー部隊を新設。雪風は地球連合軍の戦闘機との模擬戦に参加する |
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2001/12/15)
- 発売日 : 2001/12/15
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 624ページ
- ISBN-10 : 4150306834
- ISBN-13 : 978-4150306830
- 寸法 : 10.5 x 2.5 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 276,494位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1953年新潟県生まれ。1979年、第5回ハヤカワ・SFコンテスト佳作入選作『狐と踊れ』で作家デビュー。
第1長篇『あなたの魂に安らぎあれ』以来、独自の世界観をもとに「言葉」「機械」などのテーマを重層的に絡みあわせた作品を多数発表、SFファンの圧倒的な支持を受けている。『敵は海賊・海賊版』、『グッドラック 戦闘妖精・雪風』などの長短篇で、星雲賞を数多く受賞(以上、早川書房刊)。1995年、『言壺』で第16回日本SF大賞を受賞した。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シリーズ開始からもうすぐ40周年、自分が初めて読んで神林ファンになってから35年が経ちました。
このたび電子版として携帯したくなり再購入、今読み返しても本当に面白いですね。
背面吸気の長谷川メイヴの表紙デザインが本当にカッコよく、当時使っていたPCの壁紙にしていたことを思い出します。
(いくとメイヴもアリ、ですが不気味さが足りない気が)
このたび電子版として携帯したくなり再購入、今読み返しても本当に面白いですね。
背面吸気の長谷川メイヴの表紙デザインが本当にカッコよく、当時使っていたPCの壁紙にしていたことを思い出します。
(いくとメイヴもアリ、ですが不気味さが足りない気が)
2023年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「戦闘妖精・雪風(改)」と同じ8章から成っていますが、いずれも明らかに人間をターゲットとして
戦術転換してきたジャムを中心にストーリーが展開します。一作目は各章が夫々個別の展開でした。
二作目を読むと、一作目の各章は二作目のストーリーの為にFAFやフェアリー星の予備知識を与える
役割を果たしていたんだなと感じます。それだけに「グッドラック 戦闘妖精・雪風」はいよいよ
本編開始と言った感じで盛り上がっていきます。
でもまだまだ話は終わりません。ジャムの正体もまだ明らかにはなりません。なので三作目を読む
のが楽しみです。
戦術転換してきたジャムを中心にストーリーが展開します。一作目は各章が夫々個別の展開でした。
二作目を読むと、一作目の各章は二作目のストーリーの為にFAFやフェアリー星の予備知識を与える
役割を果たしていたんだなと感じます。それだけに「グッドラック 戦闘妖精・雪風」はいよいよ
本編開始と言った感じで盛り上がっていきます。
でもまだまだ話は終わりません。ジャムの正体もまだ明らかにはなりません。なので三作目を読む
のが楽しみです。
2011年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
未知の生命体<ジャム>との存在をとおして、人類、構成知性、ないしは自己と他者を画定を大きく考え直させる作品だ。
侵略異星人物の戦闘機SF小説、と侮っていると不意打ちを食らうだろう。
冒頭から「異星人が攻めてきても、それでも人類は一つになれなかった。地球人になりえなかった」といったくだりは、限りある土地の線引きに必死な人の矮小さをずばり指摘し、そのうえで「俺には関係ない」が口癖の他人に無関心な主人公の特異さを、すなわち作風をビシッと提示できてうまい。
難点をいえば、文章がくどいこと。
以下、本書の文書の癖をまねつつ感想を書こう、それがどれだけ真似られるかというと、しかし不安ではあったが、ただその雰囲気をなんとなく掴めるだろう、と私は楽観する。
くどいと思うのは、まず接続詞の使い方が、センテンスのつなぎに多用しすぎている、ということだろう、と私は考えている。“しかし”、の使いどころが、句点のつなぎに使うのでなく、トピックセンテンス的に使うのでもなく、読点のつなぎにつかうから、文章が長くなる、と私は分析した。したがって、文章の切りが悪いのだ、と感じてならい。3ページに1回くらいは、しかしかならず登場する言い回しなので、読んでいて疲れてしまうのだ、と読後に私はふけってしまうのである。
もちろん、それでも抜群におもしろい小説ではあるのだが、しかしそれだけに残念だ。
星5つから、しかし一つ引いておこう。
侵略異星人物の戦闘機SF小説、と侮っていると不意打ちを食らうだろう。
冒頭から「異星人が攻めてきても、それでも人類は一つになれなかった。地球人になりえなかった」といったくだりは、限りある土地の線引きに必死な人の矮小さをずばり指摘し、そのうえで「俺には関係ない」が口癖の他人に無関心な主人公の特異さを、すなわち作風をビシッと提示できてうまい。
難点をいえば、文章がくどいこと。
以下、本書の文書の癖をまねつつ感想を書こう、それがどれだけ真似られるかというと、しかし不安ではあったが、ただその雰囲気をなんとなく掴めるだろう、と私は楽観する。
くどいと思うのは、まず接続詞の使い方が、センテンスのつなぎに多用しすぎている、ということだろう、と私は考えている。“しかし”、の使いどころが、句点のつなぎに使うのでなく、トピックセンテンス的に使うのでもなく、読点のつなぎにつかうから、文章が長くなる、と私は分析した。したがって、文章の切りが悪いのだ、と感じてならい。3ページに1回くらいは、しかしかならず登場する言い回しなので、読んでいて疲れてしまうのだ、と読後に私はふけってしまうのである。
もちろん、それでも抜群におもしろい小説ではあるのだが、しかしそれだけに残念だ。
星5つから、しかし一つ引いておこう。
2023年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
航空宇宙系のSFが好き、かつ哲学的な話も嫌いではない方にオススメです。
初版時にハードカバーを買って読み、最近Kindle版を購入して読みましたが、現代の戦いの様相が、本作の戦いの様相に近付いてきているような気がして、改めて感動しました。
初版時にハードカバーを買って読み、最近Kindle版を購入して読みましたが、現代の戦いの様相が、本作の戦いの様相に近付いてきているような気がして、改めて感動しました。
2020年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』を読むために読み直しました。
前作『戦闘妖精・雪風〈改〉』が
戦闘知性体《雪風》+人間《深井零》vs未知の敵《ジャム》という図式だったのに対して、
本作は《雪風をはじめとする戦闘知性体群》vs《ジャム》という構図がより明確になり、
人類がそこにどう関わっていくのか~という話にシフトします。
前作が《戦闘》であるならば本作は《戦術・戦略》の話です。
なので前作のようなカッコいい空中戦やドンパチはありません。
ひたすら会話と考察、推察が続きます。少々退屈です。
しかし文庫版で624ページ、けっこう分厚い物を最後まで読ませてしまう力量はさすがと言わざるをえません。
少々退屈なんですが、確かに面白い作品ではあるのです。
星4か5か迷いましたが・・・・
第3部『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』に続きます
前作『戦闘妖精・雪風〈改〉』が
戦闘知性体《雪風》+人間《深井零》vs未知の敵《ジャム》という図式だったのに対して、
本作は《雪風をはじめとする戦闘知性体群》vs《ジャム》という構図がより明確になり、
人類がそこにどう関わっていくのか~という話にシフトします。
前作が《戦闘》であるならば本作は《戦術・戦略》の話です。
なので前作のようなカッコいい空中戦やドンパチはありません。
ひたすら会話と考察、推察が続きます。少々退屈です。
しかし文庫版で624ページ、けっこう分厚い物を最後まで読ませてしまう力量はさすがと言わざるをえません。
少々退屈なんですが、確かに面白い作品ではあるのです。
星4か5か迷いましたが・・・・
第3部『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』に続きます
2018年11月2日に日本でレビュー済み
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PanPanPan, code U uniform
2018年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
話が動き出している感じが凄くしました。
アンブロークンから続くこれはまさに承が詰め込まれた一冊ですね。
アンブロークンから続くこれはまさに承が詰め込まれた一冊ですね。