グインは前巻の引き以来出てきませんが、それ以外の中原各国の様子が綴られた巻です……と書いてしまうと「終盤間近でそんなにのんびりしているはずがない!」とツッコまれそうですが、本当にのんびりしています、様々な意味で。
風呂敷は徐々に、本当に徐々に畳まれつつあるかのようですが、本巻の主たるイベントは単に「少年らしさを失って変わり果てたイシュトが、カメロンとの精神的愛憎劇を繰り広げた挙句、我が子と対面して……」だけです。百巻にも亘る大河ロマンの終盤を疾走する勢いだとか、読者を巻き込んで放さぬ迫力だとか、急転直下の意外な事実だとか、そういう「終わり近辺ならではの力強さ、魅力」を期待して本書を手にすると、まず間違いなく裏切られた気持ちになります。
ただし、50巻前後のつもりで読むと、それなりに楽しめるかもしれません。
私は淡々と読了させていただきましたが、どうしてもこれが「95巻」だという実感が未だに湧いてきません。困ったものです。
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ドールの子―グイン・サーガ(95) (ハヤカワ文庫JA) 文庫 – 2004/6/10
栗本 薫
(著)
ドールの子—グイン・サーガ(95) (ハヤカワ文庫JA)
- 本の長さ311ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2004/6/10
- ISBN-104150307601
- ISBN-13978-4150307608
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2004/6/10)
- 発売日 : 2004/6/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 311ページ
- ISBN-10 : 4150307601
- ISBN-13 : 978-4150307608
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,094,089位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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別名に中島梓。東京生まれ。
早稲田大学文学部卒。1977年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。
1978年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。
小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。1979年よりスタートした、ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成したが、2009年著者病没により130巻が最終巻となった。著書は『弦の聖域』、『魔界水滸伝』、『真夜中の天使』など、400冊を超える。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2004年6月23日に日本でレビュー済み
アリとつるんだ(失礼)あたりから、イシュトには「もうだめ、ついていけないわ、あたし・・・」と椎名誠えがくウドンふう(どんなや)にクネクネしてしまい、正直、出てくるだけでとばし読みをしたくなる(!)くらい弱いんですよ。イタすぎるよ、この人。
でもなー。いろいろあってここまできちまったんだもんなあ。イタくてもなあ(しつこい)。
本当にねえ、あたしゃあねえ、グインがさっさと戻ってきていろんな問題にいっぺんにカタをつけてくれてね、みんな仲良くにこにこ笑って毎日楽しく暮らしました。ってな展開にならねえかなあと嘆息しながら読みました。
でもそんなことになったらそれこそファンタジーですよね。荒唐無稽という意味で。生きるってことは本当にいろんなことがありますよね。
私にはこの作品世界の人々が本当に道ですれ違ってもいいくらいのリアルさで「生きている」って思えるもんだから、もういいわるいとかの評価を超えて、とにかく早く続きが読みたい、先が知りたい、と、それだけです。
ってゆうか全百巻って「第一部」のことなんですよね? そいでもって全千巻、外伝百巻くらい、あったりまえなんですよね? ね?
でもなー。いろいろあってここまできちまったんだもんなあ。イタくてもなあ(しつこい)。
本当にねえ、あたしゃあねえ、グインがさっさと戻ってきていろんな問題にいっぺんにカタをつけてくれてね、みんな仲良くにこにこ笑って毎日楽しく暮らしました。ってな展開にならねえかなあと嘆息しながら読みました。
でもそんなことになったらそれこそファンタジーですよね。荒唐無稽という意味で。生きるってことは本当にいろんなことがありますよね。
私にはこの作品世界の人々が本当に道ですれ違ってもいいくらいのリアルさで「生きている」って思えるもんだから、もういいわるいとかの評価を超えて、とにかく早く続きが読みたい、先が知りたい、と、それだけです。
ってゆうか全百巻って「第一部」のことなんですよね? そいでもって全千巻、外伝百巻くらい、あったりまえなんですよね? ね?
2004年6月18日に日本でレビュー済み
リンダ、ヴァレリウス達は、相変わらず、国交情勢に悶々としてますが、でも、アドリアンのすごい回復具合が、非常に嬉しかったです。
意外と不幸になる人が多い中、パロに人もあんまりいないことだし、今後いい人になり、登場機会が増えそうな気配が・・・。
それよりも、イシュトヴァーンの荒み方、カメロンの想いを超えた生い立ちがそうさせていたんだって事。イシュトよ、あんまり無理しないで、ゴーラ王として、将来のグインとの戦いに向け、はやく心身ともに「紅の傭兵」のときのような強さを取り戻して欲しい、と思ってます。
もちろん、荒みきった彼の状態でもかなり強いのですが。
ま、とにかく、グインはどうなったんだ~!と思ってしまった95巻でした。
# イシュトで結構思わせることが描かれていたので、星4つにします。
意外と不幸になる人が多い中、パロに人もあんまりいないことだし、今後いい人になり、登場機会が増えそうな気配が・・・。
それよりも、イシュトヴァーンの荒み方、カメロンの想いを超えた生い立ちがそうさせていたんだって事。イシュトよ、あんまり無理しないで、ゴーラ王として、将来のグインとの戦いに向け、はやく心身ともに「紅の傭兵」のときのような強さを取り戻して欲しい、と思ってます。
もちろん、荒みきった彼の状態でもかなり強いのですが。
ま、とにかく、グインはどうなったんだ~!と思ってしまった95巻でした。
# イシュトで結構思わせることが描かれていたので、星4つにします。
2004年6月16日に日本でレビュー済み
心のキズから立ち直りつつあるヴァレリウス、イシュトヴァーンの荒み方に心を痛めつつも理解を深めるカメロン、などなど……わたしにはほろっとさせられたり、ニヤッとさせられたり、「つなぎ」感はまるでなく、むしろ「お得な気分にさせられる1冊」でしたよ。
彼らに課せられた運命が激烈であるからこそのヒロイック・ファンタジーだし、そこで生きる彼らの姿勢・生き方の多様さは、昨今のキャラが立っているだけのファンタジーとは一線を画しているとはっきり言えると思います。
星4つなのはグインが出ていないから(笑)
彼らに課せられた運命が激烈であるからこそのヒロイック・ファンタジーだし、そこで生きる彼らの姿勢・生き方の多様さは、昨今のキャラが立っているだけのファンタジーとは一線を画しているとはっきり言えると思います。
星4つなのはグインが出ていないから(笑)
2004年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
う~ん、前巻がある意味クライマックスに近い盛り上がりだった事を考えると多少、物語的には物足りなくも感じますね。ただ、それぞれのキャラクターに希望的な明るさが少ない事とある意味、リアルな人間関係の描写には私的には辟易です。ディーンは相変わらずだし、イシュトは○○だし・・・何よりもシルヴィアが可哀想に感じるのは変なのかな。ファンタジーな世界観の中にリアルな肉欲は必要無いと思いますし、ここまでいじめるか作者!などと思います。
2004年8月3日に日本でレビュー済み
この巻を一言で言うなら、「無責任な当事者に翻弄される人々の苦労談」と言ったところでしょうか。
ディーンは今回に限った事でないにしろ、読んでいてむかつく事しきり。
盤石とも言えるケイロニアでは例の人による醜聞
極めつけは、物語の大半で主役を張っているかの御仁の痛すぎる発言。
も~この人達の発言は、中年読者には耐えられないっす(ま~仕方ないけれど)。
表向きには、ヤンダルの侵攻目的も無くなった今、事後処理に向けて責ある人は粛々と事の回復に尽力を
つくす光景にはうたれるものはあります。
気になるのは、作者が妙に100巻前で盛り上がっているのが、なんだか白けムードを醸し出しているのは
気のせいでしょうか?
今までは、発売初日に買い、1,2日で読み通せる魅力がありましたが、今回は、数ページ読んで、放置期間
が一ヶ月以上という・・・快挙をやってしまうほど・・こんなに求心力のない物語だったのかなぁ?
ファン100%が今の内容を肯定しているとは限らない事を理解して欲しいです。
ディーンは今回に限った事でないにしろ、読んでいてむかつく事しきり。
盤石とも言えるケイロニアでは例の人による醜聞
極めつけは、物語の大半で主役を張っているかの御仁の痛すぎる発言。
も~この人達の発言は、中年読者には耐えられないっす(ま~仕方ないけれど)。
表向きには、ヤンダルの侵攻目的も無くなった今、事後処理に向けて責ある人は粛々と事の回復に尽力を
つくす光景にはうたれるものはあります。
気になるのは、作者が妙に100巻前で盛り上がっているのが、なんだか白けムードを醸し出しているのは
気のせいでしょうか?
今までは、発売初日に買い、1,2日で読み通せる魅力がありましたが、今回は、数ページ読んで、放置期間
が一ヶ月以上という・・・快挙をやってしまうほど・・こんなに求心力のない物語だったのかなぁ?
ファン100%が今の内容を肯定しているとは限らない事を理解して欲しいです。
2004年6月16日に日本でレビュー済み
95巻。このシリーズは全100巻を目標にしていたはずなのだが、やはり100巻では収まりそうもない。この巻では、主人公のグインから離れて、イシュトやリンダ、グインなきケイロニアなどの話が中心である。そして感想だが、うーオクタビィアが・・・・。あとイシュトの精神の中心にあるモノが少しわかってきます。カメロンではないですが、「なるほど!」と思いました。
主人公が登場しない巻ですが、読み応えはあります。あと少しで100巻なんですよね、残念。
主人公が登場しない巻ですが、読み応えはあります。あと少しで100巻なんですよね、残念。
2004年6月10日に日本でレビュー済み
94巻でグインはどうなる?と思わせながら、今回はその他の主要人物―リンダ、マリウス、イシュトバーン、カメロン―の状況を描く、つなぎ的な展開になっています。なんとなく中休みっぽくて、早く次の巻が出ないか、という、物足りない気持ちが残りました。
印象に残ったのは、後半のイシュトバーンの荒み方です。カメロンにも難しく、自分の子にまでまともに接することもできず、救いがないので、読んでいて暗い気持ちになりました。なんとか、最後に彼にも良い展開が少しでもあるといいのですが・・・作者にお願いしたい心境です。
印象に残ったのは、後半のイシュトバーンの荒み方です。カメロンにも難しく、自分の子にまでまともに接することもできず、救いがないので、読んでいて暗い気持ちになりました。なんとか、最後に彼にも良い展開が少しでもあるといいのですが・・・作者にお願いしたい心境です。