大学生の主人公が、ネット上と現実で奮闘したり自分勝手したりする話です。タイトルに書いた通り、三つの要素が実に綺麗にミックスされており、また「ロールプレイ」「ウメハラ」などのメタ的な情報も散りばめられていて、格闘ゲームもネットゲーム(そして青臭い恋愛)もやりこんだ事のある自分としては実に楽しく読む事ができました。逆に、これらの経験がない方では、「なんだこの話?」と思うでしょう。ページ数もあまり多くなくすんなり読みきれてしまいますが、読後も実に印象に残る良い作品だと思いました。

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スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800)) 文庫 – 2005/6/9
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- 本の長さ268ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2005/6/9
- ISBN-104150308004
- ISBN-13978-4150308001
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2005/6/9)
- 発売日 : 2005/6/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 268ページ
- ISBN-10 : 4150308004
- ISBN-13 : 978-4150308001
- Amazon 売れ筋ランキング: - 331,283位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- 2014年11月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入「All You Need is Kill」で知った桜坂氏の作品。
「All You~」でも感じたゲーム的な世界観ですが、今回は、「格闘ゲーム」がまさに題材になっています。
「All You~」や「ソードアート・オンライン」的なフィクション(SF感)を求めていたのですが、ゲーセンで格闘ゲームに打ち込む大学生の成長物語、という感じで、題材のゲームもシンプルな格闘ゲーム(相手を殴ってHPが0にしたら勝ち)なので、単調さは否めません...。
余程「俺も大学生の頃、格ゲーにはまったなあ」という人以外は、あえて読むものでもないかなと、思いました。
- 2011年7月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入AllYouNeedIsKillを出した桜坂氏の小説の中でも特にドライな空気の漂う作品だと感じました。
オンライン対戦ゲームに熱中する大学生が主人公の物語で、
現実とゲームの中での出来事が主になっています。
私が特に気に入ったことは、対戦ゲームに打ち込む主人公の思考や戦闘の描写に惹かれました。
実際に対人での格闘ゲームをプレイしたことがある人なら共感できる描写が多く、
主人公の焦りや高揚感、強者との対戦での緊張感を感じ取ることが出来ます。
この小説は是非ゲーム好き、格闘ゲーム経験者、興味ありな人に手に取っていただきたいです。
それ以外の人は少し理解できなかったり、面白さも半減するかもしれませんが…
- 2009年2月19日に日本でレビュー済みもてないオタクの願望充足妄想の域を出ていない。
言うまでもなく人の生は空虚であり、
人間たちが「現実」と呼んでいるものも1つのフィクションに過ぎない。
そして、完璧な作り物であり、虚ろな幻を描き出すコンピューターゲームは、
現実のフィクション性と人間の虚無を画面へと映し出す機能を備えている。
最初、醒めた主人公を見た僕は、
この小説はその事を書いてくれるものかと期待した。
…期待した俺がバカだった。
彼の虚無はベタな「オタクの格好つけ」でしかなかった。
だから彼の虚無()は、女と付き合えば簡単に消滅する。
要するにこの話は、
「俺様は最高にニヒルでクール!と思ってるナルシズム全快のもてないオタクが
棚ぼたでかわいい女の子と付き合っちゃって超ハッピー!」という感じの話。
僕はゲームを扱ったフィクションに求める水準が非常に高い上、
「韜晦して悦に入ってるオタクほどうざいもんはない」
という常識的な感性も備えているため、読んでいて耐え難かった。
- 2005年7月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入テンポ良く、一気に読み終えることが出来ました。
ゲームをする人って、作中で描かれるようポリゴンのゲームキャラクターに感情移入してプレイしているのでしょうか?
ゲームに依存する青年がゲームによって成長していく物語です。
舞台が現在、か、極近未来のオンラインゲームの世界であってヴァーチャルな世界でないのが特徴でしょうか。
現実感のある物語だと思います。
- 2010年8月8日に日本でレビュー済み僕はこの作品が無性に好きです。
この作品こそ、桜坂洋の最高傑作なんじゃないかと思っているくらい。
物語は淡々としていて、確かに盛り上がりに欠ける。
だがそれは作者の狙い通りなのです。
出版社もその淡々をよく理解している。
絵師のtoi8はこの作品に先んじて、押井守の『アヴァロン』の挿絵を書いている。
押井守のアバロンを夭折のSF作家伊藤計劃は「ずっと沈んでいくような」作品だと述べていました。
スラムオンラインもまた沈んでゆくような、そんな作品でした。
アバロンでもスラムオンラインでも、主人公は感情の起伏を極端なまでに平板にし、
じっと目に写るものを説明し続ける。
なんとも言えず淡々としている。
間違いなくtoi8の起用は、様々な共通点を意識した結果のことだったはずです。
そして、桜坂洋は伊藤計劃の『虐殺機関』に向けて、こんなコメントを発している。
「僕の書きたかったものが全て詰まっている」と。
『虐殺機関』は未来の管理社会を描いた作品で、主人公は洗脳されていて一切の感情を消されている。
そうして感情を消された主人公が“淡々と一人称で語り続ける”。
これは偶然でしょうか。
僕は勘繰ってしまいました。
兎にも角にも、この作品には桜坂洋の「書きたい」と言う衝動が溢れているように感じました。
キャラクターが薄くて淡々としたストーリーですが、
SF好きは是非とも近代作家の連関を繋ぐ作品として目を通して置くべき作品だと思います。
ちなみに短編として北海道に行った友達の話が存在しますが、蛇足だから読まない方が良いです。
押井守のアバロンも続編みたいなのが出てますが評判悪いです。
- 2008年4月7日に日本でレビュー済みアーケードで、対戦格闘をやり込んだ人
には、共感と郷愁を抱かせるだろう作品。
格ゲーとは、ルールを覚え、技の修練を積んでいくことで、
リアルでは実現できない、自由で拡張された身体性を獲得
していく営為だと一応、(部分的ですが)定義できます。
このことは、単に自分の使用キャラに感情移入しているのではなく、
新しい「自分」を創り出しているのだ、とも言い換えられます。
主人公のリアル探しが主題である本作において、
お仕着せの物語をなぞるだけのRPGでなく、
自らの身体性と向き合う格ゲーが題材として
選ばれたのは、そのあたりとも決して無関係
ではないと思います。
- 2005年6月12日に日本でレビュー済みミもフタもない書き方をすると、そういう小説です。舞台の半分は
「バーサス・タウン」というオンライン3D格闘ゲームのなか。主人公は
そのゲームにはまっている大学生で、かなりの腕前のプレイヤーです。
彼が「辻斬りジャック」という謎の凄腕プレイヤーの噂を聞いて、興味
を持つところから物語は始まります。
ネット上でバトルして買ったり負けたり、情報収集しながらジャックの
正体に迫っていくのがいわばオンラインパート。それだけでは味気ない
と思ったのか、同時進行で現実世界での主人公とヒロインの不器用な
恋愛を描いています。こっちがオフラインパートですな。
オンラインパートではとにかくこのゲームが魅力的に描かれていてよい
です。対戦中の描写など、ゲーム雑誌の攻略記事を読んでる時のように
脳内に画面が浮かんでくるかのよう。特にクライマックスの対戦シーン
では、それまでの細かい描写がまるで伏線のように生かされて、ゲーム
システムの限界に挑むかのような熱戦が展開します。センスオブワンダ
ーです。かっこいいです。
そしてプレイヤーの描写がいい。ゲーム好きなら一度は自問自答する
「なぜゲームをやるのか?」という問いに作者なりの答えがきちんと
示されています。それは読んでのお楽しみですが、一人のゲーム好きと
しての考えを代弁してもらったような気になりましたよ。
格ゲーを知らなくても、ゲーム好きなら楽しめる小説だと思います。
ゲームを知らない人はゲームをやってから読むか、眼鏡っ子ヒロイン
萌えの恋愛小説として読んで見るのもいいんじゃないでしょうか。