相変わらず、読んでいると気持ちがなごんでしまう不思議な文章。
この人の最大の売りはそこでしょうか。
でもそれだけではない事をこの本は証明してます。
読んでいる途中で、これは連作短編集だということに気がつきました。
それぞれの話に微妙な繋がりがあり、次第に物語に舞台となっている世界観に気がつかされます。
もしかしたら、異星人による侵略テーマのSFかなって思います。
曖昧にしか表現できないのは自分が作者の意図にはまった読み方をしているからでしょう。
同じストーリー、アイディアを神林長平が書いたら、ものすごく硬骨な物語になると思います。
そんな想像をしたくなる奥深い物語です。
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どーなつ (ハヤカワ文庫 JA Jコレクション) 文庫 – 2005/7/21
北野 勇作
(著)
- 本の長さ309ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2005/7/21
- ISBN-104150308063
- ISBN-13978-4150308063
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2005/7/21)
- 発売日 : 2005/7/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 309ページ
- ISBN-10 : 4150308063
- ISBN-13 : 978-4150308063
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,019,551位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962年生まれ
『昔、火星のあった場所』でデビュー。
SFとか書く。
暗闇で朗読をする。
たまに芝居とかする。
著作
『かめくん』『きつねのつき』『カメリ』
『大怪獣記』『人面町四丁目』
『水から水まで』他
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年8月8日に日本でレビュー済み
短編集のような短編集でないような・・?
最初のお話を読んだときは、星新一さんのショートショート
みたいな感じの本なのかな?と思ったのですが
読み進むにつれて、なんか変だぞこれ?という感じというか
感覚に陥っていきます。
あれ?あ、そうか、いや・・・でも?うーん?と口に出しながら
読みました(笑)
アメフラシが作品の中のイメージのひとつに使われていますが
まるで作品全体がアメフラシのようにぐにゃぐにゃと形がくずれていて
でもアメフラシという存在としてきちんとあるみたいな。
読んでるうちに、自分が存在する現実の感覚までぐにゃぐゃしてくるような・・・
そんな面白い感覚が味わえた本です。お勧めです♪
最初のお話を読んだときは、星新一さんのショートショート
みたいな感じの本なのかな?と思ったのですが
読み進むにつれて、なんか変だぞこれ?という感じというか
感覚に陥っていきます。
あれ?あ、そうか、いや・・・でも?うーん?と口に出しながら
読みました(笑)
アメフラシが作品の中のイメージのひとつに使われていますが
まるで作品全体がアメフラシのようにぐにゃぐにゃと形がくずれていて
でもアメフラシという存在としてきちんとあるみたいな。
読んでるうちに、自分が存在する現実の感覚までぐにゃぐゃしてくるような・・・
そんな面白い感覚が味わえた本です。お勧めです♪
2006年10月4日に日本でレビュー済み
文章は端的。
なおかつ感情を冗長する要素をもたない。
揺さぶられるのは心ではなくあたま。そのためか郷愁とは違う風景。
記録と記憶、目に見えるもの見えないもの。自分のもの他人のもの誰かのもの。
スタンダードでもアンダーグラウンドでもない奇怪な作品。
なおかつ感情を冗長する要素をもたない。
揺さぶられるのは心ではなくあたま。そのためか郷愁とは違う風景。
記録と記憶、目に見えるもの見えないもの。自分のもの他人のもの誰かのもの。
スタンダードでもアンダーグラウンドでもない奇怪な作品。
2013年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短編連作です。よくわからないままの戦争、曖昧な記憶、アイデンティティー、「ここはどこで自分は、彼は何者か?」。内容はハードなのにどこかのほほんとした語り口で語られる北野勇作さんらしい物語。日常を日常として受け入れながらも孤独感と寂寥感を感じている「おれ」の物語に切なさとどこか郷愁を感じる。自分にある「記憶」が北野さんの描く世界にも漂っているかのよう。
2004年12月14日に日本でレビュー済み
40台の中年SFファンです。著者の本は「どーなつ」が初めて。
逃げていく「脳」や、夜中に勝手に動く「電気熊」、あるいは「海馬」という名の男など、魅力的なエレメンツがちりばめられいるが、手からすり抜けていくような世界観を感じた。
作中アメフラシが、重要な役回りで登場していたが、中年の私には、物語自体つかみ所が無く、アメフラシのような肌触りの一冊でした。
坂本 康宏の「シン・マシン」にも同じような感想を抱いたのだけれども、濃密な物語性で読者を引き込む手法は取らず、小説の特異な舞台や道具・アイディアをつなぎ合わせて引き込むタイプの作家なのかな。
この脱力感って中年には少し味付けが薄いなぁ・・・
北野さんごめんね。
逃げていく「脳」や、夜中に勝手に動く「電気熊」、あるいは「海馬」という名の男など、魅力的なエレメンツがちりばめられいるが、手からすり抜けていくような世界観を感じた。
作中アメフラシが、重要な役回りで登場していたが、中年の私には、物語自体つかみ所が無く、アメフラシのような肌触りの一冊でした。
坂本 康宏の「シン・マシン」にも同じような感想を抱いたのだけれども、濃密な物語性で読者を引き込む手法は取らず、小説の特異な舞台や道具・アイディアをつなぎ合わせて引き込むタイプの作家なのかな。
この脱力感って中年には少し味付けが薄いなぁ・・・
北野さんごめんね。
2006年8月3日に日本でレビュー済み
何かがぽっかりと欠けているが、補完への渇望や焦燥感は無い。いや無いというよりは、それすらぼやけているのか。考えてみれば思い出ってそういうものだ。
つまり、雨の向こう側に垣間見える思い出についての物語と言える。
ぼんやり美しい。
つまり、雨の向こう側に垣間見える思い出についての物語と言える。
ぼんやり美しい。
2002年5月30日に日本でレビュー済み
半径五キロメートルのドーム状の物体『爆心地』。
外部から内部を観測することはできず、内部に入った者は記憶を改変されてしまう。
さらに、人工知熊という作業機械。電機熊の腹に入り、神経を接続して操縦する。 この時、前に乗っていた他人の記憶が移入してしまう。
さらには、逃げ出す脳がでてくる。実は人間そっくりの異星人がいる。生体コンピュータに改造されたアメフラシが出てくる。
と、記憶や人格が曖昧になるギミック満載。
これがP・Kディックや神林長平なら、本当の自分や本当の世界を求めて四苦八苦し、その中で現実だと思っていた悪夢の幻想が崩壊し、さらなる悪夢へと進んでいくだろう。
だが、この「どーなつ」に出てくる登場人物たちは、突き進まない。行動がのほほーんというか、もはやパーソナリティまでのほほーんとしている。 ノスタルジックな世界の中で、曖昧な自己を 曖昧なまま受け入れている。 本当の自分など探さないで癒される奇妙な味の傑作。
外部から内部を観測することはできず、内部に入った者は記憶を改変されてしまう。
さらに、人工知熊という作業機械。電機熊の腹に入り、神経を接続して操縦する。 この時、前に乗っていた他人の記憶が移入してしまう。
さらには、逃げ出す脳がでてくる。実は人間そっくりの異星人がいる。生体コンピュータに改造されたアメフラシが出てくる。
と、記憶や人格が曖昧になるギミック満載。
これがP・Kディックや神林長平なら、本当の自分や本当の世界を求めて四苦八苦し、その中で現実だと思っていた悪夢の幻想が崩壊し、さらなる悪夢へと進んでいくだろう。
だが、この「どーなつ」に出てくる登場人物たちは、突き進まない。行動がのほほーんというか、もはやパーソナリティまでのほほーんとしている。 ノスタルジックな世界の中で、曖昧な自己を 曖昧なまま受け入れている。 本当の自分など探さないで癒される奇妙な味の傑作。
2020年10月7日に日本でレビュー済み
ハヤカワ文庫JA『100文字SF』読んだ流れで。
発表から20余年、
今の北野センセイなら100文字で語りつくせるかも・・・?
発表から20余年、
今の北野センセイなら100文字で語りつくせるかも・・・?