「日本推理作家協会賞」と「本格ミステリ大賞」のダブル受賞、という快挙にひかれて購入した。今から15年ほど前のことである。しかしこれだけ長い間放置していたのだから、何となく「おもしろくなさそう」という予感はずっとあったのである。
僕はやっとの思いで、ひと夏かけて毎日少しずつこの上下巻の長い小説を読んだ。不思議なことに、きのう読んだ内容をきょう忘れ、きょう読んだ内容はあすには忘れてしまう、というような何ひとつ心に引っかかるものがない読書体験だった。そもそも僕はミステリファンではあるけれど、SFは苦手だし…(SFを好きになれたらとは常々考えているのだが)。
しかし内容はさておき、よかったところもある。それは、思いのほか文章が読みやすかったことだ。旧仮名遣いで書かれたパートもけっこうあるが、全体的に流れるような端正な文章だったと思う。名調子と言ってもいいだろう。音読してみると、そのことがよく分かる。
あとは、登場人物の名前の付け方もふるっている。善知鳥良一(うとうりょういち)、黙忌一郎(もだしきいちろう)、占部影道(うらべえいどう)、小城魚太郎(こしろうおたろう)、真矢胤光(まやたねみつ)と、なかなかインパクトがある。でも、どの人物もさっぱり心に残らないから不思議だ。それだけ身が入らない読書だったということだろう。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥990¥990 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥990¥990 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥54¥54 税込
配送料 ¥297 6月17日-20日にお届け
発送元: ブックサプライ北大阪DC 販売者: ブックサプライ北大阪DC
¥54¥54 税込
配送料 ¥297 6月17日-20日にお届け
発送元: ブックサプライ北大阪DC
販売者: ブックサプライ北大阪DC
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ミステリ・オペラ (下) (ハヤカワ文庫 JA (812)) 文庫 – 2005/8/25
山田 正紀
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥990","priceAmount":990.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"990","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"tXi0KOXa2IdqEeeIQtyquzUHqoi%2FSZB%2BvUSs%2Bf9H5XA14Xma1e6IyFntIjrONVmM8Zq3eSFO1US02yAF5yNCkpoLS%2FrUoAnsKOABE%2BmFK8bRU5IHSGMl8%2B7vMxUy8e1D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥54","priceAmount":54.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"54","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"tXi0KOXa2IdqEeeIQtyquzUHqoi%2FSZB%2Bchu4Vtf%2BUB7ExE8Vh4nPIAmmW8W6KRzszjUiXjUAUPrLwkAorsF7EBfTtJoVLL1eRetsGuc7JYOSjJuiKFi1AmLk7sIvCVv2YLnCKElDZI8UWi%2BjXiDgSezVE%2FyFo5HZ7Io5BtZCazuDF2LzPy91DQ%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
- 本の長さ579ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2005/8/25
- ISBN-104150308128
- ISBN-13978-4150308124
よく一緒に購入されている商品
対象商品: ミステリ・オペラ (下) (ハヤカワ文庫 JA (812))
¥990¥990
最短で6月14日 金曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
¥990¥990
最短で6月16日 日曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2005/8/25)
- 発売日 : 2005/8/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 579ページ
- ISBN-10 : 4150308128
- ISBN-13 : 978-4150308124
- Amazon 売れ筋ランキング: - 636,683位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.6つ
5つのうち3.6つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
15グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
少し冗長な感じがしたが、三部作の中では一番のできだと思う。昭和史の闇の部分を描いた作品である。
2021年1月2日に日本でレビュー済み
「本格探偵小説のあらゆるガジェットを投入」して、完璧な本格探偵小説が出来上がるのなら良いが、山田正紀の場合は当然そうはいかない。むしろ出来上がったのは「本格探偵小説のごった煮SFスパイス和え」である。『ドグラ・マグラ』、『Yの悲劇』、『僧正殺人事件』、『黒死館殺人事件』、そして「加賀」警部補、「鬼が貫くとか、鬼の面、とかいふ意味合ひの、変つた名の警部」に加えて、「この世に不可能なことなど何もありません」という台詞まで登場する。伝記ミステリーと、SFと、推理小説のキメラ的な融合。
犯罪状況を構成するトリックは、文脈抜きに語ったならばあきれられること必至の、殆どが「掟破り」か、あるいは「反則」すれすれであるのだが、それが物語の中では不思議に存在感を保つ。と言うのも物語全体が既に十分破天荒であるからだ。ジャンルを超越し、もはや「物語」とでも言うしかないストーリーが、昭和13年と平成元年の二つの時空において同時に進行する。そして「平行宇宙」論が時空の間隙を結ぶ。いまではその存在の可能性が当たり前のように語られる「平行宇宙」(または「分岐宇宙」)については、実は実在と認識の混同という致命的な欠陥が存在し、その点においてこの理論は成立しえないどころか根本において誤っていると思われるのだが、それはまた別の話である。
ともかくも分裂した時空が重ね合わされるラストシーンは、一枚の風景画のように鮮やかである。
犯罪状況を構成するトリックは、文脈抜きに語ったならばあきれられること必至の、殆どが「掟破り」か、あるいは「反則」すれすれであるのだが、それが物語の中では不思議に存在感を保つ。と言うのも物語全体が既に十分破天荒であるからだ。ジャンルを超越し、もはや「物語」とでも言うしかないストーリーが、昭和13年と平成元年の二つの時空において同時に進行する。そして「平行宇宙」論が時空の間隙を結ぶ。いまではその存在の可能性が当たり前のように語られる「平行宇宙」(または「分岐宇宙」)については、実は実在と認識の混同という致命的な欠陥が存在し、その点においてこの理論は成立しえないどころか根本において誤っていると思われるのだが、それはまた別の話である。
ともかくも分裂した時空が重ね合わされるラストシーンは、一枚の風景画のように鮮やかである。
2010年10月24日に日本でレビュー済み
万人に気に入られる作品ではありません。読むのにかなり時間が必要です。でも戦争の闇が好きな方にはお薦めです。
2018年2月3日に日本でレビュー済み
購入した人たちがどれくらいの割合で最後まで読んだか、データを集めてほしい。
読み切った私は時間を返してほしい。
先ず、謎解きは、やたらとご都合主義の連続である。あまりにも死に方が安易。偶然頭を打っただけで、それほど簡単に人は死なない。
桐子は、目が不自由→不安から精神錯乱→いろんなことをパラレルワールドで考えるようになった、ということだが、目が悪いのにタクシーの中で原稿が、それも虫食いのしたようなものが精読できるのか?など突っ込みどころ満載。
題名のごとく恩田氏からも高く評価を得ている。
第2回本格ミステリー大賞をとったとのことであるが、こんなんでいいのか?この賞はミステリー作家たちのオナニーではないだろうか?とさえ考える(本文中に本人SF作家が探偵小説作家に媚びを売っている、ような会話が多い)
でぇ、前半に出てきたフリーメイソンの話はどうなったの?
山田先生は大病を患われたと最後に書いてあるが、たしかに大変だったと思うが、この話がこのミステリ・オペラという長い長い、疲労感を読後に感じる作品に、同情することを強いられているようで残念である。
読み切った私は時間を返してほしい。
先ず、謎解きは、やたらとご都合主義の連続である。あまりにも死に方が安易。偶然頭を打っただけで、それほど簡単に人は死なない。
桐子は、目が不自由→不安から精神錯乱→いろんなことをパラレルワールドで考えるようになった、ということだが、目が悪いのにタクシーの中で原稿が、それも虫食いのしたようなものが精読できるのか?など突っ込みどころ満載。
題名のごとく恩田氏からも高く評価を得ている。
第2回本格ミステリー大賞をとったとのことであるが、こんなんでいいのか?この賞はミステリー作家たちのオナニーではないだろうか?とさえ考える(本文中に本人SF作家が探偵小説作家に媚びを売っている、ような会話が多い)
でぇ、前半に出てきたフリーメイソンの話はどうなったの?
山田先生は大病を患われたと最後に書いてあるが、たしかに大変だったと思うが、この話がこのミステリ・オペラという長い長い、疲労感を読後に感じる作品に、同情することを強いられているようで残念である。