骨太な名前の作者ですが、その名から受ける印象のように、作品は丁寧に書きこまれています。
あえて分かりやすくジャンルわけすればハードSFに分類されるのではないでしょうか。
しかし難解な設定の割には、それに拘束されない分かり易いストーリーが非常に良かったです。
小型ブラックホールを利用する為に組織されたAADD(人工降着円盤開発事業団)に絡む物語を中心とした連作短編で、それぞれの作品のテーマは少しづつ異なりますが、希望がもてる前向きな物語は読後感も良いです。
続編も出版されるようで、また、同シリーズの未書籍化作品もあるそうなので、文庫化された時には、ぜひ読みたいですね。
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ウロボロスの波動 (ハヤカワ文庫 JA) 文庫 – 2005/9/22
林 譲治
(著)
- 本の長さ436ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2005/9/22
- ISBN-104150308152
- ISBN-13978-4150308155
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2005/9/22)
- 発売日 : 2005/9/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 436ページ
- ISBN-10 : 4150308152
- ISBN-13 : 978-4150308155
- Amazon 売れ筋ランキング: - 857,262位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
AADD物のKindle版はこれだけと言うのはちょっと寂しいな。
確かJコレクションのシリーズで3冊有ったので、残り2冊もKindle版出して欲しい。
これがシリーズの最初なので、この後地球とAADDの対立やブラックホールの揺らぎから
ストリンガーの発見と意思疎通へ発展するので面白くなるのにな。
再読してみると、ミステリー要素が強いSF。
表題作はAIと人との外界の認識の仕方の違いが面白い。
確かJコレクションのシリーズで3冊有ったので、残り2冊もKindle版出して欲しい。
これがシリーズの最初なので、この後地球とAADDの対立やブラックホールの揺らぎから
ストリンガーの発見と意思疎通へ発展するので面白くなるのにな。
再読してみると、ミステリー要素が強いSF。
表題作はAIと人との外界の認識の仕方の違いが面白い。
2011年2月28日に日本でレビュー済み
林譲治 架空戦記ONLYの人だと思っていました。
ところがココに優れたハードSF作品の書ける作者がいた!
読後感として
非常に世界観が伝わる短編集でした。
書き味の淡々さも、人類の変革の触り方も、とても好感が持てます。
次作の「ストリンガーの沈黙」も購入してしまいました。
小川一水、野尻抱輔、にならぶ日本SFの旗手といっていいのではないでしょうか。
谷 甲州の航宙軍シリーズが好きだった方にもお勧めできます。
ところがココに優れたハードSF作品の書ける作者がいた!
読後感として
非常に世界観が伝わる短編集でした。
書き味の淡々さも、人類の変革の触り方も、とても好感が持てます。
次作の「ストリンガーの沈黙」も購入してしまいました。
小川一水、野尻抱輔、にならぶ日本SFの旗手といっていいのではないでしょうか。
谷 甲州の航宙軍シリーズが好きだった方にもお勧めできます。
2005年12月18日に日本でレビュー済み
数十年にわたる人工降着盤云々にまつわる宇宙開発の歴史を連作短編形式で描いています。連作短編形式にすることによって、政治や技術開発にまつわる問題を背景情報と割り切って読者に提示することで、テンポの良い物語に仕上がっていると思います。
それぞれの短編は、最後の作品を除いて、中心となる謎(事故原因、遭難理由、暗殺方法etc)が提示され、主人公たちその謎に取り組んでいくという構成になっています。
ただ提示される謎やその解決はバラエティに富んでいて飽きさせませんが、人物が類型化されていて個性に乏しいように思いました。
それぞれの短編は、最後の作品を除いて、中心となる謎(事故原因、遭難理由、暗殺方法etc)が提示され、主人公たちその謎に取り組んでいくという構成になっています。
ただ提示される謎やその解決はバラエティに富んでいて飽きさせませんが、人物が類型化されていて個性に乏しいように思いました。
2002年12月14日に日本でレビュー済み
かなりしっかりしたハードSFですが、それ以上にストーリテリング的に非常によくできたエンターテインメント作品集として評価したい。
「人工降着円盤」から膨大なエネルギーを取り出し、それを元にして人類が太陽系に進出した未来、というバックグランドは緻密に構築されていると思うし、収録されているそれぞれの短編の中で、そうした設定はたしかに効果的に利用されているのだけれど、年代記風に配列された、異なる時代を舞台にするそれぞれの物語が、ときにミステリ風の「謎解き」をメインとしていたり(ウロボロスの波動)、火星政府の要人を暗殺しようとする側とそれを阻止しようとする側を交互に描くスパイ・スリラー風の作品であったり(ヒドラの氷結)して、まずもって「小説として」バツグンに面白いのだ。
もちろん、作中のAADDの組織形態ユニークさなど、SFとしての仕掛けや大技、小技は随所に散りばめられてはいるのだけれど、そうした細かい部分をすっとばして読んでも、かなり楽しめる出来となっている。
「人工降着円盤」から膨大なエネルギーを取り出し、それを元にして人類が太陽系に進出した未来、というバックグランドは緻密に構築されていると思うし、収録されているそれぞれの短編の中で、そうした設定はたしかに効果的に利用されているのだけれど、年代記風に配列された、異なる時代を舞台にするそれぞれの物語が、ときにミステリ風の「謎解き」をメインとしていたり(ウロボロスの波動)、火星政府の要人を暗殺しようとする側とそれを阻止しようとする側を交互に描くスパイ・スリラー風の作品であったり(ヒドラの氷結)して、まずもって「小説として」バツグンに面白いのだ。
もちろん、作中のAADDの組織形態ユニークさなど、SFとしての仕掛けや大技、小技は随所に散りばめられてはいるのだけれど、そうした細かい部分をすっとばして読んでも、かなり楽しめる出来となっている。
2016年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんにちは、今回はウロボロスの波動を読んでみたので、少しだけ書き添えたいと思います。
文末での解説の小川一水先生も書かれていましたが、基本的に設定説明垂れ流し系の書き方です。
「この本は、まずこれだけの設定を丸呑みにせよと、冒頭いきなり読者に迫ってくる」
「無茶だと思う」
まさにその通りの感想を抱いたわけです。
私的に、巻末の小川先生の解説が一番面白かったです。しかしながら、それは本編あっての共感とも言うべき面白さですね。
設定や題材も宇宙的でワクワクしますが、上記の通りであり、演出も弱いので、ハリウッド的な盛り上がりを期待すると肩透かしを食らいます。
何と言いますか、読んでいると、煮込み切れていない牛すじを食べている様な感覚になります。いい材料を使っているし、いい匂いもしますが、口に入れてみると、あらら……?という感じでしょうか。
私には合いませんでしたが、宇宙モノのSFが好きで、小難しい設定を紐解いていくタイプが得意な方にはオススメ出来そうです。
最後までのご精読ありがとうございました。
文末での解説の小川一水先生も書かれていましたが、基本的に設定説明垂れ流し系の書き方です。
「この本は、まずこれだけの設定を丸呑みにせよと、冒頭いきなり読者に迫ってくる」
「無茶だと思う」
まさにその通りの感想を抱いたわけです。
私的に、巻末の小川先生の解説が一番面白かったです。しかしながら、それは本編あっての共感とも言うべき面白さですね。
設定や題材も宇宙的でワクワクしますが、上記の通りであり、演出も弱いので、ハリウッド的な盛り上がりを期待すると肩透かしを食らいます。
何と言いますか、読んでいると、煮込み切れていない牛すじを食べている様な感覚になります。いい材料を使っているし、いい匂いもしますが、口に入れてみると、あらら……?という感じでしょうか。
私には合いませんでしたが、宇宙モノのSFが好きで、小難しい設定を紐解いていくタイプが得意な方にはオススメ出来そうです。
最後までのご精読ありがとうございました。