過去編と未来編と現代編で構成された長編SF。
桜庭の父は理系の学者だったので、
本人は文系だが、科学解説書を夜伽話として育った桜庭には、
しっかりと本格SFの香りが漂ってます。
未来編がジェンダーSFとして凄い傑作である。
少女が存在しない素晴しい世界!
女性は存在するが、
幼女からあっと言う間に大女に成長してしまうのだ!
男性の方が小柄で性欲を持たず、
大女が男漁りする社会である。
少女というのは近代消費社会に作られた性でしかない。
経済消費の為の性、少女。
ヒット作品は若い女に受けないといけないのだよw
経済社会の為に作られ、壊れ、
買う立場から自らの肉体を売るようになる少女。
17世紀のドイツにタイムスリップした21世紀の女子高生が、
人間扱いされないのも素晴しい。
ドイツ人の10才の少女は、
17才の日本人の女子高生をケダモノだと認識する。
服を着ていたので人間かと思ったが、
服の役目を果たしてないミニスカートを自分の意思ではく人間なんているわけがない。
服を着せられた動物が女子高生。
言語を話しているようにも聞こえるが、
「いたぁい!」「きゃわいい!」「ありがと」「KY」等、
短い音節しか発しないので、動物の鳴き声と認識される。
近代経済社会では、売れる為には、
女子供を敵に回してはいけないという鉄則があるが、
女子供の両要素を持つ少女を、
科学的な正しい視線で馬鹿にした素晴しいSFである。
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ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA) 文庫 – 2005/10/7
桜庭 一樹
(著)
- 本の長さ375ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2005/10/7
- ISBN-104150308209
- ISBN-13978-4150308209
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2005/10/7)
- 発売日 : 2005/10/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 375ページ
- ISBN-10 : 4150308209
- ISBN-13 : 978-4150308209
- カスタマーレビュー:
著者について
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2000年デビュー。04年『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が、ジャンルを超えて高い評価を受け、07年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞を受賞。同書は直木賞にもノミネートされた。08年『私の男』で第138回直木賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 GOSICK IV-ゴシック・愚者を代弁せよ- (ISBN-13:978-4044281106)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この物語は第3部の60ページほどがすべて。
一人の女子高生の、彼女を取り巻く世界に対して抱く思いが、そこに凝縮されている。
第1部、2部はなが〜い序章的なものに過ぎない。
でも、その長い序章も興味深いストーリーで読ませてもらった。
魔女狩りの嵐吹き荒れる中世ドイツを舞台にする第1部、そして男女の性差が極端に変化している近未来のシンガポールが舞台の第2部との比較で
現代を舞台にした第3部の女子高生の思いが生きてきている。
残念なのは第1部の幼女は何者であり、何者になるのか、彼女を取り巻いていた魔術的な世界は何だったのかが描かれないままになってしまった事。
いつか別の物語で語られないだろうか。
それも含めて全体に語り不足という気がする。
歴史を管理する、強化老人なんて、言葉面だけでとても醜い印象が伝わってくるのに、書きこまれなくて残念だ。
そのせいだろうか。
少女の『せかい』はとてもちっぽけな世界じゃないかな、と感じてしまう。
それがすべてと思いながら終わっていく彼女の人生は哀れだ。
ところで、この本の装丁は非常に美しい。
青い空を表現しているのでしょうが、素晴らしい色です。
久しぶりに装丁、デザインに感動する書籍に出会いました。
ただし、帯を取ると文字の配置やらが変わり、やや感動が薄れましたけど。
だから帯のついているうちに買いましょう!
2012年8月25日追記です。
出版社が変わり表紙も変更。
あたりさわりのないものになりました。
デザイン的にはハヤカワ文庫の当初のものに軍配をあげたいと思います。
一人の女子高生の、彼女を取り巻く世界に対して抱く思いが、そこに凝縮されている。
第1部、2部はなが〜い序章的なものに過ぎない。
でも、その長い序章も興味深いストーリーで読ませてもらった。
魔女狩りの嵐吹き荒れる中世ドイツを舞台にする第1部、そして男女の性差が極端に変化している近未来のシンガポールが舞台の第2部との比較で
現代を舞台にした第3部の女子高生の思いが生きてきている。
残念なのは第1部の幼女は何者であり、何者になるのか、彼女を取り巻いていた魔術的な世界は何だったのかが描かれないままになってしまった事。
いつか別の物語で語られないだろうか。
それも含めて全体に語り不足という気がする。
歴史を管理する、強化老人なんて、言葉面だけでとても醜い印象が伝わってくるのに、書きこまれなくて残念だ。
そのせいだろうか。
少女の『せかい』はとてもちっぽけな世界じゃないかな、と感じてしまう。
それがすべてと思いながら終わっていく彼女の人生は哀れだ。
ところで、この本の装丁は非常に美しい。
青い空を表現しているのでしょうが、素晴らしい色です。
久しぶりに装丁、デザインに感動する書籍に出会いました。
ただし、帯を取ると文字の配置やらが変わり、やや感動が薄れましたけど。
だから帯のついているうちに買いましょう!
2012年8月25日追記です。
出版社が変わり表紙も変更。
あたりさわりのないものになりました。
デザイン的にはハヤカワ文庫の当初のものに軍配をあげたいと思います。
2014年12月25日に日本でレビュー済み
高校時代に『七竈と七人の可愛そうな大人』を読んで桜庭一樹さんにはまったのですが、この作品は自己満足で書いたような感じがして私には向かなかったかなと言う風に感じました。
最終章の舞台が鹿児島で私も鹿児島生まれ鹿児島育ちのものですが、桜島の噴火のくだりは納得ですが、方言があまりに違和感があって途中で読むのをやめました。鹿児島の高校生はそこまで方言をばんばん出さないですよ
最終章の舞台が鹿児島で私も鹿児島生まれ鹿児島育ちのものですが、桜島の噴火のくだりは納得ですが、方言があまりに違和感があって途中で読むのをやめました。鹿児島の高校生はそこまで方言をばんばん出さないですよ
2007年1月23日に日本でレビュー済み
2章から、冗長で途中読み飛ばしてしまった。
桜庭さんはキャラクターに人生哲学や世界の理を叫ばせるのがにがてなのではないか。と思った。
2章はとてもそういう部分が多いのだけど、キャラクターの語ることが、私はあまり興味深く思えなかった。
少女というクリーチャー、という概念も、そりゃ、桜庭さんはかわいい少女が好きなんでしょうけど、私も好きですけど、そういう風に分析したってあんま面白みがない。
ふーん、まあ、そうなのかなぁ。
って、あんまり興味のない話をぐりぐりと穿つように掘り下げられると、読み飛ばしたくもなってしまう。
桜庭さんはキャラクターに人生哲学や世界の理を叫ばせるのがにがてなのではないか。と思った。
2章はとてもそういう部分が多いのだけど、キャラクターの語ることが、私はあまり興味深く思えなかった。
少女というクリーチャー、という概念も、そりゃ、桜庭さんはかわいい少女が好きなんでしょうけど、私も好きですけど、そういう風に分析したってあんま面白みがない。
ふーん、まあ、そうなのかなぁ。
って、あんまり興味のない話をぐりぐりと穿つように掘り下げられると、読み飛ばしたくもなってしまう。
2011年6月16日に日本でレビュー済み
「私の男」のラインも面白いけど、この少女ラインもおもしろい。桜庭さんは時間軸の中を自由に飛び回っている。
2008年10月28日に日本でレビュー済み
著者の作品は初めてだったが、読み始めた途端、感心させられた。雰囲気のつくりかたがものすごく上手い。主として文体のなせるわざだと思うのだが、シャープな世界が緊張感を持って広がっていくのだ。ああ、これは評価されるだけの作家だなと好印象を与えられた。綺麗で透明な世界だ。
しかし、ストーリー、キャラクターという面では物足りなさを覚えた。もっと発想にオリジナリティが欲しいし、キャラクターも生きていない。なんだかもったいない。
ただ、そうした欠点を補ってあまりあるだけの力を持った作家だと思う。ほかの作品も読んでみたい。
しかし、ストーリー、キャラクターという面では物足りなさを覚えた。もっと発想にオリジナリティが欲しいし、キャラクターも生きていない。なんだかもったいない。
ただ、そうした欠点を補ってあまりあるだけの力を持った作家だと思う。ほかの作品も読んでみたい。
2008年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ライトノベル出身の作者が文芸の世界へとひた走っていく過程にあるような作品に仕上がっています。
コアなSFファンからすればもの足りない気持ちもあるかもしれませんが、
上手にアイディアを活かして、少女の持つ世界と社会の持つ大きな世界を描いている点が好印象です。
コアなSFファンからすればもの足りない気持ちもあるかもしれませんが、
上手にアイディアを活かして、少女の持つ世界と社会の持つ大きな世界を描いている点が好印象です。
2008年3月13日に日本でレビュー済み
少女を扱った三部構成の小説です。
第一部は、「第一の箱庭」と題され、魔女狩りが盛んな1627年のドイツが舞台です。
第二部は、「第二の箱庭」と題され、2022年のシンガポールです。
第三部は、2007年の鹿児島です。
この構成や、そこに提示される様々な概念は、非常に興味深いものがあります。次元の捉え方なども面白く描かれています。
更には、「少女」「青年」の性格付けは、こんな考え方もあるのかと驚かされます。
全体的に、面白い構成、概念の提示があるのですが、第一部に紙幅を取りすぎていたりして、バランスが良くありません。第二部、第三部をもっとしっかり書いたほうが良かったのではと思います。
第一部は、「第一の箱庭」と題され、魔女狩りが盛んな1627年のドイツが舞台です。
第二部は、「第二の箱庭」と題され、2022年のシンガポールです。
第三部は、2007年の鹿児島です。
この構成や、そこに提示される様々な概念は、非常に興味深いものがあります。次元の捉え方なども面白く描かれています。
更には、「少女」「青年」の性格付けは、こんな考え方もあるのかと驚かされます。
全体的に、面白い構成、概念の提示があるのですが、第一部に紙幅を取りすぎていたりして、バランスが良くありません。第二部、第三部をもっとしっかり書いたほうが良かったのではと思います。