無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-6) 文庫 – 2006/11/22
冲方 丁
(著)
灼熱の暗黒、失墜する魂
殺戮の果て、男の虚無への軌跡は終極に至る
ギャングの世代間抗争に端を発した拷問殺人の背後には、闇の軍属カトル・カールの存在があった。ボイルドらの熾烈な戦いと捜査により保護拘束されたナタリアの証言が明らかにしたのは、労組対立を利用して権力拡大を狙うオクトーバー一族の影だった。ついに牙を剥いた都市システムにより、一人また一人と命を落としていく09メンバーたち。そしてボイルドもまた、大いなる虚無へと加速しつつあった--暗黒と失墜の完結篇
殺戮の果て、男の虚無への軌跡は終極に至る
ギャングの世代間抗争に端を発した拷問殺人の背後には、闇の軍属カトル・カールの存在があった。ボイルドらの熾烈な戦いと捜査により保護拘束されたナタリアの証言が明らかにしたのは、労組対立を利用して権力拡大を狙うオクトーバー一族の影だった。ついに牙を剥いた都市システムにより、一人また一人と命を落としていく09メンバーたち。そしてボイルドもまた、大いなる虚無へと加速しつつあった--暗黒と失墜の完結篇
- 本の長さ350ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2006/11/22
- ISBN-104150308713
- ISBN-13978-4150308711
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
冲方 丁 Tow Ubukata
1977年岐阜県生まれ。早稲田大学中退。在学中の1996年に『黒い季節』がスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年の『マルドゥック・スクランブル』(ハヤカワ文庫JA)で第24回日本SF大賞を受賞、「ベストSF2003」国内篇第1位に輝く。以来、小説・コミック・アニメ・ゲームといったメディアを超えるエンターテインメントの創り手として注目を集めている。ホームページは、ぶらりずむ黙契録。http://www.kh.rim.or.jp/~tow
1977年岐阜県生まれ。早稲田大学中退。在学中の1996年に『黒い季節』がスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年の『マルドゥック・スクランブル』(ハヤカワ文庫JA)で第24回日本SF大賞を受賞、「ベストSF2003」国内篇第1位に輝く。以来、小説・コミック・アニメ・ゲームといったメディアを超えるエンターテインメントの創り手として注目を集めている。ホームページは、ぶらりずむ黙契録。http://www.kh.rim.or.jp/~tow
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2006/11/22)
- 発売日 : 2006/11/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 350ページ
- ISBN-10 : 4150308713
- ISBN-13 : 978-4150308711
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,704,955位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1977年岐阜県生まれ。早稲田大学在学中の1996年に『黒い季節』で第1回スニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年、第24回日本SF大賞 を受賞した『マルドゥック・スクランブル』などの作品を経て、2009年、天文暦学者・渋川春海の生涯を描いた初の時代小説『天地明察』で第31回吉川英 治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞し、第143回直木賞の候補となる(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『マルドゥック・スクランブル』(ISBN-10:4152091533)が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
そこまでやるかと言う徹底的な猟奇的暴力シーンが圧倒的など迫力。単語をぶつ切りにするスタイルは乾いたハードボイルドタッチでグロテスクさを緩和するが、まともに想像するのすらはばかられる悪趣味な残虐さが際立っている。が、この偏執狂的暴力シーンの連続は、ボイルドが人間性を喪失してウフコックを濫用するに至る様を真摯に追及した結果と読めた。凄惨な拷問と処刑を繰り返すカトル・カールに対抗して生き残るため、人間性を捨て虚無へと突っ走るボイルドだが、死を目前にしておぞましい姿のナタリアに向けた最後の人間らしい愛情を示すのが、より一層空しさを増幅した。何しろ彼女の亡骸を文字通りの生物兵器として敵を葬るのだから。最終的に敵も味方も皆殺しにするボイルドが、何のために戦うのか、と言う哲学的問いに答えられずに終わるラストは、この上なく苦く救いのないものだったが、この途方もない物語を自身に変調を来しながら描き切った作者の闘魂に拍手を送りたい。
2014年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第3巻に至って物語の様相はかなり変化した印象。「09チーム」v.s.「カルト・カール」を基軸にしつつ,中盤からはボイルドが虚無と破滅へと落ちていくストーリーがクローズアップされている。
ボイルドがウフコックと別れなければならない理由は,あまりに切ない。表面上は暴力的で過激な描写が多いが,心理的には実にやるせなくて悲しい物語だ。謎が明らかにされる度に「なぜ・・・?」と思い,立ち向かって解決するにはあまりに巨大な「何か」を感じる度に「そんな・・・・」とあえぐ。もがき苦しみながらも虚無へと失墜せざるを得ないボイルドの姿は,あまりにも哀れだ。
読み終えた後,なんとも表現しがたい無力感に苛まれた。
ボイルドがウフコックと別れなければならない理由は,あまりに切ない。表面上は暴力的で過激な描写が多いが,心理的には実にやるせなくて悲しい物語だ。謎が明らかにされる度に「なぜ・・・?」と思い,立ち向かって解決するにはあまりに巨大な「何か」を感じる度に「そんな・・・・」とあえぐ。もがき苦しみながらも虚無へと失墜せざるを得ないボイルドの姿は,あまりにも哀れだ。
読み終えた後,なんとも表現しがたい無力感に苛まれた。
2017年7月24日に日本でレビュー済み
人間の汚さと愚かさをぶちまけるような、作者の血肉を削って書き上げた作品。なぜそうまでしなければならないか私には理解できない。
ボイルドの虚無は、読み手にこそ救われ理解されると思う。私はこの作品を読んで、二度と観る事は無いであろうダンサーインザダークを思い出した。
ボイルドの虚無は、読み手にこそ救われ理解されると思う。私はこの作品を読んで、二度と観る事は無いであろうダンサーインザダークを思い出した。
2014年2月12日に日本でレビュー済み
傑作マルドゥック・スクランブルの前日譚であり、
その傑作と対になる物語でもあるのが本書である。
ヴェロシティでは誰も救われない。
ただ虚無=死に至るだけだ。
“ハードでなければ生きていけない。紳士でなければ生きるに値しない”
タフガイであるボイルドが紳士さを無くしたとき、物語は終わる。
希望=“スクランブル/変調/バロット”
絶望=“ヴェロシティ/速度/ボイルド”
二つの望みは円をなし、読者を挑発し、未来を幻視する。
そして小説がもつ有用性を証明する小説の誕生を促すだろう。
さて、マルドゥック・アノニマスを楽しみに待つことにしようか。
その傑作と対になる物語でもあるのが本書である。
ヴェロシティでは誰も救われない。
ただ虚無=死に至るだけだ。
“ハードでなければ生きていけない。紳士でなければ生きるに値しない”
タフガイであるボイルドが紳士さを無くしたとき、物語は終わる。
希望=“スクランブル/変調/バロット”
絶望=“ヴェロシティ/速度/ボイルド”
二つの望みは円をなし、読者を挑発し、未来を幻視する。
そして小説がもつ有用性を証明する小説の誕生を促すだろう。
さて、マルドゥック・アノニマスを楽しみに待つことにしようか。
2006年11月26日に日本でレビュー済み
『マルドゥック・スクランブル』を読んでいたら、ボイルドとウフコックが袂を分つエピソードについて触れられていた。
かつての盟友が殺し合わなければならなかったのはなぜか。
その理由を知りたかった。その結果が変らなくても。
だから、『マルドゥック・ヴェロシティ』を読むことにした。
ボイルドは圧倒的な速度で臨界点を突破し、自身の虚無に呑み込まれる。
これは、ボイルドが死の瞬間に見た、生という一時の夢の話だ。
非情だけれど、希望を見出すことは難しい。
ボイルドが絶望する様を、そしていつしかその絶望にさえ麻痺していくのを、ぼくは見た。
ここにいるのは虚無たちだ。
人外の肉体と精神を持つ、虚無たちの物語だ。
まともな奴なんて誰もいない。
全員が全員狂っている。救いを求め、虚無に呑み込まれる。
ぼくは虚無たちが何を思ったのか興味を持った。
でも、それは叶わない。
これはボイルドの物語だから。
この本を手に取る人は、『マルドゥック・スクランブル』も是非読んでほしい。
もし希望を見出したいのなら。
かつての盟友が殺し合わなければならなかったのはなぜか。
その理由を知りたかった。その結果が変らなくても。
だから、『マルドゥック・ヴェロシティ』を読むことにした。
ボイルドは圧倒的な速度で臨界点を突破し、自身の虚無に呑み込まれる。
これは、ボイルドが死の瞬間に見た、生という一時の夢の話だ。
非情だけれど、希望を見出すことは難しい。
ボイルドが絶望する様を、そしていつしかその絶望にさえ麻痺していくのを、ぼくは見た。
ここにいるのは虚無たちだ。
人外の肉体と精神を持つ、虚無たちの物語だ。
まともな奴なんて誰もいない。
全員が全員狂っている。救いを求め、虚無に呑み込まれる。
ぼくは虚無たちが何を思ったのか興味を持った。
でも、それは叶わない。
これはボイルドの物語だから。
この本を手に取る人は、『マルドゥック・スクランブル』も是非読んでほしい。
もし希望を見出したいのなら。
2013年2月18日に日本でレビュー済み
一部の登場人物の年齢設定に違和感があるのは、続編への伏線なのでしょうか? 特に、あのデブのオバチャン。整形して実年齢より若く見えると解釈しなければ、つじつまが合わない気がするが、そう考えても「だったら、あの体型も何とか出来るっしょ?」という矛盾もある。 ただ、この辺の疑問は続編でも謎のままかもしれませんね…。
2007年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
複雑で錯綜した全ての物語、現れた人物、成した行為
その全てが反転して飲み込まれる。
まるでウフコックが道具を吐き出し、約束された最後の姿体現するかのように
信頼と絆、裏切りと拒絶
全てが喰らい合い零となる最終巻
しかし残った物はある、スカスカになった頭にわずかな快感が残った。
その全てが反転して飲み込まれる。
まるでウフコックが道具を吐き出し、約束された最後の姿体現するかのように
信頼と絆、裏切りと拒絶
全てが喰らい合い零となる最終巻
しかし残った物はある、スカスカになった頭にわずかな快感が残った。
2010年4月15日に日本でレビュー済み
マルドゥック・スクランブルの前日譚の最終巻。いよいよ、主人公、ディムズデイル・ボイルドの戦いが終わりを告げる。
カトル・カールとの戦い、仲間の裏切り、そしてさらにはウフコックとの別れ。マルドゥック・スクランブルにようやくつながる。
全編、血塗られた暴力に彩られているが、そこに潜む虚無感。単なるバイオレンスアクションではない。
第三作も出るようなので、期待したい。
それと、なぜかこの本は著者のサイン入り。お気に入りの一冊になりそう。
カトル・カールとの戦い、仲間の裏切り、そしてさらにはウフコックとの別れ。マルドゥック・スクランブルにようやくつながる。
全編、血塗られた暴力に彩られているが、そこに潜む虚無感。単なるバイオレンスアクションではない。
第三作も出るようなので、期待したい。
それと、なぜかこの本は著者のサイン入り。お気に入りの一冊になりそう。