マリウスのぼやき、今回はなぜかしんみりした気持ちで読んでしまいました。
やっぱり一国の王にさせられたり、大嫌いな「責任を取る」「束縛される」ことを強要されそうな大変なシチュエーションですから、マリウスが騒ぎ立てるのも無理はないなと思います。
魔道で支配したがってウズウズしてるこわーい人がまわりにいっぱいいますしね。
ああ気の毒。
しかも「聞き飽きた」とか「くどい」とか「結論を言え」と怒りそうなヒトにはもう言わず、ちゃんと自分の話を聞いてくれそうな人に向かってえんえんとボヤいているあたり、腐ってもマリウス、さすがです(笑)。
ナリスもきっと黄泉で苦笑していることでしょう。
こんなしょーもない(だけど素晴らしい)弟を抱えてほんとに苦労したねえ、お兄ちゃん・・・。ナリスの不在がいまだに重いし辛いんですけど、生きてる者には「生活」がありますからね。新しい展開を前に「ナリスもきっと一緒にびっくりしてるよね」って思いながら読んでいます。
そしてグインがヴァレに向かってリンダに懸想しているのかとなにげに聞いちゃうあたり、うわーきたよきたよー!とワクワクです。リンダもまんざらではないようですし、作者一流の鬼のような巻末の「引き」にはやられました。
栗本先生、あとがきで書いておいでのように、まじで働きすぎだとは思うのですが、早く次を出してくださいっ! 続きが読みたくてたまりませんっ! 印刷所と取次ぎと宅急便屋と本屋さんは可及的速やかに本をならべてくださいね。
次回、リンダが「なぜナリスとの間に子どもができなかったのか」衝撃の真実を知らされてビックリしてほしいですよ。いい加減わかろうよ。うわー。つか知らないでいるのオマエだけやん! いくらなんでもお姫様すぎ。ナリスの策士めええ。
そして謎の女神アウラとは?
グインは催眠術の効果が出るのか?ヨナ先生に打開策はあるのか?
わくわくどきどきを久しぶりに感じました。
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クリスタルの再会 (ハヤカワ文庫JA ク1-118 グイン・サーガ118) (ハヤカワ文庫 JA ク 1-118 グイン・サーガ 118) 文庫 – 2007/12/7
ガンダルは豹頭王に看取られ大往生を遂げたが、その最後の反撃にグインも重傷を負う。マーロールはグインに代わり、タイス伯爵への裁きを上申し、タイ・ソンは失脚、マーロールが新たなタイス伯爵となる。そして後夜祭の夜、脱出作戦が始まった。地下水路を通っての脱出行は困難をきわめ、巨大ワニの出現に絶体絶命の窮地に陥ったところをヴァレリウスに救われる。夜が明ける頃、一行は、パロを目ざして、船上にあった。
- 本の長さ305ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2007/12/7
- ISBN-104150309116
- ISBN-13978-4150309114
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2007/12/7)
- 発売日 : 2007/12/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 305ページ
- ISBN-10 : 4150309116
- ISBN-13 : 978-4150309114
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,111,591位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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別名に中島梓。東京生まれ。
早稲田大学文学部卒。1977年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。
1978年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。
小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。1979年よりスタートした、ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成したが、2009年著者病没により130巻が最終巻となった。著書は『弦の聖域』、『魔界水滸伝』、『真夜中の天使』など、400冊を超える。
カスタマーレビュー
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上位レビュー、対象国: 日本
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2007年12月8日に日本でレビュー済み
読者にとって悪夢のような長い長いタイス編が嘘のように、
あっという間にあっけなく再会!
国際情勢に戻ってきて、やっと一安心、
これからおもしろくなるぞという期待の巻。
前半はヴァレリウスとマリウスの会話が異様に長い。
ヴァレってしゃべり好きとはいえ、
ちょっと今までとキャラ違うんじゃないの?とやや心配になった。
とにかく今年のうちにタイス編にピリオドを打ち、
リンダに会えたことが喜ばしい。
来年はかつてのおもしろさを取り戻し、
どんどん話が展開していくグインサーガを期待したい。
あっという間にあっけなく再会!
国際情勢に戻ってきて、やっと一安心、
これからおもしろくなるぞという期待の巻。
前半はヴァレリウスとマリウスの会話が異様に長い。
ヴァレってしゃべり好きとはいえ、
ちょっと今までとキャラ違うんじゃないの?とやや心配になった。
とにかく今年のうちにタイス編にピリオドを打ち、
リンダに会えたことが喜ばしい。
来年はかつてのおもしろさを取り戻し、
どんどん話が展開していくグインサーガを期待したい。
2023年8月19日に日本でレビュー済み
タイトル通りにこの118巻で一行はようやくパロへ到着する。とはいえ何かが起きるということもなく、特記すべき出来事と言えばこれまで同行していたブランが本当の主の許へと去って行ったことくらいだ。それ以外は殆どがグインと他の誰かとの会話で占められている。それはヴァレリウスであったり、ブランであったり、マリウスであったり、あるいはパロのリンダであったりするのだが、会話の多くの部分もこれまでの繰り返しが多い。つまりはこの巻は次の新たな段階へ進む前の「これまでのおさらい」的な内容だと捉えて良いのだろう。
2007年12月17日に日本でレビュー済み
パロに到着しましたね。やっとこさリンダとグインは接触します。
今後の展開への伏線も見られ、ある意味グイン・サーガの中でも重要性のある巻かなと思うのですが。
ブランとグインの別れは、「まっすぐな」男同士が、立場や背負った利害を超えたところで理解しあえるという、美しくも理想的な情景を描いています。
栗本さんのお好きな男同士の関係の一パターンですよね。(もひとつは「やおい」なんですけど...。)
特にグイン・サーガには、グインはもちろん、カメロン、スカール、マルコ(少しダークサイドにはまりつつありますが)、オロなど、まっすぐで男気のある方々がたくさん登場して、それぞれに固い友情と信頼関係を築いていきますね。
おっと、忘れてはいけないドードーもそうですね。
タイスで出てきたドーカスもそうかな、ある意味ガンダルもその種の男だったかも。
言うまでもなくケイロニアにはそんなタイプの男がつくだ煮にするほどいますし。
「三国志」的な男同士の関係が散見され、グイン・サーガとはやっぱり栗本さんの描く「三国志」なのでしょう。
ブランの出奔はこの巻のハイライトではなかったでしょうか。
ぐちぐちと立ち位置の決まらないマリウスの鬱陶しさやら、やたらと小細工を弄するヴァレリウスの小賢しさと対比するとより際立ちますよね。
もひとつ、同じ男をかつて愛したリンダとフロリーの関係が「女同士」のちょっと複雑な部分をのぞかせて、男同士の「すずやかさ」と比して、なかなか面白い対比だったと思います。
今後の展開への伏線も見られ、ある意味グイン・サーガの中でも重要性のある巻かなと思うのですが。
ブランとグインの別れは、「まっすぐな」男同士が、立場や背負った利害を超えたところで理解しあえるという、美しくも理想的な情景を描いています。
栗本さんのお好きな男同士の関係の一パターンですよね。(もひとつは「やおい」なんですけど...。)
特にグイン・サーガには、グインはもちろん、カメロン、スカール、マルコ(少しダークサイドにはまりつつありますが)、オロなど、まっすぐで男気のある方々がたくさん登場して、それぞれに固い友情と信頼関係を築いていきますね。
おっと、忘れてはいけないドードーもそうですね。
タイスで出てきたドーカスもそうかな、ある意味ガンダルもその種の男だったかも。
言うまでもなくケイロニアにはそんなタイプの男がつくだ煮にするほどいますし。
「三国志」的な男同士の関係が散見され、グイン・サーガとはやっぱり栗本さんの描く「三国志」なのでしょう。
ブランの出奔はこの巻のハイライトではなかったでしょうか。
ぐちぐちと立ち位置の決まらないマリウスの鬱陶しさやら、やたらと小細工を弄するヴァレリウスの小賢しさと対比するとより際立ちますよね。
もひとつ、同じ男をかつて愛したリンダとフロリーの関係が「女同士」のちょっと複雑な部分をのぞかせて、男同士の「すずやかさ」と比して、なかなか面白い対比だったと思います。
2008年2月26日に日本でレビュー済み
前半はヴァレリウスが喋りすぎでマリウスが大人しすぎと、
ちょっと調子が出てない展開でしたが、
ブランとグインの別れ部分は良かったです!
こういう忠誠心にぐっときますね。
そしてリンダとスーティの初対面。
スーティの、子どもとはいえ不躾な発言に、
まるでわたしもおつきの者のように、はらはらしながら読みました。
ほんと、リンダはサバサバしていていいですね。
なんだか空気感が違います。
これからはてきぱき話が進む(?!)ことでしょう。
でも、今になってもやっぱり思うんですが、
タイス編ってメインストーリーに必要でしたか??
大きく遠回りしたのはグイン一行だけだったと思いたいのですが。
ちょっと調子が出てない展開でしたが、
ブランとグインの別れ部分は良かったです!
こういう忠誠心にぐっときますね。
そしてリンダとスーティの初対面。
スーティの、子どもとはいえ不躾な発言に、
まるでわたしもおつきの者のように、はらはらしながら読みました。
ほんと、リンダはサバサバしていていいですね。
なんだか空気感が違います。
これからはてきぱき話が進む(?!)ことでしょう。
でも、今になってもやっぱり思うんですが、
タイス編ってメインストーリーに必要でしたか??
大きく遠回りしたのはグイン一行だけだったと思いたいのですが。
2007年12月10日に日本でレビュー済み
112巻「闘王」からグインに違和感を感じだし(特にセリフ)、
今回は他のキャラもにもかなり違和感を感じた(セリフだけじゃなく)。
「いやいやいやいや」って、今までそんな喋り方してたっけ?
ブランの去り際は無駄に長い気がしたし。
マリウスの王室嫌いの理由も読み飽きた。
たまには違うこと言え。
一見(一読か)、話が進んだかのように思えるけど、
実はそれほど話は進んでいないような気がする。
今までグインは出る度ずっと買って読んできたけど、
こういう展開が続くのなら、しばらくのあいだファンを
辞めるのもいいかなあ、と真剣に考えている今日この頃。
私が生きている間に完結しそうにないんだよね、今のままじゃ。
10年か20年後、気が向いたときに改めてグインを手に取る。
改めて手に取ったとき、グインが完結していたら読む。
本気でそんなことを考え出している。
どうでもいいことですが、後書きに書かれていた
ペリー・ローダンは本国ドイツじゃ週刊だったはず。
今回は他のキャラもにもかなり違和感を感じた(セリフだけじゃなく)。
「いやいやいやいや」って、今までそんな喋り方してたっけ?
ブランの去り際は無駄に長い気がしたし。
マリウスの王室嫌いの理由も読み飽きた。
たまには違うこと言え。
一見(一読か)、話が進んだかのように思えるけど、
実はそれほど話は進んでいないような気がする。
今までグインは出る度ずっと買って読んできたけど、
こういう展開が続くのなら、しばらくのあいだファンを
辞めるのもいいかなあ、と真剣に考えている今日この頃。
私が生きている間に完結しそうにないんだよね、今のままじゃ。
10年か20年後、気が向いたときに改めてグインを手に取る。
改めて手に取ったとき、グインが完結していたら読む。
本気でそんなことを考え出している。
どうでもいいことですが、後書きに書かれていた
ペリー・ローダンは本国ドイツじゃ週刊だったはず。
2007年12月16日に日本でレビュー済み
やっとパロに着きました。
この巻は、何と言っても、グインとリンダの再会です。
最初に会った時、グインに浮かんだ不思議なイメージは何なのでしょうか?将来を予知するものなのでしょうか。
そして、二人だけであった時、手を触れた途端に二人に浮かんだ大宇宙、過去、未来の映像。これは、リンダのこのグインのサーガに置ける役割の大きさを表すものでしょう。おまけにリンダのグインに対する恋心も明らかになり、シルヴィアがいなくなるとどうなるのでしょうか。
この巻は、いくつかのエピソードを繋ぐ巻なのですが、将来のグイン・サーガを予見するような大事な出来事や会話が行われているように思います。
残念だったのは、マリウスの繰言が何度も繰り返されることです。マリウスのキャラではあるのですが、読む側からすると「くどい」と言いたくなります。
この巻は、何と言っても、グインとリンダの再会です。
最初に会った時、グインに浮かんだ不思議なイメージは何なのでしょうか?将来を予知するものなのでしょうか。
そして、二人だけであった時、手を触れた途端に二人に浮かんだ大宇宙、過去、未来の映像。これは、リンダのこのグインのサーガに置ける役割の大きさを表すものでしょう。おまけにリンダのグインに対する恋心も明らかになり、シルヴィアがいなくなるとどうなるのでしょうか。
この巻は、いくつかのエピソードを繋ぐ巻なのですが、将来のグイン・サーガを予見するような大事な出来事や会話が行われているように思います。
残念だったのは、マリウスの繰言が何度も繰り返されることです。マリウスのキャラではあるのですが、読む側からすると「くどい」と言いたくなります。
2007年12月7日に日本でレビュー済み
前作でタイス編を終了したグイン・サーガ。
本編では、記憶を取り戻すために旅立ったグインの最初の目的地であるパロへ、魔導師宰相ヴァレリウスの手配のもと無事辿り着きます。タイトルにあるクリスタルの再会は、当然ながらケイロニア王のグインとパロのリンダ王女との再開を指しています。この長い長い物語の最初に出会った、グインとリンダ。シチュエーションは奇しくもグインが記憶を失い、リンダが苦境にあるという大枠では同じシチュエーション。ただひとつの違いは、当時はまだまだ十四歳で男勝りでおてんばだったリンダが、一人の成熟した女性(とはいえ未亡人でありながら彼女はまだ僅かに21歳ではあるのだけれど)になっていたという部分。それが今後の物語にどんな展開を与えるのかが今後の読みどころといった所でしょう。ニュアンス的にもそれらしい描写が出て来ますし。
著者御本人もおっしゃられているように、今回は間奏曲のような感じで「流れ行く雲」のとき同様に、それぞれの人物が今迄とこれからに想いを馳せる事がメインの大きな動きはない巻ですが、ブランの決断や、グインの記憶の謎や、二人が接触することで呼び覚まされる何か、などなど今後振り返ってみたときに「あれはつまりそういうことだったんだな」となる伏線が張られた巻でした(あとくどいくらいに現状確認がされるのは最近の悪い癖かも知れません)。
個人的には、ヴァレリウスとリンダがひさびさに人間くさく書かれていたのが楽しい一巻でした。
本編では、記憶を取り戻すために旅立ったグインの最初の目的地であるパロへ、魔導師宰相ヴァレリウスの手配のもと無事辿り着きます。タイトルにあるクリスタルの再会は、当然ながらケイロニア王のグインとパロのリンダ王女との再開を指しています。この長い長い物語の最初に出会った、グインとリンダ。シチュエーションは奇しくもグインが記憶を失い、リンダが苦境にあるという大枠では同じシチュエーション。ただひとつの違いは、当時はまだまだ十四歳で男勝りでおてんばだったリンダが、一人の成熟した女性(とはいえ未亡人でありながら彼女はまだ僅かに21歳ではあるのだけれど)になっていたという部分。それが今後の物語にどんな展開を与えるのかが今後の読みどころといった所でしょう。ニュアンス的にもそれらしい描写が出て来ますし。
著者御本人もおっしゃられているように、今回は間奏曲のような感じで「流れ行く雲」のとき同様に、それぞれの人物が今迄とこれからに想いを馳せる事がメインの大きな動きはない巻ですが、ブランの決断や、グインの記憶の謎や、二人が接触することで呼び覚まされる何か、などなど今後振り返ってみたときに「あれはつまりそういうことだったんだな」となる伏線が張られた巻でした(あとくどいくらいに現状確認がされるのは最近の悪い癖かも知れません)。
個人的には、ヴァレリウスとリンダがひさびさに人間くさく書かれていたのが楽しい一巻でした。