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ハイドゥナン 1 (ハヤカワ文庫 JA フ 2-4) 文庫 – 2008/5/1

4.4 5つ星のうち4.4 16個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2008/5/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/5/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 393ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 415030923X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4150309237
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 16個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2019年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
沖縄を舞台にした小説は数多いが、本書はその中でも極めて珍しいSFである。理系チックな話が多く、若干とっつきにくいところがあるのだが、宇宙をも舞台にした壮大な世界観が明らかになってからは、すっかりのめり込んでしまった。私はSFをほとんど読まないのだが、本書は実に知的であり、世のインテリが愛読書としてSFを取り上げる理由が分かった気がする。

本書がその中でもユニークなのは、沖縄、しかもその中でも特異なエリアである与那国を舞台にしているところである。著者は相当丹念に与那国を取材しているようであり、本書を読むと与那国の風景が脳裏に浮かび上がってくる気がする。また、本書を読み、ダイビングやスノーケリングにも関心を持った。

とてつもなく壮大なスケールを持つこのSFが2巻以降どのように展開していくのか、楽しみで仕方がない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年5月12日に日本でレビュー済み
’05年、「SFが読みたい!」国内編ベストSF第4位にランクインした、藤崎慎吾の、構想に5年、執筆に3年を費やしたといわれる2000枚を超える大長編。

「2032年、奄美大島から与那国島にわたる南西諸島に、未曾有の地殻変動によって沈没の危機が迫る。」こんな予備知識で読み始めた。すわ『日本沈没』『死都日本』『深海のYrr』を彷彿とさせるパニック巨編か、はたまたハリウッド映画ばりの大災害エンターテインメントかと思っていると実は、テクノロジーや災害の悲惨さを超えたところを描ききった物語だった。

なるほど深海調査船<しんかいFD>をはじめとするハードウェアや、この危機を食い止めようと独自のISEIC(圏間基層情報雲)理論を元に6人の異なる分野の科学者たちが乗り出す。またそればかりではなく、進歩したさまざまな未来の科学技術・理論を興味深く読むことができる。

しかし物語の主人公は「色を聞いたり音を味わったりすること」ができる“共感覚”をもつ青年岳史と、与那国島で神の声を聞いたり、雨乞いの儀式で「本当に雨を降らして」しまうことのできたりする若い“ムヌチ(巫女)”柚である。彼らが‘神の遣い手’となり、島々を救おうと煩悶し、そして自らの幸せを願うのだ。最終的には科学者たちも彼らの“能力”に頼ることになるのである。そこには前述の諸作品にあるような政府や軍の関与やスケールの大きい凄惨な描写は最小限に抑えられており、伝奇小説の趣さえ漂う。

本書からは、藤崎慎吾の科学ジャーナリスト出身らしい豊富な知識と綿密な取材に加えて、日本古来の“神々の領域”に踏み込んだ豊かな想像力を読み取ることができる。

ともあれ本書は、リアリティあふれる近未来最先端の科学技術と、和製SFらしい“神がかり”とを融合させた大作である。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年8月2日に日本でレビュー済み
最初から最後まで、あっという間に読み終えた。

沖縄を舞台にしたSF、沈没もの。マッドサイエンティストたちがカッコいい。

2巻以降が楽しみ。