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豹頭王の苦悩 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-122 グイン・サーガ 122) 文庫 – 2008/8/1
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- 本の長さ316ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2008/8/1
- ISBN-104150309310
- ISBN-13978-4150309312
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2008/8/1)
- 発売日 : 2008/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 316ページ
- ISBN-10 : 4150309310
- ISBN-13 : 978-4150309312
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- カスタマーレビュー:
著者について
別名に中島梓。東京生まれ。
早稲田大学文学部卒。1977年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。
1978年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。
小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。1979年よりスタートした、ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成したが、2009年著者病没により130巻が最終巻となった。著書は『弦の聖域』、『魔界水滸伝』、『真夜中の天使』など、400冊を超える。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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好きだったキャラはもう遥か昔に作中で亡くなっていますし
残ったキャラで好きなキャラも今は登場していませんから。
だから今の第三者的な視点で読めるのは嬉しかったりします。
それだけ本編の展開がキツイ。
しかし陰鬱なお話です。この巻にメインで出てくるキャラのファンはきつかっただろうなあ。
シルヴィア様は割りと好きな当方、結構きつくて泣き出しそうになりましたから。
父にも母にも国民にも愛されない可哀相な人。
自分の子供すら自分で運命を決めることが出来なかった悲劇の女性。
正直いって自分の好きだったアムネリスよりも遥かに哀しい人生だったかもしれない。
一番この本で興味深いのはハゾス。
グインを神のように崇め自分の理想像のように当てはめているのですが
よく読んでみるとグインの人間性なぞまったく無視しているのが透けて見えます。
(シルヴィアの人間性をまったく無視しているのと同様)
グインがどうしてシルヴィアを妻に娶ったのかあれこれ推量して
結局グインのことを女を知らないと断罪しているのは滑稽というよりも哀れ。
結果的にグインを馬鹿にしているのに気付いていないのも・・・。
この人がグインの側近にして宰相・・・将来の足かせになる予感です。
シルヴィアとグインの最後のやりとり・・・もはや売り言葉に買い言葉のシルヴィアを見て
グインは自分の間違いに気がつきます。
同情で人を愛することも人と結婚することも間違いである。
同情と憐れみでは人は救えないという事実がこの本の空気を一気に重くしています。
心理小説として☆4
どうもこの巻は店頭での売れ行きが良くて手に入れるのに何軒か探しました。
ヒロイック・ファンタジーではなくて、現代人の純文学っぽい巻でした。
グインは自分は誠実だ、こんなにも妻のことを心配しているんだと言いながら、実のところ殆んど相手を理解しようとしていないように思えます。
確かに深刻な状況ですが、やはりそこから目を逸らして真実を見ないようにしているように感じます。
シルヴィアちゃんのやったことに対しては誰もが非難するのが当然でしょうが、私はそんなにひどいことをしでかしたようには思えないなあ。
緩慢な自殺行為というか、本人の言うとおり周りへのあてつけということですよね。
グインに対してシルヴィアが最後に自分の思いのたけをぶちまけているところを読んでいたら、不覚にも涙ぐんでしまいましたよ。
またそういうタイミングのときに、私の旦那様が北京オリンピックがどうのなんぞという話をふってくるからうるさーい話の盛り上がっているときに話しかけるなと怒ってしまった。
え、何泣いてんのと戸惑った旦那は、えー本なんかで泣くわけ?一体何読んでんの?と言ったあげくに文庫本を見せたら、
「グイン・サーガで泣くなんてやつは馬鹿でえーい」と言って寝室に引き上げて行った。
ああ、ここにも無理解な夫が一人いるなあ。
まああんまり理解されてもまた不気味かもしれないが。
しかし生まれた子供はまたも身体障害者ですか。
お姉さんのところもそうだし、これってやはりこの皇帝家の血筋じゃないですか。
というかアキレウス帝はそういうのが好きなんじゃないか?
愛人のロベルト君も盲目なわけだし、ある意味グイン自信だって身体障害者と言えなくもないんだし。
赤ちゃんはこのまま養子に出されたままということはないよね?
でなければわざわざ身体障害者だというような設定にする必要は無いわけだし。
あと117頁の最後の3行は誤植というか、書き間違いですよね。
重めの物語となっている。
ケイロニアに戻ったグインに襲い掛かる問題。
王として、夫として、妻に向き合おうとするグイン。
完全にすれ違い状態となる夫婦中。
国家の大事とばかりに策略も練られるが、
気持ちの問題ばかりは計算どおりにはいかない。
主人公グインの行動に注目なのです。
確かに血沸き肉踊る展開とは程遠いのだけど、これまでの
シルヴィアの奇行の理由がわかったというか、
こういう復讐のしかたもあるんだ、
やっぱりシルヴィアはシルヴィアだったのだなあ、という自分のなかで
妙に納得できた巻でした。
そしてまた迷走しているようにみえて、着実にこのグインサーガも
筆者が思い描いている最終的なものに近づいているような、
そんな気もしました。
この巻の最後の一行には驚きましたが、長い目で、
今後をじっくり見守りたいと思います(^^)
ただ消化試合的に読み飛ばしていて、
それにしても3/4ぐらいまで読んで、
あまりの内容のつまらなさに
「もうグインを読むのはやめようか」とまで苦悩していたけど、
最後の2ページを読んでちょっと救いの目が出てきた。
タイス編から続く悪夢のようなつまらないグインサーガが、
今度こそおわり、次巻からおもしろいグインが復活するのではないかと。
マリウスの愚痴、リンダの愚痴、ヴァレリウスの愚痴が終わったと思ったら、
この巻はただひたすらハゾスの愚痴。
ロベルトが出てくるシーンが唯一おもしろいが、
延々どうしようもない繰り言が繰り返され、
「シルヴィア事件で何巻また引っ張る気だ」
と読んでてムカついてきたのだが、
最後の2ページで救われました。
「豹頭王の苦悩」が終わるとき、
長らく続いた「読者の苦悩」が終わる巻であってほしい。
そんな期待が最後にあります。
逆にいうとこの巻は最後の2ページだけ読めば十分です。
ちょっとあっさりして見えておもしろくなかったです。
奥さんにそんなこといわれたら、自分でも力はぬけてしまうけど、
グインなんだから、もうちょっとこうパワー爆発みたいなところを
見たかった。
グイン・サーガはときどき、目立たないひとが急に目立つことがありますね。
オリーおばさんだったり、フロリーだったり、ヨナだったり。
この巻は、ロベルトとパリス。
そちらはとてもおもしろかったです。
ハゾスは、ハゾスで、ヴァレリウスかと思ってしまった。
次の巻はそろそろ新展開なんでしょうね。
外伝読んでないので、そちらをまず読んでみますかね。
こういう内容であることは分かっていても、20年以上楽しみに読み続けてきた物語から降りるわけにもいきません。
もしかして栗本さんは結末を書き終えてご自身が他界した際の準備を終えており、あとは自分が一番書きたいヒーロー・ヒロインたちの陰鬱とした内面を好きなだけ書き続ける気なのではないでしょうか?
不謹慎ですがこうだとでも思っていないと、このまま今のような内容が続いてある日突然中断するという不安を解消できません。